小麦は食べるな すべて小麦が原因だった!

Amazonで本を注文するとき、何かの間違いで3冊頼んでしまったようです。
同じ本が3冊届いてしまいました。
でも、読んでみると、大いに納得出来る部分もあるので、どなたかにプレゼントします。
明日は愛クラスがあるので、その時にほしい方は手を挙げてくださいね。

ちょっと小麦粉の害が誇張されているかなと思いながら読んでいました。
でも、今まで多くの人を見ていて、思い当たるフシがかなりあるので、マクロビオティック的にも頷けるのです。
要するに最近の小麦粉は品種改良されすぎて、もはや人間に害を及ぼすレベルまで品種破壊をされていることが諸悪の根源なのです。
これはアメリカの話なのですが、日本は小麦の全消費量の85%を輸入に頼り、そのうち6割をアメリカが占めている現実を考えると、小麦に対しての認識を正しく知る必要があると思います。

過去に「食生活欧米化の真の原因」という記事を書いていますが、この記事の内容とは別に、今は小麦の「質」が著しく低下してしまって、もう危険ゾーンに入ってしまったという話です。
それがアメリカでは色々な症状として現れているので、その小麦を輸入している日本でも該当する事例が多いと予測出来ます。

日本には幸いにしてお米があります。
小麦の摂取量が増えて体調を崩す人が多いこの時代に、この本は大いなる参考になると思います。
試しに小麦抜きの生活を1ヵ月送ってみましょう。
その次に純粋に国産小麦粉だけに絞り込んでみましょう。
話半分ととらえても、ちゃんと答えが出ます。

マクロビオティックではすでに小麦製品は避けた方が良いと結論がでているのですが、それは腸の組織を壊してしまうからなんですね。
そして、その体験は多くのむそう塾生もしています。
パスタの練習を続けてしたら、皮膚トラブルや口内炎や膨満感や、色々な症状を訴えています。
ふっと思うのですが、最近日本人でも欧米型の禿げになる人が多いのは、小麦粉が影響しているのかも知れません。
もちろん、肥満は確実に該当しますね。
アトピーの人は完全に小麦製品は影響しますしね。

この本で一番問題にしているのは、砂糖が精製されすぎて問題なのと同じように、小麦も品種改良されすぎて問題なのだということです。
アメリカではかつて食べていた小麦品種は、今は市場には存在しないそうです。
それが仮に全粒粉であっても、オーガニックであっても、品種そのものが問題なのだそうです。
次の文がすべてを物語っています。

ー訳者あとがきより引用開始ー
つまり、全粒粉の小麦は精製しているわけではないが、同じような人工的なプロセスが品種改良という作業の中で既に起きていたというのが著者の主張である。
ー引用終わりー

なお、巻末にある「小麦抜き生活健康レシピ」は、アメリカ人向けのメニューなので、日本人にはあまり参考にならないかもしれません。
でも、マクロビオティックをしている日本人なら、苦労なく小麦抜きメニューが作れると思います。

書名:「小麦は食べるな」
著者:Dr.ウイリアム・ディビス
訳者:白澤卓二
発行:日本文芸社
定価:1400円+税

 

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秋がスタートした京都

そういえば先週(19日)京都から帰るとき、京都駅にある「伊右衛門」のポスターがモミジに変わっていました。
五山の送り火が済んだばかりで、まだすご〜〜く暑くて、37度とかいっていても。

季節に合わせて敏感に着物の柄も地も反映させる意識の強い京都なら当たり前のことですが。
お洋服より和服の方が繊細で、季節を愉しむ奥ゆかしい文化があって好きです。

これから紅葉までは、京都が静かになる時です。
私たちの体も秋仕様に変えて行きましょう。

 

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(京都 東福寺 2012年の撮影)

 


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「がんの花道」 患者の「平穏生」を支える家族の力

今やがんは2人に1人がかかるそうです。
そして3人に1人はがんで死ぬそうです。
私の場合は、今のところは何も自覚症状はなく、元気に暮らしていますが、どうもがん家系のようなので、将来がんになるかもしれません。
しかし、気丈な長女(私の姉)は、「○○子(私の名前)は癌にならないね。あの子はきっと癌が逃げて行くと思うわ。」と次女(私の姉)に言ったそうです。
なんとまぁ(笑)
ちょっと私の親兄弟の病歴をご紹介しますね。

父:直腸がん(94歳で手術 人工肛門 95歳で死亡)
母:乳がん(手術せず 95歳で死亡)
長女:子宮筋腫(55歳で子宮全摘手術 75歳で生存中)
次女:乳がん(39歳で左乳房全摘手術 72歳で生存中)
長男:直腸がん(69歳で手術 人工肛門 70歳で生存中)
三女(私):病名なし(健診を受けないので判らない 64歳で生存中)

6人中4人が癌になっています。
平均値より高いですね。
こうして並べると病人一家のように見えますが、実に健康的で元気に暮らしていたんですよ。
まるで病気とは無縁で人生が終わるかのように。

