コロナにも通じる「風邪の効用」と甲野善紀先生の考え方 

甲野善紀さん。
私が甲野先生を知ったのは、一冊の本からだった。
当時日本CI協会の書籍コーナーで、マクロビオティック関連の本の中にあった。
2003年頃のことで、「ナンバ歩き」というのに興味をひかれた。
今は文庫本になっているらしい。

 
 

ナンバ歩きというのをご存知ない方は、こちらの動画をどうぞ。

 
 

【甲野善紀先生と野口整体】

その甲野先生が、先日とても重要なことをTweetされていた。
はしかの下りでは、私の息子がはしかに罹った時、当時整体の指導者になっていた友人が、「羨ましい! 宅急便で送ってほしい!」と言っていたのを想い出す。

コロナに関しても、「避ける」のではなく「利用する」ぐらいの気持ちになれたら、精神的にも楽になれると私は思っている。
野口整体に50年も関わっている私としては、とても納得の行く内容だった。

 
 

甲野善紀

私が人生の様々な面で多大な影響を受け、私にとって大恩人とも言える社団法人(現公益社団法人)整体協会の創設者である野口晴哉先生には『風邪の効用』の名著がある。

この本は、上手く風邪を利用して体を改善しようということが説かれているが、野口先生は、風邪に限らず、ハシカは上手に経過すれば呼吸器が丈夫になり、耳下腺炎も上手く経過させることで生殖器がちゃんと育つということを説かれていて⇒

そのため、この「病気を使いこなす」という整体思想を身をもって実感している人達は、ハシカに罹った子がいれば、まだハシカに罹っていない我が子を連れて見舞いに行ったりしていたものだし、耳下腺炎なども同様の対応をしていた。

つまり、野口晴哉先生には、病に罹るまい、罹るまいとして病に怯えるのではなく、病を使ってより丈夫な身体を獲得しようという、現在の医学の常識の上を行く発想と、それを支える整体の観察法と技術があったという事である。

ただ、それは感覚主体の術理であり、当然のことながら誰にも理解できるハッキリとした数値として示すことは出来ない。

こう言うと、多くの人は「何だ、そんな非科学的なものか」と言うかもしれないが、人々が現に暮らしている日常で、その人にとって重要なことは、他の人達との交流であり、自分にとって好ましいと思う人、あるいは好きな音楽や身の回りの物などは、すべて感覚中心で選んでいる。

自分が生きていく上での行動に極めて大きな影響を与えている、これらの感覚を、こと身体のことになると軽視するというのは何ともおかしなことだと私は思う。

ただまあ、いまこうした事を論じていても、現在の世の中の人達の常識が一夜にして変わるわけではないから仕方ないが、人間の身体の調整に関しては今の医学常識では全く及ばない事が、まだまだ色々とあり、いま流行中のCOVID-19に関しても、私のごく親しい知友の中に⇒

COVIDー19のクラスターに巻き込まれ、保健所からPCR陽性とされ、隔離さて、39度近くの発熱に吐き気、倦怠感、味覚嗅覚が失われるという典型的なCOVID-19の症状を呈しながら⇒

一夜で劇的にこの状態を乗り越え、症状もなくなってみると、もう何年か前から失われていた右足が痺れて感覚がなくなっていたところに感覚が戻っていたうえ、実に気分が良くなったという人物がいる。まさに『風邪の効用』を体現している。

詳しくは、この人物からのメールなども引用して、夜間飛行から配信している、私のメールマガジン「風の先・風の跡」で紹介したいと思う。yakan-hiko.com/kono.html

整体協会では「風邪を治す」と言わず「経過させる」と言うが、常に成長し、また老いて死へと近づきつつある人間にとって、元の状態に戻るということはあり得ない。常に変化し続けているだ。それならば、その流れの中でより健やかに過ごすことが何より重要だろう。

現代の医学がとにかく目の前の症状をなくすことに躍起になっているのは、本質的に重要なものを見落としているような気がしてならない。

その辺りに目を向け、人間一人一人の生き方と社会全体の在りようを見つめ、その事と医療との関係を考えてくださる医師の方が、今後一人でも増えることを願わずにはいられない。

幸い近々そうした志のある医師の方とお話し出来る機会がありそうなので、今から楽しみである。

 
 

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「『肴』 秋」追加開催のご案内

9月26日に開催して大好評だった「『肴』 秋」講座ですが、実は講座の開催前から追加開催をお願いされていました。
同じメニューで開催となると、あまり遅くできないので、なんとか食材が揃ううちにと、慌ただしい日程ですが開催することに決定しました。

緊急事態宣言は解除になりますが、中川さんのまだ見ぬ世界のお料理を、心ゆくまで愉しみましょう。
本当にすごいです。
(私はまだ感動しています。)

 
 

【講座名】
「『肴』 秋」

【開催日】
2021年10月12日(火)

