料理の奥深さ(4) 盛付けのキレ

真贋力を養うには本物を見ること。
高校生のとき何かの本で読んでそうなんだぁと思った。
それからなるべくそのように心がけて来た。
盛付けにも同じことが言える。
本物の盛付けを見ていないと美しくは盛れない。
しかし本物の盛付けをいつもいつも見られるわけではないから、せめて写真で勉強しようと思うと、これが曲者。
盛付けの約束事を無視した写真が実に多いからだ。
今の料理本は特にひどい。
私は役得で、中川さんの盛付けをそばで見る回数がとても多い。
(と言っても中川さんの世界のほんの一部分しか見ていないけれど。)
その盛付けを見慣れていて本格的な料理本の写真を見ると、何だかちょっと違うものを感じることが多い。
それを中川さんにお伝えしたら、それは「キレ」の問題だとおっしゃった。
中川さんの盛付けにはダイナミックさがあるなぁと思っていたが、それはキレだったのか。
そうなんだぁ。

 


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去年→今年→来年「家事アドバイス講座43」

【Ar(28−4)さん】
まず第一に、頑張ってますね。
桂剥き投稿があるのに、この神経の分散の仕方は偉いです。
というか、5分の集中力の限界が功を奏したのかな?(笑)
ということは、あなたは瞬時の集中力を利用して、短期決戦で臨まなければ良い結果が得られないということですね。
美味しい♪ 楽しい♪ 嬉しい♪ と血が騒ぐ時に、そのモチベーションを落とさずに一気にやり抜けるのも良い作戦です。
でもね、本当はコツコツが一番強いんですよ。
とまあ、こんな前提でご報告を拝見して気づいたところからアドバイスします。
第一にご主人が少しでも片づけてくださったことに感謝ですね。
本来ならあなたが片づけても良いのですが、こだわり派のご主人のようですから、その場合は「今使うか使わないか」の判断だけをご主人にしていただいて、あとは全部1階に降ろす作戦で構いません。
そうして今使うものだけでご主人のお部屋をレイアウトしてみましょう。
他のお部屋にあるご主人の持ち物も全部お部屋に集結します。
それからフリースペースのソファの上にあるご主人の衣類は、本来はウォークインクローゼットにしまうべきものなのですが、もしかしたらご主人はウォークインクローゼットより、ソファの上の方が日当たりが良くて気持ち良いのかしら?
でも、このままだと衣類はどんどん日焼けや色あせしてしまいます。
なお、このフリースペースはとても大事な場所です。
雨降りの時にも重宝なので、物干し竿はこのままで良いですよ。
しっかり取り付けてあるのでOKです。
素晴らしい!
次にお嬢さんのお部屋になる予定のお部屋ですが、ここにベッドが入ればお部屋らしくなるでしょう。
ぐんと雰囲気が変わりますので大丈夫ですよ。
ベッド到着までもう少しですね。
カーテンは変えたければ新しいものに替えてもOKです。
さらにフリースペースと寸法が同じならそちらに移動することもOKです。
それから主寝室。
まずドレープカーテンを つけましょう。
寒さがずいぶん和らぎますよ。
窓の部分にごちゃごちゃ置き過ぎなので、このお部屋にローチェストのようなものがあれば良いですね。
あるいはフリースペースにあるソファを主寝室に持って来てもOKです。
きっとご主人が脱いだものはそのソファの上に置かれることでしょうが、それで良しとしましょう。
気楽な雰囲気がいちばんですから。
この部屋にはリラックス出来る空気が流れるようにしてあげてください。
なお、奥様のベッドが窓際にくっつけすぎです。
もっとご主人のベッド側に最低50センチは寄せて、掃除機をかけやすくしてください。
主寝室もリビングと同じく、中間の高さの収納がありません。
それが原因でこの部屋が使いにくいのです。
もっとこの部屋に彩りを添えましょう。
殺風景な雰囲気をなくしましょう。
次にリビングです。
まず2階から降ろしたちゃぶ台は、そのまま使い倒しましょう。
ドールハウスはしまいましょう。
そして自然に不要になりますから、その時にお子さんの了解を得て処分しましょう。
たまに来るお友達のために飽きたおもちゃで床を専有するのは良くありません。
子供はなければないで違った遊びを考え出しますから大丈夫です。

