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水分の摂り方 便秘と食べ物 マクロビオティックの指導現場から

【水分と甘いもの】

ただいま幸せコース恒例の「食事日記」の添削中です。
毎年「食事日記」の添削で思うのは、水分の摂り方に問題のある人が多いなあということです。
なんとなく習慣で水分を口にされているのですが、その水分が体調不良の原因だったり、あるいは水分が少なすぎて精神的にゆとりがなかったりする人がいます。

お花を育てていればわかりますが、適正な水分はお花を丈夫に育て、美しく勢いづかせます。
しかし、過剰な水分は根腐れを起こしたり、弱々しかったりして、花が持っている美しさを存分に楽しめません。

人間も生き物としてまったく同じことなのです。
自分に勢いのない人は、甘いものに手を出すことが多くなります。
これは体の欲求なんですね。
一時的に甘いものの力で元気になれたように感じるからです。

しかし、この甘いものが曲者で、甘いものは体内で消費されるときにミネラルを奪います。
ミネラルを奪われるので、さらに元気がなくなるため、また甘いものを欲するという魔のループになってしまいます。

毎年「食事日記」で、水分と甘いものを指摘しなければいけないのは、それだけ世の中には「改善の余地がある食事」をしている人が多いということでもあります。
逆にいうと、その2つをしっかり調整すれば、かなり元気になれるということでもあります。

過去記事がたくさんありますので、いくつかお読みいただくとご納得していただけるかと思います。
水分の摂り方を変えたら背部痛が解決した事例 2020.9.29
食事日記から感じたこと 水分 毒消し 果物 2020.6.3
水分の摂り方に注意! 2019.7.3
熱中症対策として「食べる水分」の重要性 マクロビオティックの視点から 2018.7.22

 
 

【便秘を解消するのは繊維質です】

「食事日記」を拝見していると、便秘の人が多いです。
そういう人は大抵、玄米ごはんの量が少ないか、繊維質の多い食材を摂っていません。
詰まっているのだからお水で流そうと考えて、水分をたくさん摂っている人がいますが、便秘はそんな単純なものではありません。

甘いものが好きで、水分が多ければ、腸の蠕動運動も低下して、便秘になってもおかしくありません。
現代人はとかくミネラルと繊維質が不足しがちですが、その結果が便秘であるといっても過言ではありません。

まずは腸を元気にすること。
そこから便秘の解消が始まります。
そのためには、やはり穀物や、繊維質を多く含むきのこや海藻類、土の中で育つ野菜が助けてくれます。

体を動かすことも大事なのですが、体をひねるだけでもずいぶん違います。
いつもの姿勢で使わない筋肉を使う。
ここがポイントです。

こういう記事は書き出すと止まらなくなります(笑)
でも、まだ「食事日記」が未提出の塾生さんもいらっしゃいますので、今日はこの辺にしておきます(^o^)/

 
 


(胡瓜の雷干し 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

作り方は下の記事からどうぞ。
パリパリとした歯ざわりが楽しくて、爽快になれるお料理が出来上がります。
お弁当のおかずにもできますよ。
京料理人 中川善博が作る胡瓜の雷干し 2017.6.13

 
 
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新型コロナウイルスとワクチン 福岡伸一氏と内海聡氏 

新型コロナウイルスに関するワクチンの接種が急ピッチで進められている。
私のところにも「新型コロナウイルスワクチン接種券」なるものが届いた。
もちろん、私も夫も接種はしないが。

塾生さんからも、ご両親のワクチン接種に関してお悩みのメールが届くようになった。
それは親御さんが「ワクチンを打つことが義務のように思っている」こと。
地方にあっては、ワクチンを打つことが当然で、もし感染でもしたら家業が倒産したり、村八分や引っ越しという流れになると思っていること。

テレビや新聞では伝えられていないことを塾生さんが親に言うと、情報の出どころを確かめようとするか、最初からはねつけられる。
兄弟でも意見が分かれて、関係が悪化しかねない。
職場の雰囲気が、接種をしなければ気まずい空気になってきた。

などなど、現実問題としてワクチンが人々の分断に動き出した。
ワクチンに関する情報は、背筋が寒くなるようなものまであって、それを夫に伝えると、「さすがにそれは行き過ぎでは?」と釘を刺された。
ただし、情報としては知っておいた方がいいと思う。

 
 

【福岡伸一さんの記事】

今朝、塾生さんがある新聞の情報を送ってくれた。
「秋田魁新報」に載った福岡伸一さんの記事だ。
実は、この記事の存在は早くにFacebook経由で知って、私も同じ考えなので、そのままになっていた。
他にも同じような内容の寄稿をしているお医者さんや、学者さんの記事がその頃他の新聞や雑誌にもあった。

だから私は、それらの人のお考えも参考にしながら、自分の考えもすり合わせていた。
今まで私が学んできたことを総動員して考えても、やはりウイルスに対する姿勢は変わらない。
しかし、西洋医学一辺倒に生きてきた人たちには、不安のほうが先立つのだと思う。

