マクロビオティックの指導現場からシリーズ」カテゴリーアーカイブ

鱧の骨切り特訓講座 大きな包丁に挑戦した結果が凄いことに!

6月には3回「鱧の骨切り特訓講座」を開催しました。
6月3日
6月6日
6月10日

6月6日に面白いことが起きました。
骨切りするときに、あれこれ中川さんが指導していたのですが、どうしても尻もち状態が改善しない塾生さんがいました。
それで中川さんが、包丁のサイズを大きい(27cm)のに変えてみるよう指示しました。
するとどうでしょう?
すんなり綺麗に切れるではないですか!
これにはビックリ!

大きな包丁はそれだけ重みも多いので、その重みが良い方向に働いたようです。
中川さんによると、包丁が重いので悪い癖が出にくくて、素直に包丁の重みで綺麗に切れるのだろうということでした。

この現象に全員が感化されて、次々と大きな包丁で練習を始めました。
最後は中川さんの30cmの包丁を気持ちよさそうに振っています。

 
 

 
 

6月10日にも30cmの包丁が人気です。

 
 

というわけで、次々と27cmの骨切り包丁を購入することに!
昨日は6月3日に受講された人からも27cmの包丁の注文がありました。
なんだか今年の鱧の骨切りは面白い展開になってきましたよ。

包丁が大きくなると、秋になって鱧が大きくなってきたときにも切りやすいので、これから注文してもメリットがあるそうです。
幸いに鍛冶屋さんに在庫があったので、これから仕上げて納品してくださるそうです。

それにしても皆さん凄いですね。
華奢な女性たちが、鱧の骨切りというプロでも難しい包丁仕事に、嬉々として取り組むのですから。
指導の仕方によって、素人がここまで才能(技術)を伸ばせることに、改めて感動しているところです。

 
 
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京料理人中川善博が粽寿司のい草を巻く方向に陰陽視点で納得

4月13日は「秘伝コース」の授業がありました。
最終月にふさわしく、「八寸」という格調高い授業が繰り広げられました。
料亭でも板前さんの腕の見せどころですね。

八寸に盛り付けるお料理は、「丹後の節句」に間に合うように、粽寿司が入っています。
でも、これを作るのが苦手の人が多くて、あっちこちから中川さんにお呼びがかかりました(笑)
人生で初めて習うことですから、出来なくても当然ですが、ときどきススッと出来てしまう人もいます。
どんなタイプであっても、練習をすればできるようになるので、これから頑張って挑戦してほしいなと思っています。

 
 

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ところで、中川さんがデモをしているところを見ていると、しっかり陰陽のとおりに仕事をされています。
マクロビオティックで陰陽の説明をするとき、「陰性」と「陽性」の特徴を話しますが、まさにそのままのの状態がそこにあるのです。

陰性は緩む方向、陽性は締まる方向に力が働くのですが、粽寿司を巻き上げていくには、ゆるんでは困りますから必然的に陽性の方向に手を動かして行くことになります。
ここを理解していると、巻く方向で間違うこともないし、見苦しく仕上がることもありません。

粽寿司に限らず、世の中のあらゆる事象が陰陽の結果であり、私たちは知らず知らずのうちにそれを生活に取り入れています。
何かが上手くいかないときや、壊れてしまうときには、陰陽の方向に逆らっていることが多々あります。

健康も、食べ方も、お料理も、人間関係も、お仕事も、人生も同じです。
日常生活のすべてが陰陽に影響されているのですから、その陰陽を味方につければ怖いものなしだと思いませんか?

ですから、陰陽の特徴を知って、それを生活に活かしていくことを、これから一緒に実践していきましょう。

 
 

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<粽寿司の過去記事>
京料理人中川善博が教える粽寿司と塾生さんの再現力が素晴らしい! 2022.4.11
京料理人 中川善博が魅せる粽(ちまき)寿司のキレ 2016.4.18

 
 

(2016年の八寸 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 
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「第15期幸せコース」は本当に素敵なクラスだった

本日は「マクロビオティック京料理教室 むそう塾 第15期幸せコース」の修了日でした。
男性が4名、女性が2名のこのクラスは、本当に素敵な人たちばかりで、心が洗われる場面が毎回ありました。
特に女性への思いやりが抜群で、素晴らしいジェントルマン揃いです。

ちょっとした時間に話している表情からは、それぞれが仕事から離れて、本当にリラックスされている様子が伝わってきます。
いかがですか? この笑顔。
それぞれ異なった環境に身を置いている人たちが、こうして月1回集まるのは、かなり癒やしになったことでしょう。

 
 

(マクロビオティック京料理教室  むそう塾  幸せコースの皆さん)

 
 

きっかけは「お料理」ですが、皆さんがそれぞれの陰陽を愉しんでくださったと思います。
大学生の彼の笑顔が本当に素敵です。
玄米ごはんを食べて、中心軸が出来つつあるのを実感していると話してくれました。
これは実はすごいことなんです!

女性陣も心身の変化を語ってくださって、それぞれの陰陽が変化していることが伝わって来ました。
食事日記をきっかけに、それまで飲んでいた漢方薬を止めても大丈夫になったことを話してくれた人もいました。

急激な家庭内の変化に対応出来ていない人もおられましたが、そんなときこそ陰陽で考えて答えを出してみましょう。
間違いのない方向に進めますよ。
困った時にはいつでもご連絡ください。しっかりサポートさせていただきます。

 
 

むそう塾は難しいお料理だけを教える教室ではありません。
この世の中にある普遍的なもの(陰陽)を大事にして、生き方の原理原則をともに共有しながら、「陰陽の視点」で人生を遊びぬくことを目標にしています。

これからもこのメンバーで、「上級幸せコース」がさらに素敵になりますことを期待しています。

 
 
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陽性だけが健康に良いのではない マクロビオティックの陰陽

昨日、お味噌汁と参鶏湯風スープの陰陽について、塾生さんとX(旧Twitter)で話をしていました。
元の記事はこちら
そのやり取りを読んだ他の塾生さんから、質問のiMessageが届きました。
どうも多くの人が「陽性が健康に良い」と思っておられるようです。

その一つに、体調が悪い時に参鶏湯風スープをいただいて元気になったから、やっぱり陽性がよいのだと理解されているようです。
しかし、体調が悪い時に効果があったのは、果たして陽性だけの力でしょうか?

