満足コースとじっくりコースに想うこと

昨夜中川さんと話をしていて、満足コースとじっくりコースの今後の内容についての話になった。というより私が質問したのだけど。
私は受講する人の気持ちになり、中川さんは教える人の気持ちになり、本心で語り合った。
中川さんはどんな人でも必ず出来るようになると強く言い切る。
その強さに比べて、受講生の方がむしろどこかに諦めの気持ちがあるのではと感じる場面があった。
笛吹けども踊らずという言葉があるけれど、踊りたくない人は別としても、踊りたいのに踊り方を教えられないのはあってはいけないことだから、中川さんは必死に教えようとあれこれ工夫をしている。

そうこうしているうちにもう9月も終わりに近づいてしまった。
来月で前半が終了して、満足コースの場合は試験に臨むことになる。
これからの1ヵ月でどこまで成長してくれるか?
どこまで指導できるか?
私は弟子を作るわけではないからと言い、中川さんは男女の区別なく、仮に何らかの病名がある人であっても上達すると断言する。
ここで陰陽差を感じるのであった。

男性の考え方、男性の生き方。
女性の考え方、女性の生き方。
それを認めつつも「やる氣」は削ぐことなく素早く対応して目標に近づけてあげたい。
その一心で二つのコースの人たちに接している中川さんと私。
中川さんは言う。頭で理解できるのが偉いのではなくて、実際に出来ることの方が重要なんだと。

受講してくれる人の一生の価値観を考えて一日を最高のものにしたいと思っているのだけど、なかなかその真意はご理解してもらえないかもしれない。
少しでも、一歩でも、一段でもということを考えていたら、昨夜は3時頃まで眠れなくなった。
考え事をして眠れなくなるなんて、久しくないことだ。
誰でも褒められることは嬉しい。
出来るなら欠点探しではなく、良い所探しをしてあげたい。
褒めて上達するならいくらでも褒めると中川さんは言う。
受講生の笑顔と気持ちを考えると、複雑な想いが去来する私なのであった。

*   *   *

昨日の時点でまだお箸の持ち方が完全に会得出来ていない人が多かった。
どんなに出汁巻きの奥義を教えても、このお箸の持ち方が不完全だと最初の芯作りでつまづいてしまう。
これは中川さんが最初から口を酸っぱくして言っていることだから、耳にタコが出来ているはず。
ちゃんと出来ていると思っていたという人もいた。う〜ん。
何かが上手く行かない時には、常に基本へ基本へと戻らなければならない。

それを裏付けるように、桂剥きのときの包丁の持ち方と親指の動かし方、出汁巻き玉子のときのお箸の持ち方と親指の動かし方がまったく同じ問題点で引っかかっている人もいた。
立ち方の姿勢が問題の人もいた。
おかしな姿勢の人の側に行くと、必ず問題点があるので、私もそれを指摘し続けてきた。
それは本人に頑張って直してもらうしかないのだ。
1ヵ月間が虚しく過ぎてしまわないために、各人の本気を心から求めたいと思う。

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もし、どこが問題点なのか解らない場合は、質問を!
自分に自信をつけるためにも問題点の克服を!

 
 

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一杯のお吸い物からマクロビオティックの陰陽を感じる

マクロビオティック料理教室 むそう塾 お吸い物

 
 

先日、中川さんが写真のようなお吸い物を作ってくださいました。
美味しくて一度もお椀を手放すことなく、唸りながら飲み干してしまいました。
中はご覧のとおり、焼き色のついた九条葱が1本入っているだけです。
ちゃんと切り込みを入れてあるところがプロの仕事ですねぇ。
ギリギリまで抑えた陽。
だからこそほっこり出来る陰を感じます。

しかし、このお吸い物ですが、外でいただくと実にイマイチなお味のものが多いです。
一番困るのは鰻屋さんのお吸い物でしょうかね。
常々味の濃い仕事をされているので、味覚の基準が濃い方に慣れてしまっているためと思われます。
反対に京料理は一般的に薄味といわれますが、それは後に続くお料理の味を判ってもらうための味付けでもあると思います。
よく中川さんが「単品で美味しいのは駄目、全体のバランスを考えて美味しくしないとね。」というようなことを言われますが、これは他のお料理の味の邪魔をしない程度の味付けということです。

それぞれのお料理がちょっとした引き算で全体の調和が取れるように計算するというのは、京都の文化に根付いているように感じます。
それは京都の庭づくりからも感じることができます。
庭というのは一つだけが自己主張してはいけないのです。どんな銘木であっても銘石であっても、あくまでも全体の中の一部でしかありません。
全体を観るだけでなく、香りや風に揺れる音までも計算に入れて、その部分に美しさを醸しだすように造られています。
それでいてその庭が何を目的としているかの核があるわけです。

この手法はお料理にも通じますが、人間関係にも通じると思いませんか?
ちょっとだけ引き算の立ち位置。
それが絶妙な人間関係につながって、物事がうまく展開していくことを私は多く経験して来ました。
反対に出しゃばり過ぎの人に不快感を感じたこともあります。
相手のためにと思ってした行為が、相手にとってはでしゃばりと感じることもあるでしょう。
ですから人間関係は難しいと言って人間嫌いになる人がいるのですが、そんな人でもマクロビオティックの陰陽を当てはめるととっても上手く行くことが多いですよ。

