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玄米と白米 食べ比べるとわかる身体の反応 マクロ美風の体験より

私がマクロビオティックを習って最初に始めたことは、玄米ごはんを炊くことでした。
毎朝5時に起きて、玄米を洗い、浸水せずに炊く方法でした。
圧力鍋で炊くのですが、もちもちに炊きあがって、お赤飯のようだと思いました。

食べ始めてすぐ感じたのは、お通じの量が増えることでした。
それはそれでよかったのですが、そのうち空腹時に舌に苦さを感じるようになってきました。
今思えば、それは私の胃袋にはやさしい炊きあがりでない玄米ごはんだったと思うのですが、当時は排毒の苦さだと思っていたのです。

もちろん、おかずは動物性や甘いもの抜きなので、グングン痩せて行きました。
さらに、睡眠時間は短くてもスッキリ起きられるし、体は軽くて立っていることが楽しくなるほどでした。

また、断食を何度もしていたので、食べ物の本当の美味しさというか、ありがたさや感謝の気持ちが、断食のたびに味わえたのは貴重な経験でした。
断食のおかげで空腹に強くなって、今でも20時間くらい食べないことはザラにあります。

 
 

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ところで、空腹にすると何がよいかというと、体が求めている食べ物がわかることです。
お醤油味なのか、炭水化物なのか、水分なのか、はたまた果物なのか。
食べる前にほしいと感じたものと、体が一致していたときは、本当に心地よくて最高の状態になります。

このとき、玄米と白米の違いがはっきりわかって、玄米だと満たされた感じが強くなります。
これは、やはり玄米のほうが白米より多くの栄養素が含まれているためだと思います。
別に私は栄養素の数値で食べているわけではないのですが、体はちゃんとキャッチしているようです。

一番だしのお味噌汁も美味しいですねぇ。
体中の細胞が喜んでいるのが伝わってくるほど、エネルギーの注入を感じます。
お味噌汁の限りない力が感じられて、日本人でよかったと思えます。

 
 

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玄米ごはんを食べて一番驚くのは、お通じ量の多さです。
玄米には繊維質があるので、これが腸内細菌のエサになって、腸内環境がよくなるのだと思います。
お通じには腸内細菌も含まれますから、なんだか「ごくろうさま」とねぎらってあげたい気持ちになります(笑)

息子は埼玉で白米を食べることが多いのですが、京都にやってきて玄米を食べると、次の日は決まって「ウンチがいっぱい出た!」と言います。
とても気持ちよさそうに。

私が兄嫁に玄米ごはんの炊き方を教えてあげたときも、お通じ量の増え方にビックリしていました。
私が教わった大森英櫻先生は、お通じは一日に1回より多い方がよいと話しておられました。
1回だとどうしても残る部分が出てくるからとのことです。

あなたは一日に何回排便しますか?
排尿と排便は、健康の重要なバロメーターです。
よく観察してみましょう。

 
 

あ、そうそう。
中川式の玄米ごはんは、何回いただいても舌に苦味が上がってくることがありません。
それは胃の弱い私でも、完全に消化できるやわらかさに炊き上げているからですね。
それもそのはず、中川式の玄米ごはんは小さなお子さんでも、手術をされた病人でも問題なく食べられるやわらかさなのです。

白米にはない満足感。
それが玄米ごはんにはあります。

 
 

(玄米ちらし寿司 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

玄米のちらし寿司は本当に美味しくて、玄米嫌いの人でも喜んで召し上がってくれるほど。

 
 
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玄米の排出力の素晴らしさに驚いたマクロ美風の体験

「私と玄米ごはんの出合い 46年前の西荻窪」の記事のつづきです。

 
 

【玄米の排出力に驚く】

さて、マクロビオティックのスクールで玄米ごはんの炊き方を習って、その炊きあがりが白米に玄米を混ぜたものより美味しいことに嬉しくなった私は、毎日朝5時に起きて玄米ごはんを炊く日々でした。

