ひとくちに「免疫」といっても、漠然としか理解していない人が多いのですが、マクロビオティックを知っている人なら、すぐ「血液の質」と結びつけて考えることができるでしょう。
そして、その血液を作っているのは食べ物であること、血液の質を悪くする要因はいくつもあることなどを瞬時で答えられると思います。
そのことを知っているだけで人生はどれほど得をすることか。
今、こんな時代だからこそ、免疫や自然治癒力のことを正しく知ることは、自分の命を守ることでもあります。
免疫や自然治癒力に関する本もたくさん出され、サイトにもそういう言葉が溢れ、そういう系統の学校まであります。
しかし、頭では解っても自分で何を実行するかは別問題。
あなたはすぐその系統の資格を取ろうとされますか?
それとも食べることに重心を置こうとされますか?
もしこれらのことにピンと来ないかたは、ぜひ次の文章を読まれたら良いかと思います。
癌に関する記述も大いに参考になりますので、もしもの時に備えて心の準備をしておきましょう。
癌はいたずらに恐れるのではなく、体の働きを正しく知って、常に体が正しく動けるように自分自身が責任をもつ覚悟をしましょう。
それが一番の人生ではないかと思います。
長い文章ですが、きっとあなたを変えてくれる内容が含まれています。
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<【決定版】2章 プロも知らない「クスリの正体と真の免疫力」とは> 抜粋
(改行は読みやすくするためマクロ美風が入れました。)
4. 免疫・自然治癒力の正体と働き
免疫や自然治癒力とはいったい何か?僭越ながら、詳しくご存知の方は少ないと思います。どちらも健康維持に不可欠のものには違いありませんが、それぞれの実体とカラクリについて、現代医学が錯覚したり、知識の及ばないデリケートな問題点がいくつかあるからです。
まず免疫の実体を知るには、「病気」と「症状」の関係をはっきりさせることが必要となります。すなわち病気とは体の異常であり、症状はそれを知らせるシグナルだという認識です。病気のほとんどは慢性病で、慢性病には発熱、だるさ、患部の赤変や腫張(腫れ)、疼痛などの症状を伴います。じつは、炎症反応と呼ばれるそれらのシグナルこそ、体がもとの正常な状態に戻ろうとする合目的的な防御反応、すなわち「免疫」にほかならないのです。
現代医学はこの防御反応、つまり免疫を病気そのものと勘違いするため、それを除去しようとして医薬品や外科手術による攻撃的な治療を行なうわけです。なるほど、防御反応が激化して生体機能障害が起こると命にかかわりますから、そういった応急処置はやむをえないかも知れません。
しかしそれでは病気は治らない、いずれまた症状は出る、そのつど攻撃的な治療で体にダメージを与える―まさに本末転倒、悪循環であり、問題の根本解決にはならないわけです。そこで病気そのものを除去する対策が求められるわけですが、それにはどうすればいいのでしょうか?
そのヒントになるのが前章第六節でご紹介した、「病気の原因は血液の質的悪化(血液の汚れ)にある」という森下博士のご見解です。森下博士は、血液の性状を健全にすることが最優先であり、そうすれば免疫が強化され、炎症反応が少しづつ軽減していき、やがて病気そのものが消滅すると断言しておられます。
さて、つぎにその免疫の働きに移りますが、それを理解するには血液の成分と成り立ちを確認する必要があります。現代医学は赤血球と白血球を別のものと考えていますが、前章でご説明したとおり、それらは本来一つのものであり、さまざまな条件によって相互に変化するものです。
免疫が行なう一連のプロセスは、赤血球から白血球が生成されることにはじまります。その鮮明な連続相は森下博士らによってカラーフィルムに記録されており、それが事実であることは否定すべくもありません。
白血球は「流動」、「分割」、「発芽」といわれる三つの方式で赤血球から新生され、それがさらに顆粒白血球とリンパ球に分化していきます。リンパ球とは赤血球の細胞質から核が独立したもので、それを新たな細胞膜が包んだものが顆粒白血球です。
これを知らない(?)現代医学は、白血球は骨髄で、リンパ球はリンパ腺で作られるなどと苦し紛れに事実に反することを平然と主張しています。血液の生成や分化における連続相をこうして分割して見ているから、現代医学は白血病の正体も、がん発生のカラクリもわからないのです。
じつは白血病は白血球の、がんはリンパ球のそれぞれの細胞が病変することにより引き起こされます。このとき免疫の働きが注目されますが、それは次のように理解すればいいと思います。
