ぺそら漬けから学んだ瑠璃茄子

山形のItさんから先日の瑠璃茄子投稿に至る背景を書かれたメールをいただきました。
その中にこのような文章がありました。
「お世話は手早く必要な時にだけ。あとはどっしり待つ。」
漬け物には「待つ」姿勢が不可欠です。
性急なこの時代にあって、若い人の最も苦手なのがこの「待つ」姿勢なのかも知れません。
しかし、人間関係においても「待つ」ことは必須で、これが出来ないとあらゆる場面でギクシャクしてしまいますから、ぜひ身につけたい姿勢です。
Itさんのメールは中川式糠漬けにも共通する内容なので、ご紹介させていただきます。
先の記事と併せてお読みいただければ、糠床の調子が良くなること間違いなしです。

<Itさんのメールより>

中川さん、こんばんは。


今日は、ブログのコメントのお返事ありがとうございました。

今までの皆さんの瑠璃茄子投稿の記事はとても参考になりました。

おかげさまで、ドヤ顔することができました!
ありがとうございます。


母は、茄子のぺそら漬を漬けていてその様子を見て学ぶことがあり母にも感謝しています。

「お世話は手早く必要な時にだけ。あとはどっしり待つ。」ということです。


ある日台所にいたら、母の樽の中からプクプクッと音がして「ずいぶんと元気よく発酵しているなあ」と感じました。

その理由を知りたくて、漬け物に対する母の姿勢を観察するようになりました。

母は、必要な時にだけ一気にダダダッとお世話をして、あとはどっしり構えていい味に漬かるまで触らずに待っていました。


その時の私は、糠床がなんだか疲れているような香りがするので、心配のあまりかき混ぜや天地返しの途中で手を止めて延々と味見を繰り返す、ということを毎日していました。

糠床を触らずに休ませたほうがよいと頭でわかっていても、触らないと不安でかき混ぜてしまうのでした。

母を真似して、かき混ぜや天地返しをする時はささっと済ませて味や香りの判断も即決して、必要なお世話をしたあとはゆったり待つようにしてからは、糠床の香りがぐんと良くなりました。


この夏は、父が畑から茄子を収穫して家に帰ってくると、「私、漬けるー」「私も漬けるー」と母と私とで競い合うように漬け方が始まり、台所の流しも「まだぁ??」「早く?」と奪い合いになり(笑)、毎日のように漬け物大会が繰り広げられました。

楽しい夏を過ごしています。

母の漬け物は勢いのある発酵で、私の糠床は静かなる発酵、という違いの発見もおもしろいです。


これからもじゃい安を大切にしていきます。

中川さん、じゃい安を届けていただきありがとうございます。


It


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糠床の気持ち

糠床の管理をするとき、のんびりゆっくりしている人はいませんか?
中川さんは幸せコースでいつも「ささっと終わらせる」とか「材料に気づかれないうちに切る」とかおっしゃいます。
これはとても意味のあることなのですが、なかなかその真意を皆さんにご理解いただけていないようです。
たとえば糠漬けでもこれが当てはまります。
発酵する生き物は、まるで自己完結するかのように、自分で環境を調えながらコントロールして行きます。
そこに人間が糠漬けに都合の良いように調整してしまうんですね。
勝手に手を突っ込んで野菜を出し入れしたり、かき混ぜたり、塩を入れたり、空気をよけいに入れたりしてしまっているんです。
それらはいずれも糠床の環境を急に変えることになります。
つまりそれらの中には発酵を弱めるものも含まれているのです。
ですから、それらの作業は出来るだけ少なく、手早く終了して、糠床に負担をかけないうちに終わらせるようにするのが理想的です。
スヤスヤ眠っている赤ちゃんをイメージしてください。
そのそばで大きな音を立てたり、振動させたり、強い風を当てたりしませんよね。
糠床も同じなのです。
玄米ご飯を炊く時、圧力鍋の中をイメージして炊いたように、糠床の上手な維持は樽の中をイメージ出来るかどうかにもかかっています。
ぜひそんなことにも氣を巡らせて、上手に糠床をキープしてみてください。
美味しい糠漬けが漬かって、あなたの腸が驚くほど元気になります。


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笹本恒子さん

きのうたまたま「徹子の部屋」を仕事をしながら、歩きながら観ていると、笹本恒子さんという人が出ていた。
私は恥ずかしながら初めて知った。
話し方や身振りからそれ相当の家柄の方だと想像できた。
2週間後に97歳になられるというが、とてもそんな年齢には見えない。
途中でお食事について触れていた。
夜は主食を食べずにお肉を召し上がって、毎晩ワインを170cc飲まれるとか。
スケッチ入りの食事日記はさすがに挿し絵のプロとしての内容だった。
その食事内容はおおよそマクロビオティックとはかけ離れたようにもみえるけれど、さすがだと思ったのは「お食事は3食すべてを手作りします」とのこと。
ここに彼女の気骨あふれる生き方を垣間見た氣がした。
カメラマンは重い機材をかついで歩くから、体力がいるとプロカメラマンから聞いたことがある。
そこから彼女独特の食事内容になったのかも知れない。
何しろ70歳から本格的に写真をやり直そうと決意されるその精神が素晴らしい。
私も大いに勇気をいただいた。
番組の最後に今の若い女性に言いたいことを訊ねられ、「とにかくやってみなさい」と答えていた。
「すぐ自信がないと言うけれど、やってみないと分からないでしょ?」とも。
うん、これだな、これが彼女を突き動かして来た原動力だなと思った。
何でもまずはやってみる。
それからその結果を踏まえて考える。
これが人生だと私も思う。
このサイトが笹本恒子さんのことを詳しく取材している。


