包丁がちゃんと砥げるようになると玄米が柔らかく炊けるようになる

変わろうとする意志があると、人間ってこんなにもはっきり結果が出るのだと、また一つ感動させてくれました。
先日の愛クラスの授業後、例によって「包丁をみてください」と中川さんのそばに行ったらぶこちゃん。
私は他の人と話していたのですが、「美風さんも見てやってください」と中川さんが私を呼びます。
どれどれと包丁を見ると、見事に綺麗な砥ぎ上がりの後が光っていました。
思わず「オー! 素晴らしい!」と声を上げてしまいました。

らぶこちゃんは、単発講座で中川さんの金平牛蒡の美味しさに惚れて、幸せコースの受講を決めたのです。
しかし、幸せコースの最初のころはお料理(復習)の要領がうまくつかめず、何となくぼやけていたのですが、途中から変化し始めました。
何かのスイッチが入ったのを感じました。
私はそれを「マクロ美風の陰陽落とし込み講座」の時に感じました。
彼女の内面のオリを出そうとアドバイスをしました。
ひとつの区切りを彼女につけさせてあげたかったのです。

そして今回の愛クラス受講となりました。
原点に返ろうと受講した愛クラスで、彼女はたくさんのことを持ち帰ったようです。
炊飯だけでなく、iPhoneの動画を中川さんに見てもらって、胡瓜の刻みもOKをもらいました。
この日のらぶこちゃんは、明らかに前の彼女とは違っていました。

それで私の方から、お名前を変えましょうと声をかけました。
彼女もすぐ候補を送ってくれたのですが、今の彼女の良さを活かしきれない感じがしたので、私から候補を提案しました。
彼女より先にTwitterで見つけた中川さんが反応してくれて、良い感触でした。
芯にしっかりした陽性が根付くように、艶のある人でありますように、優しさの絶えない女性でありますように。
そんな思いを込めてTwitterでは「緋乃」さんにしました。

むそう塾生に限らず、日々回数多く呼ばれている名前や言葉は、その人への影響力が大きいです。
Twitterのアカウントやユーザー名、メールアドレスなども、気持ちがスッと流れるような心地良いものにしておきましょう。
毎日目や体に触れるものは、氣の良いものにしましょう。
それが環境の陰陽につながります。
なぜ画数を大事に名前をつけるのか、なぜ呼んだときの音(おん)を大事にするのか?
それはそこにも陰陽があるからです。

おっと話が横道にそれました。
というわけで、緋乃ちゃんになってから玄米投稿が送られて来たのですが、中川さんの方からこれを記事にしてほしいと要望がありました。
珍しいことです。
よっぽど嬉しかったでのでしょう。
根気よく伝え続けて相手がそれを理解してくれたのですから、これほど嬉しいことはありません。

私は緋乃さんのメールを読んで思いました。
包丁がちゃんと砥げるようになると玄米が柔らかく炊けるようになると常々中川さんが話しているのですが、まさにこのことだなと。
それは「見えないものが見えるようになる」世界の一歩なんですね。
では、玄米投稿の緋乃さんのメールをご紹介しましょう。

<緋乃さんからのメール>

中川さん

こんばんわ。
いなり寿司講座お疲れさまです。

玄米投稿2度目になります。
本日も宜しくお願い致します。

1日2回炊飯&水実験を繰り返しておりますが、毎回柔らかいお米は炊けるようになっています。
「これで投稿してもいいんじゃないか?」と思うことも多々あったのですが、それは「ある程度のところまで来たらやめてしまい、満足してしまう」という私の癖でもあります。
再受講した目的はそれ以上の炊飯を探すこと。

また、今日は1日ですので、「小豆ご飯」を炊こうか考えましたが、やはりシンプルなプレーンご飯を追求させて頂きました。
これも、基礎をしっかり固めないうちに、周りの真似をしたり、次に行きたがるという私の癖が出て来そうになりましたが、そのパターンをやめました。以前の私だったら、小豆ご飯を迷わず炊いていたと思います。
今回受講した目的は、周りに流されず、自分の炊飯の基礎をしっかり固めること。その目的からそれないように自分を正しました。
今回の玄米投稿は私のこれまでの悪い癖や習慣からの脱却のような気もしています。

子象さんにアドバイスをしていた、「春炊き」の炊飯を自分なりに考えて今回やってみました。
前回投稿した私の玄米は冬炊き玄米だったなと思います。
しかし、柔らかいご飯を意識しながら炊飯していると焦げがどんどん強くなり、迷路にはまり、火加減、圧の保持など試行錯誤の繰り返しでした。

