マクロビオティックで体調不良にならないために

私がマクロビオティックを始めた頃は病気治しの人が多くて、先生たちは陽性方向で指導されていました。
しかし最近では陰性方向への指導もあちこちで行われています。
これは食の欧米化にともなって日本人の食事内容が変化してきたことを受けてのことですが、まだまだ日本人のDNAがすっかり欧米人と同じになったわけではありません。
ですからこれから先もずっと陰性方向へのマクロビオティックでは、むしろ体調を崩してしまうことになってしまいます。

コツは調子の良い時の体調をしっかり覚えておいて、そこからちょっとでも嗜好や体調の変化を感じたら、すぐ今までの食事内容を見直すことです。
理想的なのは主食はある程度一定に保っておいて、おかずで調整することですが、早く変化させたいときには主食を調整する方が効果的です。
むそう塾ではその主食を「これでもかー!」というほど追究して、塾生さんにオーダーメイドの主食をアドバイスしておりますが、本当に体調はこの主食で変化します。

次は塩分の問題です。
これが各人さまざまで、実に個人差があります。
古いマクロビオティックでは塩分と油が比較的多く、料理方法も陽性にすることが多かったのですが、ずっとそれを続けていると陽性になりすぎる人も多くなりました。
この状態は体調が悪くなるというより気になる程度なのですが、それが案外重く感じるようになって来ます。
お通じや睡眠時間や行動にも影響するからです。
精神的に窮屈な感じがしたり、頑固になったり、他人に厳しくなったりしたら、ちょっと行き過ぎを考えても良いでしょう。
なお、これらの症状は動物性の摂り過ぎでも起こります。
短気になっている時にはその傾向があります。

それから油の問題です。
マクロビオティックでは脂というより油ですが、これは酸化との関係で上手に使わなければ体にとって好ましいものではありません。
しかし油を使って旨味の助っ人にすると、知らず知らずのうちに炒めたり揚げたりする陽性な料理方法が多くなり、結果的には陽性の方向に行ってしまいます。
しかし油は陰性な作用をもつものですから、結果として体が太ってくる場合があります。
だからといって油を極端に控えると、ホルモンの作用に影響が出ます。

とまあ、こんなふうに陽性だ陰性だとややこしいのがマクロビオティックなのですが、重要な鍵を握っているのは塩分です。
塩分はお料理をしていると一目瞭然なのですが、細胞を締めます。
つまり陽性状態ですね。
塩分の力で陽性になると上記のような不都合がおきてきます。
そこで今度は著しく塩分を減らすマクロビオティックが新しい流れとなっているわけですが、これは減らしすぎて問題があります。

塩分はちょうど良いのが理想で、それ以上でもそれ未満でもいけません。
陰性を抜くのは比較的簡単ですが、陽性を抜くのは大変です。
ですから塩分で陽性になり過ぎないようにして、中庸からちょっと陽性よりを心がけるのが最も心身ともに心地よい人生を送れると思います。
ところが、いわゆる塩抜け状態のマクロビオティックをしている人が最近は多すぎます。
こちらはどんどん陰性症状が進んで、場合によっては入院することになります。
入院して生理食塩水の点滴をされては笑い話の世界です。
どうか塩分の摂取を誤らないようにしてください。

なお、塩抜き断食なるものがあります。
これはちゃんと指導してくださる人がいる状態でしなければ危険です。
蛇足とは思いますが、お塩の種類がこの記事では触れていませんが、そんなことは常識として知っている大前提で書いています。
もし知らない人は自然塩を選んでくださいね。
そして塩にも陰陽があることをお忘れなく。

 

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(京都の夕暮れ)

 


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京都 祇園 いづう本店 京ちらし寿司

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京都 祇園 いづう本店
一般のお寿司屋さんとは違って、巻物が主体の一風変わったお店です。
店内はカジュアルで気楽なテーブルが4席あります。
座席の予約はできません。

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京ちらし寿司

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錦糸玉子は本当に糸のような細さでした。
こんなに長く絡みあっています。
白は手綱烏賊。
細長い茶色は木耳。
なかなか絶妙なマッチです。
巻物(陽性)が多い中でこのちらし寿司はほっこり出来る陰性をもっていていいなと感じました。

 


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京都のいなり寿司(いづう)

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あの鯖寿司でお馴染みのいづう。
京都大丸の地下にいなり寿司が売っていました。
祇園の本店メニューにもなく、ここでしか売っていないそうです。

 

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案の定薄味で東京に比べて甘さはかなり控えめでした。
その分お出汁とお揚げの香りが漂って来ます。
でも私的にはもう少しすし飯の甘さが控えめでもいいかなと思いました。
中川さんによると京都のいなり寿司は三角が多いそうですが、これは俵型でした。
三つ葉と柚子がアクセントでとても食べやすかったです。
京都のお土産にされると喜ばれるかもしれません。
あっさりしているので写真の量は一人で食べられます。