お料理の味は慣れが支配することも多いですが、慣れだけに甘んじていると体調不良を招くことがあります。
全体のバランスを見れていないからですね。
味の微妙な加減でも、どこまでも繊細に繊細に「感じる」ことに集注して行くと、ちょっとした差を感じることができます。
その集注というのは陽の力なのです。
陰性な状態では集注の力が落ちます。

常々ON OFFの切り替えが出来るようにして、そこに陰陽の考え方を忍ばせれば鬼に金棒です。
面白いでしょ? マクロビオティックって。

 
 

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世界一発酵食品の多い日本ならではの解毒方法

むそう塾幸せコースの人たちは今、食事日記をつけているのですが、結果はおおよその検討がついています。
それはすでにその人たちを望診してしまっているからです。
望診するとその人がそれまでに食べたものや、親世代の食べ物も想像できます。
ですから、ある意味では食事日記はその確認とも言えるものですが、それまでの食べ方を変えて体調を良い方向にもって行こうとするときには、一つひとつを細かく検討した方が良いのです。

まず、今までの例でいうなら、ほとんどの人に発酵食品が不足しています。
中には発酵食品といっても納豆とヨーグルト以外思い浮かばないという人もいました(泣)
味噌・醤油を筆頭格に発酵食品は結構身近にあります。
しかし、日常的に意識していないだけです。

日本は世界一発酵食品の多い国であることはご存知だと思いますが、それがどんな効果をもたらしてくれるのかについては、あまり知らない人も多いことでしょう。
私は息子のアトピーを治す時、散々調べて最後は温泉の力と発酵の力のお世話になりました。
それはアトピーを治すには腸を治さなければ駄目だというところに辿り着いたからです。

その前にマクロビオティックの食べ方を徹底して良くなった時期もありましたが、息子自身が感じるストレスに対する対処方法は困難を極めました。
しかし、ストレスは腸の状態によって強くもなり弱くもなるので、腸の改善に本格的に取り組んだわけです。
その一つが中川式の糠漬けでした。
発酵食品を毎日欠かさず摂るようになって、息子のアトピーは本当に良くなりました。
腸の状態が手に取るように反映される息子の皮膚は、そのまま腸の映し鏡であることを再認識したものでした。

発酵食品のデトックス(解毒)作用は、日常的にも感じることがあると思います。
ちょっと脂っこいお食事をしても、糠漬けを何切れか食べておくと胃もたれせず快調だった経験のある人はいませんか?
それは解毒作用のお陰ですね。
糠漬けといえば胡瓜や茄子を思い浮かべる人が多いでしょうが、フグの卵巣を糠漬けにして、猛毒を発酵の力で無毒化してしまうほどの解毒力があるのです。
これは世界でも珍しい食文化です。

他にもまだまだある発酵食品ですが、その発酵の力は解明されていない部分も含めて未知なる世界のように感じます。
私たちの感じないものを感じ取る微生物のおかげで、私たちは健康というプレゼントをいただいているのでしょう。
せっかくこんなに多種類の発酵食品がありながら、その力に気づかずに生きるのは何とも勿体ない話です。
一人でも多くの方が発酵食品の力を借りて、不調を吹き飛ばしていただけたら嬉しいです。

世界各地の発酵食品やその力を知るために下記の本は参考になりました。

マクロビオティック料理教室 発酵食品4

 
 

マクロビオティック料理教室 発酵食品5

 
 

その中に秋田の「いぶりがっこ」が登場していて、何年も前に秋田にお邪魔した時、きくちゃんのお婆ちゃんが漬けたという「いぶりがっこ」の美味しさを想い出しました。
あんなに美味しいがっこには二度と出会えません。
一生忘れられないほんまもんのお味でした。

マクロビオティック料理教室 発酵食品6

 
 

(発酵食品の魔法の力 小泉武夫 石毛直道編著)

 
 

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日本の出汁の三大神器にみる哲学的感じ(小泉武夫氏の著書より)

発酵食品のことで気になることがあって先日から調べていたのですが、そこに出汁についての記述があって、さすがによく観察されているなあと感心しました。
発酵中の鰹節菌が油脂成分を分解してさらにその分解物を食べてしまう過程に発酵の凄さを感じます。
さらに、次の記述が発酵のみならず食文化の奥深さを感じさせます。

「日本の出汁の三大神器といえば鰹節、昆布、椎茸であるが、この三つの材料からはいずれも油脂が出てこない。質素にして格調高く、上品で肌理の細かい日本の出汁は、日本料理の方向を決定する要因とさえなった。粋や上品さ、淡白さの中にある優雅で奥深い味、油脂をともなわないだけに、哲学的にさえ感じる出汁。そういう出汁を使ったからこそ、この国ならではの精進、懐石、普茶といった侘び寂び料理が誕生したのである。」
(小泉武夫著 発酵食品礼讃より)

 
 

マクロビオティック料理教室 発酵食品3

 
 

マクロビオティック料理教室 発酵食品1

 
 

マクロビオティック料理教室 発酵食品2

 
 

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京料理人が梨の皮をむくと(動画付き)

京料理人中川善博が梨の皮を剥くスピードはこんな感じです。
桂剥きと同じ要領なので、ぜひ真似てみてください。

梨の皮むき むそう塾

(梨の皮むき 料理:陰陽京料理人  中川善博)

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