昨日の「夜の帰りが遅い夫の食事に妻はつき合うべきか?」の記事を読んでくださった人がご主人とお話をしたところ、「帰宅した時に奥様が寝ていてもなんとも思わない」とお返事が返って来たとメールをくださいました。
そうだと思います。当然ですね。
それが本当のご夫婦ではないでしょうか。
夫が帰宅した時に妻が待っていて、朝も早くからお料理をする妻が理想だというなら、それはさだまさしの「亭主関白」の世界であって、実のところ妻のことを従属的に考えていると思います。
実際にはそのとおりには出来ない妻がとても多く、子供がいたり、妻も仕事をもっていたりすると、そんな亭主関白な世界は無理というものです。
それでもそれを要求するような夫なら、それは妻を愛していないと言い切ります。
なんとなく良妻賢母をイメージして結婚生活を送っている妻たちも多いことでしょう。
亭主関白の歌のように。
でもね、私にはそれは自己満足のような気がします。
本物の男は妻を大事にするはずです。
少なくても会社で部下をもつ立場の夫なら、部下の体調管理にも当然気遣いをするはずですから、妻の体調管理にも気遣いをしなくては片手落ちというものです。
私は外で働く夫の立場で物事を考えているのですが、仕事で疲れて家に帰った時に、機嫌の悪い妻が起きていたり、一日の愚痴をこぼす妻が起きているより、何か簡単なお食事を用意しておいてくれて、さっさと寝てくれている方がよっぽど楽です。
もし起きているとしても、できれば帰宅して15分以内に食事をしたい。
どんなに美味しくても30分も待たせてほしくない。
こんなところが夫たちの本音ではないでしょうか。
昼間は仕事で八方に気を遣って、満員電車に揺られて帰宅するのですから、帰宅したらドーッと陰性になりたいのです。
そんな時の究極の陰性は一人になれる時間です。
一人で物思いにふけったり、お料理に舌鼓を打ったり、時にはアルコールを手にしたり、自由に出来る時間が結構貴重なのです。
女性は案外とお料理の品数を多めで量を少なくする傾向がありますが、男性は品数は少なくても気に入ったお料理をガツンと食べたい傾向が強いです。
ですから妻たる者は、夫の食の好みを細かく把握しておいて、朝の体調や最近の体調を考えて食卓を整えておけば良いのです。
決して押し付けにはならないメニューで。
夫婦というのは一緒にべったりいることが幸せなのではなく、個人としての自由を確保しながらも一番信頼し合える間柄というのが理想だと思います。
相手が帰るまで起きているとか、出来立てのお料理を食べてもらうとか、そういうことも嬉しいことであるには違いないのですが、もっと大きなところで相手に心配をさせない(=自立する)生き方も必要だと思うのです。
そのためには健康でいることが一番の条件ですね。
(病を得て初めて本物の夫婦になれる人もいますが・・・)
子育て中は色々と夫婦で協力しなければ大変なことも多いですが、子育てのない人はもっと相手を解放してあげたら良いと思います。
それはつまり、お互いに自己完成に近づく形ですね。
子供がいないからこそ出来ることがあります。
それは経済的にも時間的にも無限の可能性を持っています。
それを生かしましょうね。
マクロビオティックの陰陽をこんな時こそ使ってみてください。
「解放=陰性 自己完成=陽性」 陰陽が必要なのです。
(中川式ラタトゥイユ 料理:京料理人 中川善博)
疲れた時には汁物が心にも沁みます。
沁みるって氵(さんずい)を使うのは理由があるなあって思うこのごろです。