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玄米は炊き方次第、食べ方次第で毒にも薬にもなるから注意しよう

ちょっと過激なタイトルをつけましたが、これが本当に実感なのです。
玄米に関しては、賛否両論が飛び交っていますが、長年玄米と真剣に向き合ってきたむそう塾としては、すべては炊き方次第、食べ方次第と言い切れます。

まず玄米は、とにかく硬い炊きあがりで食べてはいけません。
胃腸を傷つけるからです。
そして、こういうのはまだ胃腸が未発達の子どもに食べさせてはいけません。
よく、硬い玄米ごはんは「よく噛んで食べてね」と指導するところがありますが、これが一番実行しにくいことです。

大人だってよく噛まない人が多いです。
でも、よく噛めと言われるとストレスになるし、噛んでいる間に温かいおかずは冷めるし、なんだか悲しくなってしまうんですよね。

だったら、白米と同じような感覚で食べられる玄米ごはんを炊けばいいじゃないかと、考え抜かれたのがむそう塾の炊き方です。
何も特別なことはしていません。
単に炊き方だけを工夫したのです。

と、簡単に書いていますが、この炊き方研究は並大抵なことではありません。
炊き方をほんのちょっとだけ変えながら進めていく、気の遠くなる作業です。
京料理人中川善博は、この作業を何百回もこなしました。
当然のことながら、お米の種類や季節による違いも考慮します。

こうして炊き上げた玄米ごはんは、胃腸を傷つけませんし、小さなお子さんも喜んで食べてくれます。
現に幼稚園のお弁当に玄米ごはんを持参しているお子さんも多くいます。

 
 

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つぎに食べ方ですが、年がら年中玄米ごはんばかりだと飽きませんか?
そこは陰陽バランスが大事ですから、白米と白米にピッタリのおかずを楽しめばよいのです。
麺類もいいですね。
パンもいいですね。

私が長年観察していて、玄米を食べて体調が悪い人は、次のような人たちです。
1 玄米ごはんが硬い
2 ストイックに玄米菜食をして動物性をいっさい食べない
3 長年毎日玄米ごはんを食べ続けている
4 まずいと感じるのに玄米を食べれば健康になると信じて食べている(玄米信仰)
5 玄米ごはんを楽しめていない
6 偏った健康方法にのめり込んでいる

もしあなたが5つのうちの1つでも該当するなら、それを変えていきましょう。
変える手段はむそう塾に全部あります。
まずは玄米を柔らかく炊くところからですね。
そのためには、「絹玄米ごはんの炊き方教室」を受講されるのが一番です。
驚きの柔らかさですから。

 
 

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ところで、「絹玄米ごはんの炊き方教室」ですが、この講座で使っているお鍋がついに入手できなくなりました。
製造されなくなってしまったのです。いいお鍋だったのに…
それで、泣く泣く別のお鍋でただ今研究中です。

また、「次の玄米ごはんの炊き方教室は、いつ開催されますか?」というお問い合わせが来ております。
少し間があいて申し訳ないのですが、7月17日()はどうかなと思っています。
この頃に開催したいおかずの単発講座もあるのですが、むそう塾の原点である玄米ごはんも大切にしたいのです。

この日に間に合うように、すでに中川さんは新しいお鍋で研究を始めています。
どなたが召し上がっても、薬になるような玄米ごはんを目指して。
楽しみにお待ちいただければ嬉しいです。

 
 

(絹玄米ごはん 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 
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むそう塾の玄米ごはんはGI革命だ! 1型糖尿病も怖くない

きょうは塾生さんと中川さんのTwitterでのやり取りに泣けました。
「塾生のきょうの100点お弁当」でも取り上げたのですが、とても大事な内容を含んだやり取りなので、こちらでも記事にしておきます。

塾生の“好(このみ)”さんが、初めてむそう塾に来られたのは、2013年3月24日でした。
このとき彼女は、すでに1型糖尿病患者でした。
「福ZEN」の玄米ごはんを全部食べきれなかったことを覚えています。

