御法度の心を起こさず断ち切る(伊藤慶二先生の言葉より)

産婦人科医であられた伊藤慶二先生から私が教わったことで、とても印象に残った言葉があります。
それは「人の身体は常に正しくはたらく」という表現でした。
仮に病気をしても、それは体が正しく働いた結果だというのです。
すでに病気をされてしまった人にとっては、何か釈然としないお気持ちが湧いて来ることと思いますが、一つの考え方として受け止めていただけたらと思います。
そして、病気を治す方向性がそちら方面にあることを朧気にでも感じていただけたら嬉しいです。

伊藤先生によると、生命力が高まって身体の細胞が活性化して来ると、身体は早く正しく強く働くから、病気に無縁になるんですよというお話でした。
長年産婦人科医として命の誕生に向き合って来られた伊藤先生のお言葉は、当時食べ物の力を追究していた私にとって、もっと大きな視点でバックアップしてくださったように感じました。
そして、極めつけだったのは、食べ物より「想い」の方が優先順位が上だったことです。
ここで私は自分の方向性が間違っていなかった確信を得たのでした。
それは食べ物の力を過信しすぎそうになっている周りに対して、もう一つの重要なテーマを投げかけてくれたからです。
そしてそれは、マクロビオティックに対する一つの疑問点を解消してくれる視点でもありました。

伊藤先生のお話は、私に確かな道を与えていただき、今の私の土台を作ってくださいました。
今こうしてむそう塾を開いていて一番お伝えしたいのは、この「想い」の部分です。
マクロビオティックを知っている人も知らない人も、どんな想いで日々暮らしているのかということが最も大事だからです。
心のありようがそのままその人の人生を決定するといっても過言ではありません。
しかし何事も例外があるようで、そのまま当てはまらない人がおられる現実もあります。
そんな場面では一代で考えないで、もっと長いスパンで考えるんだよとも教えていただきました。

そんなことを考えると、私は自分のためだけでなく、次世代の、そしてそのまた次世代のと何代も先のことまで考える癖がつきました。
そうすると妙に心が穏やかで、気持ちの良い暮らし方ができて、何だか周りの空気も澄んだ感じがしたものです。
それは伊藤先生が御法度の心を起こさず断ち切ることを話してくださったからです。
10代の頃から宗教本に関心のあった私は、先生のおっしゃる「憎む、そねむ、ねたむ、うらやむ、怒る、心配する、不平、不満、とがめる、のろう、迷う、疑う、いらいら、せかせか」というキーワードに敏感に反応しました。

伊藤先生からこれらのことを教えていただいて、私の人生に大きな柱を作ることができました。
そしてその柱は年々弾力を増しています。
ご参考までに先生の文章を下記にご紹介しておきます。

 
 

(右頁 人の身体は常に正しくはたらく)
マクロビオティック 病気をしない生き方3

 
 

(御法度の心を起こさず断ち切ること)
マクロビオティック 病気をしない生き方2

 
 

ここで大事なのは、御法度の心を断ち切ることですね。
私たちはうっかりするとダラダラと引きずりがちになります。(陰性タイプの人はこれが長すぎる)
何かが原因で落ち込む人がいます。
しかし私は常々それを早く切り上げるように言い続けています。
人間ですから、さまざまな局面で動揺することはあっても仕方ありませんが、そこにどっぷりと浸からないことですね。
何日も落ち込んでいる人に対して、私は「暇だねぇ」と笑います。
落ち込むのは時間の浪費であり、建設的な生き方ではありません。

案外と落ち込む主原因は、自分の心のなかに上にあげたキーワードのどれかが、あるいは複数で存在しているためであったりします。
日常になにか満たされないものを感じていらっしゃる人は、これらのことを考えていただくと気持ちが楽になると思います。
この本がご参考になれば幸いです。

 
 

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食事日記の後からが本番です

私のパソコンには幸せコースの課題である食事日記が続々と届いて来ます。
「授業の1週間前迄に」送ってくださいとお伝えしてありますが、人それぞれで解釈が違うようで現在14名から届いています。
これも想定済みで最初からどのような順序で届くかを楽しみにしていました(^^)
普段あまり締め切りに神経質になっていない暮らし方をされている人もいらっしゃるので、「日・時」が物事の明暗を分けることもあることを知っていただきたくて、その練習の意味も込めてこのような表現の提出期限を設定しました。
実社会では何かあった時、最終的には法律の影響を受けますので、期間の計算方法を正しく知っておいた方が良いと思ったためです。

さて食事日記ですが、内容は上級幸せコースの授業が終わってから、18・19日の幸せコースの授業までに私の方でしっかりと目を通して、授業でお一人おひとりにアドバイスをします。
内容を一部拝見しておりますが、案の定想定どおりのことが書かれています(笑)
肉体と精神はやはり食べたもののようになりますね。
昨日の上級幸せコースで煮物を習った皆さんも、高野豆腐で陰陽の凄さを思い知ったのではないかと思います。
あの高野豆腐が自分の体だったら?
想像しただけでもゾッとしませんか?

なお、食事日記は食生活管理のスタートにすぎません。
私に提出して終わりではないのです。
今回の食事日記でご自分の食べ方の癖を知って、それを改善する方向に進まなければ意味がありません。
過去に食事日記に関する記事がありますので、予めそれらに目を通していただいて、きょうからの食事に気の緩みが出ないようにしてください。
きょうからが本番です。
頑張ってください!

<過去記事>
食事日記をつけるにあたって(2014.9.22)
食事日記のこと(2012.10.14)
煮物料理と食事日記(2011.11.7)
食事日記から見えること(2010.10.17)

むそう塾 南瓜

(南瓜の美味しい季節です 切り方は覚えましたね?)


