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主宰者紹介ー中川善博

私が最初にマクロビオティックに出会ったのは、かれこれ20年ほど前になります。
 
当時スキルス性胃癌に冒された家内を助けてやりたい一心で「食養」を始めました。玄米ご飯も炊きました。玄米クリームも作りました。また、里芋パスターや生姜湿布をするために、何百キロの里芋や生姜をおろしたことでしょう。手はボロボロに傷ついて血がにじみ、不眠不休の看病をしましたが、家内は八歳の長男と乳飲み子の娘を残して亡くなりました。
 
しかし人生とは不思議なものです。
娘が中学生になったとき、「マクロビオティックをやりたい」と言って一冊の本を持って来たのです。その時私は思いました。ああ、家内が娘を導いたのだなぁと。
 
ところで娘が持ってきた本は、私が知っていた桜沢如一氏の「食養」とは少し違ったので、違いの中身を確認するべく山梨に新しく出来た「クシ インスティテュート オブ ジャパン」に行きました。第1期生ということもあって、久司道夫氏は毎晩遅くまで熱くマクロビオティックの話をしてくださいました。ここでは新たな学びというより、私が今まで歩んで来た料理の道と大きく違わないことに自信を深めたものです。
 
元々京都の老舗料亭「萬亀楼」で修業を積んでから独立し、料理屋を16年間経営していた私にとっては、マクロビオティック料理の世界は相通ずる点が多くて、陰陽の考えも腹の底からすとんと納得出来るものでした。
 
20年前に読んだ「魔法のメガネ」や「無双原理・易」「宇宙の秩序」等は勿論のこと、桜沢先生のその他の本も新しい気持ちで読み直しました。桜沢先生のご出身地が京都であるためか、とても親近感を持って読めるのが嬉しかったです。
 
徹底的に研究を重ねて炊いた玄米ご飯を、娘は最初から旨いといって食べてくれました。その姿に感動して、私は亡き妻が生きていたら食べさせたかったマクロビオティック料理を作り始めました。毎日娘にはマクロビオティック仕様のお弁当も作り、その時の写真をブログに載せているうちに、「写真の料理を食べたい」というご意見が多く寄せられるようになりました。
 
妻が亡くなってからはお店を畳んでいたのですが、介護が必要となった母親の面倒を看ながら子供を育てるためには、新しくお店を始めるのも良いかと判断しました。そこで、小さな小さな一人で切り盛り出来るランチだけのお店をオープンしたのが2006年の3月でした。
 
そこにいらしてくださったのがブログ仲間のマクロ美風さんで、私の玄米ご飯の炊き方に興味を持たれました。何度か通ってくださるうちに炊き方をご説明したところいたく感心され、その炊き方をもっと多くの人に教える塾をしましょうと誘われたのでした。
 
そこで2008年から玄米ご飯の炊き方教室をしていたのですが、お料理も教えてほしいとか、コース制にしてほしいとか、色々なご要望をいただくようになりました。母も亡くなり娘も成人したことから、私の義務も果たしたので、思い切ってお店をリニューアルしてマクロビオティックと京料理を融合した料理を教えるべく、2009年から「むそう塾」のコース制を始めることになったのでした。
 
幸い同じ年令の子供を持つマクロ美風さんも子育てを終えられたので、二人で今までの経験を活かしてもう一度子育てをするつもりで「人間塾」としての「むそう塾」を目指すことになったのです。


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