そんな中、今日の炊飯でやっと納得がいく「ふんわり柔らかご飯」が炊けました。今回は、湿度の問題も大きかったと思います。
以前、中川さんに刻みの動画を見ていて頂いた時に、湿度計が後ろに映っていて「湿度低いなー」と言われたことがありました。いつもは20%代の湿度ですが、今日は東京は雨で我が家の湿度は46%でした。
前回の投稿のときの2倍くらいの湿度でした。
昨日も湿度が40%あり、美味しく炊けたので、「もしや湿度が関係しているのでは?」という思いがよぎり、今回も湿度の力を借りて炊飯してみました。結果、昨日より更に美味しく炊けました。
湿度によって、火加減の微妙な調節が必要なことにも気がつけました。
面白いです。

「見えない鍋の中の状態を見る」、「お米がどうなりたいか?」
中川さんがよく仰る台詞が今までは漠然としていましたが、少しだけその片鱗が掴めたような気がします。

次回の炊飯は、この2つをもっと追求していきたいと思います。

・見えない鍋の中の状態を見る
・お米がどうなりたいか?

炊飯は本当に深いです。まだまだもっと見えてない世界があると思いますが、前回より少し世界が広がっています。
炊飯楽しいです!

今回もご指導お願い致します。

緋乃より(メールアドレスも新規一転しました!)

 
 

むそう塾 愛クラス 玄米の炊き方教室

(左側がきりんさん グリーンのお洋服が緋乃さん その隣は(´∀`*)ウフフ)

 
 

カテゴリー: むそう塾の雰囲気(塾生の体験談を含む) | 2件のコメント

第174次「むそう塾 パスポート取得者」を発表します

第174次 むそう塾 パスポート取得者>
Ni(79−1)さん


<寸評>

◆中川善博より
あなたの独特な柔らかさがご飯に映っていますね。
最初の勘違いはご愛嬌という事で笑っておきましょう。
しかし、これからむそう塾で学んで行く時にはその「自動変換癖」は大きな障壁になります。
習ったとおりに素直に勘違い無く復習できる練習を今からしておきましょう。
おめでとうございます

◆マクロ美風より
お母様の病気のことでいっぱい悩みながらも、毎日玄米ご飯を炊き続けましたね。
お電話で話しながら、あなたの優しさと受容力を感じていました。
それがそのまま玄米炊飯に表れて、お母様にも召し上がってもらえるレベルのものが炊き上がりました。
お見事でした。
あなたの玄米投稿メールにある「今日も楽しく炊けました。」の気持ちがパスポートを取得出来た最大ポイントですね。
おめでとうございます。

 
 

 
 

カテゴリー: むそう塾 パスポート発表 | 4件のコメント

マクロビオティックの指導現場から(11)不妊と生殖医療

こちらの記事私のコメントに関連して、てんこさんが不妊治療に関する文章を寄せてくださいました。
実は、この不妊治療を陰陽で判断すると、ある治療はとても大きな問題点があるのですが、社会的影響を考えてずっと伏せていることがあります。
私は不妊治療の研究者ではないのでなおのことです。
現在はこちらの記事にもありますように、不妊が生殖ビジネスとして暗躍している現実もあります。
簡単に生殖ビジネスに乗ってしまう前に、考えるべきことはたくさんあります。
そのことに一人でも多くのかたが気づいてほしいです。
まずはその文章からお読みください。

 
 

<てんこさんの文章より>

先日、『生殖医療の未来』と題した講演がありました。
生殖医療は不妊治療と言い換えてよいかと思います。
不妊で悩まれている方は年々増えていますので、感じた事をお伝えしてみたいと思います。

生殖医療は晩婚化に伴って需要が増していますね。
一番最近のデータでは1年間に生まれた赤ちゃんの約3%(約3万人)が生殖補助医療によって誕生しているそうです。
欧米では4%に達しており日本もいずれそうなるだろうというお話でした。
私の印象では高齢妊娠の方だけでなく20代のご夫婦でも不妊治療をされて妊娠した、という方達が増えているように感じます。
不妊という言葉の抵抗感が減っているかもしれません。
だとしたら、怖い事です。
妊娠しにくい事が重大な問題ではなく、ごく普通の事になってしまったら。。。。

今回の講演では卵子提供の話題が取り上げられていましたが、いずれにしても生殖医療の目的は不妊状態にある体を自然に妊娠できる体にすることではなく、いかにして妊娠させるか、いかにして生児を得るか、という点に尽きると思います。
そこには、その命がどのような環境で育ち誕生したのかという視点がすっかり欠落しています。
どのような環境でその命が育まれたのかにより、その命が内包した陰陽バランスが決定づけられます。
自力では妊娠できなかった人に薬物を使って妊娠を成立させ、その結果誕生した命は、いったいどんなものを背負っているのでしょうか?

