こちらの記事の私のコメントに関連して、てんこさんが不妊治療に関する文章を寄せてくださいました。
実は、この不妊治療を陰陽で判断すると、ある治療はとても大きな問題点があるのですが、社会的影響を考えてずっと伏せていることがあります。
私は不妊治療の研究者ではないのでなおのことです。
現在はこちらの記事にもありますように、不妊が生殖ビジネスとして暗躍している現実もあります。
簡単に生殖ビジネスに乗ってしまう前に、考えるべきことはたくさんあります。
そのことに一人でも多くのかたが気づいてほしいです。
まずはその文章からお読みください。
<てんこさんの文章より>
先日、『生殖医療の未来』と題した講演がありました。
生殖医療は不妊治療と言い換えてよいかと思います。
不妊で悩まれている方は年々増えていますので、感じた事をお伝えしてみたいと思います。
生殖医療は晩婚化に伴って需要が増していますね。
一番最近のデータでは1年間に生まれた赤ちゃんの約3%(約3万人)が生殖補助医療によって誕生しているそうです。
欧米では4%に達しており日本もいずれそうなるだろうというお話でした。
私の印象では高齢妊娠の方だけでなく20代のご夫婦でも不妊治療をされて妊娠した、という方達が増えているように感じます。
不妊という言葉の抵抗感が減っているかもしれません。
だとしたら、怖い事です。
妊娠しにくい事が重大な問題ではなく、ごく普通の事になってしまったら。。。。
今回の講演では卵子提供の話題が取り上げられていましたが、いずれにしても生殖医療の目的は不妊状態にある体を自然に妊娠できる体にすることではなく、いかにして妊娠させるか、いかにして生児を得るか、という点に尽きると思います。
そこには、その命がどのような環境で育ち誕生したのかという視点がすっかり欠落しています。
どのような環境でその命が育まれたのかにより、その命が内包した陰陽バランスが決定づけられます。
自力では妊娠できなかった人に薬物を使って妊娠を成立させ、その結果誕生した命は、いったいどんなものを背負っているのでしょうか?
不妊の因子は女性因子、男性因子、その他に分けて考えられています。
例えば卵巣機能が悪くて排卵しないために不妊だとしても、排卵するパワーがないほど陰性な場合と、陽性すぎてガチガチになっていて卵子を排出ができない場合が考えられます。
また排卵していても陽性が強すぎて受精卵を受け入れる事が出来ない方も居るかもしれませんし、陰性で受精卵を保持できずに妊娠維持できない方もあるかもしれません。
男性の不妊因子は主に精子の問題になりますが、具体的には精子の数が少ない、運動能が低い、奇形が多いなどの状態があります。
どれも陰性な状態です。
このように陰陽理論で捉えてみると、その陰陽バランスを見極め改善してあげれば、自然な妊娠が期待できるのではないかと推測することができます。
妊娠させるのではなく、出来る体をつくることが目標であるべきです。
現実には生殖医療で誕生した命がたくさん存在します。
その方達を否定するつもりはなく、陰陽のエネルギーの元に誕生する事ができた命なのだから、その命たちも宇宙の法則を思い出してそれに沿うように生きてくれたらいいな、と思います。
不妊治療を受ける事は、金銭的・時間的・精神的・肉体的に大きなストレスを生みます。
そんなストレスいっぱいの状態で妊娠した場合と、健全な性生活によって妊娠した場合では、その後の妊娠生活もお産も育児も大きく違ってしまうでしょう。
ですから、マクロビオティックが提唱する食事方法を利用して、健全な命を育めるたくましい男性・女性が増えてくれることが、いかにして他人から精子や卵子を提供してもらうか考えるよりずっと大切な事だと思います。
そうしないと、次世代はもっと深刻な不妊に悩まされるのではないかと心底危惧しています。
<マクロ美風より>
私も不妊治療の記事を過去に書いていますので、てんこさんのスタンスはよく理解できます。
一つだけ私から加えさせていただくなら、今は男性も女性も体が冷えている人が多いです。
その大きな理由は、すでに母親の胎内にいた時まで遡る必要があるでしょう。
妊娠前から母親や父親の食べていたもの、そして妊娠期の母親が食べていたもの、冷房や服装を含む暮らし方の問題。
それらを前世代まで遡って考えたうえで、今まさにお子さんを希望される人達の陰陽バランスを整えることが根本的な解決につながると思うのです。
それは食べ物だけでなく、環境を含めてもっと大きな問題として取り組むべき課題ですから、体が冷えるということは、今や国民病といっても過言ではないと思います。
>このように陰陽理論で捉えてみると、その陰陽バランスを見極め改善してあげれば、自然な妊娠が期待できるのではないかと推測することができます。
>妊娠させるのではなく、出来る体をつくることが目標であるべきです。
今は生殖能力の低下を感じさせる若者が増えて来たように感じています。
妊娠だけでなく、お産に関しても自力で産み落とせない妊婦もいて、すでに哺乳類として種の保存に黄色信号が灯る人もいるわけです。
そのような人でも食べ物を変えることによって、良いお産をすることが可能になったりする例をみていると、今のうちならまだ何とかなるような気がします。
むそう塾にも不妊で悩む方が次から次へといらっしゃいます。
多くの方は食事を改善して陽性寄りにしてあげると、ほどなく妊娠されます。
そして出産もスムーズです。
しかし中には奥さんの方は健康なのですが、ご主人の精子に問題がみられる場合があります。
それはてんこさんも書かれていることなのですが、こちらは一朝一夕に改善されないことが多いです。
冷えだけでなく、添加物の影響が考えられる場合もあります。
ご本人の問題ではなく、親からもらったものの中にその原因を見つけることもあり、無情を感じることがあります。
考えられることをすべて実行しても妊娠せず、諦めた頃にフッと妊娠する人がいたり、結婚して15年目に妊娠したり、結婚して10年間妊娠しなかったのに立て続けに3人も産んだりする人もいて、まさに神のいたずらを感じてしまいます。
妊娠と出産ほど神秘的なことはなく、それはまさに神の領域のように私は感じます。
子供をもうけることが当たり前という発想だと、不妊治療がどこまでも進みますが、それは得る(欲=陽)ことの極みであるようにも感じます。
そうではなく、与えられた環境の中で生きて行く(中庸)選択をするならば、まさに子供は「神様からの授かりもの」となりますね。
欲しいものは何でも手に入れる生き方をするのか、「足るを知る」生き方も選択肢に入れるかで、不妊の問題は大きく変わると思います。
どこかが満たされなかったとしても、どこかでその分が補われていることを当事者は気づかないことが多々あります。
そんなことにも想いを巡らせて不妊の問題を考えられたらいいなと思っています。