キャベツから学ぶマクロビオティックの陰陽

マクロビオティックの勉強を始めると最初に「陰陽」の考え方を知る必要があります。
大抵の人は陰陽の見分け方をお話ししても解ったような解らないようなお顔をされています。
でも具体的な例をあげて陰陽を織り込むと目が輝いて来る人が増えます。
それでも輝かない人は食い気が先行している人ですね(笑)
少しでも哲学的な世界に関心のある人は、身を乗り出して来ますので、こういう人は陰陽を面白がって考えるようになります。

一方、関心があるかないかにかかわらず、陰陽は私達の生活に密接に関係してしているのですが、普通の人はそんなことを知らないで暮らしているんですね。
それは学校で教わっていないから、そんな視点をもっていないだけです。
世の中は学校で教わったことですべてが動いているわけではなく、むしろ学校で教わったことは一部分でしかありません。
ひとたび社会に出れば、知らないことがいっぱいあります。
考え方には実に色々な視点があり、それが真逆の見解につながったりします。

マクロビオティックの陰陽もその一つです。
連綿と続いて来た私たちの暮らしには、実は陰性のエネルギーと陽性のエネルギーが働いていて、そのエネルギーの中で私たちが生きていることを知り、では、どうすればそのエネルギーを上手く活用できるのかと考えるのがマクロビオティックです。
理論面から考えると難しく受け取る人が多いのですが、具体例から入ると比較的解りやすいです。
でも単純に受け取りすぎて、基本形でしか把握せず、応用ができないことになるといけないので、具体例から入っても必ず相互間の共通点を確認しながらインプットしてほしいと思います。

たとえば写真のキャベツをご覧ください。
見事に結球していますね。
春キャベツは冬キャベツに比べて陰性なので、結球もゆるくなります。
形も冬キャベツより高さが出てきます。
このキャベツは無農薬で丁寧に作られたものなので密に結球していますが、これが化学肥料たっぷりの土壌で農薬も使用して作られたキャベツですと結球がゆるくなります。
つまり陰性な環境で作られると、同じ種類のキャベツでも巻き方がゆるくなるわけです。

ところで、キャベツに働いている陽性のエネルギーを目で確認するために、スパッと横切りしてみましょう。
真ん中の芯(茎)を中心にして放射線状に太めのラインが走っていますね。
このラインが反時計回りになっているのを確認できますか?
つまり陽性のエネルギーがここに働いた証拠なのです。

もっと日常的な例では台風があります。
台風の渦は反時計回り(左巻き)ですね。
すごい求心力でどんどん力を増して行く台風は陽性エネルギーの典型です。
グングン北上して熱帯低気圧に変わるころには、陰性エネルギーが優位になります。
こんなふうに身近なところで陰陽のエネルギーを感じる癖をつけましょう。
そうすると陰陽がとても解りやすいですし、楽しくなります。

 
 

無農薬キャベツ マクロビオティック 陰陽

(無農薬キャベツ)

 
 

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マクロビオティックの常識 腸と脳はつながっている

マクロビオティックを知っている人ならご存知ですよね、腸は脳とつながっているというお話を。
でも、一般の人を相手にこの話をすると、「えっ?」て言われることが多いです。
首と頭はつながっているというと頷いてくれますが、頭とお腹は離れているからつながっているとは考えにくいのでしょう。
しかし、腸と脳はつながっているのです。

脳に神経細胞があるのは誰でもご存じですが、実は腸にも神経細胞があるのです。
脳には約150兆個、腸には約1億個の神経細胞があって、そのうちの約2,000個は神経線維で腸と脳がつながっているわけです。
ですから、脳で感じたことは腸で反応するのです。
そしてその反対もあるわけです。

誰でもこんな経験はありませんか?
旅行に行って緊張すると便通が悪くなって、自宅に帰ると途端に便意を感じたりすることが。
小さい子供なんか、自宅近くになったら安心してお漏らしをしてしまうことがあります。
可愛いですね。
あるいは何らかの理由でストレスを抱えると、便秘になったり下痢をしたりします。
学校近くになるとお腹が痛いという子はストレスで痛いのです。

このストレスというのは実に厄介で、本人がストレスと感じていなくても、体にはストレスになっていることがあります。
原因不明で体調不良だという人の話を聞いていると、ほとんどがストレスが原因だと思うのですが、本人は「絶対ストレスはない」と言い張ることがあります。
我慢強い人、感情をあまり外に出さないような人は、結構このタイプのストレスを抱えています。