「白血球(つまり顆粒白血球とリンパ球)の成分である好中球、マクロファージ、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞などが、それぞれ“警備”、“捕獲”、“戦力増強”、“抗体ミサイル”などと称される役割を担い、それらを統合して異物や細菌や病原体を攻撃し、殲滅せんめつするものである」
この免疫システムが正常に働くことによって、がん、白血病にかぎらず、あらゆる慢性病から体が防衛されることになります。また万一病気にかかっても、免疫が炎症反応を起こし少しづつ病気を退散させてしまうことは、先の説明でおわかりになったと思います。
もう一度念のため、風邪を例にとってみますと、風邪を引くとたとえば熱が出ます。体温があがると代謝レベルもあがり、体力を消耗させるためとてもしんどく感じます。しかしそれは、免疫が正常に働いている証しだと理解するべきです。なぜなら体温の上昇とともに白血球が増大し、免疫が強化されることを示しているからです。
つまり発熱という現象は、体内の非自己的な不純物(異物や病原体など自分の生体成分ではないもの→第四章6節を参照)に対処するため、必要な態勢を整えているシグナルであるわけです。しんどくて食欲がなくなるのは、体が余計なエネルギーを消費しないよう中枢神経へ命令が出ているためです。
体を動かしたり内臓が消化や吸収をおこなうには、多くのエネルギーを必要とします。それは免疫にもかなり負担がかかるため、そういう活動をすべていったん停止して、不純物や体内で発生した病原体との闘いに全力をあげる、その防御反応としてさまざまな不快症状を覚える、このように判断するのが正しいのです。
このとき解熱剤や抗生物質を服用するのは、まさに愚の骨頂です。せっかく免疫が働いて風邪の原因を撃退しようとしているのに、無理やり熱も代謝レベルも下げてしまい免疫が働かなくなる、これでは風邪を治すどころではありません。
そのうえ薬の副作用のせいで、別の症状や新たな病気を引き起こす危険さえあります。
とくに問題なのは、抗生物質が大切な腸内細菌のバランスを崩すことです。腸内環境を維持するのに大切なビフィズス菌や乳酸菌が大量に死滅し、かわって大腸菌やウエルシュ菌などの“悪玉菌”がはびこるため、おなかの調子がおかしくなるのです。
すると今度は胃腸薬が必要となってきて、それがまた別の副作用を引き起こす・・・薬漬けの悪循環のはじまりです! 人々はどうしてこれほど無駄で、しかも自分の体を痛めつけることをするのでしょうか?
医者や病院へ行けば、風邪には必ずといっていいほど解熱剤や抗生物質が処方されます。なぜか? 彼らにとってそれはいわずとしれた“商行為”ですから、やめるわけにはいかないのです。それでもあなたは医者や病院へ行きますか?
では風邪を引いたとき、どうすればいいんだ?」という声が返ってきそうなので、絶対安全で、しかも100%風邪が治る方法をご紹介しましょう。
1. まずその日は絶食し、寝床に入ってじっと体を休めます
2. 部屋を暖め、熱があがってくればタオルを水で絞って額に乗せます。タオルが熱で暖かくなったら、また水で絞って額に乗せる、これを何度か繰り返します
3. 脱水状態にならないよう、水分(白湯がいい)をこまめに補給します
4. かんきつ類の果物を少し食べるぐらいはかまいませんし、むしろ効果的です
5. 就寝前に、少量の味噌にねぎとしょうがをみじん切りにして加え、これに熱湯を注いで飲みます
6. 咳、鼻水、頭痛などの症状があっても我慢して、薬は飲んではいけません
これでぐっすり寝て、翌朝目を覚ませば治っているはずですが、もし万一治らなければ、もう一度同じことを繰り返せばいいのです。遅くても二、三日で治ります。薬の誘惑に負けるとかえって病気そのものがこじれてしまって、本当の意味での回復が長引くことを知ってください。
それを明確に裏づける臨床実験が平成六年、大阪市立大学医学部小児科の富田雄祐医師らによっておこなわれました。
高熱が出て風邪やインフルエンザと診断された0歳から18歳までの患者293人を、解熱剤を使わなかった191人のグループと、注射、飲み薬、座薬など解熱剤を使った102人のグループにわけて、37.5度以上の熱のある期間を比べたのです。
その結果、解熱剤を使ったグループは、風邪が治って体温が37.5度以下までさがるのに平均3.47日かかったのにたいし、使わなかったグループは平均1.99日でした。
つまり解熱剤は効果がないばかりか、風邪を長引かせていたわけで、この実験は風邪に解熱剤を使うとかえって自然治癒力が妨げられ、完治するのに時間がかかることを証明したことになります。そしてさらにこの実験によって、解熱剤を使うと脳膜炎や肺炎などの合併症が多発することも実証されました。
