むそう塾は人間塾。
時々私も中川さんも口にしているので、塾生さんはこの言葉だけは知っておられることでしょう。
それは、お料理だけでなく、人間として必要なことも身につけられる塾という意味です。
内容は、お掃除の仕方であったり、人づきあいの仕方であったり、暮らし方や恋愛にいたるまで、日々の細かな点まで及びます。
なぜそんなことをお料理教室で教えるかといえば、それはむそう塾がマクロビオティック料理教室だからです。
こちらの記事でも書いたように、マクロビオティックは食べ物だけでなく、生活全般から人生に至るまで、実に幅広く実践哲学として伝えているためです。
その典型的な一面として、氣を調えることがあげられます。
氣が調うというのはどういうことを指すのか解らないというかたもおられるでしょうね。
でも、単純に考えると、物事が予定どおりに進むのは氣が調っている証拠なのです。
旅行であっても、道中何事もなく目的地に着いて、予定どおりに帰宅できることは、とても氣が調っていると考えられます。
この予定どおりというのが重要なのです。
仮に1年間のスケジュールを立てたとしましょう。
それをいかなる理由があっても変更せずに、スケジュールどおりに行動するのは案外難しい人もいます。
特に小さなお子さんを抱えていたらなおさらです。
ここ一番という時に限って子供は熱を出したり、ぐずったりする事が多いからです。
でもね、それにはそれなりの理由があるのです。
ですから、絶対自分の予定どおりに行動したいときには、その日に照準をあわせて、普段からいかに他者に対して自分を合わせておくかに尽きます。
普段から子供優先、夫優先、相手優先みたいに、自分の希望を控え目にしておいて、ここだけは絶対という時にガンと自分の希望を通すのです。
そうではなくて、常々自分の思うとおりに暮らしていると、自分が最も大切な日に予定が狂ってしまうことが多くなります。
その生き方の呼吸を、むそう塾のコース制では会得してもらうべく、振替不可にしているのです。
1年間を体調も崩さず予定どおり京都まで通えること。
それがどれほど生き方として価値のあることかを体感していただくために。
毎年振替希望をされるかたがおられるのですが、極力振替をしないようにお願いして来ました。
きっと普通のお料理教室では簡単に振替ができたり、ビデオで済ませるところがあるので、そのおつもりなのかも知れません。
でも、先に書いたように、氣を調えるという点からもそれは相容れないものです。
昨年、厳しすぎるかなと思って振替を認めたことがありました。
でも、そうすると途端にたがが緩んでしまうようで、悪い前例になってしまいました。
改めてご連絡します。
振替は一切なしでスケジュール調整をなさってください。
もし授業の日に予定が重なってしまった場合は、どちらを優先するかの決断力の問題になります。
多くの人は自分にとって大事な方を優先するでしょう。
どちらかを選択するときは、「自分にとって大事なこと」を考え直す機会にもなります。
人生には必ず一つしか選べない局面があるのです。
その時、決して判断を間違わないために、今から考え方を身につけておきましょう。