「がんの花道」 患者の「平穏生」を支える家族の力

今やがんは2人に1人がかかるそうです。
そして3人に1人はがんで死ぬそうです。
私の場合は、今のところは何も自覚症状はなく、元気に暮らしていますが、どうもがん家系のようなので、将来がんになるかもしれません。
しかし、気丈な長女(私の姉)は、「○○子(私の名前)は癌にならないね。あの子はきっと癌が逃げて行くと思うわ。」と次女(私の姉)に言ったそうです。
なんとまぁ(笑)
ちょっと私の親兄弟の病歴をご紹介しますね。

父:直腸がん(94歳で手術 人工肛門 95歳で死亡)
母:乳がん(手術せず 95歳で死亡)
長女:子宮筋腫(55歳で子宮全摘手術 75歳で生存中)
次女:乳がん(39歳で左乳房全摘手術 72歳で生存中)
長男:直腸がん(69歳で手術 人工肛門 70歳で生存中)
三女(私):病名なし(健診を受けないので判らない 64歳で生存中)

6人中4人が癌になっています。
平均値より高いですね。
こうして並べると病人一家のように見えますが、実に健康的で元気に暮らしていたんですよ。
まるで病気とは無縁で人生が終わるかのように。

まず、とても元気で93歳まで車も運転していた父ですが、94歳で便の異常を訴えるようになって病院に行ったところ癌と診断されました。
3人の娘は年齢が年齢なので手術はしない方が良いのではと思いましたが、唯一兄が手術に積極的で医師に手術をお願いしました。
父には潰瘍の手術ということで、癌を告知しませんでした。
生存中に父からは、癌に対する自分の判断は示されていなかったので、子供たちで話し合う結果になりました。

母は父の死後も、一人で日常生活を不便なく送っていましたが、どうしても胸の痛みが我慢できなくて病院に行ったところ、乳がんと診断されました。
痛み止めの薬を飲みながら自宅療養をし、最後は3ヵ月ほど入院して亡くなりました。
母は信仰心の厚い人で、毎日仏壇の前で般若心経を詠み、「いつお迎えが来ても準備はできている」と言っていましたので、一切の手術はしませんでした。

両親の人生が最期を迎えるときに、私は思いました。
「ああ、常々自分の希望をはっきり伝えておくべきだ」ということを。
人生の最期も自分の思いどおりに終えられるように、そして、残された家族が困らないように。
子供たちに共通の想い。
それは「本人の意志を尊重する」ことと、「少しでも苦しまないように」というものでした。
その時に本人の明確な意思表示が残されていたら、家族が決断をしやすくなります。

癌がこんなにも多くなってしまった現代において、人それぞれ思うところがあるでしょうから、自分なりの意志を固めておくのがご家族のためにもなると思います。
そんな意味で次の本は、癌とどんなふうに向き合って行くのかという具体的な内容が書かれていますのでお奨めです。
巻末には全国397か所の「相談支援センター」一覧がついているので、たとえば一人暮らしで癌になってしまった時にも役立つと思います。

 
 

書名:「がんの花道」
著者:藤野邦夫・長尾和宏
発行:小学館
定価:1600円+税

 
 

がんの花道 がんの花道2

 


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長尾和宏医師の「医療否定本」に殺されないための48の真実

先に近藤誠医師の本をご紹介しましたが、今度はその近藤医師の理論にノーというお医者さんの本をご紹介します。
なぜ私が両極の本をご紹介するかというと、物事の本質が見えやすくなるからです。
どのような分野でもそうですが、必ず反対意見というのはあるものです。
その時に展開される反対意見の理論を知ることによって、事の本質がより詳しく理解出来るようになるし、問題の所在もつかめるようになるからです。
そして、自分の判断材料にするのです。
決して迷うためではありません。

・書名:「医療否定本」に殺されないための48の真実
・著者:長尾和宏
・発行所:扶桑社
・定価:1155円

 

長尾和宏1

長尾和宏2

 


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最後の時、食べたいものを 希望かなえるホスピス 大阪

人生最後の時、せめて好きなものを食べて死にたい。
あるいは、好きなものを食べさせてあげたい。
これは患者とその家族が誰でも思うことではないでしょうか。
常々「食」の重要性を書いていますが、こんな場面での食の可能性も追求したいなと思いました。
とかく病院の食事はまずいとか、夕食の時間が早すぎるとか不満が多いものですが、素敵な取り組みをしている記事がありました。
転載させていただきます。

