東京オリンピックの延期発表後、東京都知事の外出自粛要請会見があり、ロックダウン(都市封鎖)という言葉がちらついて多くの人が不安になっています。
そして、スーパーには買いだめの列が続いています。
さらに、外出自粛となると、精神的なストレスはかなり高まり、本当にロックダウンとなった場合は、ストレスはピークに達するでしょう。
では、人々は何を恐れているのでしょうか?
それには二つあって、一つは新型コロナウイルスに効果のある薬がないからであり、もう一つは、経済的影響がどこまで広がるのか見当がつかないからでしょう。
これら二つはどちらも不安を煽り、世界的規模で混乱が起きています。
こういう時には多くの情報でストレスを増幅させるより、自分が出来ることで身を守ることに神経を注ぎ、不安を少しでも減らす方が賢明です。
【1 免疫力を高める】
私たちが自分で出来ることといえば、「免疫力を高める」ことに尽きると思います。
しかし、この免疫力は一朝一夕には高められないのですが、着実に変化を感じ取れる方法がありますので、ぜひ実行してくださる方が増えるといいなぁと思っています。
体の中で免疫力のために一番重要な場所と言ったら、それは間違いなく腸です。
腸の壁の内側には、免疫をつかさどっている免疫細胞が集中しており、体全体の免疫細胞の約7割が腸に集まっているからです。
さらに、小腸の壁で訓練された免疫細胞は、腸での免疫に関与するだけでなく、血液の流れに乗って体中に運ばれて、病原菌やウイルスを攻撃します。
ですから、免疫力を高めるためには、腸の状態を良くすることが重要なポイントになるわけです。
【2 腸内細菌の種類】
私たちの大腸には、約1,000種類、100兆個にもおよぶ腸内細菌(腸内フローラともいう)が生息していて、3グループで構成されています。
数の多い順に並べると、次のとおりになります。
1 中間の菌(善玉でも悪玉でもない菌)
2 善玉菌
3 悪玉菌(少数)
この腸内細菌の種類は個人差が大きく、食事内容や住んでいる国、抗生物質の飲用などで大きく変動します。
善玉菌は乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にします。
このおかげで、食中毒菌や病原菌による感染の予防や、体の免疫力を高めることができるのです。
【3 善玉菌を増やすには?】
腸内の善玉菌の割合を増やす方法は二つあります。
(1)生きた善玉菌を直接摂取する。
(2)腸内にもともと存在する善玉菌を増やす作用のある食品成分を摂る。
ここで大事なことがあります。
上の(1)は、ビフィズス菌や乳酸菌を含むもので、食品なら納豆・糠漬け・味噌・醤油・乳酸菌飲料・ヨーグルトなどの発酵食品が該当します。
しかし、これらの菌は腸内にある程度の期間は存在しても、すみ着くことはないとされているため、毎日続けて摂取して腸に補充する必要があるのです。
むそう塾では、毎日数切れでもよいから糠漬けを摂るようにと指導しているのはこのためなのです。
上の(2)では、オリゴ糖や食物繊維を含むもので、野菜類・果物類・豆類に多いです。
ごぼう・玉ねぎ・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナ・大豆などがこれに該当します。
オリゴ糖や食物繊維は、消化・吸収されることなく大腸まで達して、善玉菌のエサになってくれます。
なお、(1)の善玉菌は生きて大腸まで到達しないと意味がないのではなく、途中で死んでも善玉菌の体を作るために作用するので、ちゃんと摂取する意味があるのです。
【4 腸内細菌が元気かどうかを確認する方法 → 便の状態を見る】
<腸内細菌のバランスがよい>
・善玉菌がたくさん酸を作っている状態。
・色:黄色から黄色がかった褐色
・におい:においがあっても臭くない
・形状:柔らかいバナナ状が理想
<腸内細菌のバランスが悪い>
・色:黒っぽい
・におい:悪臭がある
【5 免疫力を高める食材】
では、いくつか絶対摂ってほしい食材をあげておきましょう。
まずは、キノコです。
キノコには、腸の働きを良くする食物繊維・ビタミン・ミネラルが豊富に含まれていますので、イチオシでおすすめします。
