京都らしい食材 麩嘉さんの花麩 そして京文化の一端

京都のお料理や食材には、ここまで考えるのか!という繊細さがある。
たとえばその一つに「花麩」がある。

むそう塾では「麩嘉」さんの生麩をお料理に使うことが多い。
先日も愛クラスの「福ZEN」に桜の花麩が使われた。
桜の季節だけ1ヵ月間くらいしか売られていない。

 
 

 
 

この後は、緑のもみじ麩になる。

 
 

そして、秋になって紅葉が始まると緑に黄色やオレンジが入って来る。

 
 

もっと紅葉が進むと緑が消えて、オレンジが増える。

 
 

紅葉真っ最中の、もみじ麩。
季節とともに、小さな食材の表情まで変える繊細さ。
そんなところが京文化の一端なのだと思う。


(料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

*   *   *

そしてもう一つ、京文化の特長に「控えめ」というのがある。
これはかなり色々な場面で感じるが、お料理にもそれがあって、これが関東とは大いに違うように感じる。

先日、塾生のきよさんが素敵なコメントをしてくれた。
深いところまで感じ取っているのが素晴らしいなあと思った。
こちらの記事

どちらも、本当に細かい技術の詰まったお料理だなという事を
実感しました。
控えめな美しさと、主張しない、でも細かな技術に
「お料理」というのは、こういうものなんだなと感じました。
こんなお料理を教えて頂ける事、本当に嬉しく思います。

本来この「控えめ」というのは、日本人の美学でもあったと思う。
しかし、生活の欧米化とともに、むしろ「控えめ」はよろしくないような風潮があった。
でも、ここ京都では、今も「控えめ」が当たり前のように感じる。
「よそさんはよそさん」ということで。

 
 
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コメント

  1. ひな より:

    美風さん、こんにちは。
    素敵な写真を見て、思わずコメントを残したくなりました。
    (とても長くなって申し訳ありません…)

    わたしは初めて福ZENをいただいた時から、この生麩が大好きです。
    お料理に季節の彩をそえる、とても可愛らしい生麩。
    その鮮やかさに、いつも心惹かれます。
    季節を考えて紅葉の色を変えていると気づかず、その繊細さに惚れ直してしまいました。

    最近、美味しい料理がたくさんある中でも、むそう塾のお料理や大好きなお店のお料理に心が動くのは何故だろう、と考えたことがあります。
    その時に「繊細さ」という言葉がしっくりきました。
    そしてこの記事を読んで、
    「繊細さ」と「控えめ」はとても似ていて、それが組み合わさって良い方向へ力が発揮されると、静かで穏やかな感動と信頼が生まれると感じました。
    また、わたしが心惹かれるお料理には、この二つが揃っていると思いました。

    料理をする人は、食材の本来の美味しさを活かす、引き出す役割を担っていて、食べる人、作る人ではなく、食材そのものが主役だと気づかされる、そんなお料理に「繊細さ」と「控えめ」という言葉が当てはまると感じました。
    京文化、京料理、わたしはとてもすてきだと思いますし、とても好きです。

    ところで、「繊細さ」を持つ人や「控えめ」な人は生きにくいこともあるな、とふと思いました。
    でも、心のうちに陽性さがあれば、その「繊細さ」や「控えめ」がプラスの方向に発揮されるのかな、と考えました。

    • マクロ美風 より:

      ひなちゃん、こんばんは。
      お久しぶりです♪

      >季節を考えて紅葉の色を変えていると気づかず、その繊細さに惚れ直してしまいました。

      ね〜。実はそこまで考えて作られていたのです。

      中川さんは徹底して食材の持ち味を壊さないようにお料理されていますが、そのための技術的繊細さもあるし、お料理の美しさを引き出すための感性の繊細さもありますね。

      >ところで、「繊細さ」を持つ人や「控えめ」な人は生きにくいこともあるな、とふと思いました。

      おっしゃるとおりですね。
      京都の人を理解するには、この「繊細さ」と「控えめ」というのが必須ですが、どちらも時代とともに一部薄れて来ているように感じます。
      合理性が優先されたり、物事を奥深くまで察する心の余裕がないのでしょうか。

      繊細ゆえに傷つくこともありますしね。
      そして、控えめゆえに声を上げられなくて不利になったり。

      繊細と控えめをキープするには、芯が強くないと出来ないことでもあります。
      凛とした強さのように。

      • ひな より:

        美風さん、お返事をありがとうございます。

        一口に「繊細さ」と言っても、
        中川さんのお料理には「技術的繊細さ」「感性の繊細さ」の両方が含まれている
        とのことで、なるほど!と腑に落ちました。
        奥深いです…!

        知り合いの方が「最短最速の人が多い」と言っていたのを思い出しました。
        西洋占星術の世界では2020年末「風の時代」を迎えたとされているそうですが、
        新型コロナウイルスの影響で人々の考え方・価値観が変わったことを
        多くの人が感じていると思います。
        「繊細さ」「控えめ」な人たちが生きやすい社会になればいいなと思いますし、
        「凛とした強さ」を育めるような環境になればいいなと思います。

        • マクロ美風 より:

          ひなちゃん、こんばんは。

          >知り合いの方が「最短最速の人が多い」と言っていたのを思い出しました。

          それは私も実感します。
          失敗や無駄を避けたがって、正解を求める傾向の人が多いですね。
          失敗は学びの宝庫ですが、小さいときから失敗を無駄だと思って生きてこられたのかもしれません。

          むそう塾でもそういう人が来られますよ。
          でも、そういう人は伸びが頭打ちになりますね。
          もっとどんどん体験する生き方がよいのになあと思います。

          • ひな より:

            美風さん、こんにちは。

            失敗や無駄があると怒られる、という教育方針に課題があると感じます。
            今はインターネットが普及していて、すぐに調べて正解に辿り着けたり、
            ゲームによって、ある意味“正解”とされるルートをたどることに慣れてしまったり、
            色々な要因が重なって「失敗」「無駄」に恐怖や不安を感じてしまうのではないかと考えました。
            わたし自身も、まだ失敗や無駄には抵抗感があります。
            でも、「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」というエジソンの言葉を胸に、
            挑戦して試行錯誤していくことを習慣にしよう思う今日この頃です。

            記事を通して色々なことを考えたり、
            美風さんのコメントを頂けたりして学びが深まること、
            とても楽しく、ありがたいと改めて思いました。
            素敵な場を作ってくださり、ありがとうございます。

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