続OYAJIWORKS™ ビジョン再生のその後
前回のOYAJIWORKS™レポートで再生を始めたO鍋のその後です。
蓋の傷やグリップは完全再生されて新品同様の輝きと働きをしている。
教室でデモ機とくらべている時、O鍋の蓋取っ手と胴体取っ手の間のアライメントが狂って大きく開いていることに気づいた。。
蓋の傷にばかり気を取られていたのだが気づいてよかった。危ないところだった。
なぜ同じ種類の鍋なのにこんなに差があるのか?
商品誤差にしては値が大きすぎる。
左がO鍋。 明らかに開きすぎている。
よく確認してみると胴体取っ手の下側(ステンレスの保護ベルトがある部分)に熱劣化が起きていた。 ようするに焦げていたのだ。 ここまでなるほど焦げていたら、絶対に部屋中石油製品の焼けた異臭が強くしていたはずなんだけど使っていたOさんからは何も聞いていなかった、本人も気づいて居ないのだろう。
焦げてヒビ割れも見られる。
こちらは1年半ほど使っているが焦げていない普通の状態のもの。
樹脂は熱せられると柔らかくなって膨張する。そして冷却されると劣化して元よりも柔軟性が低くなって収縮する。
そうするとどうなるかというと胴体に固定するためのボルトの締め付けトルクが小さくなって「緩み」と「ガタ」が発生する。
そしてがたつきはいけないとドライバーで増し締めする。 増し締めすると劣化した樹脂は締め付けに耐えられずにクラック(ひび割れ)を起こすのだ。
それでもなお増し締めして無理やりグリップを固定するとどうなるか?
クラックが入った弱い部分に向かって曲がっていくのだ。 (下に下がる)
こちらが焦げていない状態のグリップ。 ステンレスのベルトと黒い樹脂の間の隙間に違いがある。この隙間の分だけグリップが下に曲がるのだ。
結果、上下の取っ手の間がここまで開いてしまうのである。
開いてるだけでは別に問題は無いのだ。 問題はその開いたグリップを握りしめることである。 わかりますね? 問題のダイアルの付け根の弱い部分に余計に負荷がかかってグリップ亀裂が起きるのである。
クラックが入ってしまった取っ手は修理は不可能なのでWMFからパーツを取り寄せして交換修理をする。
これが到着したので交換。
中身はこんな感じ。ボルトも同梱されている。
交換終了!
これで同じアライメントになった。
早速炊飯実験。 こんな感じに炊けた。 絶好調だな。 息も合って良い相棒になった。 鍋が喜んでいる。
さて、修理はこれで完了だが、なぜO鍋がこんな風に曲がってしまったのか?原因を考察しておく必要がある。
彼女のお家はオール電化でビジョンをカセットコンロのジュニアか火膳で使って居るはずなのだ。 BOならまだしもジュニアの全開でビジョンのグリップが焦げるようなことは考えられないのだ。
うーーーん、と7秒くらい熟考して判る。 あ、そうか! 多分こうやな!
青い破線は鍋の中心線。 赤い破線は炎(バーナー)の中心線。
鍋底の中心にバーナーを置けていない人は教室でもたくさん見る。 おそらく気づかないうちにこの図のような状態でジュニア全開で炊いたのであろう。
それにしても異臭がしたはずなのですがねぇ。 不可思議だ。
だし巻きでも煮物でも同じ。鍋底ごしにその下にある火輪(エネルギー)を感じて見えなければ料理は上手になりません。
これも見えないものを見るチカラなのだ。
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待合室のA先輩 「誰に学ぶか、どう学ぶか」というお話
私の趣味の話しをすることはあまり無いのだが(珈琲以外に)今日は私の趣味の1つである2輪車の話しをしようと思う。
あ、バイクのエンジンがどーとかナックルヘッドがどうとかのメカな話ではないので多くのご婦人の読者の方も最後まで読んで欲しい。
日本の法制ではエンジン付きのバイクの免許には排気量の上限が何段階かで区切られている。 俗にいう原付きとか原チャのスクーター用は49CCまで、自動二輪という大きなバイクは中免と呼ばれて399CCまでを上限としている。上限を限定しているのだ。
じゃ昔からナナハンと呼ばれる750CCのバイクや有名なハーレーを乗るにはどうすればいいかというとお国が定めた限定を「解除」してもらう必要がある。
それにも試験がある。「限定解除」と呼ばれている難関中の難関試験である。
(今はその限定解除試験も教習所で受けられるようになっている 甘あまやね)
地域の運転免許試験場に出向いて試験を受ける。