風邪にかぎらず病気の症状はすべてつらいものです。しかし早く楽になりたいとの思いからあれこれ薬を飲むと、一時的に症状から開放されても、このようにあとあと厄介なことになるわけです。多少症状がつらくても、免疫の働きで病気そのものが自然に治癒するまで、じっと耐えるよりほかに方法はないのです。でもたいていは、症状は長続きするものではありません。
ここで先の血液生成の仕組みにあらためて注目してみますと、免疫が正常に働くかどうかは、つまるところ白血球の質的レベルに左右されることがわかります。その白血球は赤血球から生成されます。したがって、赤血球の材料になる食物の内容がいかに重要であるか、よくご理解いただけたのではないでしょうか。
赤血球から白血球が生まれていく、その過程において一つの物質が別の物質に分化(変化、発展するという意味の専門用語)したり、またもとの物質に逆戻りしたり、分化の途中の状態であったりと、たえず変化、流動、休止を繰り返す―これが生理機能の精緻きわまるメカニズムです。
あくまで科学的手法を追及する現代医学は、この流動的な生命現象のある特定の部分の、しかも瞬間の状態を見て判断する志向性があります。いわば白黒のハッキリした部分だけを峻別する結果、移行状態にある「中間相」、つまり灰色の部分に気づかないのです。
しかしじつは、生命現象の灰色の部分にこそしばしば因果関係を知るうえで重要な秘密が隠されています。 免疫細胞の生成過程や活性化も、その灰色の部分でめまぐるしく展開されているため、現代医学が長いあいだ気づかなかったのも当然で、やっと最近安保教授らによってその仕組みが解明されたことは、医学界の画期的な業績になるはずでした。
しかしながら、その仕組みに「自律神経が関与している」という見解が伝統理論と対立するという理由で、現在のところ免疫理論がすんなり受け入れられているわけではありません。そのため免疫をよく理解し、その知見を臨床に活用する医者はきわめて少数派です。
同様に自然治癒力についても、その重要性を認識している医者はほとんどいないようです。
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以下、自然治癒力についてご説明します。
人体を構成する60兆個もの細胞は、その一つ一つが呼吸をしています。肺に空気を送り込むことを生理学的に「外呼吸」というのにたいし、それが細胞の場で行われることを「内呼吸」といいます。細胞が呼吸をすることによって有機物を単純な化学構造の物質、つまり水や炭酸ガスに分解していく、その分解過程でエネルギーがどんどん生み出されるわけです。
大気汚染や、あとで述べるさまざまな要因によって細胞が健全な呼吸ができなくなると、体のあちこちに異常発酵現象を起こし、それがやがてがん細胞などの腫瘍や炎症に発展していく可能性があります。
そしてこの細胞の内呼吸による代謝に不可欠なのが、いわゆる「酵素」と呼ばれるものです。現代医学は酵素には何千種類もあって、それらの働きを一つづつ解明するなど現実に不可能だとしていますが、正味の働きという観点からすれば、酵素の種類はほんの二、三であることがわかっています。
ピレマーという化学者は血液中にプロパージン(properdin)いう酵素を発見し、これがあらゆる物質の代謝作用を促進することを突き止め、この酵素を「非特異的生体防衛酵素系ひとくいてきせいたいぼうえいこうそけい」と名づけました。
またピレマーが発見したプロパージンのほかに、組織中に過剰な活性酸素の一種である過酸化水素が発生するのを阻止し、細胞の正常な代謝を助けるカタラーゼという酵素の存在も確認されています。
じつはこれらの物質こそ、自然治癒力の正体だと考えられますが、この呼吸酵素は大変デリケートなもので、化学物質に触れると必ず阻害されます。
薬、つまり化学薬剤のすべて、ダイオキシンなどの環境ホルモン、農薬、食品添加物、トリハロメタン、発がん物質を発生させる水道水の塩素などは呼吸酵素を確実に破壊するものです。そういったことは生化学や分子生物学によってすでに実証されているにもかかわらず、現代医学は無関心を装いつづけています。
ところで酵素が働くためには、その働きを活発にするマグネシウムイオンの助けが必要とされています。マグネシウムは植物や野菜に広く含まれるミネラルで、とくに野性味の強い薬草、つまりハーブに豊富に含まれています。