そして、テレビや国は嘘を言わない、正しいことを伝えてくれると思っている人たちが圧倒的に多い世の中だが、今はその考えにちょっとストップをかけた方がよい。
一度立ち止まって、勉強しよう。
その勉強の一つに、「ウイルスとの共生」というのがある。

そして、福岡さんが書いておられるように、「身体に備わった免疫系は最高最良のワクチンであり、ウイルスを多面的に制御して、せめぎあいのバランスを探ろうとする。」ということが理解できたなら、誰しももう少し落ち着けるのではないだろうか。

 
 


(秋田魁新報 2021/4/30付)

 
 

【新型コロナワクチンの正体】

それから、このタイミングで下記の本が発売されるので、これを読んでから行動しても遅くないだろう。
きっと頭が痺れるかもしれないが(笑)
だが、解らないことはとにかく勉強しよう。
納得してから行動しよう。

 
 


医師が教える新型コロナワクチンの正体 本当は怖くない新型コロナウイルスと本当に怖い新型コロナワクチン 6/10発売 現在予約受付中)

 
 
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主食とおかずの割合と腸内細菌叢 マクロビオティックの指導現場から

新型コロナウイルスの影響で在宅ワークの方が多いと思います。
そして、4月からお子さんのためにお弁当を作っているご家庭も多いと思います。
どちらにも共通しているのは、主食とおかずの割合を意識していますか?ということです。

日本には幸いに「主食」の概念があるので、主食を中心におかずを組み合わせれば、理想的な割合にすることができます。
その割合を過去記事で書いているのですが、自宅で食事をしていると、ついついそのバランスを崩してしまいがちになるので、もう一度書いておこうと思います。
まずは過去記事から。

現代版マクロビオティック食事法(1)序 2016.9.10
現代版マクロビオティック食事法(2)食事バランス 2016.9.12
現代版マクロビオティック食事法(3)動物性の割合 2016.9.14
現代版マクロビオティック食事法(4)主食としての玄米 2016.9.14

 
 

【白米と玄米でおかずの量は異なる】

主食といえばまっ先に浮かぶのは「白いごはん」ですね。
つまり白米です。
しかし、マクロビオティックを知っている人は玄米が先に浮かびます。
どちらもお米なのですが、お米の成分や炊き方の違いが加わって、両者には陰陽差が出てきます。

結論は白米の方が玄米より陰性になるので、おかずは玄米のときより少し増やします。
(増やすと言っても、量より種類なのですが。)
つまり、玄米に含まれている栄養成分が白米ではかなりの部分が削られているので、その分をおかずで足すイメージですね。
でも、ごはんよりおかずが多くなってはいけません。
中庸を通り越して陽性に偏ることが多くなるからですね。

陽性が多くなると、食後に喉が渇いたり、肩こりが出てきたりするので要注意。
子どもなら、じっと座っているのが苦手になったりします。
まあ、子どもは元来陽性なので、そんなに陽性を意識したおかずにしなくてもいいのですが、お料理をする人がお酒好きだと、陽性のおかずを好んだり、ついついおかずが多くなりがちです。

なお、おかずは一日30品目を目指さなくても大丈夫です。
あれはもう間違った指針として削除されていますから。
一日30食品は過去の情報です 2011.6.15

 
 

【食べ物の種類が多いほど腸内細菌叢(腸内フローラ)が多様になる】

私はここでも糠床のこととリンクして考えます。
糠床の維持には豊富な乳酸菌が必要なのですが、いつも同じ野菜ばかり漬けていると、乳酸菌の種類が偏ってしまうんですね。
でも、色々な野菜を漬けると乳酸菌の種類も豊富になって、味もグッと良くなるのです。

これと同じことが人間の腸でも起きているわけです。
ですから、腸内細菌叢をより良くするためにも、おかずの種類を豊富にした方がよいのです。
しかし、どんなに食べ物が理想的であっても、ストレスを抱えていると台なしです。
コロナのことで心配ばかりしていると、完全に腸内細菌叢は影響を受けます。

最も影響を受けるのは抗菌性物質ですから、くれぐれもこの類の薬には手を出さないようにしましょう。
抗菌性物質の経口投与は影響が大きくて、腸内細菌叢をかく乱させて腸炎のリスクが高まります。
それから、下痢や便秘も腸内細菌叢に影響を与えます。
体の免疫システムの70%近くは腸管に存在するのですから、このことを意識して免疫システムを壊さないような暮らし方をして、コロナに負けないようにしましょう。

 
 

【手指の消毒】

おかずとは関係のない話ですが、塾生さんの同僚の話です。
20代の女性でマクロビオティックとは無縁の人だそうですが、手指の消毒ばかり要求されることに対して、「消息しすぎは、手が死ぬ」と言っているそうです。

いいですねぇ。この表現。
私たちは細菌やウイルスに勝とうとするより、共存できるギリギリのところで棲み分ける方がストレスなく生きられそうですよ。

だって、私たちの体の中には、100兆個、重さにして1〜2キロの細菌が常在しているのですから。

 
 