大きな重い車体を自由自在に操れ、法規を順守し、見るからに「暴走族では無い」礼儀正しい風貌をも問われるのだ。 普段行儀の悪い乗り方をしていると緊張したり予測していなかった場面に出会った時にお行儀の悪さが出る。(箸の持ち方に似てますなぁ) 減点方式でバンバン点数を引かれていき、◯◯さんスタート地点に戻ってくださいー!とマイクで失格宣告をされるのだ。
何度も何度も挑戦して、そのたびに失格してしまい、試験上に行くと待合室で「また合いましたね、どこで引っかかりましたか?完走はできたの?」などと傷の舐め合いをしているのが聞こえる。 失格再挑戦するたびに印紙を貼った願書がホチキス留めされてどんどん分厚くなっていく。
待合室の角の灰皿の近くのベンチにやたら偉そうに新参者にコーチをしている人が居た。 いかにも走り屋風の履きこんだブーツが印象的だった。
「あのコーナーは膨れたら教官に丸見えだからアスファルトと縁石のギリギリを走るのが大事。減点されるよー」とか言ってる。
少しでも合格への情報を知りたい新参者は「なるほど、勉強になります。Aさん、他にどこが罠ですか? 教えてください」と群がっているのだ。
もう私はおかしくてお腹の皮がよじれそうだったが、黙ってその光景を見ていた。
なぜ可笑しいかわかりますか?
説明をすると、その牢名主のように待合室の主となっているA青年はまだ限定解除に合格していないのだ。 その証拠に彼の願書はもうすでに雑誌なみにページ数が悲しいほど分厚く重なっている。
何度も何度も受験して、失敗しているのは学び方が間違っているからなんだよ。
群がっている新人君たちよ、気付けよ。 正しく学んでいればそのAくんはとっくにここには居ないんだよ。
え?私ですか? 私はAくんにはアドバイスを貰わなかったからかどうかは知りませんが3回で受かりましたよ。はい。 ですから何千ccのバイクでも乗れます。 白バイ隊のお兄ちゃんたちと練習しましたから。 おまわりさんが検査官なのだから、乗り方をおまわりさんに習えば良いだろう、Aくんよりも。ということ。
なぜこんな話しをしたか? ここで場面は運転免許試験場からむそう塾に変わります。
愛クラスや幸せコース、上級幸せコース。じっくり、満足多くのコースで学んでくださる塾生さんの中に、学んだことを忘れたり勘違いに気づいたり自動変換に気づいたりしたときに、いつも同級生やTLで親しくなった先輩にメールやDMで質問している人が居るのです。
ひどい人はコースの授業中に食事をしている時に向かいの席の人に尋ねて、またそれに平気で答えてる人がいるのです。 正しく伝えられていれば良いのですがしっかり間違っている事が多いのです。 デマの拡散ですね(笑)
なぜ質問があれば私に聞かないのでしょう?
私がおまわりさんに操縦方法を聞いたのと同じように。Aくんに聞かずに私に聞いたほうが良いんじゃないの?
ひょっとしたらもう忘れたんかい!と叱られるんじゃ無いかとか、こんなに早く忘れる馬鹿だと思われたくない等の感情が働くのかもしれませんがそれは間違っています。
Aくんはどこにでも居るのです。あなたが望めば。
「誰に学ぶか、どう学ぶか」というお話でした。
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道具に接する心とは その2 OYAJIWORKS™ 発動!
むそう塾の人気者Hoさんが愛クラスに持ってきたビジョンはありゃ〜と言うほど傷だらけでかわいそうな程でした。 おそらく美味しく玄米ご飯が炊けていないだろうとこの鍋を見るだけで判りました。(だから再受講しにきたんじゃないかっ!) ごもっとも。
先にいたってはこんな感じに。
調子が悪くなると消耗部品とも相性が悪くなり、どんどん悪循環が育ってしまいます。
主食が上手く炊けない不安と焦りでまた体調を壊したらたいへんと、急遽教室のエースデモ鍋と交換してあげよう。と提案しました。
よほど困って嫌になっていたのか、「そんな事してもらったら申し訳ないので自分でなんとかします」とは言いませんでしたね。即答で「宜しくお願いします!」キッパリ!(笑)
はいよ〜と送られてきたのが上の状態のビジョンでした。
胴体は大丈夫かと言うと一番大事な口のクロームの部分がガキガキのはげはげになっていました。 こりゃー手強いなぁ。 おしゃかにしてしまおうか・・。と一瞬弱気な心が頭をもたげました。 が、そこは陽性オヤジ! 負けるもんか!と奮起しました。
ついにその時がきたのです。 OYAJIWORKS™ の行動開始です。
昔バイクや車をイジっていた時に錆びた部品やクロームを光らせていた時の技術を使いましょう! (なんでもやっておくもんでしょう? 器用貧乏の日本代表ですな_| ̄|○)
磨いて磨いて違いを見るためにマスキングをして境界をつくりました。どうですか?