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「病気をしない生き方」(伊藤慶二著)

内観をしていた塾生さんが、内観が終わって朝スッキリ起きられるようになったとTwitterでつぶやいていました。
ああ、良かった。内観をお勧めして良かったと心から思いました。
人はどんなに意識的に頑張っても、無意識のレベルで納得していないものを抱えていると、せっかくの努力が100%生きません。
特に自分の周りの人は接触する時間が多いですから、色々と心の問題に影響を与えます。
これからの自分を納得の行く自分にするためにも、心のありようは大切です。

私が教わった先生で、産婦人科のお医者さんでありながら想いを大切にされて治療にあたって、その後お医者さんを辞めて自由に活動されていらっしゃる伊藤慶二先生がいらっしゃいます。
マクロビオティックで正食を薦めておられるだけでなく、想いや祈りの部分に力を入れておられます。
食べ物だけに気を奪われて、想いの部分の力を無視しているか問題にしていない人はやはりイマイチな人が多いです。
私は食べ物と想いは車の両輪だとずっと思って来ましたし、時には想いの方が力を発揮することも確認して来ました。

食べ物のことも大事ですが、どんな想いで生きているかはもっと大事です。
だって、食べたものを消化するにもその人の想いが影響するからです。
生き方すべてを支配するのは想いですものね。
そんな想いの力を確認する意味でも、伊藤先生の実績がいっぱい詰め込まれた本が参考になります。

 
 

病気をしない生き方 伊藤慶二1

 
 

病気をしない生き方 伊藤慶二2

 
 

書名:「病気をしない生き方」食・想い・祈り
著者:伊藤慶二
出版:よろず医療会
購入:一般書店では入手できないため正食協会にお電話かメールを。

 
 

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玄米ご飯からマクロビオティックの真髄を知る

紅葉の季節は美しくて心弾むものですが、陰性体質の人にとってはすでに寒さに用心しなければならない季節でもあります。
冷えは体質が陽性の人でも起こりますので、一概に陰性の人だけが対象ではないのですが、対処方法はまったく逆なので注意が必要です。
塩分の陽性だけを頼りにすると、じわじわと体が締め付けられて、この解消は結構困難だったりします。
ちょうどのところでストップしないとね。
陽性になり過ぎもまた問題があって、案外短命になることもあります。
女性なら生理が止まってしまう人がいることも大問題です。
(生理が止まるのは陰性の人の方が多いですけどね。)

きょうの玄米投稿で美味しそうな玄米ご飯を炊かれた塾生さんの玄米投稿の文章を引用させていただきます。
中川さんがR投稿からが本当の玄米炊飯の面白味とよく仰いますが、続ければ続けるほどこれってなに?っていう感じがあって不思議な気がしています。
今朝の84期の方の投稿にもありましたが、去年の今頃の私は冷え取り靴下6枚履いて生活していました。今日は素足です。お通じも毎日あります。こんなにも体に変化があるなんて嬉しいの一言です。改めて玄米ごはんの大事さを感じています。朝ごはんに頂く炊き立て玄米ごはん、糠漬け、お味噌汁は見た目は質素だけどこんなに贅沢なものはないねと夫とも話しました。

私はこの文章の最後がとても嬉しいです。
見た目は質素だけれど最高の贅沢。
これがマクロビオティックを知った人へのご褒美だと思っています。
そして生き方もまた、質素だけれどそれが贅沢だと感じられる心のありようがマクロビオティックの到達点です。
華美でもなく、物欲に振り回されるでもなく、ただ一点を見つめて穏やかに歩んで行ける生き方。
それがマクロビオティックの真髄です。

中川式玄米炊飯 生徒作品

(中川式玄米ご飯 塾生作品 のーちゃん)


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梅醤番茶と中川式鉄火味噌

急に薄ら寒くなって、根菜類が美味しい季節になって来ました。
陰性の人はこれからの季節が苦手です。
でも、朝から元気に行動できて、笑顔で暮らせたらこんなに嬉しいことはありませんね。
昨今は貧血の人が多いのですが、そんな人には梅醤番茶もよく効きます。
梅は血液を綺麗にしてくれるので、頭痛のときにも効果を発揮します。
梅醤番茶といえば、先日、梅醤番茶もどき(笑)を梅醤番茶と思っている人が多くて、急遽梅醤番茶デモをしました。
鼻水のように薄い飲み物は陽性な梅醤番茶ではなく、陰性に振ってしまう場合があるので要注意です。

写真の鉄火味噌は、塾生の子象ちゃんが5時間もの時間をかけて作り上げたものです。
この鉄火味噌で健康になってくれますようにと、すべての工程に氣を込めて仕上げるのは並大抵なことではなく、ある意味修行になる側面を持ちます。
まるで座禅を組んでいるかのような心境になっていることと思います。
こちらの記事の緋乃ちゃんも、鉄火味噌に助けられたお一人でした。
陰性タイプの人は、マクロビオティックの陰陽で分類して、陽性のエネルギーを上手に取り込んで寒い冬に備えましょう。
その陽性の代表格が梅醤番茶と鉄火味噌です。

鉄火味噌をご希望の方はマクロ美風までメールをください。
食べ方をアドバイスします。
ただし、パスポートを取得されたむそう塾生に限ります。

鉄火味噌 マクロビオティック料理教室 むそう塾

(中川式鉄火味噌 料理:子象さん 撮影:中川善博 2014.10.7)

一粒の玄米と比較すると鉄火味噌の細かさが一目瞭然!
驚きの技術です。


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