圧力鍋の高圧で、浸水なしで炊くその方法は、ずいぶん陽性な炊き方でした。
でも、当時陰性だった私には美味しく感じたものです。
一家3人で玄米生活が始まり、子どものおやつまで玄米のおにぎりだったのです。
(よく嫌がらずに食べてくれたなぁ)

主食が分づき米から玄米になって、一家全員の体調がとても良くなりました。
なんといっても便通がよくなったことに驚きです。
夫も私も3か月でそれぞれ10kg痩せました。
そして何より、下半身が強くなりました。
(これはすごいことです)
睡眠時間も5時間でスッキリです。

しかし私は排毒に悩まされることになります。
面白いことに、おへそと手からの排毒が最も強くて、かなりの期間続きました。
これにはちゃんと心当たりがあるので、玄米の排出力に感動したものです。
ところが夫は排毒らしき変化がありません。
どうやら個人差があるようです。

私が20代で野口整体を始めたときも、おへそと手から排泄反応があったので、体ってすごいものだなと改めて思ったものです。
過去の体の履歴をちゃんと修復しようとしてくれるのですから。
私の場合は、母のお腹の中にいたときの薬の影響だと思われます。

 
 

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【断食とファスティング】

今は健康のことを考える人がとても多くなりました。
それだけ不健康な人が多いからですが、多くの場合は取り入れることを考えがちです。
でも、順序はまず出すことなんですよね。
体内にある不要なものを出すのが先です。
不要なものが出ていって初めて、自分の本当の体を知るのですから。

私はマクロビオティックを知ってから、断食をよく実行していました。
お水だけ飲む断食ですが、今はこの方法だと体が持たない人が多くなりました。
断食して出てくるものを中和させてやる方法ととらないと、著しい体調不良に陥ってしまう場合があるからです。

ファスティングという言葉で、気軽にダイエットとして取り組む方もおられますが、人の体の履歴は千差万別なので、陰陽的に間違いのない対処をしないと危険な場合があります。
外部から取り入れないと、体は中から出して来るわけですが、中から出てきたものはいち早く外に出すのがよいのです。

しかし、玄米は取り入れながら外に出すことができる面白い力を持っている食べ物なのです。
日々玄米を食べることによって、日々不要なものを外に出すことができるのです。
なんて優秀な食べ物でしょうか!
ファスティングをしているわけではないのに、日々ミニファスティングをしているかのような働きが可能になります。

この力が現代人には便利だと思われるので、むそう塾では玄米ごはんをおすすめしています。
次はいよいよ玄米ごはんを炊く方法について触れましょう。

つづく

 
 

(京都 鴨川にて 2022.10.27)

 
 
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適度なゆるみはあなたを助けてくれる よい陰性のススメ

私がマクロビオティックを始めたとき、それまでの生活が一変しました。
もともと調味料は厳選していたし、食材もかなり選んで購入していたのですが、限られた料理方法と食材の中で、とても窮屈な感じは否めませんでした。

でも、息子のアトピーを治してあげたい一心で、厳格に実践したのです。
その結果、体も考え方も結構陽性になって、その変化が面白かったのですが、恩師から見れば陽性になりすぎていたようです。

そこからですね。陰性の必要性を強く認識したのは。

*   *  *

むそう塾では、「自由人コース」で洋菓子をお教えしていますが、これが物凄く好評で、ご家族の皆さんで喜んでくださっています。
(満足コースや秘伝コースでは和菓子をお教えしています。)
それらのお菓子は陰陽はもちろんですが、体に負担のない食材や作り方なので、本当に体が楽なのです。

私は中川さんの生クリームなら食べられます。
でも、一般的な生クリームは気持ちが悪くなるから嫌いです。
そうしたら、実際に習った塾生さんやご家族さまの反応が同じでした。
多かったのですね、生クリーム苦手という人が。

*   *   *

マクロビオティックの飲み物に「穀物コーヒー」や「たんぽぽコーヒー」があります。
これらはカップに注いだときの色は一般のコーヒーに似ているのですが、お味や香りは当然のことながら別物です。