まず、とても元気で93歳まで車も運転していた父ですが、94歳で便の異常を訴えるようになって病院に行ったところ癌と診断されました。
3人の娘は年齢が年齢なので手術はしない方が良いのではと思いましたが、唯一兄が手術に積極的で医師に手術をお願いしました。
父には潰瘍の手術ということで、癌を告知しませんでした。
生存中に父からは、癌に対する自分の判断は示されていなかったので、子供たちで話し合う結果になりました。

母は父の死後も、一人で日常生活を不便なく送っていましたが、どうしても胸の痛みが我慢できなくて病院に行ったところ、乳がんと診断されました。
痛み止めの薬を飲みながら自宅療養をし、最後は3ヵ月ほど入院して亡くなりました。
母は信仰心の厚い人で、毎日仏壇の前で般若心経を詠み、「いつお迎えが来ても準備はできている」と言っていましたので、一切の手術はしませんでした。

両親の人生が最期を迎えるときに、私は思いました。
「ああ、常々自分の希望をはっきり伝えておくべきだ」ということを。
人生の最期も自分の思いどおりに終えられるように、そして、残された家族が困らないように。
子供たちに共通の想い。
それは「本人の意志を尊重する」ことと、「少しでも苦しまないように」というものでした。
その時に本人の明確な意思表示が残されていたら、家族が決断をしやすくなります。

癌がこんなにも多くなってしまった現代において、人それぞれ思うところがあるでしょうから、自分なりの意志を固めておくのがご家族のためにもなると思います。
そんな意味で次の本は、癌とどんなふうに向き合って行くのかという具体的な内容が書かれていますのでお奨めです。
巻末には全国397か所の「相談支援センター」一覧がついているので、たとえば一人暮らしで癌になってしまった時にも役立つと思います。

 
 

書名:「がんの花道」
著者:藤野邦夫・長尾和宏
発行:小学館
定価:1600円+税

 
 

がんの花道 がんの花道2

 


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長尾和宏医師の「医療否定本」に殺されないための48の真実

先に近藤誠医師の本をご紹介しましたが、今度はその近藤医師の理論にノーというお医者さんの本をご紹介します。
なぜ私が両極の本をご紹介するかというと、物事の本質が見えやすくなるからです。
どのような分野でもそうですが、必ず反対意見というのはあるものです。
その時に展開される反対意見の理論を知ることによって、事の本質がより詳しく理解出来るようになるし、問題の所在もつかめるようになるからです。
そして、自分の判断材料にするのです。
決して迷うためではありません。

・書名:「医療否定本」に殺されないための48の真実
・著者:長尾和宏
・発行所:扶桑社
・定価:1155円

 

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最後の時、食べたいものを 希望かなえるホスピス 大阪

人生最後の時、せめて好きなものを食べて死にたい。
あるいは、好きなものを食べさせてあげたい。
これは患者とその家族が誰でも思うことではないでしょうか。
常々「食」の重要性を書いていますが、こんな場面での食の可能性も追求したいなと思いました。
とかく病院の食事はまずいとか、夕食の時間が早すぎるとか不満が多いものですが、素敵な取り組みをしている記事がありました。
転載させていただきます。

*   *   *

ー転載はじめー

<最後の時、食べたいものを 希望かなえるホスピス 大阪>

 カツオとハマチの刺し身、キュウリの酢の物、ご飯、お吸い物、オレンジ。

体重は40キロをきり、頬はこけていた。それでも料理が並ぶと、松井正二(よしつぐ)さん(79)の目は光った。

一口、また一口。カツオの刺し身を力強くかみしめる。酢の物とご飯、お吸い物をゆっくり口に運び、おしまいにカツオをもう一切れ。

「好きなもん、最後に残してあんねん。漁師町生まれやし、好物は魚や。あーっ、おいしかった」

妻の喜子さん(75)は「よう食べたね。旅行に来たみたいや」と笑う。正二さんは、じっと黙った後、「そやな」とぽつり。

2日後、正二さんは昏睡(こんすい)状態になり、5月3日に息をひきとった。肺がんだった。刺し身が最後の「リクエスト食」になった。

ここは淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院(大阪市)。最後の時を過ごす患者の心のケアの一つとしてリクエスト食を打ち出した。

毎週土曜日の夕飯で患者の希望をかなえる。ちらしずし、お好み焼き、チョコレートパフェ、卵焼き、カニすき……。なんだっていい。栄養士や調理師が中心となって、患者の心に残る一皿を再現する。

そんな「最後の食事」にはさまざまな思いがこめられている。

■「刺し身がええな」

「あしたはリクエスト食ですよ。何を召しあがりたいですか」

毎週金曜日の夕刻。淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院(大阪市)の病室を、栄養士の大谷幸子さん(63)が声をかけてまわる。