私自身の体験でも、ストレスのあるときには食欲が出ませんし、一時的に強いストレスにさらされると、その緊張感のあまりに帰宅してから吐いたことがあります。
弁護士さんの代理として億単位の取引に一人で初めて立ち会った時のことでした。
その責任の重大さと失敗した場合の責任を考えると、緊張感が最大限になったのです。
これに似たような経験はどなたもおありかと思います。
オリンピック選手の緊張感も相当なものでしょう。

ところで、最近はストレス耐性の弱い人が多いように思います。
体験より机上での学びを優先した育てられ方をされていたり、成績至上主義の学校教育の弊害と思える場面に出会います。
人は誰しも緊張するものですが、体験はそれを限りなく緩和してくれます。
ですから恋愛にも臆することなく、失敗して当たり前の気持ちでトライしてほしいと思うのです。
そういう姿勢がストレスを一つひとつ減らしてくれて、快調な体を維持する方向につながります。

先に触れた腸のお話ですが、腸の状態が悪いと怖がったり、度胸がなかったり、むやみに心配したりして、ひいてはそれがまた腸の状態を悪くする方向に行ってしまいます。
ですから、どこかでピリオドを打つためにも、まずは腸の状態を快適にすることに取り組みましょう。
腸の状態が良いと、ストレス耐性が増して来ます。
いわゆる「肚が据わる」状態に近づきます。
そのための食べ方や暮らし方を教えてくれるのがマクロビオティックの考え方です。
陰陽という二つの視点から観察して答えを出していきます。

そのためには陽性のエネルギーを増やさなければなりません。
腸に陽性のエネルギーが届くような食べ物を選び、お料理方法を選び、暮らし方をするうちに、だんだんと安定感が増えて来ます。
具体的には腸内の免疫機能を最大限に発揮出来る状態に導くことです。
むそう塾ではその一環として糠漬けを推奨しています。
糠漬けの中には有名な乳酸菌がいっぱいいます。

乳酸菌は善玉菌悪玉菌という単純な分類をすると、善玉菌に入ります。
面白いのはこの乳酸菌にも陽性と陰性があることです。
乳酸球菌(陽性)は美味しい糠床に必要ですが、乳酸桿菌(陰性)が増えると糠床の状態が怪しくなって来ます。
この陰陽バランスを駆使して美味しい糠漬けが漬け上がるわけです。
糠床って何だか人間の腸内に似ていますね。

さて、そろそろ春キャベツが出回って来ました。
冬キャベツに比べて春キャベツは陰性さがあるため、ちょっと高さが出てきます。
巻きもゆるくなります。
キャベツは乳酸菌をたくさん持っていて、特に外側の硬い葉に多いのです。
これを糠床に入れるなど上手に活用して、ぜひ健やかな腸を維持しましょう。
他には牛蒡やアスパラガスや玉ねぎなども食べて、免疫力を高めるようにしましょう。
それらのことがアレルギーの発症を抑えてくれることにもつながります。

 
 

キャベツ2 乳酸菌 マクロビオティック

(無農薬春キャベツ)

 
 

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第175次「むそう塾 パスポート取得者」を発表します

第175次 むそう塾 パスポート取得者>
Hi(78−2)さん


<寸評>

◆中川善博より
やっとここまでこぎつけましたね。 よくへこたれずにやりきりました。
2ヶ月近くにわたる試行錯誤はこれからのあなたの炊飯生活にきっと役に立つでしょう。
これからはブレないように、休まないように。
とにもかくにも100日間パスポートレベルのご飯を食べ続けてください。
人生が変化してくるのがわかるでしょう。
おめでとうございます。

◆マクロ美風より
まずはおめでとうございます。
今までの食生活をガラリと変えるおつもりで玄米炊飯に臨んでほしいなって愛クラスのときに思っていました。
食生活を変えるのは勇気がいります。
でも、一生のことを考えると変えるだけの価値はあります。
私からの提案です。
100日間だけでも良いので、お酒を止めて玄米ご飯を食べ続けてみてください。
あなたの体が音を立てて変わることを体験するでしょう。
もし行き詰まったら、いつでもメールをください。

 
 

 
 

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お年寄りでお薬を飲んでいる人の食事 体験者に学ぶ

昨日の放課後、例によって教室のあちこちで相談やら塾生同士の談笑やら、自由な時間が流れる中、じゅん子さんと中川さんの会話から参考になることがあったので記事にしておきたいと思いました。
じゅん子さんは週に何回かお料理を作ってお祖母様に届けていらっしゃるそうなのですが、そのおかずの話で中川さんが次のようなことをおっしゃっていました。
「年寄りのおかずは味をはっきりさせてちょっと少ないめがいいねん」と。
お薬を飲んでいるお年寄りは、味の感覚が少し鈍くなっているので、薄味では美味しく感じないそうなんです。
さらに食べきれない量より、もうちょっとほしいかなと感じる量の方が美味しさも増すそうな。
お口を通しての感覚は鈍っていても、目で見る感覚ははっきりしているので、視覚的に与える影響は要注意とのこと。