そして何より、原料が異なるので陰陽も異なります。
一般的に「もどき料理」といわれるものと同じように、陰陽が異なるところが私は気になるのです。

ですからむそう塾では、本物の食材がもつ陰陽をちゃんと知って、体に負担のないような形で楽しく取り入れることをお奨めしています。

*   *   *

ある人の事例です。
食べ物や生活環境を最高の状態にしたのに、今ひとつ体調が完全ではない人がいました。
そこで、もしかしたら勤務先で飲むコーヒーが原因ではないかと考えました。

それで、自宅から中川さんのコーヒーを持参して、会社のコーヒーは止めてもらったところ、体調がよくなったのです。
会社では福利厚生として設置している自販機が、社員の健康にあまり役立っていなかったということですね。

体の反応にはもちろん個人差がありますが、自販機設置会社の利益も考えれば、その内容は推して知るべしだと思います。

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お菓子もコーヒーも陰性の代表格で、マクロビオティックでは避けるものとされていますが、それを好きな人はいっぱいいます。
じゃあ、それらが持つ悪いところを極力減らしたらどうなるの?
そんなところからむそう塾のお菓子やコーヒーはスタートしています。

物事も体も心も、急に変えると反動が来ます。
それは陰陽の理を考えれば容易に想像ができます。

じゃあ、今のすべてを受け入れて、それを少し良くしたらどうなるのかな?
もう少し良くしたらどうなるのかな?

そんな楽しみを伴った変化のあり方もよいのではないかな?
ここまでゆるやかに考えられるようになった私は、結構陰性を意識して暮らして来ました。
恩師の言葉を大切に実行して。

*   *   *

ここまで至るのに、16年以上の歳月を費やしました。
一つひとつ周りの人の反応(肉体的・精神的ともに)で確認しながら進んで来ました。

その結果、「適度なゆるみ」はかなり多くの場面で必要だと感じました。
そして、これこそが陰陽そのものであることを、何度確認したことでしょうか。

特に新型コロナウイルスで2年間も不自由を強いられている私たちは、かなり悪い陽性が積もっています。
意識的に良い陰性を取り入れるようにして、陰陽バランスをはかるようにしましょう。

それは飲食だけでなく、精神面を解放することによっても達成できます。
オミクロン株に惑わされることなく、人間本来の陰陽バランスで乗り越えましょう。
私たちの内側には秘めたる力があるのです。

 
 

(ブッシュ・ド・ノエル 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

「ブッシュ・ド・ノエル」は、「自由人コース2」の12月の授業でお教えしました。

 
 
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「相原ヘルマン マクロビオティックを語る」より

今日は本の一部を断捨離しました。
理由は新しい本を入れる棚がなくなったからです。
私の本棚は、90センチ幅で40段ほどあるのですが、そのうちの4段を整理しました。
資料として残しておきたい本もあるので、パラパラとめくってから判断しました。

かつて感動した部分が今は「そんなことがあったなあ」と思うだけで、考え方が変わってきた自分を確認することの連続でした。
少しその考え方に距離を置くようになったり、もう古い情報だったりして、自分の中で消化できているものが大半でした。

ということは、本というのはそんなに保存しておかなくてもよいのではないかと思ったりします。
もちろん内容にもよりますが。

 
 

【新しき世界へ No.607】

古い本が登場しました。

 
 

昭和62年の発行です。

 
 

この中に、ヘルマン相原先生の言葉がありました。
記事の中では「相原ヘルマン」さんになっていますが、私にとってはやはり「ヘルマン相原」さんの方がしっくり来ます。

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

特に下の線を引いた部分に深く共感します。
私もマクロビオティックを始めた頃は、排他的な食事をしていたので痛感します。
それらを踏まえて今の私があるわけです。

私の恩師の大森英櫻先生は、兄弟の縁を切ってまで穀菜食に突き進みました。
他の先輩たちも似たようなことをされていますが、結果は下の文章のとおりだと思っています。
学べば学ぶほど、偏りを危険だと思うようになったマクロ美風です。

 
 

 
 
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「16時間はなにも食べるな」最新医学が勧めるプチ断食の3大効能  「空腹」こそ長寿と健康のカギだった