【会場】
「むそう塾」京都市左京区孫橋町18

【内容】
おまかせコース料理

【フォロー】
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【タイムテーブル】
12:00     開場
12:30~18:00   お食事
18:30                     解散

【定員】
8名

【受講資格】
幸せコース在籍以上の塾生さんとご主人様

【お子様】
会場が狭いため、申し訳ありませんがご同伴出来ません

【受講費】
むそう塾生:55,000円(消費税込)
ご主人様:44,000円(消費税込)

【受講費の支払期限】
仮受付メール到着後7日以内

【申し込み方法】
こちらの予約システムから 随時受付

【締切】
定員になり次第

【キャンセル料】
・開催日の15日前〜8日前:受講費の50%
・開催日の7日前〜当日:受講費の100%
(ご返金に伴う振込手数料はいただきません)

 
 


(八寸  料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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加山雄三さんのお婆ちゃんの言葉が素晴らしい

先日、加山雄三さんのお婆ちゃんの言葉を知った。
とてもよい言葉なので、ここでも取り上げておきたい。

 
 

先日ふと見たテレビのトーク番組に、
歌手の加山雄三さんが出ていた。
今年八十歳と思えぬ若々しさだが、
父親の上原謙さんが事業に失敗、
その後始末で大変な苦労をされた
時期があったという。

「ああいう時、普通は目や背中に
憔悴感が出るものだが、
加山さんは全然変わらなかったですね。
どうしてですか」

相手の問い掛けに、
加山さんはこんなふうに答えた。

「おばあちゃんのおかげです。
おばあちゃんはぼくが子供の頃から何かあると、
おまえはいま試されているんだ、と言っていました。
また、荷物が重いのではない、
自分の力が足りないのだ、とも言われました。
この二つの言葉がぼくを支えてくれたのだと思う」

「その時」を、加山さんは
おばあさんの言葉で乗り切ったのである。

 
 


(画像は2021.9.20放送の“徹子の部屋”からお借りしました。放送当時84歳)

 
 

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外に出よう! 風を感じよう! マスクなしで

外にあって
室内にないもの

それは風

風は空気の温度差(陰陽差)によって起きる

外が好きな子どもって
もしかしたら風が好きなのかもしれない

 
 

子どもは波打ち際で
指の間を抜ける海水と
砂の感触をおもしろがる

つまり、陰陽を感じているのだ
外には陰陽がいっぱいだ

 
 

陰陽は循環しないとエネルギーにならない

まずは外に出て風を感じよう
太陽を浴びよう
マスクなしで酸素をいっぱい吸おう

あなたの中の体温が上がって
陰陽差が出てくるよ

 
 

(京都の空 爽やかな風が吹き抜けて心地よい 2021.9.29)

 
 

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「やってみせ」てくれた 燃えるはずの素材が燃えない料理法 

山本五十六の言葉で次のようなものがある。

やってみせ
言って聞かせてさせてみて
誉めてやらねば人は動かじ

 
 

はからずも私は先日、「やってみせ」の場面を体験した。
「『肴』 秋」講座で登場するお料理は、まさに中川さんがみんなに「やってみせ」てくれたのだった。

いつもの授業では、中川さんのお料理の世界の一部分しか出ていない。
しかし、この日のお料理を見ていると、「このためにあの技術があるのか!」という衝撃があった。

プロというのは本当に凄い技術を身につけているものだ。
その技術を身につけるまでの苦労を思うと、今まで高いと感じていたお店の料金も安く感じるほどだ。

 
 

たとえば「秋鱧吉野杉板焼」。
最後の仕上げのところは、豪快なやり方だ。

 
 

焼き上がってみると、燃える素材のはずの杉板も竹の皮も燃えていない。
中に入っている松茸の形の焦げていない部分が模様になって粋だ。

 
 

杉板の中には、ふわふわの鱧と松茸がどーんと入っている。
(松茸を表に見せていないところが、いかにも京都らしい控えめな方法。)
鱧のやわらかさやお味に歓声があがっていた。

中川さんによるとこれは古い仕事で、日本でもこれを知っている人は8人いるかいないか。
他に知っている人はもう亡くなってしまったと。
厳しい修業が嫌われて、お料理の世界のレベルがどんどん下がっていることを嘆いていた。

 
 

今、鱧の骨切りを頑張っている人なら、このお料理の凄さがより一層身にしみたに違いない。

包丁が砥げる。
桂剥きができる。
同じ厚さで切れる。
同じ幅で刻める。
水を操れる。
火を操れる。

全部授業で教えてきたことばかりだ。
それを実際に「やってみせ」てくれて、夢が持てただろうか?
あるいは気が遠くなっただろうか?

いや、そのどれでなくてもいい。
実際に食べた経験は、将来思わぬところであなたを助けてくれる。
点と点が結ばれるときが必ず来るからだ。
体験は尊い。

私もよい体験をさせていただいた。
そして、改めて中川さんを尊敬した。

 
 

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