(Miさんの桂剝き)
まだ私が独身のとき、当時は瀬戸内晴美という作家の本を片っ端から読んでいたことがありました。
同じ女性として感じる部分が多かったからです。
後々彼女は瀬戸内寂聴となり、今なおお元気に積極的な行動で私達を先導してくれています。
ふと振り返ると、私が好んで読んだ本の作者は、割とパワーのある人たちだったなぁと思います。
それは、パワーのある人から発せられる言葉や考え方が好きだったのだと思います。
しかし、そのパワーは瞬発的なものではなく、着実に積み重ねられて来たパワーであることに、マクロビオティックをするようになって気がつきました。
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桂剝き投稿で参考になることがありますので、以下にお二人をご紹介します。
【Mi(6−6)さん】
◆Miさんからの最終投稿メールの抜粋
この1ヶ月、色んな事を感じ、学びました。
一番大きかったのは、自分は自分が思うよりも不器用で下手であるとはっきり認識できたことです。
ここを出発点としてこれからも努力を重ねて行こうと思います。
◆中川さんからのお返事(Miさんの最終回記事)
「あなたはもともと不器用です。 そしてそれは私も同じです。」
【Ot(47−3)さん】
◆Otさんからの最終投稿メールの抜粋
1ヶ月間、ご指導いただいて本当にありがとうございました。
下手なうえに的外れなことばかりして中川さんの指導にも答えることが出来ず、なんでこんなはずじゃないのにと毎日思っていました。
焦ってもなかなか前に進まず、そんなだめな自分自身と向き合うことは苦しかったです。
「わたし、むそう塾に来る資格なかったのかな。ここにいてはいけないのかな。」と何度も思いました。
でも、桂剥きを続けるにつれて、むそう塾のすごさや本気を何度も感じて何年かかっても学び続けたい、そして変わりたいと思って一か月続けてきました。
一か月で自分の目標とするところまでは達することはできませんでした。
そして課題も沢山あります。
でも、諦めずこれからも学び続けていきたいと思います。
◆中川さんからのお返事(Otさんの最終回記事)
ガンコで不器用な人はこういう精密技術には向いていないのかもしれない。と思われているかもしれませんが、それは逆なんですよ。
今、伝統工芸に秀でた名工と呼ばれる方々、人間国宝と呼ばれる方、名人と呼ばれる方の多くは修業の初めには「ヘタクソ! どんくさい! 止めてしまえ!」とぼろくそに言われたと聞きます。
器用でそつなくどんどん覚える人はある程度までいくと過信・慢心が起こり、自分で自分を奮い立たせることを止めてしまうのだそうです。 根まで覚えないのです。
その点、不器用で叱られてばかりいた少年は他に転職の可能性も無く、器用に立ち振舞うすべもなく、ただひたすら練習に明け暮れるのです。 そして気がつけば孤高の技を身につけて人々に尊ばれるまでになるのです。
わかりますね。 あなたにとって一ヶ月というスパンが短すぎただけなのです。
やり続ける勇気と強い意思があるかぎり、あなたは誰よりも上手になれると断言します。
「練習は嘘をつかない」 という言葉を最後に贈ります。
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なぜ瀬戸内寂聴さんの話の途中で桂剝き投稿の文章が出てきたかというと、最後の「練習は嘘をつかない」を取り上げたかったからです。
瀬戸内寂聴さんの本の中に書かれてあったことなのですが、ある人間国宝の仕事場を訪れたとき、どうしてそんなに素晴らしい作品が出来るのかを尋ねたら、「毎日作ること」と答えたそうなんです。
その言葉に瀬戸内さんはいたく感動されて、それから毎日原稿用紙に向かうようになったそうです。
私がその本を読んだのはまだ20代の時だったので、楽しいことを優先してしまい、毎日何かを続けることはしていませんでした。
でも30代になって法律の勉強を始めた時には、毎日真剣に机に向かいました。
そこから「毎日」という言葉の重みを実感したのです。
月日は流れ、ブログを始めようとしたとき、毎日更新しようと思いました。
それは、ブログを始めたものの、三日坊主になっている人が多かったからです。
生きているんだから、必ず何か感じることがあるはず。
それを文字に託せばいいじゃないか。
そう思ってほぼ毎日記事を書き続けました。
そのブログがこんなふうに「むそう塾」へとつながったのです。
毎日何かを続けること。
それ自体は小さなことでも、積み重ねによって大きな力になり、結果として何かを生み出すエネルギーになることを実感しています。
中川さんはよく「紙一枚の進歩」と言われます。
私は進歩と感じることがなくても、好きだから続けて来ました。
そうしたら何かが出来ていました。
ここでご紹介したお二人だけでなく、この記事を読んでくださる多くの人にも「続ける」ことの「力」を信じて、コツコツと頑張ってもらいたいと思っています。