 


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病気を治すな病人を治せ

健啖家ってマクロビオティック的に分類すると陽性な人が多いです。
エネルギーがあって何でもテキパキとこなして食べるのも速いので、傍で見ていると生命力に溢れます。
たくましさを感じますね。
これと似て非なるのが単なる食いしん坊。
こういう人は食べることに頭の大部分が占められているため、難しいことを考えるのが苦手な人もいます。
でも性格はサッパリしていて友だちとしては楽しかったりします。

しかし、そんなことを長い間続けていると、よほどの人でない限り体の方が悲鳴をあげて来ます。
色々なことを「食べる行為」で解消する癖がついていると、空腹ではないのに食べ物を口にすることになって、不健康なループから抜け出られなくなってしまいます。
そんな人が病気になって、たまたまマクロビオティックを知って食事療法で病気が改善しても、良くなるとまたもとの食べ癖に戻ってしまうのです。
そうしてまた同じ病気になるわけです。
それが先の記事の「最後は好きな食べ物で死ぬんだよね」という表現につながります。

また桜沢如一先生はそのことを見越して、「病気を治すな病人を治せ」とおっしゃっています。
つまり病気になる前の段階に手を打ちなさいということですね。
私たち人間は食べ過ぎて良いことは何もないと言い切って良いと思います。
動物でさえ体調が悪い時には食べることを控えます。
大脳のある人間ならなおのこと食べ過ぎは戒めなければなりません。

なぜなら、食べ過ぎると感謝の気持ちが薄らぐからです。
食べられることが当然となってしまうからです。
でも人間は少し足りないくらいがちょうど良いのです。
お金も食べ物も満たされ過ぎない方が感謝の気持ちを失うことなく生きられます。
このことを忘れかけて不満ばかりを口にする人間にはなりたくありません。

断食を経験するとお分かりだと思うのですが、食事を断つことによってどんどん体がクリアになり、精神面が敏感になってくるのが判ります。
そしてどんどん自由になって、食べない心地よさ(断食ハイ)を感じるようになってきます。
それを知ってから断食の回復食をいただくと、一口のスープでも泣けるほど美味しいのです。
食べ物を生産してくれるありがたさのみならず、食べ物を口にできる環境とその美味しさに鳥肌が立つほどです。

その断食後の一口が私は究極の美味しさだと思っています。
それは体にピッタリと合って、乾いたスポンジが水を吸収するのと同じです。
そんな状態なら、食事の量は少なくても満足なのです。
お食事に対する感覚はついつい麻痺してしまいます。
ですから、せめて休日には1食を抜くとか、毎週末は一日断食するとか、そんなふうにして定期的に心身をリセットしてあげると良いです。

ちなみに私はマクロビオティックを知ってから一日2食です。
その頃は最高に陽性度が強くて、睡眠時間も少なくて、バリバリこなしていました。
でも今は京都で毎週お料理教室があるため、ちょっと食べる量が増えました。
そうすると体は正直なもので、体重が増えて来るではありませんか。
いけない、いけない。
特に陰性に気をつけなくては

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好きな食べ物で死なないために

「最後は好きな食べ物で死ぬんだよね」。
これは恩師大森英櫻先生から教わった言葉でした。
ずーっと多くの人の事例を見ていると、本当にそうだなぁとつくづく思います。

好きなものは回数を多く食べるので、体に偏りが生じてそのような結果につながるわけです。
味の好みも同じで、同じ味を続けて取ることによって体への負担がかかり続けるわけです。
道具だって、機械だって、衣類だって、同じ所に刺激を与え続けると摩耗するから、人間の体だって同じことなんですよね。

好きだから。
食べたいから。
これに任せないで、ちょっと体と食べ物のバランスを考えるだけで、ずいぶん体が楽になったりします。
あるいは量を減らすだけでも変化が出ます。

食べ物の量を減らすと心の安定が生まれます。
さらに食べ物の質を選ぶと睡眠時間が減ります。
こうして人間は健康になり精神の満足感が得られます。

食べ過ぎない。
これがすべてのスタートです。

もしあなたが太っていたら、それは間違いなく食べ過ぎです。
あなたは自ら自分の寿命を縮めていることになります。
そして不満を生み出しています。

もし不満が多い暮らしをしているなら、食べる量を減らすことをお勧めします。
人間はそんなに食べなくても活動できるので、多くの場合は精神面の反映で食べています。
悪い連鎖はどこかで断ち切らないと良い流れに乗れません。
TPPの問題もあります。
自分の健康は自分で守らないと、とんでもないことになります。

好きな食べ物で死なないために、マクロビオティックの陰陽で考える食べ方をお薦めします。

 

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(ホテルグランヴィア京都 ロビー)

 


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