不妊の因子は女性因子、男性因子、その他に分けて考えられています。
例えば卵巣機能が悪くて排卵しないために不妊だとしても、排卵するパワーがないほど陰性な場合と、陽性すぎてガチガチになっていて卵子を排出ができない場合が考えられます。
また排卵していても陽性が強すぎて受精卵を受け入れる事が出来ない方も居るかもしれませんし、陰性で受精卵を保持できずに妊娠維持できない方もあるかもしれません。
男性の不妊因子は主に精子の問題になりますが、具体的には精子の数が少ない、運動能が低い、奇形が多いなどの状態があります。
どれも陰性な状態です。
このように陰陽理論で捉えてみると、その陰陽バランスを見極め改善してあげれば、自然な妊娠が期待できるのではないかと推測することができます。
妊娠させるのではなく、出来る体をつくることが目標であるべきです。

現実には生殖医療で誕生した命がたくさん存在します。
その方達を否定するつもりはなく、陰陽のエネルギーの元に誕生する事ができた命なのだから、その命たちも宇宙の法則を思い出してそれに沿うように生きてくれたらいいな、と思います。

不妊治療を受ける事は、金銭的・時間的・精神的・肉体的に大きなストレスを生みます。
そんなストレスいっぱいの状態で妊娠した場合と、健全な性生活によって妊娠した場合では、その後の妊娠生活もお産も育児も大きく違ってしまうでしょう。
ですから、マクロビオティックが提唱する食事方法を利用して、健全な命を育めるたくましい男性・女性が増えてくれることが、いかにして他人から精子や卵子を提供してもらうか考えるよりずっと大切な事だと思います。
そうしないと、次世代はもっと深刻な不妊に悩まされるのではないかと心底危惧しています。

 
<マクロ美風より>

私も不妊治療の記事を過去に書いていますので、てんこさんのスタンスはよく理解できます。
一つだけ私から加えさせていただくなら、今は男性も女性も体が冷えている人が多いです。
その大きな理由は、すでに母親の胎内にいた時まで遡る必要があるでしょう。
妊娠前から母親や父親の食べていたもの、そして妊娠期の母親が食べていたもの、冷房や服装を含む暮らし方の問題。
それらを前世代まで遡って考えたうえで、今まさにお子さんを希望される人達の陰陽バランスを整えることが根本的な解決につながると思うのです。
それは食べ物だけでなく、環境を含めてもっと大きな問題として取り組むべき課題ですから、体が冷えるということは、今や国民病といっても過言ではないと思います。

このように陰陽理論で捉えてみると、その陰陽バランスを見極め改善してあげれば、自然な妊娠が期待できるのではないかと推測することができます。
>妊娠させるのではなく、出来る体をつくることが目標であるべきです。

今は生殖能力の低下を感じさせる若者が増えて来たように感じています。
妊娠だけでなく、お産に関しても自力で産み落とせない妊婦もいて、すでに哺乳類として種の保存に黄色信号が灯る人もいるわけです。
そのような人でも食べ物を変えることによって、良いお産をすることが可能になったりする例をみていると、今のうちならまだ何とかなるような気がします。

むそう塾にも不妊で悩む方が次から次へといらっしゃいます。
多くの方は食事を改善して陽性寄りにしてあげると、ほどなく妊娠されます。
そして出産もスムーズです。
しかし中には奥さんの方は健康なのですが、ご主人の精子に問題がみられる場合があります。
それはてんこさんも書かれていることなのですが、こちらは一朝一夕に改善されないことが多いです。
冷えだけでなく、添加物の影響が考えられる場合もあります。
ご本人の問題ではなく、親からもらったものの中にその原因を見つけることもあり、無情を感じることがあります。

考えられることをすべて実行しても妊娠せず、諦めた頃にフッと妊娠する人がいたり、結婚して15年目に妊娠したり、結婚して10年間妊娠しなかったのに立て続けに3人も産んだりする人もいて、まさに神のいたずらを感じてしまいます。
妊娠と出産ほど神秘的なことはなく、それはまさに神の領域のように私は感じます。
子供をもうけることが当たり前という発想だと、不妊治療がどこまでも進みますが、それは得る(欲=陽)ことの極みであるようにも感じます。