(麻婆豆腐 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 
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身近な微生物の世界 糠床から学ぶ生き方

ブログ内検索をしていたら、こんな過去記事が出てきた。
私がマクロビオティックを知ってよかったことを2つあげると 2019.2.1

写真を挟んで下段にこんな文章がある。

微生物の世界を前にすると人間は無力である
そこにある世界を受け入れるだけ
彼らのなりたいように合わせるだけ
人間の力でねじ伏せることなど出来ない
発酵の世界に教えられる人生もまたよし
人間は自然界の一部なのだから

 
 

この記事を書いたのは2019年2月だ。
奇しくもこの年の暮から「武漢ウイルス」→「新型コロナウイルス」と言われるものに人々は振り回されている。
今なお。

だが私は、このウイルスが騒がれ始めたときから、それまでと同じく考えは一定している。
2021年2月も人々は右往左往していた。
では、2022年2月はどうだろう?

 
 

自然から離れて、人工的なものに囲まれていると、限りなく不安が増殖する。
しかし、自然界はお手本をいっぱい示してくれている。
それを受け入れたら、心は穏やかになる。

この稀有な体験ができる時代に生かされている私。
もし、まだ生かされるのであれば生きればよいし、淘汰されるのなら、それもまた自然と受け止めればよい。

 
 

お金と生に固執すると不安はエンドレスになる。

 
 


(産膜酵母で真っ白な2014年9月25日の糠床 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

ウイルスは生物とは言い切れないが、微生物の仲間である。
だから、糠床の乳酸菌を意識した暮らしをしていると、ウイルスのことが少しは解りやすくなる。

 
 

こんな過去記事もある。
プチプチとした可愛らしい音が確認できるだろうか?
中川式糠床が発酵している音 2016.6.1

 
 

 
 
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肉食と代替肉 「第5回公開マクロビオティックわの会」を視聴して

【肉食と代替肉】

昨日、「第5回公開マクロビオティックわの会」の動画を観た。
3時間半に及ぶ3本の動画だ。
まずは、この会の準備を進めてくださった皆様に感謝の気持ちを伝えたい。
(マクロビオティックわの会のサイトはこちら

私は当日は授業があって参加できなかったので、送ってくださった動画で会の様子を知ることができた。
Zoom形式なので、遠くアルゼンチンからもパネラーとして参加してくださって、アルゼンチンのマクロビオティック事情も垣間見ることができた。

今回のテーマは「肉食と代替肉について」というものだった。
パネラーからは、代替肉の現状が細かく報告され、世界はここまで来てしまったのかと暗澹たる思いになった。

すでにスーパーなどでも代替肉が出回っており、食品会社でない会社が利益が出ると見て動いている現状には、背筋が寒くなる。
もともとは地球環境の問題があったのだけど、それがどんどんおかしな方向に進んで行く。

 
 

【肉の排除 肉もどき】

そもそも私たちは、自分が生きるために他者の命をいただいているのだが、それは植物性であろうが動物性であろうが同じこと。
なぜそこまで加工して「肉もどき」を食べなければいけないのか?

大豆や小麦を使って肉もどきを作っても、体への影響は動物性の肉そのものではない。
それなのに肉を求めるのは、精神面で「肉が必要」と思い込んでいるからである。

反対に「肉は不要」という考え方もある。
ヴィーガン・ベジタリアンなどが代表的だが、マクロビオティックは完全に肉を排除するものではない。

これらの中にも、肉は排除しても乳製品は摂るとか、魚は排除しないとか分かれていたりしてややこしい。
世界的には宗教との関係もあるので一概にはいえないが、その民族・その土地に根付いた物を食して、健康が維持できればそれがベストだと思っている。
そもそも、地球上の人間が同じものを食べること自体が不自然なのだから。

 
 

【命をいただく】

大事なことは、「生きている命をいただく」という認識があるかどうかである。
その認識に立てば、なぜ鮮度の良いものが体への負担になりにくいかも理解できる。
自分が生きるために、他者の命を少量いただくことに思いが至っていたなら、自ずと代替肉への答えは出るであろう。

人は意識しないと傲慢になってしまう。
傲慢になった結果、自然を操作しようと思ってしまう。

私たち人間は、自分で生きているのではなく、生かされているのだという視点に立てば、もっと生き方が楽になる。
ご縁をいただけた食べ物に感謝して、地球や大自然の恵みに感謝することを忘れなければ、自ずと不安は去って行く。

新型コロナウイルスでも経験したように、今や情報は時間単位で世界をかけめぐる。
人間の生死も、健康問題も、食生活も、世界規模で取り組む時代になった。
そんな時代にあって、ミクロではなくマクロな視点で、少しでも多くの人が歩み寄れたらと思う。

 
 


(海苔入り出汁巻き玉子 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

動物性をいただくときには毒消しを添えて。
これがマクロビオティックのセオリー。

 
 
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