お弁当講座(全6回開催)はきょうが最終日です。
連日中川さんは3時台に起きて仕込みをしてくださっています。
私は受講される方の喜ぶお顔をイメージして企画をしたけれど、こんなに中川さんに負担がかかってしまう内容だったか・・・と、正直申し訳なく思っています。
初めてお弁当講座を開催した時には、中川さんが完全徹夜で仕込みをしてくださったのでした。
あれも申し訳なかった・・・m(_ _)m
それでもまた開催したかったのは、毎日頑張っているOBENTERS(とその予備軍)の皆さんの応援がしたかったからです。
お弁当を作ることによって、作る人は日々の暮らしにリズムが生まれますし、お弁当のために事前に設計したり料理方法を研究したりすることで、お料理のスキルを上げることも出来ます。
そして何より嬉しいのは、「美味しかった」と喜んでもらえて、愛情確認ができることでしょうか。
さらに、朝から計画性と達成感を味わいながら一日をスタート出来るって、本当に素晴らしいことだと思います。
朝寝坊をして慌てて一日をスタートする人と、早起きして準備OK!で一日をスタート出来る人の差は大きいです。
それが毎日となると、人生に大きな差がつくのは当然かと思います。
私の持論で、「お弁当を作ってもらって嬉しくない人はいない」というのがあります。
それでもたまに歓迎されない反応をされる人がいることでしょう。
それははっきり言ってマズイからです。
食べ物ではなく餌のようになっているのだと思います。
コンビニに行けばお弁当がたくさん並んでいます。
しかし、そこに愛情はありません。
ずーーーーっと前に、私の家の近くに畳3枚ほどのおにぎり屋さんがありました。
年配の女性が1人で経営されていたのですが、とても流行っていました。
それは「家庭の味」と作り手が見えていたためだと思います。
息子が「あそこの唐揚げはお母さんの唐揚げに似ている」と言ったことがあります。
それは家庭で作るのと同じ方法で作っているからだと思います。
その経営者がこんなことを話してくれたことがあります。
「この前、子供の遠足のお弁当をお願いしますって、前の日にお弁当箱を持ってきた人がいたの。あらまーと思ったけれど、こちらは商売だから作りましたけどね。」って。
朝早くに取りに来て、子供に持たせるお弁当は、子供にとって幸か不幸か?
(案外喜ばれたのかもしれません。ママが作ったお弁当より美味しいってね。)
さらに、それは評判になって、委託お弁当が増えたかもしれません(笑)
じゃあ、美味しければいいのか?
やはり私はここで中川さんの名言を持ち出したいと思います。
「お弁当とは自分を持って行ってもらうこと」。
つまり、お昼になってお弁当を開いた時、作り手の顔と想いが漂って来るのがお弁当ということになります。
「物」ではなく「精神」に着眼しているところがさすがですね。
お昼に一人で食べていても、作ってくれた人と一緒に食べているような感じになれるのが中川さんの伝えたいお弁当なのでしょう。
今ご自分のためにお弁当を作っていらっしゃる方は、ぜひ誰かのためにお弁当を作れる環境を作り出しましょう。
そうすると、お弁当を召し上がってくれた人の反応でさらにヤル気が出てきます。
お料理ってそんなものです。
誰かに褒められると嬉しくて、次へのエネルギーが湧いてきます。
どうか一人でも多くのかたが、お弁当で素敵な人間関係を築いてくださいますように。

(小茄子の田楽 料理:中川善博)



















