マクロビオティックでは「食べたもののようになる」「You are what you eat.」(あなたはあなたが何を食べているかで決まる)
ということを大切にしています。
ですから、この言葉を知っている人はとても多いと思うのですが、じゃあどの程度身体で確認しているかとなると、一気にその数は減ると思います。
そのくらい知っていても実践できていないことや、確かめていない人は多いのです。
言葉だけ知っていても何もしなければ知らないのと同じです。
でも、一つでもいいからそれを時系列で追っていくと見えて来るものがあります。
むそう塾では食事日記をつけて、自分の身体と食べ物の関係を知るカリキュラムが幸せコースにあります。
今月は恒例の食事日記の提出月でした。
そこで感じたことは毎年同じなのですが、やはり人間は「食べたもののようになる」ということです。
1年毎にその確信は強く深くなって行きます。
これはもう100%間違いがありません。
そして私は望診の的中率も上がるのでした。
食事日記で感じた重要なこと。
それは日本人としての現代の食生活が崩壊しつつあることを生で再確認したことです。
むそう塾の幸せコースに来られる方々は、玄米ご飯をパスポートレベル(確実に消化吸収できるレベル)で炊ける方たちが通われているのですが、それでも全体の食事日記を拝見すると改善点がたくさんある人が増えて来ました。
最も注目すべき点は主食が確立していない人がいること。
次はお味噌汁とお漬物があまり登場しない人がいることでした。
これらは日本人として欠かせない食べ物であったはずなのに、今はそれを親から伝えられていない人が多すぎます。
マクロビオティック料理教室としていくらお料理の陰陽を伝えようとしても、その土台になる食生活の想い出(光景)が貧しい人がいます。
親世代の食生活が崩壊している家庭もあるからです。
なんとなく食卓を囲む平和な光景。それすら味わえなかった人もいます。
事情は様々ですが、親世代がとった行動によって、子供世代が傷ついて苦労している姿を見ると、心の奥底から「日常のありきたりな生活」を大事にしてほしいと強く思います。
ご飯とお味噌汁とお漬物とあと何か一品。
これだけでいいんです。
買ってきた品数の多いおかずより、たくさんメニューのあるファミレスより、リッチなグルメ三昧より、笑顔で囲む食卓の存在が大切なのです。
この積み重ねが家族それぞれの心身を強くし、中心軸を作り、ブレない精神を作るのです。
お味噌汁がなかったら何かさみしいな。
ご飯粒を食べなかったら何か物足りないな。
お漬物がなかったら何かしまらないな。
そんなちょっとした違和感にこまめに対処すると、実は大きな不調を防ぐのです。
家庭とはあらゆるバランスを取り戻す場所。
その場所が機能不全にならないようにするのがむそう塾の役目かなと思っています。
なお、食事日記や食べ物に関する過去記事があります。
ご参考になさってください。
・マクロビオティックの「食べたもののようになる」は本当です
・煮物料理と食事日記
・かかとは綺麗ですか?
(栗ご飯 料理:陰陽京料理人 中川善博)