もっともっと磨きこんで最後には鏡面にちかいほどにします。
全面磨き始めるとこんなになります。 もう深い傷は無いですね。
iPhone6Plusを構える私が写り込んでいます。
最後に水砥ぎして食品を入れても大丈夫なレベルまで洗浄して仕上がりです。
なんとなく鍋が喜んでいるように見えませんか?
温泉に行ってほっこりして英気を養ったおばちゃんのようじゃないですか。
口のクロームも何とかツルツルに戻りました
乾拭きしてパッキンをはめ、グリップを装着して水実験です。
超弱火でも至って元気にバリピンで圧をキープしています。
いかにも天使のご飯が炊けそうなピンの表情ですね。湯気も優しそうです。
優しい湯気を見ながらピカピカに嬉しそうなビジョンを見ながら ふと思いました。
むそう塾って、よそのマクロビオティック料理教室で調子が悪くなったご婦人を元気づけて赤ちゃんの誕生まで導いたり、キズキズになった鍋を捨てずに諦めずに修理したり、つくづく同じことをしているなぁと。
「冥加が悪い」 おばあちゃんが良く言っていた言葉です。 知らない間に私に染み付いていたのでしょうね。
先に書いた英気を養うの英気ってなにか知っていますか?我々が良く言う「氣」の事です。
万物に氣は存在します。 万物には波動があり、氣も波動の一部なのです。
新品の鍋は工場出荷時にピカピカツルツルの「氣」が充ち満ちた状態でみなさんの手元に届けられます。
ですから100円200円安いからといって訳の分からないバッタ屋や倒産品流れなどの廉売店や、誰が使ったかわからない中古品は使わないのです。満々の氣がすでに削がれているからです。 ここを判って欲しいのです。
新しい鍋を買ったら。鍋だけではありません。あなたの周りにある全てのものに通じます。
その「氣」が削がれたり汚れたり曲げられたりしないように使うことが大事なのです。 それを「メンテナンス」といいます。
常に新品の時の働きをしてくれるように、鍋が働きやすいように使う人間も充ち満ちた氣をもって相対することが大事なのです。
散らかった部屋や弁当箱の中のカオス(笑)を見ると自分の氣がいまどんなレベルなのか判ります。
毎日ご飯を炊いていて、なんだか前より美味しくないな、お通じチェックに合格が出ないな、そんな時は鍋を見ましょう、床を見ましょう、窓ガラスを見ましょう。
新品の時と同じですか?
※OYAJIWORKS™ は個人経営の修理工場です。(笑)
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道具に接する心とは ビジョンとパッキンに思う事
幸せコースの放課後に、Kさんがビジョンの蓋も胴体もを見てほしいと持って来られた。 見るとずいぶん傷だらけ。まるで数十年業務用に使った鍋のよう。
どういいうトラブルなのか聞くと、買い替えたところのパッキンなのに横の窓から圧漏れが起きて美味しくご飯が炊けなくて辛いです。ということだった。
愛クラスの時に説明した「一番圧力鍋で大切に扱わなくてはいけない部分」がザクザクに傷んでおり、いまにも圧が漏れそうな見た目に。
取っ手のねじも緩んだままで蓋の固定がままならない。
増し締めをして、掃除の仕方をお教えして、いろんな言い訳を聞いて、問題のシリコンパッキンを確認した。 私の愛用のビジョンのパッキンと品番等をすり合わせたが同じもののようだった。
気分だけでも安心するだろうと、私が使っていた圧漏れなどしたことのないパッキンと交換した。 上手く炊けていると良いのだけれど。
そして下の画像は交換したKさんのパッキンで私が今朝炊飯をしてみた時のもの。
いたって普通に炊けております。ピンも上がっていますね。
横の小窓のクロースアップです。 シリコンが蓋に圧着して引っ張られていますが。圧漏れを起こすほどずれていません。 これで通常です。
実証検査を済ませて思ったこと。
エラーは出るべくして出る。ということ。
鍋のメンテができていないでひどく傷んでいるのは使い方と洗浄と保管の問題です。
すぐにでも解決しますね。いままでやってきたことを変えれば良いのですから。
もう一つ。
炊飯時の火加減です。驚くほど取っ手の裏とハンドルの裏の樹脂が焼け焦げていました。ジュニアで炊いていれば絶対にここは焦げないはずなのです。
おそらく外炎が鍋底をはるかにはみ出るような豪火で炊飯をされているのでしょう。
でなければ樹脂の部分は焦げません。
そうしてその豪火は急激な高圧を発生させるためにパッキンの摩擦力を大きく越えてしまい圧漏れを起こすのです。
一度みなさんもご自分のビジョンの裏をチェックしてみましょう。
道具も人も同じです。
丁寧に付き合えば丁寧な仕事をしてくれます。
愛さなければ愛してはもらえないのです。
信じなければ信頼は得られないのです。
してもらうことばかりを考える人が多い今の世の中でリターンを望まない生き方ができるかどうか? いろいろ一緒に考えてみませんか?
