- - マクロビオティックの真髄~「明治の男ここにあり-序文(1)-」より続く - -
マクロビオティックの語源は十八世紀の頃、ドイツのイエナ大学教授で当時世界的名医といわれていたフーヘラントが「マクロビオティーク」(長命術)を出版、その大体の内容は次のようなものであると、千島喜久男博士がまとめています。
概略は
「人間は自然ならびにその法則に忠実であればあるほど長生きする。
長生きの根本は万事に中庸と精神の旺盛にある。
極端は生命を短縮させ、医薬を用いることは自然的なものを壊し、人為的な病気の発生を助けるとして分析的な肉体医学ではなく、精神の安定、心身の鍛錬、生まれる前からの両親の健全な生活、合理的な育児、青少年の活動と勤勉、幸せな夫婦生活、正しい食生活、病気の予防や治療の根本義を説いたものである。
長寿研究は世界的であるとされるソ連の学者たちもこのフーヘラントの説を支持している。
その他数々の長命術を発表した学者たちの共通の結論は『心身ともに節度を守る』『大自然と人との調和』である」
「マクロビオティックスと民族の興亡」千島喜久男
如一がこの言葉を最初に使ったのは昭和十三年「人間?この未知なるもの」アレキシス・カレル著(一九一二年ノーベル生理医学受賞者)の翻訳(仏文)をした時に「不老長寿法」にマクロビオチックと仮名を打ったものが初めてです。
一九六〇年には如一自身が英文で「ゼン・マクロビオティックス」とタイトルをつけた本を書いてアメリカで出版され、後に和訳されて日本でも販売されています。
マクロはギリシャ語からの造語で大、長、巨大などを表し
ビオは生命、ビオティックは生物の、生命に関する などの意味。
マクロビオティックはフランス語、マクロバイオティックは英語。
マクロビオティックな生き方は大昔から世界の各地で自然に実践されて来たものであり、日本でも先祖代々より伝えられて来た人間の生き方そのものを指します。
近代科学の発達により人々は便利で合理的な新しいものに魅力を感じ、嬉々としているうちに「古きをたずねて新しきを知る」の心を忘れてしまいました。
文章の中に多くの宗教に関する言葉が引用されていますが、心霊的、神秘的なものではなく直観力と判断力、そして巨視的視野で読んでいただければ意味が理解していただけると思います。
今は科学の発展は止まることを知らず、ミクロからナノへ更に微分化されて新製品は次々と出されています。
宗教組織や教育、医療関連の機関は増えていますが凶悪犯罪や病人と病気、保険の種類も比例して増え続けています。
私達は何か大切なものを見失っていることには間違いありません。
この本に書かれている内容の殆どは如一の思想であり言葉です。
また同じ思想で貫かれている様々な宗教の経典、或いは提唱者の言葉を引用させていただきました。
その他は私自身の体験や約三十年弱関わる中で感じたり得たことを組み入れています。
如一の思想は余りにも偉大で膨大で奥深く、私などが文字などで表現することさえ憚かられるものですが、東洋のすばらしい思想や、日本人の先祖が子孫に残してくれた大切な「人としての生きる基本原理」をもう一度見つめなおしてほしいと願っています。
このような素晴らしい偉大な人物が「明治の男」の中に存在していたことも知って欲しいのです。
「みっつめの目」と重複する文章も多々ありますが是非伝えたいことを、掲載させていただきましたのでご了承下さい。
兎龍 都