病気の原因は病原体だとする現代医学には、そのような知識もなければ関心さえありません。したがってまさか植物に含まれるミネラルが、自然治癒力という細胞のエネルギーを生み出す役割を果たしているなどとうてい認めがたいわけです。
アンドレボーザンという農学者は、「人間の体は土と一体である」(身土不二しんどふに)という有名な言葉を残しています。アンドレボーザンは土壌の質を研究するうち、農薬、とくにカリ肥料を使用すると、農作物からマグネシウムが抜け落ちることに注目し、土中のミネラルバランスが狂うと、野菜や植物のミネラルバランスも狂うことを発見しました。
案の定、農作物のビタミンやミネラルの含有量が激減していることが、ここ数年来の農水省の実験テストで確認されています。生産効率をあげるためのバイオや農薬が原因であることはいうまでもありません。
ビタミンやミネラルは微量栄養素と呼ばれ、それらが欠乏すると慢性病を引き起こす誘因になることは、もう30年以上も前に分子矯正医学によって解明されている事実でもあります。
病気になってから薬、放射線、手術といった危険な対症療法を行うのではなく、病気を未然に防ぐためのこうしたより本質的な対策の推進に、国や医学界は一刻も早く着手すべきです。
残念ながら国や医学界にそのような動きは一向になく、あいかわらず薬の普及や販売促進、とくに新薬の開発にますます力を入れているのが現状です。
その無能な行政ぶりからしても、国が国民の健康など露ほども考えていないことは明らかですが、その一方で、私たちが選択を迫られている重要な問題があります。
最近、医学界や厚生労働省がメディアをたくみに利用して、「病気を予防しましょう」とさかんに呼びかけていることはたぶんお気づきだと思います。しかしその真意を見抜かずに、「なるほど、それは大切なことだ」と安易に口車に乗ると意外な落とし穴が待ち受けているのです。
なぜかというと、国や医学界の合言葉を国民に実践させようと、大半の医者が薦めるのは人間ドックや定期検診だからです。ハイテク機器や最先端技術によって、「病気の予兆を早く発見せよ」というのですが、これは予防には当たりません。「予防」と「早期発見」とは意味がまるっきり違うのです。その違いは、ちょっと冷静に考えればすぐにピンとくるはずです。
病気が早期に発見できたからといって、その時点ですでに病気が発生していることに変わりありません。「予防」とは病気の原因をつくらないことであり、そのことと「早期発見」とは何の関係もないわけです。
一方で病気の予防を叫び、一方で人間ドックの普及に力を入れる、これは目的と手段が完全に矛盾したじつに無責任な言動といわざるをえません。
そしてここで見落としてならないのは、「早期発見」という言葉の欺瞞性です。国(当然医学界もマスコミも)は、早期発見さえすれば病気を完治できるがごとき幻想を国民に与えていますが、病気の原因さえわからない現代医学が、病気を治せるはずがないのです。
そのことを国民に明確にせず、早期発見を勧めたり、検査によってそれを実施するなど明らかに詐欺行為ではありませんか。
こういうと、「予防対策を自分で立てたり、実行するのは困難だ」とか、「予防しているつもりでも徹底的にできないから、早期発見は必要である」という人がいますが、その考え方は明らかに本末転倒です。また病気予防は自分自身でする以外、ほかにいかなる方法もありえないのです。
詳しくは第三章で説明いたしますが、ここではとりあえず病気(慢性病)は治療できないものであること、早期発見のための検査はほとんど無意味であることを申し述べておきます。
そもそも現代医学は、病気予防にたいする明確な学問体系を持たないことから、医者も本気で病気が予防できるなどと思っていません。第一、もし人々が病気予防の大切さを本当に理解し、みずからそれを実践し、その結果病人が減少するようなことになれば、医者はやがて開店休業に追い込まれ、その存在意義もなくなるわけで、病気予防という観念は医者の本音と矛盾するものであることは明らかです。
人間ドックについては、これほど信用できないものはありません。たとえば早期発見のつもりがすでに手遅れだったケースや、重大な症状を見落とされた患者が数ヶ月のうちに急性発作を起こし、死亡したなどというケースはざらにあります。
がんが“早期発見”されたときには、がん細胞の数はすでに10億以上にもなっているのが普通です。また急性心不全で死亡した人の約6割が、人間ドックで調べたときの心電図では「異常なし」と診断されていたなど、あきれるばかりの医療の実態がしばしば報道されています。
(涼麺 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)