マクロビオティックわの会」カテゴリーアーカイブ

肉食と代替肉 「第5回公開マクロビオティックわの会」を視聴して

【肉食と代替肉】

昨日、「第5回公開マクロビオティックわの会」の動画を観た。
3時間半に及ぶ3本の動画だ。
まずは、この会の準備を進めてくださった皆様に感謝の気持ちを伝えたい。
(マクロビオティックわの会のサイトはこちら

私は当日は授業があって参加できなかったので、送ってくださった動画で会の様子を知ることができた。
Zoom形式なので、遠くアルゼンチンからもパネラーとして参加してくださって、アルゼンチンのマクロビオティック事情も垣間見ることができた。

今回のテーマは「肉食と代替肉について」というものだった。
パネラーからは、代替肉の現状が細かく報告され、世界はここまで来てしまったのかと暗澹たる思いになった。

すでにスーパーなどでも代替肉が出回っており、食品会社でない会社が利益が出ると見て動いている現状には、背筋が寒くなる。
もともとは地球環境の問題があったのだけど、それがどんどんおかしな方向に進んで行く。

 
 

【肉の排除 肉もどき】

そもそも私たちは、自分が生きるために他者の命をいただいているのだが、それは植物性であろうが動物性であろうが同じこと。
なぜそこまで加工して「肉もどき」を食べなければいけないのか?

大豆や小麦を使って肉もどきを作っても、体への影響は動物性の肉そのものではない。
それなのに肉を求めるのは、精神面で「肉が必要」と思い込んでいるからである。

反対に「肉は不要」という考え方もある。
ヴィーガン・ベジタリアンなどが代表的だが、マクロビオティックは完全に肉を排除するものではない。

これらの中にも、肉は排除しても乳製品は摂るとか、魚は排除しないとか分かれていたりしてややこしい。
世界的には宗教との関係もあるので一概にはいえないが、その民族・その土地に根付いた物を食して、健康が維持できればそれがベストだと思っている。
そもそも、地球上の人間が同じものを食べること自体が不自然なのだから。

 
 

【命をいただく】

大事なことは、「生きている命をいただく」という認識があるかどうかである。
その認識に立てば、なぜ鮮度の良いものが体への負担になりにくいかも理解できる。
自分が生きるために、他者の命を少量いただくことに思いが至っていたなら、自ずと代替肉への答えは出るであろう。

人は意識しないと傲慢になってしまう。
傲慢になった結果、自然を操作しようと思ってしまう。

私たち人間は、自分で生きているのではなく、生かされているのだという視点に立てば、もっと生き方が楽になる。
ご縁をいただけた食べ物に感謝して、地球や大自然の恵みに感謝することを忘れなければ、自ずと不安は去って行く。

新型コロナウイルスでも経験したように、今や情報は時間単位で世界をかけめぐる。
人間の生死も、健康問題も、食生活も、世界規模で取り組む時代になった。
そんな時代にあって、ミクロではなくマクロな視点で、少しでも多くの人が歩み寄れたらと思う。

 
 


(海苔入り出汁巻き玉子 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

動物性をいただくときには毒消しを添えて。
これがマクロビオティックのセオリー。

 
 
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「マクロビオティックわの会」のウェブサイトができました!

2018年1月22日、東京でマクロビオティックの指導者や関係者が集まったのが第1回目でした。
それから2年半、会場を変えながら9回集まり、10回目からはコロナの影響もあってZoomでの開催となりました。

私は授業と重なって出席できない日も多かったのですが、発起人の永井さんが送ってくださる報告メールから、また、Zoomの場合はすべて再生して皆さんの発言内容を把握するようにしていました。

そして2020年7月21日(新月の日)に、「マクロビオティックわの会」のウェブサイトとFacebookページがオープンしました。
私の第二の師匠である高桑智雄氏を中心にWEBチームが組まれ、高桑氏がサイトを作成してくださいました。

8月24日(月)には、パネラーによる「公開マクロビオティックわの会@Zoom」を開催します。
私は満足コースの授業があるので、Zoomには参加できないのがとても残念ですが、お時間を作れる方はどうぞご参加くださいませ。
テーマは、「コロナを機にこれからどう生きるか?〜マクロビオティックで出来ること」です。

サイト:https://macrobiotic-wanokai.net/
FB:https://www.facebook.com/wanokai2018/

 
 


(画像はこちらのサイトからお借りしました。)

 
 
カテゴリー: 講座のご案内・連絡事項, マクロビオティックわの会 | 3件のコメント

改めてマクロビオティックの伝え方を考える

昨日は「マクロビオティック わの会」で、大事なディスカッションがありました。
新型コロナウイルスの広まりを受けて、急遽Zoomでの開催となったものです。
マクロビオティックの指導者たちが、現時点での自分の考えを述べるのはとても貴重な機会なので、私もとても参加したかったのですが、あいにく授業が入っていて参加出来ませんでした。

