夫が手術後に薬を飲むようになって、気になることがいくつかありました。
そのうちの一つに、性格が変わったように感じたことです。
もともとの話し方に加えて、キツさ、命令調が加わったのです。
最初は「エッ?」と思ったのですが、そのままで反論せず聞き流しました。
でも、同じような場面がその後もあって、息子も同じことをいいます。
あるとき息子は、本当に怒って私に「もう、お父さんのことは知らない」と言い出す始末です。
でも、夫は普通に会話しているつもりだと思うのです。
私はすぐ、これは薬の影響に違いないと思いました。
調べてみると心当たりがあります。
ふと思います。
高齢になると、何かしらの薬を飲む人が多くなるでしょうから、その中には夫のようにキツイ言葉を発してしまう人がいるかもしれません。
本人はそのつもりでなくても、接した人は悲しい思いをすることがあるでしょう。
人は一言でも心ない言葉を浴びせられると傷つきます。
発した本人は忘れていても、言われた人はずーっと忘れません。
今回は夫が言っているのではなくて、薬が言っていると思うようにしました。
息子にもそのことを伝えて、気持ちを変えるように話しました。
老人を介護している施設などでは、多くの人が色々な薬を飲んでいるでしょうから、中には夫のような事例もあるかなと思います。
介護する人も精神的に大変だなと思い至りました。
夫には正直に現状を話して、「自覚はないでしょうが、私も息子も悲しかったよ」ということを伝えました。
そのうえで、命令調は止めて、「ありがとう」という言葉を使うようにしようねとも。
「ありがとう」は何回言われても人間関係を壊しません。
老いは誰にもやってきますが、嫌われる老人になってはいけないと強く感じたことでした。