栗の皮むき

プロが皮をむくとこんなに色っぽく仕上がります。
そして速い!

素人がむくと鎌倉彫に・・・(笑)

鎌倉彫の手直し光景は、むそう塾の秋の風物詩かもしれません(笑)

栗の皮を綺麗に剥くのは単に見た目の問題だけではありません。
加熱することによって栗が砕けてしまうのを防ぐためです。
栗が栗の形を保てるようにするため、剥き方の練習をするのですが、この基本はすでに桂剥きのときの技術なのです。
桂剥きがきちんと出来た人は栗の皮むきも理解しやすいはずです。
そして来月の里芋の皮むきでまた難易度が上がります。
どこまでも桂剥きがついてきます。
マクロビオティックはお魚を食べないから桂剥きなんて必要ないの、なんて言っていると、美味しいお料理は作れません。
なぜむそう塾が授業の最初に桂剥き特訓をするかがお分かりいただけたでしょうか?


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「給食で死ぬ」やむにやまれぬ思い

私は息子が小学生になる時、給食を避けてお弁当を持たせたいと思っていました。
ところが、当時住んでいた町の学校給食は、自校式でその学校の給食は美味しいと先輩ママさんから教えられ、小さな町でもあったので、お弁当持参はやめました。
保護者が給食を一緒に食べる日には、ご自慢の福神漬けも出され、確かに美味しかった体験をしました。

しかし、転校をして大きな学校での学校給食はセンター方式でした。
メニューを見て愕然。
これを成長期の息子に食べさせるのは忍びなく、お弁当を持たせようとしましたが、息子は「みんなと同じ物がいい」というので、そのまま涙を飲んで義務教育終了時まで学校給食のお世話になりました。
しかし、息子は半分くらいしか食べていなかったようです。
もちろん、牛乳は飲んでいませんでした。

私自身は保護者会の役員もして、何とか学校給食を改善しようと試みましたが、最後は行政の厚い壁に阻まれました。
その頃に幕内秀夫さんがせめて米飯給食に出来ればかなり違うと言われ、そちらでの挑戦もしましたが、なかなかアメリカ仕込みの学校給食は手強かったです。
学校給食の金額も相当なもので、業者もからんでその中身はおどろおどろしいものでした。
保護者の立場での無力さを痛感したものです。

*   *   *

数年前に長野県での試みを知り、ぜひ一度訪れたいと思っておりました。
しかし、京都通いが始まってしまい、そのままになってしまったのですが、こうしてその成果を本で出版してくださったことに大きな感動をしております。

「どんな人間にも、自分にしか伝えられないことがあり、自分にしか支えられない人がいる。」

あとがきに書かれたこの信念で、学校給食の改善が実現したのです。
そこには「やむにやまれぬ思い」を持った人たちの力の結集があります。
それにしても、マクロビオティックで癌を克服した西村さんも著者として文章を書かれていて、嬉しくなってしまいました。

これから学校給食のお世話になるお子さんを抱えた世代だけでなく、人間として尊厳のある人生を全うしたい人のためにもお奨めしたい本です。
食べ物を変えることでこんなにも身体が変わるということをご理解いただけるかと思います。

なお、「給食で死ぬ」にはDVDが付録としてついています。
これがまた必見です。
きっと背筋がぞ~っとすることでしょう。

 
 

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包丁を研ぐ時の姿勢

むそう塾の幸せコースでは、包丁砥ぎの授業を最初にします。
しかしなかなか包丁を砥ぐ習慣がないらしく、砥ぎ方が合格点に達するには時間を要します。
いつも授業が終わったあと、「包丁を診て下さい」の光景が繰り広げられるのですが、最も多いのがいわゆる「丸刃」と「二枚刃」です。
どちらも砥石にあてる刃の角度が問題ですが、そもそも立つ位置が駄目な人が多いです。
中川さんの立つ位置を見てみましょう。
先日授業の前にちょっとポーズをとってもらいました。

こちらの写真もご覧ください。
足先を開いて腰を落とし、下半身を安定させています。

作業台の端から相当離れています。
これほど離れず作業台にくっついてしまうと、包丁を引いて手前に来た時腕が体にぶつかるので、くるんと持ち上げる状態になってしまい、丸刃になります。
こんな人が実に多いです。
まずは作業台から距離をとって立つこと。
これを守りましょう。


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美味なり 焼き松茸

焼き松茸。
私の一番好きな松茸の食べ方。

 

中川さんが作ってくれたタレは最高に美味しかった!
あっという間の出来事でしたが(笑)


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蓮根に学ぶマクロビオティックの陰陽

 

マクロビオティックの陰陽を考えるとき、最初は頭で考えがちになりますが、ある程度のところで現実に目で見えるものを教材にして考えると理解が深まります。
たとえばこの蓮根は、根菜類の代表的食材ですが、牛蒡や人参とは異なる場所で育ちます。
水田や沼地のような水分の多い粘土質(陰性)の土壌で、水(陰性)の影響を大いに受けながら育って、寒い季節(陰性)に旬を迎えます。
それらの陰性は陽性を生み出すエネルギーを持っていますので、陰性タイプの人にはぜひ召し上がっていただきたい食材なのです。
むそう塾では美味しいお料理の中に、さり気なく蓮根を使ったメニューを織り込んでありますから、習ったお料理を復習しているうちに、徐々に体力がついてくるようになっています。

蓮根にも産地や種類の違いによる陰陽はありますが、この蓮根はかなり陽性(形状からも判断できる)で、無農薬栽培の一級品です。 
根菜類は本来土の中で育ったのですから、泥付き状態で購入するのがベストです。
泥を落とされると、その瞬間から野菜の劣化と栄養成分の変化が始まります。
もちろん、それは味にも影響します。

(酢蓮根)

こんなふうにシュルシュルと剥いて(実はとても高度な技術ですが・・・)、

 

こんなふうにくるりんとくるむも良し。

(ちらし寿司)

(蓮根ステーキ1)

(蓮根ステーキ2 )

(筑前煮)

(蓮根まんじゅう)

 

(餡かけうどん蓮根まんじゅう入り)

 

(金平牛蒡蓮根入り)

 

陰性な人に特効薬の鉄火味噌は、こんなふうに薄く切るところから始まります。

 

薄く切ってサイコロに刻んで、

 

人参・牛蒡・生姜・味噌・火・時間・へら押さえ・氣の集中の陽性を加えます。

 

サラサラとした鉄火味噌は、まるで魔法のように細胞を元気にしてくれます。

 この節の部分が最も陽性で薬効成分が高いのです。
マクロビオティック料理ではこの部分を丁寧にお料理に使います。
写真のお料理はすべてむそう塾でお伝えしたものばかりで、実に美味しい仕上がりでした。

ところで、蓮の花(陰性)には実に神秘的な美しさがあります。
精神性を転写する水のある環境下で咲くためもありますが、蓮の実(陽性)の生命力の強さも影響しているのかも知れません。
陰陽って面白いですね。

 

こんなふうにしてみると、何かしら心に語りかけて来るような美しさを感じるのは、蓮根自体がもつ陰陽の織りなす美しさなのでしょう。
硬い(陽性)外皮の中にある空洞(陰性)の面白さですね。
しかし、この美しさを引き出せるのは、陽性な速さを持つ者でないと無理です。
蓮根の灰汁(アク)が白さを奪ってしまうからです。
どこまでも陰陽ですねぇ。
以上、目で見る陰陽談義でした。

 

 


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