マクロビオティックでも動物性の毒消しとして欠かせない食材です。
がん予防としても有名ですね。
それから、せっかく摂った食品を体内で効率よく代謝させるために、補酵素として必要なのがマグネシウムを含む食材です。
これには海藻・魚介類・未精製の穀類があげられますが、特に海藻は現代人に不足しがちなので、積極的に摂ってほしいです。
アオサ・ワカメ・フノリ・昆布・ヒジキ・アラメなど。
特に玄米はとてもマグネシウムが多くて、納豆との組み合わせは最強です。
主食を白米から玄米に変えるだけでも、どれほど体力がつき、免疫力アップにつながるかはかりしれません。
常々玄米ご飯を召し上がっている人は、新型コロナウイルスに関しても心強いですね。
なお、納豆を玄米ご飯にかけて食べるより、別の器で食べる方が咀嚼の点ではすぐれています。
【6 冷やさない → 体温を上げる】
体温が平均体温より1度低いと、免疫力が30%下がるという情報もありますので、体温が36.5度以上をキープできるように頑張りましょう。
冷えている自覚がなくても冷えていることが多く、寒いと感じた時にはかなり体が冷えています。
体が陽だまりのようにホカホカしていると安心ですね。
一番よいのは筋肉をつけることですが、それでは新型コロナウイルスには間に合わないので、入浴や服装で冷えから守るようにしましょう。
【7 薬がない】
常々すぐ薬のお世話になっている人は、新型コロナウイルスの流行で大いに不安になっていることでしょう。
しかし、人間の体に備わっている治癒力を信じて、それを最大限に活かす暮らし方をしている人は、たとえ新型コロナウイルスであったとしても、ギリギリまで自分の力でなんとかしようと思っていることでしょう。
私もその1人です。
ですから、現段階では何も不安がありません。
打つべき手は知っているので、それらを着々と実行するのみです。
大事に育ててきた腸内細菌に頑張ってもらって、乗り越えたいと思いますが、70代の私はどうなりますことやら。
【8 太陽に当たる】
ビタミンDは免疫力になくてはならないものです。
太陽に干したものを食べるのも良いですが、自分自身がお日様に当たりましょう。
ガラス越しではなく、窓を開けたり、外に出て最低20〜30分は太陽を浴びましょう。
ビタミンDを含む食材を食べても、そのままでなく、太陽に当たることによってプロビタミンDになります。
ですから、外出禁止と言われても、家に閉じこもっていては駄目なのです。
キノコの生と干したものでは、大いに効用が違うのもこのためです。
【9 ストレスによる免疫力の低下】
どんなに食べ物に注意しても、精神面で常に不安を抱えていれば、免疫力は大いに低下してしまいます。
ですから、新型コロナウイルスのことを不安に思いすぎて、怖がってばかりいると、せっかくの免疫力も相殺されてしまいますから、上に述べたような方法をしっかり実行しておいて、あとは腹をくくるしかありません。
不安を引きづらないようにするのです。
むそう塾生の皆さんには、常に腸内環境を考えた食生活をすることを指導してきましたし、そのためのお料理も600種類以上教えて来ました。
ここで他の人と同じようにオロオロするのではなく、習ったことの精度を上げて陰陽バランスを考えた日々を送るようにしていれば、不安は最低限で済むと思っています。
不安で自ら新型コロナウイルスを引き寄せてしまわないよう、睡眠時間も確保するようにして、この重大局面を乗り切りましょう。
(京都 木屋町 高瀬川にて 中川善博撮影 2020.3.24)
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – +
【ご案内】
・これから開催予定の講座案内 最新版
・中川式糠床宅配のご注文方法
・中川式糠漬け(じゃい安Direct)のご注文方法
・中川式鉄火味噌のご注文方法
・シリットecontrol 鍋のご注文方法
【サイト内の記事】
・マクロビオティックの盲点
・塾生のきょうの100点お弁当
・中川善博から娘へのお弁当
・中川善博厳選!おすすめ器具と食材
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – +