マクロビオテイックを始めてから体調不良になる人が多くて、とても可哀想に思います。
私がこのブログを始めてからどれほど多くの体調不良者に出会ったことでしょう。
次から次へと後を断ちません。
むそう塾はそのような人を救いたい一心で始めたマクロビオテイックの料理教室ですが、どんなに正しくお伝えしても、最終的にはお料理を作る本人のさじ加減一つという側面があります。
本人の性格や癖までも踏まえた上でお食事の指導をしないと、マクロビオテイックで真の効果を発揮するのは難しい場合があります。
今回は下記のようなご相談がありました。
このパターンの相談は一番多いので記事にしておきますから、ご参考になさってください。
<Iさんのメールより>
マクロビオティックを昨年の春から始めましたが、最初の三ヶ月で体重が52キロから40キロにまで落ちてしまい(身長167センチ)、現在も戻っていません。
もともと不順であった生理も全くこなくなり、体力もおちてしまいました。
色々調べたり相談したりして、コシヒカリをササニシキに変えたり、圧力鍋から土鍋に変えたり、現在は5分つき+押し麦にしていますが、変化は見られません。
それにこれまで胃が弱いという自覚症状はなかったのに、今は極端に胃が弱くなってしまいました。
今となってはどうしたら健康的な体重と食生活に戻れるのか分からなくなってしまい、本当に悩んでいます。
(物心ついた頃から便秘がひどく、最後は大量の薬も効かなくなっていたのが玄米にしてから薬がいらなくなりました。
そのこともあり、痩せてしまってからもまた便秘になるのが怖くてしばらく玄米をやめられなかったということもありました。)
食事量はたしかに減りましたが、こんなに痩せるほど少ないわけではありません。
食べても吸収されていないような感じです。
(内科で検査もしましたが異常はありませんでした。)
おかずはバランスよくとっているつもりです
白米に戻せば元に戻るものでしょうか?
どこに相談したらよいのかも分からずにいたところ、こちらのブログを知りました。
何かアドバイスを頂けたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。
<マクロ美風より>
Iさん、初めまして。
あなたのような経験をされる方はとても多いです。
そして、そこから回復して今は元気に飛び回っている人も沢山います。
まず最初にお伝えしておかなければならない重要なこと。
私はあなたにお会いしたことがありません。
ですからあなたがマクロビオテイックでいうところの陰性タイプか陽性タイプかを判断できません。
あなたの元々の体質、そして今の体質を正しく判断した上でないと、軽率なアドバイスは出来ませんし、それこそ無責任と非難されてしまいます。
それでもあなたがお困りになっていらっしゃるので、安全な範囲でのアドバイスをさせていただきます。
まずあなたのご希望は、次の5点かと思います。
1.健康的な体重に戻ること。
2.健康的な食生活に戻ること。
3.体力を回復すること。
4.生理が正常になること。
5.便秘の解消。
マクロビオテイックを実践すると、3ヵ月で10キロ以上の体重減は日常的なことなので特別な心配はいりません。
ただし、それが著しく体力の衰えを感じたり、女性なら見かけが悪くなるようになって心配になってくる場合は別問題です。
私もマクロビオティックを始めてから3ヵ月で10キロ痩せました。
そしてあなたと同じように、体重を戻そうにもなかなか戻らず閉口しました。
でもね、今ならそれは難なく解決できます。
つまり体重が激減して戻らない人は、玄米ご飯の栄養分を充分に吸収し切れないまま、玄米の持つ排出力だけが作用してしまうからなのです。
ですから、玄米ご飯を止めたり、消化吸収の良い玄米ご飯の炊き方に変えたり、消化吸収が良くなるまで噛むことによって太る方向に行けます。
しかし玄米ご飯によって便秘を解消しようとされているので、 玄米ご飯を止めることには難色を示されるでしょうかね。
そもそも便秘には陰性の便秘と陽性の便秘があるのですが、あなたはどちらなのかというところです。
今学ばれているところで、5分づき + 押し麦を土鍋で炊くようご指導を受けられたのだとすると、あなたは陽性タイプということになって、あなたの便秘も陽性から来るものと判断したくなります。
一方生理が止まっていることも、陽性で止まっている場合と陰性で止まっている場合があります。
あなたがどのような食べ物がお好きで、どのような生活状況なのかも判らないまま、それらの諸問題を一気に解決するには情報が少なすぎます。
お医者さんだって診察しなければお薬は出しませんね。
ですから私もあなたを目の前において診察が必要なのです。
マクロビオティックとはそういうものだとご理解くださいね。
その上でそのようなあなたが今するべきことを書きますね。
まずあなたの便秘歴は長そうなので、元々腸の働きがそんなに活発ではないのかも知れません。
この際主食は白米(または胚芽米)に戻しましょう。
守ってほしいのはご飯はおかわりして食べること。
そのうえでお肉もお魚も玉子も、取り入れる食事をしましょう。
ただし、動物性の3倍以上は野菜を取って、毒消し(つまり中和)をきちんとしましょう。
これは守ってください。
お味噌汁も欠かさずに飲むようにしましょう。
お出汁は精進だしばかりではなく、鰹節も使ってみましょう。
それから金平ごぼうを積極的に取ってください。
これは便秘薬のつもりで取りましょう。
ごぼうはアクが飛ぶまでよ〜く炒めてください。
もし切るのが遅くてアクがまわってしまう切り方なら、サッとお水に手早く1回通してアクを減らしましょう。
つまり、マクロビオティックを始める前の食生活でありながら、日本人が昔から食べて来た食事を中心にしてみるのです。
これで3週間ほど様子をみてください。
必ず変化が出てきますから、そうしたらもう一度メールをください。
他に問題がなければ、順調に行くと2〜3ヵ月以内に生理が戻ると思います。
体重を増やすには別の方法がありますが、今はまず生理の復活を第一に考えてみましょう。
そしてそこから新しくマクロビオティックの基準で食生活を立て直します。
なお、あなたがむそう塾生なら、玄米ご飯を食べながら生理が復活して太る方法をお教えすることが可能なのですが、あなたの玄米ご飯の炊き方ではおそらく無理だと思いますので、ここは思い切って白米に戻る方法を採用しましょう。
きっとあなたの頭の中はマクロビオティックの理論でいっぱいになっていることと思います。
でも、日本人が長い年月をかけて築いて来た食生活は、マクロビオティックの理論から大きく離れているものではありません。
伝統的な食生活を大事にして一日も早く体力を回復し、女性として魅力あふれる生き方ができるようになってほしいと思います。
頑張ってください。