これからは高齢者が増えてくるので、私達は実の両親、義理の両親を問わず、介護の立場に立たされることが多くなります。
すでにその立場になっている人も多いのですが、お料理を作る際の参考になれば嬉しいです。
たったこれだけのことでも、作ったお料理を喜んで食べてもらえるかどうかの分かれ目になるのです。

中川さんは実のお母様を何年も介護されたご経験から、上記の味のことをじゅん子さんに話したところ、じゅん子さんは「そうなんです!」とおっしゃっていました。
私も義理の母に食事を作っていたとき、そういえばそうだったなあと思い出していました。

「お薬を飲むとお食事の味が判らなくなって、何を作っても美味しくないと言ってあまり食べてくれないんです」と相談される塾生さんが何人もいらっしゃいます。
まだお薬に無縁な人はこれからもずっと無縁で、食べる楽しみを失わない人生であれるように、今から健康には気をつけておきましょう。

そのためにマクロビオティックの視点からアドバイスをするなら、やはり「血を汚さない」ことに尽きます。
このキャベツの葉脈を見ていると、私は人間の血管に見えてなりません。
綺麗な血液で血管を丈夫にしておくこと。
これが最大のポイントです。
自然の織りなす陰陽の美しさ(植物も人間も)は、わずかな傷から崩壊していきます。
いつまでも若いままではいられませんが、せめて楽しみを奪わない老後であってほしいと強く思います。

 
 

キャベツ1 マクロビオティック 血管

(無農薬キャベツ)

 
 

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マクロビオティック病にならないために 「患者力のすすめ」川嶋朗著

マクロビオティックを知ってしまうと、盲目的に西洋医学を否定する人が多いです。
薬は怖いんだ、病院に行っては行けないんだ。
そんなふうに頭から思い込んでしまって、ますます体調が悪くなってしまう人をたくさん見てきました。
その都度私は次のようにアドバイスします。
「お医者さんを否定するなら、お医者さんと同じだけ勉強と経験をしてからにしようね」と。
西洋医学のことも薬のことも体のことも、専門に学んでいなければまずは相手の立場を尊重するところから入るべきだと思います。
その上で自分の考えと希望に理解を示してくださる施設や相手を選ぶのが私達の最善策であり、否定から良い結果は得られないと思った方が間違いありません。

それでも私のところには薬を使わないで治したいとか、病院に行かないで治したいという相談が寄せられます。
私はこれをマクロビオティック病だなって思います。
自分が何ら勉強することなく、いたずらに西洋医学を否定して、あちこちの代替医療施設のジプシーになっている人が多いからです。
場合によっては代替医療を探しているうちにマクロビオティックに辿り着いて、最後の藁としてマクロビオティックにすがる人も多いです。

恩師の大森英櫻先生がしみじみおっしゃっておられました。
「我々のところに来る人は病院で見放された人が多いから、病気がこじれにこじれて一筋縄ではいかない人が大半なんだ」と。
その言葉を胸に私はいつも思います。
もう少し体のことや病気のことを勉強する気持ちがあったら、ここまでこじれなくても済んだのではなかろうかと。

むそう塾に来られるかたでも、賢い人は事前にお勉強をされています。
その上で「私はこうしたい」という絞りをかけておられます。
そうするとこちらも対応しやすいですし、実行力も上がります。
みんながこんなふうだったら、どんなに良い結果に結びつくだろうかと思います。
そうなんです。
自分を健康に導くには勉強が必要なんです。
決して丸投げにはしないで、自分の体は自分で管理しましょう。
そのために最適な本をご紹介します。

書名:「患者力のすすめ」
著者:川嶋朗
出版:幻冬舎ルネッサンス
定価:1,100円+消費税

著者の川嶋朗教授とはかなり前にお話ししたことがありますが、「日本から医者をなくすことが僕の夢なんだ」と熱く語っておられました。
お医者さんでありながらそのようなことを口にされて、面白い人だなあというのが第一印象でした。
とても気さくで話しやすい先生です。
この本に書かれていることに同感されるお医者さんも多いと思います。

 
 

患者力のすすめ 川嶋朗1 マクロビオティック

(患者力のすすめ;川嶋朗著 幻冬舎ルネッサンス)

患者力のすすめ 川嶋朗 マクロビオティック

 
 

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