先日出産したばかりの新米ママさんから餅米についてのご質問がありました。
現在妊娠中のかたも含めて、母乳に関することは多くの人と共有した方が良いと思いますので、記事でお答えします。
【Sさんからの質問内容】
(1)餅米が、良いと言う意見と良くないと言う意見両方ご年配の方からいただいています。
(2)私は始めは、退院したら玄米餅を味噌汁に入れて食べようとか、赤飯を炊いて食べようとか考えていましたが昨日病院で受けた栄養指導では餅米はダメですと断言されました。
<マクロ美風より>
【質問(1)のお返事】
この問題はマクロビオティックの考え方を使えば簡単なのですが、そういう視点が抜け落ちたままだと相反する意見に振り回されることになります。
まず、年配の方だからといってすべて正しい情報であると思わない方がいいです。
色々なタイプの年配がいて、それぞれが自分の体験を語ったりするので、Sさんと合わない場合があります。
つまり、マクロビオティックの陰陽でいうなら、その年配者とSさんの陰陽が違う場合には、その情報は採用しない方が良いことになります。
次に、仮にその年配者とSさんが同じ陰陽タイプだったとしても、年配者が授乳した当時とSさんが同じような食べ物を食べているかどうかです。
年配者と食生活が大幅に違っているようなら、その情報は参考程度にとどめましょう。
【質問(2)のお返事】
まず、この問題を考える時には、餅米はどういう性質をもったものなのかを知らなければなりません。
餅米は白米に比べると高タンパク高カロリーです。
したがって餅米は母乳の出が良くなるのですが、その製造された母乳を赤ちゃんが全部飲みきれない場合は、母乳が残って乳腺炎を起こす原因になります。
ということは、母乳というのは赤ちゃんが飲んでくれる分だけ製造されるのが一番理想的なわけです。
ここで個人差が出てきます。
もともと母乳の出が良いお母さんもいれば、足りないお母さんもいます。
足りないお母さんならお餅を食べるのは効果的ですが、たっぷり母乳の出るお母さんがお餅を食べるとトラブル発生の原因になります。
それから、出産までどういうお食事をしてきたか。
このことがとても影響するのです。
まず普通のお食事をして高タンパク高カロリーだったお母さんがお餅を食べると、案外乳腺トラブルが多くなります。
しかし、マクロビオティックをしている人のように、玄米とお野菜中心の食生活だった人は、お餅を食べるとお乳の出が良かったりします。
ですから、Sさんが妊娠期間中に食べたお食事が白米とお野菜と少しの動物性というのであれば、お餅を食べても大丈夫なように思いますが、私は実際にあなたのお体を確かめているわけではないので断言はできません。
さらに、赤ちゃんによっておっぱいを沢山飲むお子さんと、そんなに飲まないお子さんというように個人差がありますので、赤ちゃんの飲みっぷりを確認できない私としては、あくまであなたが乳房の張り具合を確認しながら進めてほしいと思います。
【病院でなぜ餅米はダメと指導されたか?】
その答えは明確です。
餅米を食べると母乳の出が良くなる現実を把握していて、餅米を食べると乳腺炎になりやすいので、トラブルを避けるためにダメというのです。
これは病院側のためでもあり、お母さんのためでもあります。
しかし、お母さんと赤ちゃん双方の個人差までは考えていないため、一律禁止としているのでしょう。
さらに、病院で出産される人は圧倒的多数がマクロビオティックとは無縁の人であるため、いわゆる一般食として高タンパク高カロリーのお食事をしてきた人が多いので、そういう人が餅米を食べるとトラブルの確率が高かったためだろうと想像できます。
【最後に】
Sさんは病院で出産されていますが、助産師さんのところでお世話になると、案外玄米とお野菜のお料理を勧められることがあります。
それは助産師さんが現場で多くのお母さんと赤ちゃんに接して、高タンパク高カロリーのお食事でない方が授乳がスムーズであることを経験則として知っているからです。
丁寧に一人ひとりと向き合った結果、10組の母子がいれば10通りの食べ方があると助産師さんたちは実感されていることでしょう。
これからは、自分の体はどんな物を食べて生きてきたかということを判断の中心に据えて、一般の情報と混乱しないようにしてください。
良いとこ取りをすると、とっ散らかって混乱するだけになります。
しかし、自分の中心軸がしっかりしていて、そこに何かの情報を取り込む方法ですと混乱しません。
情報は丸呑みも丸投げもいけません。
考えられる人になりましょう。
(中川式玄米ご飯 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
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