それもそのはず、糖尿病患者さんの常識では、糖質の食品は少なくするので、むそう塾で出された玄米ごはんは多すぎると感じたわけです。
しかし私は、「白米と玄米は食後の血糖値の上がり方が違うので大丈夫ですよ」と話しました。
きっと半信半疑だったと思います。

 
 

2014年からは「幸せコース」に通い始め、今も「自由人コース3」に通ってくれています。
2014年5月21日からは「お弁当投稿」も始めて、いつも後輩のお手本になるようなお弁当を投稿し続けています。
ちなみに、初投稿のお弁当はこちらの記事の7番目にあります。

好さんのお弁当には150g未満のごはんが入っていて、まるで小学生のお弁当のようでした。
でも、それだとおかずとの陰陽バランスが悪いし、何よりエネルギー源が少ないので、玄米ごはんを少しずつ増やすように中川さんから指示がありました。

怖かったと思いますが、少しずつ、本当に少しずつ玄米ごはんの量を増やすように頑張ってくれました。
ついに200gまでOKになったころ、彼女に変化が出てきました。
体調がよくなって、午後も疲れにくくなったのです。

そして何より、表情が明るくなってきました。
あんなに怖がっていた病気ですが、お薬の量も減ってきて驚いていました。

 
 

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彼女が炊く玄米ごはんは、本当に柔らかくて、今日の彼女の言葉を借りれば、「あんなに柔らかくて美味しくて。中川さんの、ご飯も、パンもなんです! 」とのこと。
そして、中川さんは次のようにお返事します。
「はい そのとおり。 開発するときにいつも胸にあなたの顔があります。 好ちゃんがお腹いっぱい食べられるご飯を作ろうといつも思っています。」

ここで泣けてしまいました。
なんという愛なんでしょうか。
なんとかして奇跡を起こしてやりたいという、中川さんの執念のようなものを感じます。

彼女は最初のお返事で、次のように書いていました。
「何回お弁当を食べても、小豆ご飯の柔らかな炊きあがりと食後の血糖値のゆるやかな推移に感動いたします。」
ここですね。ここが玄米の力です。

そして、むそう塾の「自由人コース」で教えているパンは、全粒粉を使っていますので、玄米と同じように血糖値の上がり方が緩やかになります。
これは単に血糖値の問題だけでなく、玄米や全粒粉の繊維質が腸内細菌のエサになって、快適な腸内環境を維持できるようになるので、健康的になれるのです。

 
 

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彼女が怖がって避けていた炭水化物ですが、実はこれはエネルギー源としてとても重要なものです。
炭水化物を中心にして、少しのおかずがあれば人間は元気に生きられます。
しかし、その反対はバランスが悪いのです。

ですからむそう塾では、最低でもごはんは200gを切らないように食べましょうと言っています。
白米より玄米の方がおかずが少なくてもよいので、お食事の用意も楽チンですね。

10年にわたって彼女の健康を気にかけてきた私としては、彼女が明るく元気にお仕事をしたり、後輩にも時々お弁当を差し入れするほどお料理を楽しんでくれて、本当に嬉しく思っています。
むそう塾を続けていて、心からよかったと思えます。

そして、彼女のお幸せを心から祈っています。

 
 

好さんの今日のお弁当です。
・小豆玄米ご飯190g
・冨貴味噌
・出汁巻
・小松菜お浸し
・蓮根ステーキ
・糠漬け
・モバ味噌

(マクロビオティック京料理教室 むそう塾 好さんのお弁当)

 
 
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部屋探しは「身土不二」の意味も意識するといいですね

今、ある塾生さんのお子さんのお部屋を探しています。
彼は3月上旬に大学の合格発表があったので、大急ぎで部屋探しを始めることになったのです。

こんな混沌とした時代に、自分は勉強なんかしていていいのだろうか?
畑に出て食べ物を作った方がいいのではないか?
彼はそんなことを思っていました。
しかし、家業は農家ではありません。

彼の気持ちはよくわかります。
コロナ問題ですっかり狂った世の中を見ていると、そんな気持ちになっても不思議ではありません。
しかし、勉強は学べるときに学んだ方がよい面があります。
社会人になってからでも学べますが、やはり勉強に専念できる環境の方が効率的です。

 
 

なぜ今学ぶのか?