今の時代はなぜこんなに病人が多いかといえば、単純に食べすぎだからですね。
私はマクロビオティックを知る前は一日3食でしたが、マクロビオティックを知ってから空腹の大切さを認識して、断食に挑戦しました。
すると、それまでに経験したことのない心地よさを味わったのです。

そして、断食後の最初に口にする食べ物のなんと美味しいことか。
単に美味しいというのではなく、感謝の気持ちが湧いてきて、精神面まで変化することに驚きました。
空腹の威力はこのときに経験したので、それから私はあれこれ工夫して一日1〜2食に落ち着きました。

もし3食いただくことがある場合は、翌日に減食します。
規則正しく3食食べる生活はしていません。
空腹になってから食べるのが鉄則だからです。

今はお料理教室の授業があるので、お食事を中途半端な時間帯にいただくため、その日の授業内容によってお食事を調節しています。
もちろん、陰陽を考えて、その日のスケジュールに合わせた胃腸の状態にしておきます。

断食なんて言い方をすると、宗教臭くて敬遠される人がいるのですが、食べ物を取り込むよりも出す方が心身が快調になりますね。
今ではお医者さんでも断食の良い点を認める人が増えて来ました。
私の知り合いのお医者さんも、せっせと断食指導をされています。

 
 

たまたま、こういう記事を見つけました。
参考のために全文をリンクしておきます。
私もこの16時間断食は日常的に実行しているので、普通にできますからお薦めです。

 
 

「16時間はなにも食べるな」最新医学が勧めるプチ断食の3大効能
「空腹」こそ長寿と健康のカギだった

PRESIDENT Online 2021/02/23 9:00
青木 厚(医学博士)

 
 

食べすぎを防ぎ、健康を保つにはどうすればいいのか。『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム)を出した生活習慣病の専門医、青木厚氏は「空腹は体重や体脂肪は減少させ、糖尿病、がん、心筋梗塞や狭心症などの予防にも効果がある。16時間は何も食べないほうがいい」という――。

 

アメリカの最新研究が証明、「空腹」こそ長寿と健康のカギだった


食べすぎを防ぎ、健康や若さを維持する、シンプルな方法。それは、「ものを食べない時間(空腹の時間)を作ること」です。「プチ断食」といってもいいかもしれません。

近年、アメリカの医学界では、空腹(断食)と健康に関する研究がさかんに進められ、その結果、断食が体重や体脂肪の減少につながること、そして、糖尿病、悪性腫瘍(がん)、心血管疾患(心筋梗塞や狭心症など)、神経変性疾患(アルツハイマー型認知症やパーキンソン病など)などの予防に効果があることが分かってきました。

プチ断食をすると、どのような効果が得られるのか、体に何が起こっているのかをみていきましょう。実は、断食実行中、体の中では3つの奇跡が起きているのです。

 
 

医学的理由①内臓の働きを復活させ、活性酸素の害から体を守る

一日3食とったり、食べすぎたりすると、前に食べたものを消化している間に次の食べ物が体内に入ってきます。内臓は休むことなく働き続けなければなりません。当然、内蔵は疲弊してしまいます。

疲れた胃や腸、肝臓などは働きが鈍くなります。すると、栄養をしっかり吸収できなくなり、老廃物もきちんと排出されなくなります。腸内環境も悪化するため、免疫力が低下し、体調不良になったり、病気にかかりやすくなったりすることもあります。

プチ断食を行い、まとまった「空腹の時間」を作ると、まず、内臓の働きがよくなります。休憩をとった内臓は、疲れがリセットされて、しっかり働いてくれるようになり、下痢や便秘、アレルギーや体調不良なども改善されるはずです。週に1日でも、まとまった「空腹の時間」を作れば、内臓は十分に休むことができます。

さらに、プチ断食によって一時的に栄養が足りなくなると、活性酸素を除去する酵素が増え、活性酸素の量が減るともいわれています。つまり、活性酸素がもたらす細胞の老化や病気を、予防することができるのです。

 
 

