京料理人中川善博の時間 「お料理が上手になりたい」人への責任感 の記事に、続けて書きたかったことです。
それは、塾生さんたちに対する愛情の深さです。
私が京料理人中川善博さんを知ったのは、2005年8月にブログを開設してからほどなくしてのこと。
当時のExciteブログに美しいお料理写真が載っていて、一度でファンになりました。
中川さんは、私より1年ほど早くブログを始めておられましたので、その過去記事を最初から全部読んで唸りました。
お料理だけでなく、その文章の端々に登場する中川さんの「想い」や「考え方」にとても惹かれたのです。
そこには料理人としてのお料理だけでなく、一人の男性として世の中に向ける視線、そして、お子さんに対する限りない愛を強く感じたからです。
それもそのはず、中川さんは二人のお子さんを男手で育てておられたのでした。
ナマ中川さんにお会いできたのは、2006年4月29日でした。
当時はマクロビオティックのカフェをされていて、「中川屋善右衛門」と名乗っておられました。
そのカフェで「マクロビオティック井戸端会議」が開催されたからです。
1年以上も前からずっと想像していた中川さんは、やはり愛情たっぷりのお人柄でした。
それまでは文章の端々にそれを感じ取っていたのですが、この日お会いして話し方や表情からそれを確認したのでした。
信用できる人。
その想いを強くした日でもありました。
・「マクロビ井戸端会議@京都」 2006.4.29
・「マクロビ井戸端会議@善右衛的。カフェ」に思う(1) 2006.5.2
・「マクロビ井戸端会議@善右衛的。カフェ」に思う(2) 2006.5.5
その後、度々大阪の正食協会帰りにお店に寄るようになって、マクロビオティックの話や子育ての話などをして、中川さんのその深い愛情の源泉を知るようになりました。
こんなに素晴らしい人をこのままお店に閉じ込めておくのはもったいない。
なんとか多くの人にその愛情を降り注いでほしい。
そんな私の勝手な思いが、むそう塾を開く夢へとつながりました。
2008年7月に初めて「夏向け玄米ご飯の美味しい炊き方教室」を始めて、そこから2009年の3月まで、15回も「玄米の炊き方講座」を開催しました。
その間に、「玄米だけでなくお料理も習いたい!」という熱いエールに応えて、1年間コースがスタートすることになりました。
子育てを通して、父親だけでなく母親役もしてきた経験が、絶対塾生さんにプラスになると確信したのですが、見事にその経験が随所に活かされた指導をしてくれています。
こうしてかれこれ16年間、「中川善博」さんという人と交流をするようになって、日常のちょっとした出来事に深い愛情を感じます。
それは月並みな言い方をすれば、「思いやり」とか「気遣い」とか「配慮」という言葉で表現されるのでしょうが、塾生さんに対しては「長い目で成長を待つ気持ち」に感じます。
プロが練習するようなことを教えているのだから、簡単に出来るようにならないのは百も承知。
でも、練習すれば出来るようになるよ。
頑張ったらそれだけ成長できるよ。
君が頑張ったら、俺は全力で支えるよ。
その愛情があるからこそ、iMessageでも、Twitterでも、動画でも、写真でも、何でも使って「出来るようにしてあげよう」としているのです。
昨日の愛クラスで、新人さんに向かって話していた言葉が素敵でした。
新人さん:「私は料理が下手だと知りました。」
中川さん:「真の料理下手はほぼいないと私は思っている。単に知らないだけですね。」
いいですねぇ、この言葉。
ウルッとしました。
だから、今日も中川さんは、知って(理解して)もらうためにせっせとフォローし続けているのです。
(2009年5月3日 1期生の授業より)
2009年5月から幸せコースが始まって、7クラス56名が1期生として集まってくれました。
そのうち男性が2名いました。
奇しくも同じ大学の先輩と後輩だったことが判明。
後輩くんは1日に大根を6本ずつ、1か月間桂剥きして、むそう塾の伝説になっています。
先輩も腕がよくて素晴らしい1期生でした。