それは将来の選択肢を広げるためです。
学歴のためではありません。
これから学ぶことは、必ず将来なんらかの形になって自分を助けてくれます。
そのとき初めて「ああ、勉強していてよかった」と思えるでしょう。
それは知識だけでなく、技術でも同じです。

ですから私は、これから学ぼうとする若者の応援をしたくてお部屋探しをしています。
京都から関東に住まいが変わるということは、文化圏が変わるということでもあります。
今までずっと京都の文化で育った若者ですから、関東でいっぱい刺激を受けることでしょう。
それらの一つひとつも学びになります。

 
 

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ところで彼は、なかなか繊細なセンスをお持ちです。
昨年、珈琲講座を受講してくれたとき、それはそれは上手に淹れて、素晴らしい感性でした。
大学生になるにあたり、玄米ごはんの炊き方を習っておきたいとのこと。
きっと彼なら上手に炊けることでしょう。

当初、彼のお母さんは学生用の住まいを探していたのですが、そこはIHコンロばかりでした。
それで私に連絡が来たというのが発端です。
そもそも、玄米を炊く炊かないは別として、若者にIHは止めてほしいと思ったので、私もお部屋探しを始めました。

IKだとコンロが1口というのが多いのですが、頑張ってIDKにすると2口コンロが増えます。
命の源がキッチンですから、ここは頑張って2口コンロを探せたらいいなぁと思っています。
どうしてコンロにこだわるかというと、彼にはお料理の才能を感じるからです。
少しでもお料理をしやすい環境で、彼の繊細さを開花できたら、彼の人生はかなり面白くなるはずですから。

 
 

人は住んだ場所のようになる面があります。
それは環境から陰陽の影響を受けるからですね。

マクロビオティックにも「身土不二」という言葉が登場します。
「え? 身土不二って食べ物のことじゃないの?」と思われるかもしれませんが、もともとは仏教用語なので、土地と環境が人間に及ぼす影響のことを意味しています。

それは体調だけでなく、考え方、大げさにいえば思想にも影響を与えるのです。
人生の半分近くは「その場の影響」を受けるわけですから。
多感な青春時代に、彼が良い環境のもとに暮らせるといいなと思っています。

 
 

(教室の掛け花 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 
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三國清三シェフの動画を観てマクロビオティックを思う

想い出します。37年ほど前のことを。
当時の私は、シャンソンとワインをこよなく愛して、美味しいものを食べ歩くことにお金を全部使っていました。

本も好きだったので、待ち合わせ場所はいつも本屋さんです。
ここだと相手がどんなに遅れても、ご機嫌よく時間をつぶせますから。

そんなある日、1冊の本が目に入りました。
ペラペラとめくると、私と同じ北海道出身のシェフの本でした。
東京にいると、同郷出身というだけで妙に嬉しくなるのですが、これは誰にもある心理状態だと思います。

「ぼくの美味求真」というその本から、「ヌーベル・キュイジーヌ」の流れを感じたのでした。
すぐそのレストランに行こうとしましたが、なかなか予約が取れないお店でした。
「メニューがない お店に行くまで何を食べさせてくれるか分からない」というスタイルが面白くて、2度行きました。

当時、なぜ「ヌーベル・キュイジーヌ」に関心があったかというと、あの重いフランス料理が、日本の懐石料理などを参考にして、軽いフランス料理に変わりつつあったからです。
フレンチの大きな流れが起きた頃でした。

 
 


(画像はこちらからお借りしました)

 
 

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最近、その本の著者である三國清三氏の動画で、そのお店を閉めたと知りました。
その動画を観ていると、ところどころにマクロビオティックの考え方に通じるところがあって、「ああ、三國さんはお料理から陰陽を理解されて行ったのだな」と思いました。

むそう塾ではいつも盛り付けのことを大事に教えていますが、それに似た言葉を帝国ホテルの村上総料理長から言われている場面があります。(21:25から)
働いて得た収入は自己投資をしなさい。
美術館に行き、音楽を聴き、何よりよいレストランで食事をしなさい。