17名のパネラーと70名を超える一般視聴者との連絡を引き受けて、会を開催してくださった永井邑なかさんや千葉芽弓さんは、ものすごく大変だったと思います。
私もいくつものイベントを主催してきましたから、そのご苦労はよく理解できます。
心からお礼を申し上げます。

早速当日のうちに、会の様子を収録したメールを送ってくださったので、仕事が終わってから深夜に録画を観ていました。
冒頭30分くらい録画のボタンを押し忘れたとのことで、そこが聴けなかったのがとても残念でしたが、3時間の会の内容はとても有意義なものでした。

ニューヨークからご参加してくださった先生もお二人いらっしゃって、まさに「輪(わ)」になれた時間と、それぞれの師の影響を感じながら、感慨深いものがありました。
これだけ大勢の人たちが直接会おうとすると、主催者側も参加者側もそれはそれは大変なのですが、文明の利器というのは素晴らしいもので、地球が小さく感じたひとときでした。

 
 

【高桑智雄氏の記事】
Facebookに、司会を務められた高桑智雄氏の記事がありますので、そちらもお読みいただくと、これからのマクロビオティックの方向性の参考になるかと思います。
『どうしようもなく上から目線な』   2020.4.30

この中で高桑氏は次のように述べておられます。

ー引用はじめー

この世界には二つの思考法がある。
一つはこの現代社会のほとんどの人が採用する正邪、善悪、正誤とみる「水平思考」と、もう一つは、すべてのものに陰と陽、表と裏をみる、いわば△形の頂点で俯瞰した「垂直思考」である。
マクロビティックの実践者はこの「垂直思考」が自然と身についてしまっている。
ところが、「水平思考」で考える人たちにとっては、この「垂直思考」は、とんでもなく上から目線で、偉そうで、ふてぶてしい感じに見えてしまうのである。

ー引用おわりー

 
 

【私とマクロビオティックの出会い そして全国で知ったマクロビオティックの現状】
私は息子の重度のアトピーで困っているときに、マクロビオティックの考え方を知りました。
それまで野口整体の考え方で子育てをしてきたのですが、食べ物から入っていくマクロビオティックの陰陽の考え方はすんなり理解できて、特に精神的に太い柱が出来たことは、野口整体と相まって私の生き方の両輪になりました。

以後ずっとマクロビオティックを続けていて、途中からブログでの発信も始めました。
しかし、「マクロビ井戸端会議」と称して、全国にお邪魔しているうちに、むしろマクロビオティックで苦しんでいる人たちに沢山出会うことになりました。
マクロビオティックの食べ方を徹底して実践したがゆえに、人付き合いがしにくくなり、夫婦や親子間で意見が食い違い、離婚に至るケースもありました。

北海道から沖縄までお邪魔しましたが、どこでも同じような状態で、私が東京のマクロビオティックスクールで学んだ夢のある世界とは別世界で、マクロビオティック難民が大勢いました。
雑誌やネットではマクロビオティックの良い面が強調されていましたが、それを実践する人たちはむしろマクロビオティックを知らない方が幸せだったのではないだろうかと思える人もいたのです。

 
 

【むそう塾のスタート】
多くの人に接していると、「これはいけない! このままだとマクロビオティックが誤解されて広まって、死者が出ることになる」という危機感を持ちました。
独学で間違ったマクロビオティックをして、病院にかつぎこまれたり、マクロビオティックの先生についていても体調が悪くて、私のところに相談のメールがたくさん寄せられました。

それらの人は、マクロビオティックを本で知ったり、ネットで知ったりして、自分にとって都合の良いやり方にしてしまったケースが多く、可哀想でなりませんでした。
ご自分の体質を見極めることなく、陰陽の判断が正しくなかったために起きた事例がいっぱいありました。
中でも、健康になりたくてマクロビオティックを始めたのに、そのマクロビオティックで体調を悪化させていたケースでは、マクロビオティックは罪作りだなと思いました。

何でも信じてしまう受け手の問題もあるのですが、マクロビオティック教室の先生が勉強不足である例もあって、マクロビオティックを伝える者として間接的に責任を感じました。
そこで、「人から人へ手渡しで」と「徹底したフォロー」を実現するべく、「むそう塾」を開いたのでした。

そして、マクロビオティック本来の「考え方」や「生き方」をしっかり伝える教室にしたのです。
お料理はその人の生き方を実現するための道具であり、いかにそれを使いこなすかに力を入れて授業を続けて来ました。

すると、まったく家庭不和は起こらず、むしろ、ご家族様が応援してくれるようになって、結果としてお料理が美味しく作れるようになって、笑顔の塾生さんを多く輩出することができるようになりました。

 
 

【マクロビオティックの伝え方】
人は誰でも自分の考えや暮らし方や生き方を否定されると面白くありません。
それは親子であっても、夫婦であっても、兄弟であっても、友だちであっても例外ではありません。
ましてや上から目線で言われたら当然のことですが、「何様?」ということになります。

私は人づきあいというのは、まずは相手を肯定するところから始まると思うのです。
それなくして良好な人間関係なんて望めないと思った方がいいでしょう。
ですから、水平思考が世の一般なら、まずは可能な限り水平思考を理解することに努める姿勢が必要だと思います。