医学的理由②脂肪の分解、血流の改善で、生活習慣病をまとめて遠ざける

私たちが食事で摂った糖質は、腸管で消化・吸収されます。それから血液に乗って肝臓へ、さらに全身へ運ばれて、脳や筋肉、内臓などが働く際のエネルギー源として使われます。余った糖質の一部はグリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられ、そこでおさまり切らなかった分は脂肪となって、脂肪細胞に蓄えられます。

「空腹の時間」のあいだ、体は、外部から糖質を補給できません。そこで、まず肝臓に蓄えられたグリコーゲンを利用して、エネルギーを作ります。

そして、「空腹の時間」が10時間ほど続くと、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが尽き、体は脂肪を分解して、エネルギー源に変えようとします。つまり、空腹の時間が長くなればなるほど、体内の余計な脂肪が分解され、減っていくのです。特に内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて落ちやすいという特徴があります。

脂肪が分解されると、血液中の脂質が減り、圧迫されていた血管が解放されます。「空腹の時間」が12~24時間になると、血液中の糖質も20%程度減るとも言われています。

プチ断食で「空腹の時間」を作り、内蔵を休ませてあげると、血液や血管の状態が改善されて血流が良くなります。高血圧や血行不良にともなう体調不良も軽減されるはずですし、がん、糖尿病、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患といった生活習慣病のリスクを、かなり減らすことができるのです。

 
 

プチ断食が体にもたらす最大のメリット


医学的理由③オートファジーで、若々しく健康な体を手に入れる

プチ断食が体にもたらす最大のメリットは、なんといっても「オートファジー」の仕組みを発動させることにあります。

オートファジーとは、細胞内の古くなったタンパク質が除去され、新しいものに作り変えられるという仕組みです。「空腹の時間」が続くと、体は生存するために、なんとか「体内にあるもの」でタンパク質を作り出そうとします。

このとき、細胞が内側から生まれ変わります。そのため、オートファジーには、がんや糖尿病をはじめとする生活習慣病、アルツハイマー型認知症、感染症などの予防効果や、肌や筋肉などの老化防止の効果があると考えられています。

また、細胞の中には、ミトコンドリアという小器官が、数多く(細胞全体の10~20%程度)存在しています。ミトコンドリアは酸素呼吸を行っており、食べものから取り出した栄養と、呼吸によって得た酸素を使って、ATPという細胞の活動に必要なエネルギーを作り出します。ATPは「生体のエネルギー通貨」と呼ばれています。

新しく元気なミトコンドリアが細胞内にたくさんあればあるほど、たくさんのエネルギーを得られ、人は若々しく、健康でいられるわけですが、オートファジーによって、このミトコンドリアも新たに生まれ変わります。

古くなったミトコンドリアは、大量の活性酸素を発生させるのですが、オートファジーによって細胞が新しく生まれ変わることで、活性酸素の量が減り、体へのダメージを軽減できます。

オートファジーがもたらしてくれる恩恵は計り知れません。細胞が生まれ変われば、体にとって不要なものや老廃物が一掃され、細胞や組織、器官の機能が活性化し、病気になりにくく若々しい体になるのです。

2016年には、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が、オートファジーの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞しています。オートファジーは今、世界中の注目を集めているといえるでしょう。

 
 


オートファジーのスイッチが入るまで「16時間」


ただし、オートファジーには、ある特徴があります。食べものによって得られた栄養が十分にある状態では、オートファジーはあまり働かないのです。

そもそも、オートファジーは、体や細胞が強いストレスを受けた際にも生き残れるよう、体内に組み込まれたシステムです。したがって、細胞が飢餓状態になったときや低酸素状態になったときにこそ、働きが活発化します。

具体的には、最後にものを食べてから16時間ほど経過しなければ、オートファジーは活発化しません。つまり、16時間の「空腹の時間」を作らないかぎり、オートファジーによって細胞を生まれ変わらせることはできないのです。

 
 

「プチ断食」のハードルは、それほど高くはない


とはいえ、「断食」という言葉を見て、「なんだかしんどそう」と思ったり、拒否感を覚えたりする人もいらっしゃるかもしれません。

けれども、たとえば、仕事や家事、育児などがあまりにも忙しくて、食事どころではなく、ほぼ丸一日、何も食べずに過ごしたといった経験はありませんか。あるいは、何時間も食べるのを忘れてしまうぐらい趣味などにのめりこんだり、休日ずっと布団の中でうとうとしているうちに、気がつくと前日の夕食から何も食べていなかったり。