そうではなく、与えられた環境の中で生きて行く(中庸)選択をするならば、まさに子供は「神様からの授かりもの」となりますね。
欲しいものは何でも手に入れる生き方をするのか、「足るを知る」生き方も選択肢に入れるかで、不妊の問題は大きく変わると思います。
どこかが満たされなかったとしても、どこかでその分が補われていることを当事者は気づかないことが多々あります。
そんなことにも想いを巡らせて不妊の問題を考えられたらいいなと思っています。
 

赤ちゃん むそう塾

 


カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ | 2件のコメント

吉兆さんの「はるか」に魅せられて

先日「吉兆グランヴィア店」で「はるかのジュレ」をいただきました。
さっぱりとして軽い仕上がりが春を感じさせてくれました。
「はるか」は2~3月ごろ、ちょうど今の時期にとれるもので、爽やかな甘味と酸味が特徴だそうです。
ゼリーにも砂糖は入れずに果物の甘味だけで仕上げ、あとは中にマンゴーの果肉を少し入れているそうです。
自然の甘味がちょうど良くて美味しかったです。

吉兆とマクロビオティック はるか4 

 
 

私はそれまで、はるかそのものを食べたことがなかったので、早速京都の菜の花さんから減農薬のものを送ってもらいました。
箱を開けるとこんな感じです。
なるほど〜。
ということは、吉兆さんのはるかは農薬ありということになるのかも知れません。
美しく仕上げるためには、見かけも大事ですからね。

吉兆とマクロビオティック はるか3

 
 

減農薬のはるかはちょっとデコポンに似た形。

吉兆とマクロビオティック はるか5 

 
 

お尻の方から見るとこんな感じ。

吉兆とマクロビオティック はるか2

 
 

これだけで食べると酸味が少ない分、何だかちょっと寝ぼけた味のように感じました。
いよかんを薄くしたような味かな。
それであの料理方法になったのね。
納得でした。

 
 

カテゴリー: 食べ物あれこれ | コメントする

「吉兆」のコース料理における始まりと終わりの陰陽

マクロビオティックな生活をしていると、外食で困るという話をよく聞きます。
あるいは食べる楽しみがなくなってしまったという声も。
でも、じっくり観察していると、巷にも陰陽を無意識に使ってお料理をしているところがあります。
作り手が陰陽だと意識していなかったりするところが面白いのですが。
それは、長い経験から食事が美味しくなったり、食後の体調が良いという経験に基づいてそのお料理になったのだと頷けるものがあります。
たとえば「吉兆」さんのあるコースの始まりと終わりを見てみましょう。

最初はおしぼりとお茶がどこでも通例ですが、この日の吉兆さんでは最初にあられ入りの塩番茶でした。(写真なし)
どんな体調の人も塩番茶で体調を整えてから、美味しさを判断出来るようにとの気遣い(笑)でしょうか。
コースの途中で出てくるものは主を陽性食材で、脇を陰性食材でバランスを取りますが、八寸などはまさにお酒なくして本当の味は楽しめないといっても過言ではないでしょう。

そんなときのお酒はやはり「吉兆貞翁」が合います。
お料理の邪魔をしない味に唸ります。

吉兆グランヴィア店 吉兆貞翁 マクロビオティック

 
 

お料理を堪能して終わりが近づいて来ました。
爽やかで実にさっぱりとした口当たりのよい柑橘です。
(水物 柑橘ジュレ いちごのソルベ)

吉兆グランヴィア店 マクロビオティック料理 はるか

 
 

華やかな饗宴が終わると、静寂の世界へ。
(薄茶 海鼠手 茶碗)

吉兆グランヴィア店 マクロビオティック料理 薄茶

 
 

これで最後ならただのコース料理として、この記事を書く気にはなりませんでした。
しかし、最後は塩番茶で締めくくりとなったのでした。
なあるほど!
今度はあられなしです。

吉兆グランヴィア店 マクロビオティック 塩番茶

(写真はすべて吉兆グランヴィア店にて)

 
 

一般的にコース料理は陰性で始まって陰性に終わります。
しかし、このコースでは中庸に始まって中庸に終わりました。
もちろん、食後の体調も気分も安定と満足の陽に満たされました。

マクロビオティックを知っている人は、お食事の終わり方を大切にしてほしいと常々思っています。
夜は陰性に、朝とお昼は陽性寄りに終わりましょう。
解らない時には中庸に。

 
 

カテゴリー: マクロビオティックの陰陽で考えてみよう | コメントする