初秋のある日 一日だけのメニュー 「『肴 秋」より


(カウンター割烹 なかがわ 2021年9月26日のお献立)

 
 

2021年9月26日(日)。
8名の方々が「カウンター割烹 なかがわ」にお集まりいただきました。
たった一日だけ。
この日のために、まさに「ご馳走」の時間を過ごした中川さんと私たちでしたが、それが楽しくもあり、ワクワクする時間でもありました。

ちょっと裏話も記録に残しておきましょう。
まずは材料揃えから。
どんなメニューになるのかは、中川さんしか知りません。

言われた材料を揃えるのは、スタッフの麗可ちゃんなのですが、コロナの影響で八百屋さんもお魚屋さんも品揃えが恐ろしく不足していて、その中から最善の策を講じていく苦労がありました。

たとえばこんなに可愛い大根。
満足コースの授業でも手に入らなかったのですが、中川さんの「どうしても欲しい!」という熱気が八百屋さんに伝わり、必死で探してくれてやっと手にできたのです。

 
 

前日の夜から仕込みが始まりましたが、この段階でも中川さんの頭の中に完成形があるだけです。
何がどうなるのかさっぱり分からない私は、ワイングラスを丁寧に洗って、皆さんの笑顔を想像します。

このワイングラスは、京都の高島屋で購入したのですが、個数が足りなくて、横浜の高島屋まで麗可ちゃんが買いに行ってくれたのです。
なんとしても新しいワイングラスで、美味しいワインを!
希望どおりになって嬉しかったです。

 
 

当日は、定刻に皆さんがお集まりくださって、ちょっと緊張気味にスタート。
なにしろ完成形を知っているのは中川さんだけなので、私やスタッフは中川さんの指示に従うだけ。

中川さんは何十年ぶりかで作るお料理を、せっせと作るのですが、出来たてをお出しするために、私は写真も満足に写すチャンスがありません。
お客様優先なので。
TAMOは洗い物に必死です。

せめて八寸を。

 
 

延々と時間をかけて出来上がった「子持ち鮎のコンフィ」。
この「うるかソース」が抜群の美味しさでした。
これだけもお酒が進みます。

 
 

前日の仕込み段階から私が目を奪われた、「甘鯛蕪寿司」。
これがいかにも中川さんらしいお料理でした。
やさしいお味だけなく、ほのかに漂うお色気があります。

八寸に載っていますが、あまりにも素敵で思わず写した朝の仕込み写真をどうぞ。
やっぱり中川さんのお寿司は最高です!

 
 

仕込み段階から見ていてつくづく思うこと。
あ〜、やっぱりここでも桂剥き。
ここでも刻み。
ここでもへぎ切り。
みーんな幸せコースで教えたことでした。

それらの技術の上で出来上がるお料理。
それが「『肴』 秋」で思い知らされたことでもありました。

 
 

カテゴリー: うれしかったこと, マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | コメントする

ついにその日が来ました 「『肴』 秋」

(撮影 京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

初めての講座

「『肴』 秋」

一日だけ開く京料理人中川善博のお店

贅沢な食器も お庭も お部屋も 掛け軸もないけれど

本物の味一本で挑戦!

 
 

カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | コメントする

京料理人中川善博の動画から学ぶ 糸面取りの技術 

【糸面取り】

面取り。
一般的には工作物の角を取ることをイメージされるでしょうが、お料理でも面取りがあります。
「糸面取り」とも言います。

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

【桂剥きと面取り】

これからは根菜類が美味しくなる季節です。
煮込む時の荷崩れを防いだり、煮汁を濁らせないために、「面取り」の技術がありますが、美しくできる人は案外少ないものです。

「剥く(むく)」理論を正しく理解できていないと、仕上がりがガタガタしてしまいますね。
でも、むそう塾では、桂剥きを徹底して教えているので、理論的には理解してもらえるかなと思います。
あとは、そのとおりに手を動かすだけです。

もし、桂剥きの理論と面取りの理論が理解できない人は、下の動画で中川さんの説明をよ〜く聴いてください。
「はは〜ん」となったらシメたもの。

 
 

【京料理人中川善博による大根の面取り説明】 2018.9.30 必見!
面取りの理論説明が素晴らしい動画です。

 
 

【大根の面取り 三角の説明】 2018.9.30

 
 

【京料理人中川善博による人参の面取り】 2021.9.24

 
 

カテゴリー: 京料理人 中川善博の動画, マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | コメントする

おせちの準備 栗の甘露煮

まだ9月ですが、中川さんはもうおせちの用意をしています。

先週、中川さんのキッチンには「栗の甘露煮」が並んでいました。

品質の良い栗が手に入るうちに、ということらしいです。

 
 

(栗の甘露煮 料理&撮影:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | コメントする

乳製品を摂るときはマグネシウムのことも考えよう

【乳製品は本当に必要か?】

 
マクロビオティックの食べ方では、乳製品はあまりお奨めではありません。
理由はいくつもあるのですが、今の世代の人は生まれたときから乳製品に囲まれているので、その人達の納得のいく説明の方がいいかなと思っています。

何しろ、学校給食で毎日牛乳を飲まされて育つ世代ですから、昔の人とは大違いです。
では、なぜ学校給食に牛乳があんなに登場するかといえば、カルシウムを手軽に満たせるからですね。

もしかしたら、ご自宅でも「成長期にカルシウムは必要よ!」と、食卓に登場しているかもしれません。

ところが、牛乳をそんなに摂っていない昔より、牛乳を摂っている今の方が骨折する人が多いのです。
これは、カルシウムはたしかに多くなっているけど、それに見合ったマグネシウムが摂れていないためだと思われます。

 
 

【カルシウムとマグネシウムの割合】

 
人間の体では、カルシウムとマグネシウムのバランスは2:1が理想的なのですが、乳製品はカルシウムがものすごく多いのです。

<乳製品のカルシウムとマグネシウムの割合>
・牛乳    110、10 (11:1)
・ヨーグルト 120、12 (10:1)
・チーズ   630、19 (31:1)
※食品は100g、カルシウムとマグネシウムはmg

すごい割合ですよね。
ですから、もし乳製品を摂るなら、意識的にマグネシウムも摂らないと、カルシウム過多になって、体調不良の原因になってしまいます。

 
 

カルシウムは組織を締める働きがありますが、マグネシウムは組織を緩める働きがあります。
これは、マクロビオティックで陰陽を知った人なら、「ははーん」とお解りいただけると思います。
鋼と同じで、固くなりすぎると折れやすいのです。

骨なら骨折ですが、筋肉や細胞なら組織が固くなって、弾力性を失いますよね。
肩が凝ったり、足がつったり、生理痛や偏頭痛がある場合は、マグネシウム不足も考えられます。
あ、そうそう。高血圧もマグネシウム不足が原因の一つだったりします。

 
 

【乳製品は嗜好品】

 
私は乳製品は嗜好品だと思っています。
お料理で乳製品があった方が美味しくなる場合は使えばよいし、その場合はマグネシウムを他で取れるように気をつければよいのです。

乳製品が嫌いな人は、無理して食べなくてもよいし、和食中心の食生活をしていたら、案外カルシウムとマグネシウムは取れるものです。

しかし、添加物の多い食生活をしていると、いわゆるミネラル全体が不足しがちになるので、本腰を入れて食生活を見直すことをお勧めします。
それなくして、サプリメントに頼るのは、ちょっと違う気がします。

 
 


(コーヒーゼリー 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

カテゴリー: からだ, 食べ物あれこれ | コメントする