「刺し身がええな。いまやったら、何がおいしいかな」。79歳で亡くなった松井正二(よしつぐ)さんはいつも刺し身をリクエストした。

正二さんのふる里は徳島県小松島市。海辺に干したじゃこが名物だ。父が失踪し、10歳で大阪の理容室に養子に出された。本当は大学に進みたかった。でも理容師になったからには、と懸命に働いた。流行したパンチパーマが得意だった。

1男1女に恵まれた。「自分の家族が持てたことが、一番幸せやった。ずっと他人の中やったから」

目が悪くなり、思ったような仕事ができないと25年前に理容師を辞め、スーパーでアルバイトをした。希望したのは鮮魚コーナーだ。

末期のがんだとわかったのは1月。夫婦で北海道や徳島に旅行しようと計画していた矢先だった。

「いろんな所に連れていってやりたかったな」

正二さんは天井を見あげ、そう話していた。

おやじはふる里へ帰りたかったんだ――。長男の威雄(たけお)さん(50)は秘められた気持ちを初めて知った。教えてくれたのは刺し身だ。

家族はその後、小松島市を訪れ、遺骨の一部を海に散骨した。正二さんの思いをのせて、風が舞った。

■「また、茶わん蒸しがええな」

8月9日の金曜日、肺がんで4月から入院する安東タミさん(76)はいつものを頼んだ。「また、茶わん蒸しがええな」

ふたりの子どもが小さいころ、誕生日にちらしずしと一緒に並べたのが、手作りの茶わん蒸しだった。

タミさんは長崎生まれ。洋裁学校を卒業し、仕事を求めて大阪に来た。30歳で結婚。長女(41)が小学校に入ると日本料理屋へパートに出た。稼いでおしゃれして旅行にいった。夜はカラオケ。好きな曲は美空ひばりの「悲しい酒」だ。

自分のしたいことをしてきた。私、いい母親じゃなかったかもしれへん――。

でも茶わん蒸しは、子どもと過ごした楽しい時間と重なる。「具は宝探しみたいなもん。うちは、かしわ(鶏肉)をよう入れてん」

入院中の母にかわり、実家を掃除していた長女は、戸棚の奥に茶わん蒸しの器四つと蒸し器を見つけた。「手間がかかるのに、作ってくれていたんだなって」

土曜日の夕飯。できたてのリクエスト食を調理師の高藤(たかふじ)信二さん(58)らが部屋に運んでくる。タミさんは茶わん蒸しのふたを開けて、スプーンですくった。

「ちょうどええ固さや。何が入ってるかな」

顔がほころんでゆく。「あかんなあ。うれしいことがあると、もっと長生きしたくなってくるわ」

毎回のように茶わん蒸しを頼むタミさん。今週もその日を待っている。

■食の重要性、再認識

〈緩和医療に詳しい藤田保健衛生大の東口高志教授の話〉 中身から盛りつけまで、これだけ患者の希望に沿った食事を提供する試みは全国でも珍しい。心と体はつながっており、近ごろ医療現場でも食の重要性が再認識されている。私がかかわった国の調査でも、余命1カ月の末期がん患者165人のうち96%が最後まで自分が望むものを食べたい、と回答している。このホスピスの試みは、スタッフが全力で食事を支えていることが患者さんに伝わっているのでしょう。

■リクエスト92人、計285食の試み

淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院は昨年11月に開業した。大人の病棟(15床)の患者の多くは平均余命が1~2カ月の末期がん患者だ。その人らしい人生を全うできるよう援助する。「心のケアとして力を入れるのが食」と池永昌之副院長(48)。

普段の食事も6種類から選べる選択式だが、週1回のリクエスト食は病院がメニューを提示するのではなく、患者が食べたいものを出す。「命の見通しが短い患者さんがこれを食べたいという気持ちを大切にしたい」と栄養士の大谷さんが週1回の実施を提案した。食べるのが好きだった夫を肝臓がんで亡くした苦い思いが、背中を押した。

金曜に希望を聞き、翌土曜の夕飯に提供する。「生クリームがのったふわふわのホットケーキ」「そうめんをガラスの器に盛って」という味つけや盛りつけの希望もかなえる。

調理師の高藤さんは和食は得意だが、中華や洋食に自信がない。金曜の晩に家で練習し、翌朝リハーサルして臨むこともある。

これまで92人のリクエストに応え、285食を作った。厚生労働省の食事療養費の制度内でおこなうが、食材費がオーバーした場合は病院が負担している。全国的に珍しい試みのため、関係者の視察が相次ぐ。

「食は過去、現在、未来をつなぐものではないでしょうか」と池永副院長はいう。何を食べようか。誰と食べようか。患者は思い出の食を通じて人生を振り返り、あすへ希望を抱くことができる。

ー転載おわりー

 

料理:中川善博 むそう塾

(料理:中川善博)

このようなお料理をきっと喜んでくれるに違いない。


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