きっと皆さんは学生の頃から自分の一生に想いを巡らせたと思います。
そして、それが順調に進む人もいるし、思いどおりに行かなくて、今まさに次へのステップを模索している途中という人もいらっしゃることでしょう。
ところで、あなたは一人住まいですか?
ご家族と一緒ですか?
主婦で子育て中ですか?
それとも主婦でお子さんがいなくて、お仕事に精を出すご主人とご一緒ですか?
私は社会の縮図が家の中にもあると思っています。
ですから、社会と同じように、自分の家の中にも自分の住所を持つべきだと主張しています。
一連の家事アドバイスの記事の中で、私は「物に住所を与える」と書いて来ました。
それは、物にも住所があることによって、帰る場所がはっきりするので片付けやすいからです。
その結果家の中は散らかりにくい状態を保つことができます。
このことは、家の中が陽性な環境になるということです。
(散らかる=陰性 片付く=陽性)
一方、家の中に自分の住所を持つということは、言い換えると自分の居場所を持つということでもあります。
よく「家族が散らかすので困るんです」と嘆く人がいますが、それはその家族に居場所がないのではないかと考えます。
みんなでお食事をしたり、テレビを観たり、眠る空間はあるけれど、「自分の心と向き合う場所」が欠落している住まい方が結構あります。
そうすると、そのような空間は陰性になるので、家にいながら所在なげな気持ちになり、何となく気持ちが外に向かって行きます。
それが数々の資格ビジネスに踊らされたり、浮気になったり、目的のないまま仕事願望になったり、身の入らない習い事に通ったりします。
実に多いですね、こういう人が。
でもね、社会とのかかわり方でもそうですが、自分はどんな形とスタンスでこの世に存在したいのかを考えると、家の中でも自分の居場所を作ることが大切だと思うのです。
一部屋でなくても一角でもいいから自分の場所を持ちましょうと私は言い続けて来ました。
それはどんなに忙しい日常であっても、そのコーナーに身を置くと、自分が浄化されるような気持ちになって、明日へのエネルギーが湧いて来る場所を指します。
私は家族3人で65平米のマンション住まいなので、自分の部屋は狭くて寝るだけです。
ですから、リビングの片隅に、幅90センチ奥行き70センチの小さなテーブルを置いて、その上にパソコンを置いています。
そこには座り心地の良い椅子を1脚置いて、このコーナーが私の居場所になっています。
私の心はいつもこの場所でリフレッシュして、エネルギー補給しているのです。
「自分の場所」は、ハイハイする年齢から与えてあげましょう。
そうすると自然にお片づけの習慣がつきます。
これは決して「自分の部屋」ではなく、「自分の壁」でも良いのです。
あるいは「自分の引き出し」でも良いのです。
主婦は往々にして子供優先の暮らし方をしてしまいますが、主婦こそ「自分の居場所」を作るべきです。
この場所がないために不満を抱えている主婦がたくさんいますね。
キッチンではないところで、一人の人間として、女性として、自分の人生を正面から見つめられる心のコーナーを、ぜひあなたも持ってみてください。
そこから陽性のエネルギーが溢れる生き方が出来るようになれば、あなたの生き方はかなりマクロビオティック的です。
女性というのは男性に比べて陰性な存在ながら、実は男性の「心」にとっては陽性なエネルギーを注入する役割でもあるのです。
その両面のバランスが取れてこそ、マクロビオティックの陰陽を上手く活かした生き方になります。
今回の家事アドバイス講座は、残すところあと4日間になりました。
今はそれぞれの段階にある人でも、最後は自分の居場所を作るようにしてくださいね。
(京都 嵐山・嵯峨野 小倉山二尊院 )
秋には紅葉がこんなに見事になって「紅葉の馬場」と呼ばれる。