整体でもカイロプラティックでも、人の身体に触れることを職業とされている人が案外犯しがちなこと。
それは教科書どおりの身体でなければ、すべて異常と判断して調整しようとしてしまうことです。
結論からいってしまうと、少々骨がずれていても、姿勢が歪んでいても、指が曲がっていても、長年の間にその人にとってはそれがちょうど良いことがあるのです。
それを単純に教科書的に矯正してしまうと、他のところに歪みが生じたり、痛みが出たり、不快な症状に悩まされる場合があります。
みんなお顔が違うように、人の身体もそれぞれの個性があって、異常かと思えるような特徴にビックリすることがあります。
ベテランになると、その一見異常とも思える部分の存在をまるごと認めて、そこには手をつけないで他の部分に着目したりします。
私の父も若いお医者さんが「これは大変です」というのを、「いやいや、これで何十年もやって来ているので、ここは別にこれでもいいんだよ」とやんわり返していたことがあります。
あるいは、夫もカイロプラティックにたった一度だけ行った際に、骨盤を矯正しますと余計なところをいじられて、その後股関節が痛いといい、完全に痛みが消えるまで3年ほどかかりました。
ですから人の身体に触れる職業の人は、本当に腕を磨かねばなりません。
ちなみに頭はとても敏感なところなので、すぐ体調に影響します。
美容院では頭をマッサージするところもありますが、そのせいで体調が狂うのがいやなので、私は頭のマッサージはいつもお断りしています。
自分の頭は信用できる人にしか触らせません。
自分の体は自分でかなり調整できます。
ですから、骨折部分を元に戻す場合などを除いて、あまり機械的にいじくりまわさない方が良いと私は思っています。
(ひじき豆 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)