私からすれば、これらも立派な「プチ断食」です。ひたすら、ひもじさをガマンするような過酷なことをする必要はありません。

できるだけ無理なく「ものを食べない時間」を作り、

・胃腸や肝臓などを休ませてあげること
・脂肪を燃焼させ、減らすこと
・血液の状態を改善させること

が大切です。

 
 

睡眠時間8時間+プチ断食8時間がベスト


では、具体的にはどのくらい「空腹の時間」を作ればよいのでしょうか。

私はこれまで、医師のひとりとして、「断食」に関するさまざまな論文を読み、また血糖値のコントロールに苦しむ糖尿病の患者さんたちの治療にあたってきました。さらに、自分自身でも「プチ断食」を実践し、効果を注意深く観察して、どうすれば「空腹」の効果を最大限に享受できるかを考えてきました。

その結果、たどりついたのが「16時間のプチ断食」です。

「長い」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、睡眠時間とうまく組み合わせることで、無理なく実行していただけるはずです。たとえば、「一日8時間眠っている」という方であれば、睡眠の前後合わせて8時間、食べずに過ごせば、16時間のプチ断食を達成することができます。

 
 

大事なルールはただひとつ


いかがでしょう。なんとか実行できそうな気がしませんか。もちろん、まずは週末だけチャレンジするなど、できる範囲で始めていただいてかまいません。たとえ週に一度でも、「空腹の時間」を作れば、「内臓を休める」「脂肪を減らす」「血液の状態を改善する」といった効果に加え、オートファジーによる細胞の生まれ変わり効果を享受することができるのです。

大事なルールはただひとつ。睡眠時間を含めて16時間、何も食べない時間を作ること、それだけです。残りの時間は何を食べてもかまいません。さらに『「空腹」こそ最強のクスリ』には、断食中の過ごし方のコツや、プチ断食を組み入れた生活スタイルの作り方など、みなさんが上手に「空腹の時間」を作ることができるように、いろいろなヒントを載せています。ご興味があるようでしたら、ぜひご覧ください。

「空腹の時間」は、一日3食の習慣や食べすぎが体に与えていたダメージをリセットし、体を内側から蘇らせてくれます。ぜひ明日から、あるいは週末から、プチ断食を始めてみてください。空腹こそが最強のクスリなのです。


 
 

<マクロ美風より>

私のブログで「断食」と検索をかけると、いっぱい断食に関する記事が出てきます。
それらの記事にも書いてあるのですが、何日にもわたる本断食は、指導者のいるところで行なってください。
断食中は体調の変化があって、対処を誤ると危険な場合があるからです。
しかし、この記事のように「プチ断食」は危険性がなく安心できる方法です。

 
 

<断食関連過去記事> 抜粋
「空腹が健康を作る」三浦直樹著 2020.2.12
24時間断食のススメ (注)低血糖になる人はしないでください 2019.12.22
食べ方の習慣を変えてみませんか? そこから生まれる健康があります 2019.3.18
「白鵬 3日間断食で変身 完全復活へ“超異例”療法」に思う 2016.10.6
玄米でスッピン美人を目指そう! 自然に肌断食の効果が出ます(体験談) 2016.5.17
「週1断食で万病が治る」(週1日、2食抜くだけ!) 2016.3.18
便のニオイと断食の顛末(マクロ美風の体験談) 2016.2.21
断食の効果 2008.5.9
断食の注意点・その2「これだけは押さえて」 2008.5.2
断食の注意点 ・ その1「到達点ではなく出発点」 2008.5.2
「断食の後」の後 2008.4.30
断食の後 2008.4.24
排毒&断食終了! 2008.4.24
排毒中&断食中 2008.4.23

 
 

(巻き寿司 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

美味しそうな食べ物を見ても、すぐ衝動的に食べなくなったらあなたは合格です!

 
 
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