三國氏の師匠であるアラン・シャペル氏から、「C’ est pas raffiné」(セ・パ・ラフィネ:繊細ではない、形でしかない)とつぶやかれる場面がありますが、それを補うものが村上総料理長からの言葉にあったと思います。
ここにむそう塾で伝えている繊細さの学びが重なるなあと思ったのでした。

そして、ここが大事なところなのですが、マクロビオティックでいうところの「身土不二」と同じことを話しておられます。(37:13から)
これが大事なんですよね。
単なるグルメではなく、健康になるためのお料理がマクロビオティックの目指すところだからです。

 
 

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むそう塾では本当に美味しいお料理を教えていますが、いつも基本には陰陽があります。
どんな国のお料理であっても、全部日本人の私たちに合うように陰陽バランスを考えています。

そうすることによって、三國シェフが体験されたような究極の不調和をなくすためです。
どんなお料理を楽しんでも自由ですが、最後は体のことを考えること。
それがマクロビオティックの食べ方だと私は思っています。

動画は三國シェフの人生突破術に焦点を合わせていますが、私はマクロビオティックの観点から観させていただきました。
陰陽を知っている人がこの動画を観ると、人生の陰陽まで楽しめますよ。

では、三國シェフの動画をどうぞ。

 
 

 
 
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料理ができる人は不安が減る 奉書蒸しの美味しさに感動

昨日は、長崎に住む塾生さんのご主人さまが、釣りの成果を送ってくださいました。
1メートル近くもありそうな大きなヒラマサが、ドーンと送られて来たのです。
中川さんが嬉しそうにお魚をさばいていく姿を見ていると、技術を持っている人は強いなと思いました。
サッササッサと柵取りして、あっという間にお刺身が出来上がりました。

 
 

 
 

それをたっぷりの大根と紫蘇と山葵でいただきます。
これで毒消しが済んでしまいます。

 
 

 
 

私は洗い物をしていて気づかなかったのですが、何やら蒸し器から湯気が出ています。
「アッツ!」と言いながら何かが出てきました。
「奉書蒸し」でした。
奉書蒸しといえば、「無双原理&盛付コース」のときに、「氷見の寒鰤」で授業に入っていました。

あれも美味しかったのですが、今回のヒラマサも最高に美味しかったです。
大きめの器に盛ってくれたのに、おかわりして汁を飲み干しました。
こんなに美味しく旨味を引き出せる料理方法に、改めて感動した夜でした。

 
 

(平政の奉書蒸し 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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こうして1本の魚から、わずかの間にメチャクチャ美味しいお料理が出来上がるのを見ていると、技術とは本当に素晴らしいものだと再認識します。
今は何かと食べ物がSDGsの名のもとに、おかしなことになってきました。
しかも急激な勢いで。

しかし、人間の味覚や食習慣は急には変われません。
そうなると、従来の商品に見かけを近づけたり、似たような味に加工していきます。
そうするとそこには多種の添加物が使用されることになります。
もちろん、表示義務のあるなしにかかわらず。

ここで私が危惧するのは、名前や食感は似ていたとしても、材料が異なれば名前とは違う食材の影響を体が受けるということです。
これは「もどき料理」にもあることなのですが、体が受けるのは材料の陰陽であって、名前ではありません。

プラントベースフードが広まるにつれ、私はマクロビオティックの陰陽視点から注意を呼びかけておきます。
「食べたもののようになる」のは当然ですが、それは食材の陰陽の結果であるということを、この混沌とした時代に改めてきちんと理解する必要があります。

あなたにとって本当に必要なのは、本物のお肉なのか?
お肉もどきなのか?
本物の鶏卵なのか?
鶏卵もどきなのか?
etc.

前(1964年)の東京オリンピックの頃、「タンパク質が足りないよ♪」というCMが流れていました。
今また「タンパク質が足りなくなる」と言い出しています。
その裏には何が?

私たちに技術があれば、納得のいかない暮らし方をしなくても、自分で自分の命を守ることができると思いませんか?
こんな時代だからこそ、私は食料を生産する技術、それを料理する技術が極めて重要だと思うのです。

どんな職業に就いている人でも、自分の食事は自分で用意することができたら、もっともっと人は不安にならずに生きていけるのではないでしょうか。

 
 
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