*   *   *

ー転載はじめー

<最後の時、食べたいものを 希望かなえるホスピス 大阪>

 カツオとハマチの刺し身、キュウリの酢の物、ご飯、お吸い物、オレンジ。

体重は40キロをきり、頬はこけていた。それでも料理が並ぶと、松井正二(よしつぐ)さん(79)の目は光った。

一口、また一口。カツオの刺し身を力強くかみしめる。酢の物とご飯、お吸い物をゆっくり口に運び、おしまいにカツオをもう一切れ。

「好きなもん、最後に残してあんねん。漁師町生まれやし、好物は魚や。あーっ、おいしかった」

妻の喜子さん(75)は「よう食べたね。旅行に来たみたいや」と笑う。正二さんは、じっと黙った後、「そやな」とぽつり。

2日後、正二さんは昏睡(こんすい)状態になり、5月3日に息をひきとった。肺がんだった。刺し身が最後の「リクエスト食」になった。

ここは淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院(大阪市)。最後の時を過ごす患者の心のケアの一つとしてリクエスト食を打ち出した。

毎週土曜日の夕飯で患者の希望をかなえる。ちらしずし、お好み焼き、チョコレートパフェ、卵焼き、カニすき……。なんだっていい。栄養士や調理師が中心となって、患者の心に残る一皿を再現する。

そんな「最後の食事」にはさまざまな思いがこめられている。

■「刺し身がええな」

「あしたはリクエスト食ですよ。何を召しあがりたいですか」

毎週金曜日の夕刻。淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院(大阪市)の病室を、栄養士の大谷幸子さん(63)が声をかけてまわる。

「刺し身がええな。いまやったら、何がおいしいかな」。79歳で亡くなった松井正二(よしつぐ)さんはいつも刺し身をリクエストした。

正二さんのふる里は徳島県小松島市。海辺に干したじゃこが名物だ。父が失踪し、10歳で大阪の理容室に養子に出された。本当は大学に進みたかった。でも理容師になったからには、と懸命に働いた。流行したパンチパーマが得意だった。

1男1女に恵まれた。「自分の家族が持てたことが、一番幸せやった。ずっと他人の中やったから」

目が悪くなり、思ったような仕事ができないと25年前に理容師を辞め、スーパーでアルバイトをした。希望したのは鮮魚コーナーだ。

末期のがんだとわかったのは1月。夫婦で北海道や徳島に旅行しようと計画していた矢先だった。

「いろんな所に連れていってやりたかったな」

正二さんは天井を見あげ、そう話していた。

おやじはふる里へ帰りたかったんだ――。長男の威雄(たけお)さん(50)は秘められた気持ちを初めて知った。教えてくれたのは刺し身だ。

家族はその後、小松島市を訪れ、遺骨の一部を海に散骨した。正二さんの思いをのせて、風が舞った。

■「また、茶わん蒸しがええな」

8月9日の金曜日、肺がんで4月から入院する安東タミさん(76)はいつものを頼んだ。「また、茶わん蒸しがええな」

ふたりの子どもが小さいころ、誕生日にちらしずしと一緒に並べたのが、手作りの茶わん蒸しだった。

タミさんは長崎生まれ。洋裁学校を卒業し、仕事を求めて大阪に来た。30歳で結婚。長女(41)が小学校に入ると日本料理屋へパートに出た。稼いでおしゃれして旅行にいった。夜はカラオケ。好きな曲は美空ひばりの「悲しい酒」だ。

自分のしたいことをしてきた。私、いい母親じゃなかったかもしれへん――。

でも茶わん蒸しは、子どもと過ごした楽しい時間と重なる。「具は宝探しみたいなもん。うちは、かしわ(鶏肉)をよう入れてん」

入院中の母にかわり、実家を掃除していた長女は、戸棚の奥に茶わん蒸しの器四つと蒸し器を見つけた。「手間がかかるのに、作ってくれていたんだなって」

土曜日の夕飯。できたてのリクエスト食を調理師の高藤(たかふじ)信二さん(58)らが部屋に運んでくる。タミさんは茶わん蒸しのふたを開けて、スプーンですくった。

「ちょうどええ固さや。何が入ってるかな」

顔がほころんでゆく。「あかんなあ。うれしいことがあると、もっと長生きしたくなってくるわ」

毎回のように茶わん蒸しを頼むタミさん。今週もその日を待っている。

■食の重要性、再認識

〈緩和医療に詳しい藤田保健衛生大の東口高志教授の話〉 中身から盛りつけまで、これだけ患者の希望に沿った食事を提供する試みは全国でも珍しい。心と体はつながっており、近ごろ医療現場でも食の重要性が再認識されている。私がかかわった国の調査でも、余命1カ月の末期がん患者165人のうち96%が最後まで自分が望むものを食べたい、と回答している。このホスピスの試みは、スタッフが全力で食事を支えていることが患者さんに伝わっているのでしょう。