そのうえで、水平思考で行き詰まりを感じているようなら、こんな考え方もありますよと垂直思考を提案するのがよいタイミングになると思っています。

呼吸を例にあげますと、相手が息を吸おうとするときに話しかけても、聞き入れてくれる姿勢ではありませんが、相手が息を吐ききったときなら、スーッと話を聞いてくれる流れができます。
これなどはまさに陰陽なんですよね。

ですから、マクロビオティック実践者は井の中の蛙になるのではなく、オープンな世界で一般の人と同じ土俵で光り輝けばよいのです。
そうしたら、息を吐いた人がふと気づいてくれて、良ければ採用してくれるということだと思うのです。

ま、現実的には、説得力のある生き方を常々しておくことに尽きると思います。

 
 


(大阪のとある公園にて 中川善博撮影)

 
 

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「第6回マクロビオティックわの会」

7月29日は「第6回マクロビオティックわの会」の開催日でした。
場所は東京月島のManu ku(マヌクー)さん。
全員で8名の参加者です。
色々なマクロビオティック経験者が集まり、マクロビオティックの現状や課題を話し合う有意義な時間が12時〜17時迄。
懇親会が17時〜19:45迄。

詳細は後日Facebookに幹事さんの方で載せられると思いますので、こちらでは二次会の写真のみ載せておきます。

まずはマヌクーさんでご用意くださったお料理から。

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

次は乾杯の用意。

 
 

 
 

カンパーイ!

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

ボクも乾杯!

 
 

 
 

 
 

皆さん、お世話になりました。
充実した時間をありがとうございました。

 
 
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「マクロビオティック わの会」 異母兄弟が一堂に会することに意味がある

マクロビオティックはこのブログで何度も書いているように、まるで流派があるかのように細かなところで解釈が違ったり、陰陽が違ったりしている現実があります。
そういうときには何でもそうですが、やはりマクロビオティックの歴史をたどって理解する必要があります。
幸いに「マクロビオティック わの会」には、「桜沢如一資料室」の室長さんがいらしてくださるので、桜沢先生の資料に基づいたお話を聞かせてもらえてありがたいです。

むそう塾でも、よそのマクロビオティック料理教室で陽性と判断されたので、ずっと陰性のお食事を摂っていたけれど体調がよくならないと、いらした生徒さんがいました。
私の目から見たら、その人はむしろ陰性だったので、急いでお食事内容を変えてもらいました。
すると、グングンお元気になられて、やっぱり陰陽が違っていたんだなあと思った次第です。
この逆もまたあります。

*   *   *

先日の「マクロビオティック わの会」でも登場した「胡麻塩」については、指導者の間でも色々な温度差があります。
こういう時に大事なことは、お料理については作り方次第で陰陽がズレていく現象があることまで考えているかどうかです。
桜沢先生が本に書いていたから、あるいは◯◯先生がそう言っていたからではなく、実際に自分で作って試してみて、体質の違う人にも試してみて、そこから導き出していく姿勢が大切だと思います。

本当に陰性なのか?
本当に陽性なのか?
本当にその現象が起きるのか?
常にそういう問題意識を持っていないと、その時代に合わないマクロビオティックを押し付けてしまうことになってしまいます。

大先輩たちが残してくれたマクロビオティックの解釈も大いに参考にしますが、いつも自分が感じたマクロビオティックを咀嚼して次世代の人たちに伝える努力が必要ですね。

*   *   *

ところで、「マクロビオティック わの会」には、日本CI協会や大森英櫻先生から教えを受けた人や、日本やアメリカで久司道夫先生から教えを受けた人が混在しています。
つまり、クシ・マクロビオティックと国内のマクロビオティックで、説明の仕方に少し違いがあるために、マクロビオティックを習った人たちの間で戸惑いの一因になっている現実があります。

また、国内のマクロビオティックが比較的「食養」にウエイトを置いていたのに対し、クシ・マクロビオティックは精神面を前面に出して、明るく楽しいマクロビオティックを教えてきました。
私もこういうクシ・マクロビオティックの方向性は良かったと思います。
なぜなら、マクロビオティックは哲学であり、生き方そのものだからです。

その2つのマクロビオティックの流れを組む人たちが、一堂に会して話し合うことそのものがとても貴重で意味のあるものであり、画期的なことなのです。
くだけた言い方をするならば、桜沢如一という父親を持つ異母兄弟が集まるのですから、最初はしっくり行かないこともあるかもしれませんが、理念は共通なのですから、手法の違いを整理していけば、きっと理解し合えると固く信じています。

2月18日に4回めの集まりがありましたが、2020年に向けて具体的な一歩を踏み出しました。
それまで何回も会って、いっそうお互いの気持ちや考え方を理解し合って行きたいと強く思うのでした。

これからの時代こそ、真のマクロビオティックが必要になるからです。

 
 

(マクロビオティック わの会にて 2019.2.18)

 
 
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