毎年新米の季節になると、「新米が美味しく炊けないんですが・・・」というメールが中川さんのところに届きます。
今年もその季節になって来ました。
昨年はとってもそのメールが多かったので、23年度産新米の炊き方を別バージョンでお伝えしたほどです。
それほどお米は自然界の異変をまともに察知しているということですね。
今のところ今年のお米は順調なようですが、新潟方面では夏場の高温でお米粒が小さめになっているとの情報もあります。
むそう塾がお世話になっている京都のお米屋さんは、ご自分の田んぼを去年の経験から栽培方法を少し変更された結果、見事に良質のお米が収穫できたそうです。
賭けのような栽培に挑んだその勇気と研究熱心さに頭が下がります。
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さて、新米というと水加減を控えめにして炊くと思っている人が実に多いです。
私も以前はそのようにしていました。
しかし今は必ずしもそうとは言えない時代なのです。
お米を刈り取って稲架(はさ)掛けした光景は、日本の原風景であり、安堵と平和の象徴でもあります。
しかしこれは人手を要するし天候の影響も受けやすいので、今ではその両方を解決するためにコンバインで収穫する農家が多くなりました。
問題はここからです。
お米は刈り取った時点では30%ほどの水分が含まれています。
しかしこのままの水分ではお米にカビが生えたり、呼吸が活発でどんどんまずくなってしまうため乾燥が必要になります。
そこで稲架掛けをして天日乾燥で水分を下げるわけですが、今では乾燥機を使って乾燥する農家が増えてきました。
そもそも玄米は生きています。
ですから当然のことながら呼吸をしているのですが、玄米の含水率が15~16%あるいはお米の温度が15~20度を超えると、玄米の呼吸は盛んになります。
しかし玄米が呼吸をすると、お米の中のでんぷん質などが消耗されてしまい、まずくなってしまいます。
それでお米の管理を一定湿度と一定温度を保つように保管することが必要になるわけですが、自分の買ったお米がどのように保管がされているのかを知っていると参考になりますね。
また、購入してからの保管方法にも神経を配りたいものです。
というようなわけで、新米だからといって単純に水加減を減らすのではなく、乾燥機を使っている玄米なら越年した玄米と大して変わりない含水率であることを知っておきましょう。
私も新米を23年度米と同じ水加減で今朝炊いたところ、決して多くはありませんでした。
昔から伝わる常識であっても、今の時代はそれが当てはまらない場合が時々ありますね。
そんなこともむそう塾ではお伝えしていきます。