「マクロビオティックとは調和しながら生きること(Naさんの感想文)」の記事に対するコメントでお伝えしたいことがあったのですが、こちらで記事として書きますので、併せてご理解いただけたら嬉しいです。
にっちちゃんに対する私のお返事のうち、次の文章に関することです。
>にっちちゃんには沢山の人を惹きつけるやわらかさ(良い陰性)があります。
>惹きつけるというのは陽性だけではありません。
マクロビオティックのことをまだ良く知らない人の中には、「陰性=悪い」と思ってしまう人がいても不思議ではありません。
出回っている書物がそのような視点で書かれているものもあるからです。
でも、それは誤りで、陰性にも良い陰性と悪い陰性があるのです。
つまり、陽性にも陰陽があり、陰性にも陰陽があるということになります。
その視点で考えた場合、にっちちゃんの陰性は陰陽両方をたっぷり持っているのです。
家事をこなしたり、子育ての場面でみると、陰性の陰性(▽)部分が出てくることも多いのですが、人間関係をみてみると陰性の陽性(△)部分がプラスに働いています。
具体的にいうなら、こういう人は敵を作りにくいです。
外見ではファジーで曖昧な感じがするのですが、そのファジーゆえに角が立たないことも多々あります。
その結果、割と人に好かれる結果となります。
あたりが柔らかいからですね。
得なタイプです。
むそう塾生でにっちちゃんに似たタイプの代表格としておはるちゃんがいます。
彼女も敵がいなくて、みんなに好かれます。
愛ちゃん、のーちゃんあたりも似ています。
このブログをお読み下さっているむそう塾生でない人には、塾生の愛称と人物像が分からないでしょうから、身近にいらっしゃるソフトで気軽に話せる穏やかな人をイメージしてください。
そのような人はあなたをピシャンとはねつけることがほとんどないと思います。
共通点はホワッとしていて、どこかに笑顔があって、何でも受け容れてくれそうな雰囲気を漂わせているのです。
そんな人が良い陰性をもった人ということになります。
ここでお気づきですね?
「人が集まる=陽性の求心力」とだけ思っていると、「良い陰性」の人の求心力を見逃すことになります。
ここで冒頭の「惹きつけるというのは陽性だけではありません。」という表現がご理解いただけたかと思います。
* * *
それとは反対に、陽性であれば人が集まって来ると思っていると、これまた間違うことがあります。
確かに陽性な人には求心力はあるのですが、その求心力は時として強すぎる場合があるのです。
そうすると、陽が極まって陰の現象が出てきます。
つまり、人が散っていくことになるのです。
ちょっと具体的な話をしましょう。
たとえばコンクリート・木・じゅうたん・羽毛布団をイメージしてくださると容易に理解できます。
仮にこれらの対象物にお茶碗を落とすと、おそらくコンクリートなら割れて粉々に飛び散るでしょう。
反対に羽毛布団なら割れないでしょう。
じゅうたんなら厚みにもよりますが、割れないかもしれません。
人間関係もそれと同じなのです。
あまり陽性過ぎるとコンクリートにお茶碗と同じような結果になります。
反対に、ホワッと包み込むような陰性さがあると、羽毛布団にお茶碗のように壊れることを回避できます。
「硬い=陽性」「軟らかい=陰性」という特徴は、形ある物だけでなく、人の心にも当てはめることが出来て、それを陰陽でしっかり把握できると、マクロビオティックを知っていて良かったなあと思えるはずです。
ですから、あまりに陽性になり過ぎてしまうと、相手を弾き飛ばしてしまいます。
弾力がなくなるからですね。
こうなると敵が多くなって生きにくくなります。
結果としてイライラすることも多くなって、不満やストレスも増えてきます。
そうなると陽性が良いなんて認識は消えますね。
当然です。
陽性になり過ぎず、陰性になり過ぎず、ちょうど良い状態。
それが中庸です。
* * *
また、スピードを求められるところでは「速い」ということは陽性(良い方向)に働きますが、スピードを求められないところでは「速い」ということは陰性(悪い方向)に働きます。
陰陽は絶対的なものではなく、相対的なものであるという見本ですね。
ですから、私たちが心地よく生きるためには、相対的な考え方ができて、相対的に振る舞えるようになれば良いわけです。
「臨機応変」という言葉がありますが、これをマクロビオティック的にみると、「瞬時に陰陽を使い分けられる」ということになります。
しかし強情(悪い陽性)だったり頑固(悪い陽性)だったりすると、それが邪魔をして良好な人間関係を阻んでしまいます。
もし技術の習得を目指しているなら、なかなか習得出来ないことになります。
恩師大森英櫻先生が話してくださった人間関係の陰陽体験は、まさに今私が塾生さんを通じて検証している感じです。
その結果、陰陽の織りなす現象の的中率に驚いています。
ああ、やはり私たちは陰陽の法則のもとで生きているんだなぁと実感します。
すべての原因は我にあり。
そんな気持ちで生きていると、案外愉しい人生になりますよ。
その拠り処になるのが陰陽という物差しです。
マクロビオティックとは、そんな羅針盤を抱えて人生を愉しく遊び感覚で生きようと提唱している考え方です。