■リクエスト92人、計285食の試み

淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院は昨年11月に開業した。大人の病棟(15床)の患者の多くは平均余命が1~2カ月の末期がん患者だ。その人らしい人生を全うできるよう援助する。「心のケアとして力を入れるのが食」と池永昌之副院長(48)。

普段の食事も6種類から選べる選択式だが、週1回のリクエスト食は病院がメニューを提示するのではなく、患者が食べたいものを出す。「命の見通しが短い患者さんがこれを食べたいという気持ちを大切にしたい」と栄養士の大谷さんが週1回の実施を提案した。食べるのが好きだった夫を肝臓がんで亡くした苦い思いが、背中を押した。

金曜に希望を聞き、翌土曜の夕飯に提供する。「生クリームがのったふわふわのホットケーキ」「そうめんをガラスの器に盛って」という味つけや盛りつけの希望もかなえる。

調理師の高藤さんは和食は得意だが、中華や洋食に自信がない。金曜の晩に家で練習し、翌朝リハーサルして臨むこともある。

これまで92人のリクエストに応え、285食を作った。厚生労働省の食事療養費の制度内でおこなうが、食材費がオーバーした場合は病院が負担している。全国的に珍しい試みのため、関係者の視察が相次ぐ。

「食は過去、現在、未来をつなぐものではないでしょうか」と池永副院長はいう。何を食べようか。誰と食べようか。患者は思い出の食を通じて人生を振り返り、あすへ希望を抱くことができる。

ー転載おわりー

 

料理:中川善博 むそう塾

(料理:中川善博)

このようなお料理をきっと喜んでくれるに違いない。


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「第12回 圧力鍋料理とモバイル味噌汁講座」追加開催の確認

本日の21時から募集しました「第11回圧力鍋料理とモバイル味噌汁講座」は、受付開始と同時に満席になってしまい、申し込めない人が沢山いらっしゃいました。
そこで、急遽追加開催することになり、そのお申し込みも直ちに満席になりました。
追加開催に申し込まれた方々の確認として、新しく記事をアップしておきます。
当日の参考になさってください。

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むそう塾の三種の神器は「玄米ごはん」「お味噌汁」「糠漬け」です。
そのうちの一つであるお味噌汁を外出先でも飲めるように工夫したものがモバイル味噌汁です。
たとえば職場でお昼に温かなお味噌汁をいただくことは、午前中の仕事の緊張感から開放されて癒されるとともに、午後の仕事をキリッと効率的にしてくれます。
お味噌汁にはマクロビオティックで言うところの陰性も陽性もバランス良く入っているからです。
たった一杯のお味噌汁でも効果は絶大です。

このモバイル味噌汁は、お湯を注ぐだけで本格的な美味しさのお味噌汁が飲めるように、プロの料理人中川善博が工夫したもので、その発想や食材の使い方が目からウロコなのです。
お味噌汁を飲む人の陰陽とお出汁と具とお味噌の組み合わせを四季にわたって使えるようにした組み合わせ例は、誰が見ても鳥肌が立つほど濃い内容です。
この組み合わせ例の表は一生の財産になること間違いなしです。
向こう3年間毎日違うお味噌汁を作れと言われても作る自信があると言い切れる中川善博ならではの組み合わせです。

また、圧力鍋で作る短時間料理も好評です。
普通なら時間のかかるお料理なのに、圧力鍋のおかげで帰宅後すぐに食卓に出せるスピードが人気です。
たとえば寒い季節にピッタリのふろふき大根は下の写真のような感じに仕上がります。
上にかける柚子味噌も練ります。(これが美味しい!)

