日本に不妊治療(体外受精)が上陸してから30年。
今ではすっかり不妊治療がカジュアル化してしまい、某テレビで放映された卵子の老化番組が追い風になって、今では不妊治療ラッシュだそうです。
新宿の某クリニックでは一日に400名の患者数をこなし、朝7時の受付開始では長蛇の列だとか。
むそう塾にも不妊で悩むかたが来られます。
大抵の場合は食生活の乱れを正すと問題なく妊娠してくれます。
中には不妊治療を受けて体がボロボロになって、医療への不信感と膨大な出費だけが残った人もいました。
その人も不妊治療を止めて、幸せコースに通ううちに自然に妊娠しました。
ところで、不妊治療にはお金がかかるんですよね。
自由診療だからです。
そこで、少子化になって産科では食べられなくなったお医者さんが、不妊治療に活路を求めているところもあるのです。
今や生殖ビジネスとしてそれぞれの流儀まであるそうです。
しかし、その流儀の根拠は極めてあいまいです。
それもそのはず、体内にある卵子の状態を正確に把握するなんて不可能なのに、何とかそれに近づこうとしている段階でしかないからです。
みんなの顔が違うように、卵子の数も質も違うのですから、当然施される治療の方法も異ならなければなりません。
それを流儀の名のもとに処置されたのではたまったものではありませんね。
そしてまた、年に数例しか不妊治療を手がけない病院も多く、レベルの問題もあるのが実情です。
母体は不妊治療の薬の影響で大きなダメージを受けることが多いですし、精神的にもかなり不安定な人もいます。
ですから、35歳という数値で考える人が安直に生殖ビジネスの餌食になってほしくないといつも思います。
写真のお子さんは、不妊治療とは関係なく、自然に妊娠して生まれました。
お母さんが43歳での初産でした。
出産で入院した奥様のために、ご主人が玄米ご飯を炊いて、お味噌汁も作って、糠漬けまで添えて病院に運んでくれました。
完全母乳を経て、こんなに元気に育っています。
その甲斐があって、こんなにも逞しく堂々としたお子さんに成長しました。
それにしても頼もしい(笑)
命とは?
子供とは?
単に子供がほしいという視点だけでなく、もっと根源的なことも含めてしっかりと考え、不妊治療ブームに踊らされず、母体を大事にしてほしいと思います。