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久司道夫先生の訃報を聞いて
【掴んだ藁の1本が私の食養との出会いでした】
病に侵された家内を救おうと食養の勉強をしたのがマクロビオティックとの出会いである。
オシャレやダイエットとは全く無縁の暗く辛い思い出しか無かった。
家内を亡くし、16年以上経営した料亭を閉めたのち、外食産業の商品開発を任され勤め人の時期を過ごした。 その時にウエブログ(後のブログ)を始めた。
ネットとの繋がりが私に外の情報を運んできてくれたのだ。 そしてそこにひっくり返るほどの可能性を見出してワクワクしていたのを覚えている。
ちょうどその頃にアメリカからマクロビオティックと呼ばれる食養が逆輸入されて美人になるとか痩せるとかで評判になり始めていた。
その中心人物が久司道夫先生であった。
毎日の仕事の合間にどんどん情報が集まって来て、来年クシインスティテュートの日本校ができるということを知った。
果たして陰性に思えるクシマクロビオティックを日本人にどう伝えるのだろうと興味の芽が日に日に育っていき、ついには退職して1期生への入学を決意してしまっていたのだ。
思ったら即行動に出てしまうのは陽性なのか、人生を切り替えるスイッチングの味をしめたのか自分でも判らないのだが。
はたして退職し、通勤用のバイクも売り、わずかに出た退職金もすべてつぎ込んでKIJ(クシ・インスティテュート・ジャパン)一期生に入学した。
アメリカから久司道夫先生も講義に来られ、毎晩食後に面白い陰陽の話しを聞かせてくださった。
終わりの時刻を過ぎてもどんどんハッスルして終わったのが23時というのもしょっちゅうだった。 きっと何年もこのペースではお話は聞けないだろうから貴重よ〜、とみどりさんの言を覚えている。
パトリシオ氏とも議論を交わしたし、調理実習の際に生徒なのに私の方が専門だからと天ぷらの揚げ方を教えたり、仕込みの手伝いをしたり、そうそう巻きずしの巻き方も指導したな。 (学費返せ〜(笑))
卒業近い日に久司道夫先生とお話をする機会があった。
「私は料理人で、精魂込めて綺麗に盛りつけて温度も味も香りも考えぬいて作り上げてもパクパクパクっと食べてしまえば終わり、次の朝には便器に流れてさようなら。 絵画や彫刻、陶芸家などの芸術家は羨ましいです。自分が死んでも作品は人の心を掴み続けるのですから。」 たしかこんな風なことを言ったと覚えている。
そうしたら久司先生は「絵や陶芸は食べられないではないですか。あなたが作る料理は食べられて命を創る素になるのです。決して消えてしまうわけではありません。これからは陰陽を駆使した料理であなたならではのマクロビオティックを広めていってください。」と言葉を下さった。
もうこの時に、この言葉を頂いただけで仕事を捨てて駆けつけた甲斐があったと思った。
もちろん「はい。わかりました。」と胸をはって返事をした。
もう久司先生には会いたくても会えなくなってしまいましたね。
私は陰陽を使って料理の素晴らしさを、マクロビオティックを広めていけてますよね?
もっともっと頑張りますので天国からいつものアルカイックスマイルで私を見ていてくださいね。
ご冥福をお祈りします。
2014.12.29
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あなたのだし巻きはプルプルしていますか?
私がだし巻き玉子を焼いているところである。
幸せコースでのデモで塾生さんの眼前で手本を見せる。
そして焼きたてを切って味見をしてもらう。
このコンロは超強火が可能なBOというカセットコンロで、それを「全開」で焼くのだ。 「そんなことをしたらアッというまに焦げちゃうじゃないですか?」と思うでしょう?
