2013年4月1日。
京都の「野村美術館」がある場所に桜を観に行った。
このあたりは「野村別邸 碧雲荘」をはじめとする別荘が立ち並んでいて、とても落ち着いた場所だ。
観光客の多くは有名な桜の名所に行くので、ひっそりと静かに桜を愛でて満足だった。
その足で琵琶湖疏水(岡崎疎水)の桜も観に行った。
そろそろ散りそうなほど満開で、岡崎疎水の景色がとても気に入った。
忙しい日々の1時間ほどの出来事だったが、私はとても癒やされた。
毎週京都と埼玉を往復する生活をして丸5年。
そんな慌ただしい私を一瞬にして癒やしてくれた。
時は経って、京都は外国人観光客が増え、私が泊まるホテルもなかなか予約しにくくなってきた。
毎週新幹線代もホテル代もかかるので、いっそのことマンションを借りた方がよいと顧問税理士がすすめてくれた。
すぐ希望物件を2つ見に行ったけれど、ピンと来なかった。
翌週、不動産屋さんの男性が、「僕がいいなあと思っている物件があるんですけど」と切り出したので、早速行ってみた。
なんと、2年前に私を癒やしてくれた岡崎疏水の近くだった。
平安神宮の近くで、氣も申し分ない。
部屋の作りもゆとりがあって、とても気に入った。
こうして2015年7月から京都に住み始めて、もう6年半が過ぎた。
毎朝東山から昇る太陽と、西山に沈む太陽を見ていると、つくづくこの土地を選んでよかったと思う。
桜が運んでくれた氣とでもいうのであろうか。
8年前のあの日と同じ場所に立って、岡崎疏水の桜を眺めていると、気持ちが高鳴ってあの日を想い出す。
その日の私はブルーのコートを着ていた。
今年もまた、そのコートを着た。
* * *
・京都 岡崎疏水の桜 2013.4.2
・京都 野村別邸の桜を眺めながら陰陽を想う 2013.4.2
・風の通り道は氣の通り道 京都東山のすぐそばの風 2015.7.15
今年は桜の開花が早かった。
でも、まだ咲いているところも多いので、4月になっても桜を楽しめる。
3月28日の強い雨の夜。
中川さんが写した桜が素敵だった。
どこか寂しげで、儚い桜が今にも語りだしそうだ。
やっぱり中川さんの写真は違うなあと感心する。
(高瀬川の桜 中川善博iPhone撮影 2021.3.28)