*   *   *

【講座名】
「第12回 圧力鍋料理とモバイル味噌汁講座」
(通称 モバ味噌講座)

【開催日】
2013年11月日(

【会場】
「なかがわ」京都市左京区孫橋町18

【内容】
◆圧力鍋で作る絶品料理3品(デモ&試食)
・ふろふき大根
・ゆず味噌
・椎茸昆布
◆モバイル味噌汁(デモ&試飲)
お味噌と具の組み合わせを伝授(容器はお持ち帰り)
◆昼食:福ZEN(玄米ご飯・おばんざい・お味噌汁・お漬物)

【タイムテーブル】
・11:00  開場
・11:30~12:15 昼食
・12:15~13:00 自己紹介
・13:00~17:00 デモ(途中休憩あり)
・17:00 記念撮影・解散

【定員】
10名

【受講資格】
むそう塾のパスポート取得者
(デリバリーを含む飲食店関係者・お料理教室関係者はご遠慮ください)

【お子様】
会場が狭いため、申し訳ありませんがご同伴出来ません

【受講費】
52,500円(消費税込)

【受講費の支払期限】
仮受付メールが届いてから7日以内

【申し込み方法】
満席にて終了

【締切】
定員になり次第

【キャンセル料】
・入金前:0%
・開催日の15日前~8日前:受講費の50%
・開催日の7日前~当日:受講費の100%
(ご返金に伴う振込手数料はいただきません)

【お問い合わせ】
こちらから

【企画・責任】
中川善博およびマクロ美風

以上

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(ふろふき大根 料理:中川善博)

 


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「眼鏡のとよふく」さんへ行った体験談より

懐かしい塾生さんからメールが届きました。
お子さんと「眼鏡のとよふく」さんに行かれたとのこと。
こうしてブログで取り上げるたびに、とよふくさんの予約が4ヵ月待ちに拍車をかけるのかもしれませんが、嬉しかったので記事にさせていただきます。


<Kさんからのメール>

〜一部省略〜

美風さんのブログで眼鏡の豊福さんが再度紹介され、行かれたむそう塾の方の感想を拝見して夏休みを待って昨日娘と二人で行ってきました。
皆さんの感想通り、とても丁寧に時間をかけて検査をしてくださりました。
そして、店長さんはじめスタッフの皆さんがとてもやさしく声をかけてくださり、娘も豊福さんでの時間を楽しく過ごしていました。

娘の視力の差は私のコンタクトの後遺症が私でなく娘に出てしまったこと。
娘の腰の発育が進んでおらずそのことが視力にも影響を及ぼしていること。
私は25年間コンタクトを装着し続けてきました。
昨年体調を崩してからは眼鏡に切り替えましたが、肩こりや目の疲労感があり私も作ってもらいました。

来月初めには届く予定で、今から娘も眼鏡の到着を楽しみにしています。(豊福さんでかけた眼鏡の世界に感動していました。)

伺うことが出来ない今は、ブログから沢山の気づきをもらっています。
また、これからもむそう塾と繋がっていたいなと強く感じています。
twitterでお話している方、また話したく ても声をかけれない塾生の方々といつか直接会うことができたらいいなと願っております。

いつもいつも 沢山の時間をむそう塾生にありがとうございます。

*   *   *

Kさん、こんにちは。
メールをありがとうございました。
Kさんの文章を読ませていただきながら、ふむふむと納得しておりました。
それは、私がお嬢さんに感じていたことを、とよふくさんが指摘されているからです。
そして、お母様にも感じていたことが、これまたとよふくさんも間接的に指摘されていて、「ああ、やはりそこに行き着くんだなぁ」と私も勉強になりました。

本当に人間の体って一つだなぁと痛感します。
弱いところをかばうために強いところが犠牲になるんですよね。
あるいは、弱いところを助けるために強いところに負担がかかるといいましょうか。
そういう不自然なバランスが、いつしか体調不良へとつながるわけです。
でもね、人間っていつも満点でなくて、少し「ダメ」な部分があるくらいの方がバランスを取ろうとする力が働くので、案外よい面もあるのです。
とよふくさんの判断を参考にして、これから益々健康的になられることを願っています。

*   *   *

<とよふくさん関連の記事>
「視聴覚情報センター」で眼鏡を作ったらこんな変化が!
ふたたび「眼鏡のとよふく」
「眼鏡のとよふく」

 

冷やしぜんざい 宝泉 京都

(冷やしぜんざい 京都 宝泉)

 


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