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(必読)糠床と乳酸菌の関係

お盆が過ぎてあちこちから帰宅される人が増えました。
旅行中に糠床のことを心配された人も多いことでしょう。
もちろん中川さんも私も気にしておりました。
なぜなら買われた方の性格を知っているからです。
きっとあの人は塩足らずにするだろうなぁ、きっとあの人は混ぜ過ぎるだろうなぁ、きっとあの人は漬け過ぎるだろうなぁなんてね。
そうすると、笑えるほどそのとおりのメールが中川さんのところに殺到しております。
瑠璃茄子投稿の殺到だったら良いのに・・・。
一番多いのが「水分が多くて塩気を薄く感じたから足し塩と足し糠をして混ぜた」と言うもの。
これでは乳酸菌を痛めつけていることになりますね。
二重三重に乳酸菌が弱くなることをしているのですが、そのことに気づかず、中川さん見てくださ?いと言って写真とメールが届きます。
上の方法がなぜ間違っているのかお解りですか?
糠床とともにお渡しした覚え書きにはその答えになることが書いてあるのですが、なかなかご理解いただいていないようです。
中川さんが何度もTwitterで呟かれているように、これは足す発想しかない人の処置の仕方ですね。
塩と糠は足したけれど、乳酸菌は足せていません。
ですから糠床全体としては乳酸菌が薄くなってしまうのです。
さらに乳酸菌が弱い時には混ぜてはいけないのです。
このことに思いが巡らないと間違った処置をして、中川さんにSOSとなるのですが、それでは遅いのです。
水分が多ければ水分を抜くのです。
そのうえで乳酸菌の発酵を待つのが筋ですよね。
これが引き算の発想です。
このように書くと水分の抜き方が分からないから教えてくださいとメールが来ます。
でもね、糠漬け講座ではその方法を教えています。
忘れたからもう一度教えてくださいと言われます。
しかしよく考えてください。
目の前にある水分を少なくする方法って、教わらなければ分からないことでしょうか?
お料理以前の問題だと思います。
バックアップ用の糠床はもうなくなりました。
これからは何としてもあなたの力で糠床をキープしなければなりません。
これからは糠床を陽性化する時期です。
間違ってもこれからどぼ状態にしないように。
気温は高くても自然界は秋を知らせてくれています。
その自然と同期して糠床を管理して初めて理想の糠床になります。
水分の多い物は気温が下がると冷えます。
人間も水分の多い人は冷えを訴える人が多いです。
冷えるということは、糠床にとっては発酵から遠ざかるということですね。
それは乳酸菌の勢いを弱くさせることになります。
陽性化しても乳酸菌は元気でいるように。
これが中川式です。
さあ、頑張ってください!


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ブログ開設7年目を迎えて

2005年8月15日は、このブログの誕生日です。
2004年からブログに関心があったのですが、何だか難しそうだと思ってモジモジしていたのです。
でも、日本CI協会でお世話になった人とある旅館でバッタリと出会い、近況を話していると「今ブログをやってるんだよ?」とおっしゃるではありませんか。
「え! 私もやる!」と勢いで始めたのがこのブログでした。
人間はどこでどんなチャンスが巡って来るか分かりません。
生来の好奇心旺盛な私が知人によってチャンスを運んでもらえたのです。
それから来る日も来る日もパソコンに向かい続けて、マクロビオティックに関する記事を書き続けて来ました。
イベントも開催しました。
何の取り柄もない主婦が生き甲斐を見つけました。
一番の財産は多くの人に出会えたことです。
最初はネットのつながりですが、それから実際にお会いすることができて、その数は膨大になりました。
一昔前では考えられない展開の仕方です。
今こうして「むそう塾」を運営していられるのも、ネットで中川善博さんと知り合えたからです。
今ここに生きる。
私はいつも新鮮な人生を歩みたいと思っていました。
自分の感覚を頼りに、責任を持って生きたいと思っていました。
それはありがたいことに、本当にありがたいことに、事あるごとにチャンスを運んでくれる人に恵まれました。
人間はやはり人によって生かされ、人によって喜びをもらっているのだと実感します。
小さい時から人間が好きだった私。
これからも大好きな人間と関わり合って生きて行きます。
きょうからこのブログは7年目に入ります。
今までと変わりなく、いや、もう少し読み物としての記事を書けるようにしたいです。
さらなる充実を目指して、これからも頑張ります!
<参考記事>
・初めての記事:「大森英櫻先生に捧ぐ」
・1年後の記事:「ブログ開設1年目に想うこと」


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