次に玄関です。
木のボックスには確かキーが入っていましたよね?
それは壁に下げる方法にしましょう。
玄関周辺の壁を写真で送ってください。
見た目にも素敵になるように、インテリアとして耐えうるデザインのものを選びましょう。
そのためには鍵の種類ごとに大きさやデザインを正確に把握しておいて、それからピッタリの物を選びます。
その木の箱は領収書入れにでもなさったらいかがでしょうか。
最後に、フリースペースは別としても、主寝室と息子さんのお部屋にはドレープカーテンをつけてくださいね。
昼と夜の区別を暮らしに取り入れることと、冷気を防ぐこと、それから室内の雰囲気作りにカーテンは大きな役目を果たします。
カーテンは生地によってとても割高になりますが、大事な役目のあるものなので、きちんとしたアドバイスの受けられるインテリアコーディネーターさんのいるお店で注文しましょう。
採寸もご自宅まで来てくれますので、プロに測ってもらいましょう。
細かくはまた相談に乗ります。
全体の感想として去年よりずいぶん良くなりました。
床に物を置かなくなっただけでも上出来です。
これをもっと徹底すれば、見違えるほどに素晴らしいお部屋になりますよ。
あなたのおうちは元々が一流の作りなのですから、それをそのままキープして使えば良いのです。
住み方としては楽ですよ。
あとは必要な場所に必要な収納(主に家具)を設けるだけですね。
かなりいい線を行っていますよ。
それはすでに桂剥きに表れていますよね。
ということは、去年の「う?ん」は今年のためになったのです。
嬉しいですね。
こうして来年はもっと素敵なArさんになれるんですよ。
これが日々を反映して生きるということです。
この調子で頑張ってください。



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桂剥き 人それぞれ

先日「庖丁研ぎと切り方講座」を開催したのですが、スピードキングのHさんはもう剥く大根がなくなってしまいました。
そこで中川さんが持って来たのがこの大根。

あまりの太さにHさんはもうビックリ!
ただただ笑ってしまいます。
だって、普通の大根に比べてこんなに太くて長いんですよ。

これは京都のすぐき農家さんが無農薬で育てたもので、少し前にもらったもの。
ちょっとしんなりしていて、桂剥きをするには剥きにくいのですが、そこは挑戦欲旺盛なHさんのこと。
黙々とこの太い大根を相手に剥き始めました。
余りにも太いのでなかなか剥き終わりません。
もう時間切れで私がストップをかけたのですが、Hさんとしてはもっと剥きたかったことでしょう。
それでもこんなに長く剥けました。

まだ巻いたものを右手に持っていますから相当長いです。
そのHさんが剥いた今朝の桂剥きはこんな感じです。
そうそう、真ん中にいるKさんの今朝の桂剥きはこんな感じです。
一方、独走しているのはAさん。
今朝のAさんはこんな見事な桂剥きをしながらも、中川さんの求めに応じて自分目線で動画を撮ってくださいました。
急に違った角度で撮影しても、違った場所で剥いても、安定した剥きが出来ています。
つまり環境の変化に動揺していません。
これがAさんの素晴らしいところです。
また、桂剥き投稿が初めてのHoさんは、緊張する性格ながら凄い頑張りをみせてくれています。
彼女の愚直なまでの頑張りに教えられた人は多いことでしょう。
さらに素晴らしい腕をもちながらも練習量が少ないために、その力を充分に反映させられていない人もいます。
素晴らしい指導者に出会っていながら、そのチャンスを活かさないのは実に惜しい。。。
もっと陽性な生き方をしてほしいなと思います。
桂剥きでは練習量も大事ですが、精神面のありようがはっきりと反映されるので、まな板に向かう前に氣を調えてイメージをして、それから庖丁を持ちましょう。
そうでないと指を切って怪我ばかりすることになります。
そのために中川さんの桂剥き動画桂剥きの向こう側初期の動画があります。
これらを繰り返し見て、Air桂剥きをしてください。
このイメージングの効果を信じない、あるいはなめている人がいますが、とんでもない間違いです。
明日(24日)の24時で2月に受講された人の桂剥き投稿が終わります。
そしてまた明日の講座を受講される人の桂剥き投稿が始まります。
締切日の4月23日まで、どんなドラマが待っているのでしょうか?