だから道はひとつ。「焦げるまでに焼く」 これだけ。
一瞬の躊躇やうっかりが舌触りの悪い焦げにつながる。 そうして2分20秒程度で焼いたものを味見してもらったのがこの動画だ。
みなさんの顔を見ればお味の方は想像つくだろう。
そして注目は切った後のまな板。
たっぷり入れた出汁は滲み出たりこぼれたりしていないのだ。 これが美味しさ。
速さも調味料だ。と私が力説するのもおわかり頂けるだろう。
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マナガツオって真名鰹って書くのですがご存知ですか?
西海にサケなし。東海にマナガツオなしと言われており、関東以北の方にはおなじみが無い魚の一種である。
幽庵焼きや西京漬けにして食すると特に旨い。
京都で育った茶懐石の中での焼物には良く登場する魚である。
西京漬けや幽庵焼きで黃柚子を使う場合はその後に出す強肴や預鉢には黃柚子の果汁を忍ばせて客人の舌に「途切れ」を生じさせないなどの亭主の淡い自己主張が、センスと嫌味を分ける。 やな世界でしょ?(笑)
真名鰹はこんな魚です。ブスやね。
三枚におろして薄塩を振り身を締めてから皮に千筋を入れる。
皮が他の魚よりもはるかに硬く、焼いてからも噛みきれずに客人の着物を汚してしまう可能性を先になくしておくことと、無粋な白灰色の皮に装飾性を持たせるのが目的。
ようするに「おれはこれくらい包丁切れるんだぜ」的な。 やな世界でしょ?
そしてご存知「西京漬け」にして波串を打って炙焼にする。
白味噌は糖度の高い味噌であるゆえに強火の遠火は通用しない。
弱火の遠火で気長に炙るのがよし。
お試しあれ。
なかなか魚屋やスーパーでは見かけないが、出会えたら即ゲットすべし。
残りはフライや唐揚げで中華甘酢あんかけも旨い。
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ハイカラうどん
ハイカラうどんです。
と、書くと「そうそう」と思う人や「いや、違うでしょー」という人が出てきます。
京都ではこれはハイカラうどんと呼びます。
東京ではたぬきうどんですね。
でも大阪でたぬきというときつねうどんのそば台(べーすの麺類を台と呼ぶ)のことを呼ぶ。したがって「たぬきうどん」と注文すると「はぁ?!」となる。
ややこしいですねぇ。
ちなみに京都でたぬきうどんというと刻み狐(京都ではきつねは三角や四角の甘い揚げではない)の餡かけでおろし生姜たっぷり。のことである。だから注文すればたぬきそばも有る。 大阪ではあたりまえやん。と言われる。
あーややこしい。
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すうどん
京都ではかけうどんのことを「すうどん」と呼ぶ。 おそらく(素の状態のうどん)から来ているのであろう。
先日お教えした中川善博作うどん屋の出しをアレンジして透明感のある薄口醤油ベースのうどんのつゆを作った。 餡を引いていないのできつねうどんやすうどん、天ぷらうどんに持って来いである。 いかがでしょう?
古典落語のネタに麺類を題材にしたものがある。
江戸落語では「時蕎麦」 上方落語では「時うどん」となる。
麺類の原料となる澱粉含有穀物の生産地の陰陽が蕎麦と饂飩の振り分けを自然発生させたのだ。
北海道音威子府の饂飩は無いし、讃岐の蕎麦も無いのである。 これが自然。
ジネンに逆らって生産すると美味しくないものが出来上がる。
これが宇宙の秩序である。
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ピンタレストって知ってますか? http://www.pinterest.com
今日はすこし嬉しいことがあったので報告です。
細々と続けておりますピンタレストで、以前から気になるヴィジュアルアーティストが居ました。 Gosha Nagashima というおばちゃんなのですが、いろんなボードをもっていてそのなかに和食も マクロビオティックもあったのです。
ちょっとこれはしきたりが間違ってるよ〜という和食もあるのですが、我々がフレンチやイタリアンを正しく 知っているかというと怪しいものなので五分五分ということで楽しんで見ていました。
今朝ピンタレストを見ているとなんとそのGosha Nagashimaさんが私のアップした料理群をたくさんリピンしてくれていました。
こちらからは何もアクションを起こしていないのにたくさんの投稿の中から私の作品に眼を止めてリピンしてくださったのが嬉しかったのです。
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