毎月「玄米の炊き方秘伝(愛クラス)」を開催していると、たくさんの学びがあります。
学びというのは、何かを伝える側にも受け取る側にもありますが、玄米の選び方についてきちんと把握していない人が圧倒的に多いという現実が私の学びです。
私もマクロビオティックを始めた時にはそうでしたが、どんな玄米を選べば良いのか詳しくは知りませんでした。
ですから、教室で使っていたもの、あるいは教室に併設された売店で扱っている玄米の中から食べた感じで選んでいました。
そのうちにお米関係のつながりも増えるようになって、選択肢の幅は広がりますが、明確な基準があるわけではありませんでした。
そんな経験も踏まえて、むそう塾では玄米の炊き方を教える時に、必ず塾生さんが使用される玄米とお塩を少し持参してもらっています。
仮に毎年同じ生産者から購入されていても、その年ごとで微妙にお米の仕上がりが変化していることがあるからです。
それは土に原因があったり、お水に原因があったり、気候に原因があったり、あるいは生産者自身に原因があったり、もっと大きな環境(空気を含む)が原因だったりします。
それで塾生さんが再受講であったとしても、毎回玄米を見せていただくのです。
玄米を入手するまでは例年通りだったとしても、保管方法が変わっただけで玄米の品質は変化しますので、その辺の細かな差を炊き方に反映させるためです。
玄米を召し上がっていても、白米を召し上がっていても、炊き方はお米に合わせるのが常です。
ということは、まずお米のことを詳しく知らなければなりません。
でも、その辺のところが多くの人は無頓着だったり、文字の情報だけを鵜呑みにしていて、お米そのものを見ていない人が多いです。
お米を触ったり握ったりしながらその見極めをするのですが、参考のためにいくつか列挙しておきます。
これらはすべて経験済みで、受け売りではありません。
【1】玄米にゴミや籾殻が混じっているものは避ける。
これは玄米を洗う前にこれらのゴミ類を取り除くための手間がかかり過ぎるためです。
脱穀機の性能が悪いとこのような混じり物が多くなります。
このような場合は、玄米が汚れていることも多かったりするので要注意。
【2】自然農法米は一長一短。
自然農法米は白米でいただいたらとても美味しいのですが、玄米でいただくと炊き方が難しくて、かたく炊きあがってしまう人がほとんどです。
しかし、高度な炊き方を使いこなせば、強いエネルギーをいただくことが出来ます。
ただし陽性タイプの人には重く感じることもあります。
生命力の強さが重さになるのでしょうね。
【3】棚田米も難易度高し。
棚田米は棚田の厳しい環境をまともに受けますので、炊く技術としては難しいのですが、強さのあるエネルギーが秘められています。
細心の注意で丁寧に炊き上げなければ、かために炊きあがります。
【4】平地のお米は炊きやすい。
棚田や自然農法米とは違って、生育にエネルギーを使わないので、のほほんとしたお米が出来上がります。
何だか人間と同じですね。
ですから、玄米としてはこれが一番やわらかく炊き上がります。
以上が玄米を選ぶときの主な基準ですが、まだまだ選択のポイントはあります。
でも、ブログでお伝えできるのはこの程度でしょうか。
体の負担にならない栽培方法と、玄米を炊き上げる技術の両方がタッグを組んで初めて、玄米はその力を発揮できるのです。
お米だけ理想的なものを入手しても、炊く技術が幼稚園並みでは、体への負荷は大きくなり、場合によっては白米を食べた方が良い体調になってしまうことがあります。
こういう人は結構多い現実があります。
ですから、玄米を食べる場合は、体に良い状態で召し上がってほしいと思います。
まずはご自分の玄米炊飯の技術に見合った玄米を選び、それから難易度の高い玄米に挑戦して行くのも良いかと思います。
むそう塾ではそれぞれのレベルの玄米に対して、異なった炊き方の指示を出して、消化吸収の良い玄米ご飯を炊き上げるように二人三脚で炊き方を追究しています。
玄米はちゃんと体に吸収されなければ、白米以上に体に負担になりますから、炊き上がりの硬さまで見究めたうえで炊飯方法を確立してほしいと強く思っています。
なぜなら、玄米の選び方が間違っている人が次から次とむそう塾に来られるからです。
少しでも柔らかい玄米ご飯が炊きあがるようにと思ってこの記事を書きました。
皆様の玄米ご飯が少しでも改善できますように。
(玄米ご飯 料理:中川善博)