連日似たような内容の記事で恐れ入ります。
少しでも疑問の解決にヒントになることがあるならと思って書いております。
ただ、短い文章で伝えるのは難しく、正確性に欠ける場合があったり、読んでくださった方の受けとめ方に差があったりで、正確にお伝えしたい私としてはこのように連続記事になってしまうことをお許しください。
マクロビオティックを実践していると、牛乳や砂糖については厳格に対応して子育てをしたくなるのですが、子供はいずれ社会に出て行きます。
いつまでも純粋培養できません。
息子が赤ちゃんのときに私はまだマクロビオティックを知らなかったのですが、元々食べ物のセレクトは厳しかったので、体に悪いものは取り込みたくないという路線で選んでいました。
子供が少し成長してからマクロビオティックを知って、いくつか変更する商品は出て来ましたが、それでも大枠の考え方は揺らぎませんでした。
私が子育てをするにあたって、マクロビオティックを知ってからも貫いた方法は次のようなものです。
【家では私が良いと思ったもの以外は使わない・買わない・置かない。】
これは夫婦間で一致しておかないと、私の目から見て「う〜ん・・」というような物を夫が好んでいたりするので、子供が小さい時には協力してもらいました。
たとえばコーヒーやお菓子。
【テレビで宣伝している食べ物は買わない】
主に新商品がCMに登場するので、経験的に安全が確認されている食べ物を優先するようにとの趣旨からです。
そもそもそんなにテレビは見せていなかったので、CMの影響も少なかったのですが。
【外で食べるときには好きな物を食べても良い】
アトピーのひどい息子にはこれはかなり勇気のいることでしたが、お食事は気持ちのよい雰囲気で楽しむことがとても大事なので、普通の人と同じような物が食べられる満足感を優先しました。
もちろん食べたあとで痒くなる食べ物もありましたが、それはそれで一つの経験として受け止めることにしました。
そのかわり家ではちゃんと体に合った食べ物で修正しておきます。
このスタイルは今も一家で変わることなく守っています。
外は楽しむところ、家は修復するところみたいな使い分けが定着しているのが面白いです。
とはいってもいつも家での食事が楽しくないというのではありません。
体の要求にしたがって食べようねというだけで、それ以上の縛りはないので自由にリクエストが出てきます。
時には息子がステーキ!なんていったりしますが、そんな時には質の良いお肉でヘルシーな料理方法で焼いてあげます。
もちろん毒消しの野菜はたっぷり食べます。
私と夫はお魚で息子はお肉という献立もあります。
そんな時には白米にしてあげます。
どこよりも美味しい白米ご飯を炊いて、喜ぶ笑顔を見るのが好きです。
こんなふうに外と内の区別を設けるだけで、案外と窮屈なマクロビオティックではなく、むしろ自分の体のことを自分で考えるようになって良かったと思います。
押しつけだと自分で選択する目が育たないのでね。
ですから家の冷蔵庫には牛乳も清涼飲料水も入っていません。
もちろんアイスクリームも入っていません。
冷凍庫にあるのは米糠とか切り干し大根とかお餅とかで、普通の家庭とは大違いです。
今は息子も大きくなったので、夫は大好きなコーヒーを家で飲むようになりました。
そういえばこんな話がありました。
私の尊敬する友人の子育て時期の笑えない話なのですが、長男をしっかり理想通りに育てて成績も優秀で礼儀正しく、さすがだなぁと感心していた時のこと。
お子さんが中学生の時でした。
ベッドの下が引き出しになっていて、そこを開けたらコーラの空き缶がゴロゴロ出てきて、母親はヘナヘナとそこに座り込んだというのです。
小さい時から厳しく制限されていたコーラを彼は飲んでみたかったのでしょう。
中学生というのはそんな時期です。
またマクロビオティックの指導者でご存知の山村慎一郎先生がおっしゃっていた話ですが、当時自然食品店を経営されていて、お客さんに「牛乳はいけないよ」「お肉も良くないよ」なんて食事指導しているのに、奥の台所から息子さんがベーコンを焼く匂いが漂ってきて冷や汗をかいたそうです。
さらには先生の隣でお客さんが見ているのに牛乳を大きなパックごとゴクゴク飲んでみせたりして、それまで厳格なマクロビオティックで育てられたことへの反抗をされたというのです。
またお嬢さんが食べたらしいチョコレートの包み紙がゴミ箱に捨ててあったりして、先生の胸中は複雑そのものだったと話しておられました。
子供ってそんなものです。
制限するとよけいに興味をもつのです。
ですから体にとって何が負担になって何が有益なのかを知らせてあげる程度にしておいて、選択は自分にさせるというのが一番無理のない方法だと思います。
しかし子供が小さいうちはまだ判断力がありませんから、そんな時には環境づくりをします。
見るもの触れるものすべてを安全なものにしておき、できるだけ有害なものから距離をおくような環境にしておくことが大事だと思います。
そうしていても成長するにしたがって、だんだんと毒されていくのです。
でもそれは嘆くことではなく、そうして色々な免疫を身につけながら大人になって行くのだと思いましょう。
子供を管理するのではなく、自分で判断できるように育てること。
これが一番親としてしなければいけないことではないかと思います。
そうして最終的には少々の毒にも打ち勝てる強さを肉体的にも精神的にも備えた大人になってくれたらまずまず一安心といったところでしょうか。
子育ての時期は長いようでも短いです。
その間に特に母親は社会音痴になることなく、いつも最新情報をキャッチできるアンテナを張っておき、自分を磨いておきましょう。
そうして子離れができて、自分の人生を最高の充実感とともに生きましょう。
子供への最高の贈り物。
それは親の生き様を見せることです。
悲しくても嬉しくても困ったときでも、いつでも生の生き方を見せてやること。
その生きる吐息を感じながら子供は人格形成をして行くのです。
堂々と王道を歩む生き方を伝えてやりたいといつも思いながら、私も夫も歩んできました。
お金は残せないけれど、最高の背中は残してやりたいと思い続けてきょうも頑張ります。
皆さんも後悔のない人生を!