一般的に参鶏湯スープには、生姜・ネギ・にんにく・胡椒などの陰性食材も使われています。
鶏肉だけのスープではないのです。
その陰性の力が陽性な鶏肉の毒消しをし、体内に入って血管を開き、血の巡りをよくするわけです。
その結果体が温まり、汗も出て、症状が改善されることが多いのです。

これがお味噌汁の場合ならどうでしょうか?
お味噌汁は出汁に何を使うかで陰陽が変わりますし、お味噌をどんな種類にするかでも陰陽が変わります。
さらに、お味噌汁の具を何にするかでも陰陽が変わりますが、多くのお味噌汁の場合は、参鶏湯スープのように生姜・にんにく・胡椒を同時に使うことはあまりありません。
ネギはよく使いますけどね。

 
 

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参鶏湯スープは、陰性な人のためだけのスープではありません。
陽性の人でも美味しく飲めます。
それは、色々な陰性食材のおかげなのです。

お味噌汁もネギやお豆腐が入っていると飲めるけど、根菜類が入っていると飲みたくないという人がいます。
お味噌に根菜類だと陽性の食材ばかりなので、重く感じるんですよね。
ましてや三年味噌のように長い間寝かせたお味噌を使うと、ピッと拒否する人がいます。

まとめとして、体によいのは陽性だけなく、陰性もよいのだと認識を改めてほしいのです。
ややもすると、陽性信仰に陥ってしまうのがマクロビオティックの問題点なのです。
陽性も陰性も「その時」の体に必要なものが一番力を発揮するだけのことです。

人の体というのは面白いもので、ほんのちょっとした成分に反応して美味しく感じたり、まずく感じたりします。
それが味覚であったり、体調であったりするので、「元気になるためには陽性を!」と思い込まないようにしましょう。
陰性を摂ってもらった方が元気になる人もいるのですから。

なお、お味噌汁の陰陽を詳しく知りたい方は、「陰陽別お出汁の取り方とお味噌汁大全講座」を受講してください。
ご希望があれば開催させていただきます。

 
 

(京都市左京区の梅 満開になりました)

 
 
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美味しいからおせちを作りたい! むそう塾生の場合

おせちはそんなに美味しくないから食べなくてもいいとか、おせちを作れないから買ったけど、不評だったという話はよく聞きます。
そして、そもそもおせちはもう食べなくてもいい、なんていう話も見聞きします。

でも、むそう塾の「幸せコース」から包丁の砥ぎ方や切り方、煮物・揚げ物・蒸し物・酢の物・和え物など、お料理の基本を習った塾生さんたちは、おせちを作ってみたくなります。
そして、トライしてみると、案外美味しくてビックリされます。

おせちとは、そもそも色々な料理技術の集大成なので、まったくお料理をしない人には厳しいですが、プロから手ほどきを受けたむそう塾生たちは、おせち作りを楽しんでいます。
そうはいっても段取り面などで神経がピリピリすることはあるのですが、それでも、完成したときの達成感は、経験した者だけにわかる喜びです。

 
 

おせちは氏神様をお迎えするためのお料理です。
無事に1年間を過ごし、最後に感謝の気持ちを込めておせちを作って元旦を迎えることは、精神面での区切りもついて実に爽やかなのです。
お料理をしていると、自然に感謝の気持ちが湧いてくる経験は、誰しもされていると思います。

お料理を作りながら、1年間のあれこれを整理しているうちに、前の年よりお料理が作りやすかったり、早く出来上がったり、美味しくなったりして、自分の成長を知ることも喜びです。
そして、多くの皆さんが口を揃えておっしゃるのは、おせちの仕上がり時間が早くなってくるということです。
これはとても貴重な経験です。

 
 

今や、おせちを作れる人は本当に貴重な存在です。
そして、そのおせちがメチャクチャ美味しいとなれば、それはもう作ることが自分の存在を確認する手段でもあります。
まわりの人に喜んでもらえて、親孝行もできて、こんなに幸せなお料理はありません。

むそう塾では、おせちは廃れゆくお料理ではなく、「美味しいから作る!お料理」になっています。
そして、まわりの人が待っていてくれます。

すでに、今年の勉強会も2回のうち1回は終わり、あと1回の勉強会を残すだけになりました。
そして、気持ちはもう、10月頃から始まる「おせちの苦手克服講座」に向いています。
来年の(あ、もう今年ですが)おせちのことを話すときの塾生さんは、とってもイキイキとしていて素敵です。
共に戦う仲間みたいな連帯感の強さを感じます。

受験勉強と同じで、苦手なところをきちんと解明して、それを繰り返さない方法を学び、12月31日に向けて日々のお料理があるわけです。
日々のお料理技術が12月31日に集結するのは、なんとも快感ですし、誇らしいことです。
そして、そんな生き方が素敵だなぁと思っています。

 
 

(蟹錦糸巻き 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

おせち料理の中でも特に大人気。
薄焼き玉子の技術、巻く技術、刻む技術、色々な技術が要求されます。

 
 
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