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料理の奥深さ(3) 技術

物を切るって誰でもしていることなんだけど、これまた奥深い。
きっとどの分野でも切ることは重要な意味を持つと思うけれど、料理における「切る」行為はかなり重要だ。
それは料理の出来上がりの見映えだけでなく、味をも左右するからである。
そうであるがゆえに料理の修業に入った人は、切ることをとことん極めるんだね。
中川さんがおっしゃってたなぁ。
桂剥きのとき、これでもか、これでもかと思うほど練習をして先輩にみてもらうと、「よう練習したなぁ」と言いながらゴミ箱に捨てられるのだとか。
もちろん合格ではない理由は告げられぬまま。
それでもめげずに試行錯誤しながら練習をして持って行くと、ある日突然「水にさらしておいて」と言われて合格になるのだそうな。
その練習量は半端なものではないそうだけど。

相当レベルの高い世界の話だけれど、そうやって技術は向上して行くそうだ。
修業の厳しさをむそう塾で押し付けることはまったくないけれど、高度な技術を身につけるには大なり小なりそんな側面はあるように思う。
やはり練習に始まり練習に終わるのだなと。

落ち込む前にそれだけの練習をしたのかと自分に問わなければならない。
技術を身につけるには自分と向き合うことが不可欠だ。
それはその人の人柄であったり、育ち方であったり、生き方であったり、癖であったり、そんな諸々のものと向き合って、一つひとつを克服して行かなければならない。
往々にして「善い」要素の多い人が高いレベルを身につけられそうに思ってしまうが、そうは問屋が卸さないのが現実社会の面白いところだ。
人間的には難ありと思える人でも高い技術を身につけていたりする。
では、穏やかで凪の心でなんて言っているのは意味がないではないか?
いや、それは確かに意味があるのである。
重要である。
つまり人間には善い面も悪い面もあって、仮に悪い面が多くても、練習量がそれをカバーしてしまうこともあるという現実だ。
中川さんがよく口にされる言葉に「練習は嘘をつかない」がある。
ただ数をこなすだけの練習ではなく、一つひとつの練習を意味あるものとして回を重ねれば、それは「善」に近づくのかも知れない。
技術というものは誠に面白いものだ。


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料理の奥深さ(2) 庖丁を砥ぐ

今はステンレスの庖丁が出まわって、庖丁を砥げない人が圧倒的多数になってしまった。
仕方ないよね、学校で刃物から遠ざけるような指導がなされている時代だもの。
家には庖丁やまな板ややかんがない人もいるのだとか。
それはコンビニ食があるせいなのかも知れない。
しかし太古の昔から「切る」行為は生きるために不可欠だった。
今の私たちはどんどん「生きる」ことから遠ざかった暮らし方をしているように思えてならない。
むそう塾では幸せコースの最初の授業で庖丁の砥ぎ方を教える。
それは単に庖丁が研げるようになってもらうためだけではなく、庖丁の構造を知ってもらいたいためでもある。
食材を切ったり剥いたりするためには、まず庖丁の刃をよく理解しておかなければならない。
その上でどのように動かせば目的を達することができるのかを知ってもらうためである。
しかしこの庖丁砥ぎが結構難しい。
力で砥ぐと思っている人が圧倒的多数で、それゆえに男仕事と思っている人も多い。
ところが砥ぐ行為に力は有害ですらある。
優しく凪の心で砥石の泥で砥ぐ。
あとは平らを保つだけ。
これがまた難しい人がいる。
日常的に平らというのをあまり意識していないのかも知れない。
そのような場面が日常的にないのかも知れない。
今は義務教育でも重要視されなくなってしまったが、お習字をする前に硯で墨をする行為は、「書く」という行為以上に大事なことなのだと思う。
硯の陵(おか)の中央を凹ませてしまわないで墨をするのと同じように、砥石も中央が凹むような砥ぎ方は間違いである。
これでは絶対に正しい刃に砥ぎ上がらない。
学校で教えなくても、生きるために必要なことは教える。
それがむそう塾のスタンスだ。
中身のある人間になるために。


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