私はマクロビオティックを知ってから3年間、徹底的に陽性に絞り込みました。
ストイックだったため、4年目の夏には玄米ご飯が重くて、ハトムギを混ぜたり麦を混ぜたりして凌いだものです。
主食に少し陰性を混ぜても、おかずが陽性なので体調は陽性そのものです。
マクロビオティックを知る前は大好きだった胡瓜も、茄子も、トマトも、陰性ということで摂らずにいました。
今となっては笑えますが、当時はそんな状態でした。
先程「茄子の油焚き」を作って、幸せな気持ちでいただきました。
今の私にとっての「茄子の油焚き」は、母仕様ではなくマクロ美風仕様です。
母はいりこだしを使っていましたが、私は1.5番だしを使っています。
最初は茄子のアクを意識して、しっかり焦げ目がつくまで焼くのですが、そのときにいつも陰陽のことを意識します。
陰陽を知っているのと、知らないのとでは、このお料理の美味しさも変わって来るからです。
アクがきちんと処理できていないと、色が悪くなるだけでなく、食後感も変わってきます。
器に盛って天に載せる生姜おろしですが、ここでまた一つ陰陽の解釈が面白いのです。
生姜の陰陽は、マクロビオティックと東洋医学では微妙に異なるところがあります。
7月21日に開催予定の「腸内細菌とお手当を話しながら学ぶ会」では、そのへんの違いにも触れておきたいと思っています。
あ、そうそう。
中川さんが作ってくれる茄子の油焚きは、しっかりと陰陽調和が取れていて、さすが「陰陽京料理人」だなあと思わせてくれるお味です。
陰性な食材だからこそ、中庸に仕上げて健康を司るのが真の料理だと思わせてくれる仕上がりです。
(茄子の油焚き 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室むそう塾)
生姜のおろし方も綺麗だし、素朴なお料理でも丁寧に作られていることに、背筋が伸びる思いです。