10月5日から始まった煮物コース。
平日開催にもかかわらず15名の方が受講してくださいました。
これから来年の3月まで、煮物ばかりを習う実力のつく講座です。
煮物といえば材料を切ったり皮を剥いたり包丁仕事が欠かせません。
ですから、最初に包丁砥ぎからスタートして、桂剥きや刻みのチェックをしました。
希望者は10回の桂剥き投稿が出来るのですが、13名の方が希望されました。
すでに中川さんのブログで桂剥き投稿の指導が始まっています。
この投稿のために新しいカテゴリーも用意して記事を掲載しているのをご存知でしたか?
「煮物コース基礎力強化桂剥き」となっています。
今朝もHoさんの桂剥き投稿が掲載されました。
動画も上手に編集してポイントをまとめてありましたね。
その動画を見て、私はHoさんが素手で桂剥きができるようになったことにウルウルしてしまいました。
長い間つらかったですよね。いつかのメールに「私が素手でお料理できる日は来るのでしょうか?」という文章があったことを私は忘れていません。
アトピーの排出の最もひどいときには、誰しも将来への不安が増幅して、夢など描けなくなりますからね。
さて、そのHoさんのために、桂剥き投稿のみならず、技術を習得するための姿勢みたいなことを私から書いてみます。
頭で分かってもなかなか実行出来ないのが現実ですが、まずは頭で理解していないと実行にも移せませんのでね。
あなたは一流大学も出て、堅実な職業もお持ちで、きっと学ぶことにご自分なりの手法があるかもしれません。
しかし、ここで一つ区別をつけてほしいのです。
知識の習得と技術の習得は別物であることに。
技術の習得に必要なのは、いかに自分の癖をなくしてその技術のために自分を合わせられるかが鍵になります。
ですから、まずは無欲になってみましょう。
ただひたすら「大根を左手で包丁の刃に向けて送る」ことだけを考えるのです。
この時に包丁を持つ右手は上下運動しかしません。
下がるときも面圧は解除しません。
右利きであっても右手は左に進みません。
大根は正直にあなたの取った行動どおりに結果を見せてくれます。
次に刻みについて。
刻みには性格がよく表れていますねぇ(笑)
先へ先へ急ごうとするあなたの思考癖がそのまんま出ています。
あなたは内面にものすごい陽性を抱えています。
それは悪いことではなく、あなたの頑張りの源にもなっているので良いのですが、刻みの時にはその陽性が邪魔になります。
ですから、刻みの場面ではその陽性をお休みさせて、ここでも無欲になります。
まるで同じ場所でずっと足踏みしているかのように、なかなか左に進まない刻み方をするのです。
その制御は左手の人差し指と中指の押し返しで出来ますね。
このことは何度も中川さんから指摘されていますが、あなたの内面が制御を忘れてしまうのです。
同じことを指摘されるのってご自分でも悲しいですよね。
頭で分かっているからこそ、よけい悲しくなると思います。
ここを解決するために、ぜひとも無欲になりましょう。
無欲とか足踏みなんて、今の激動社会を生き抜くためにはマイナスだと思われるかもしれませんね。
でも、技術の習得は知識の習得より難しいのです。
我が出ると結果は出せません。
でも、マクロビオティックの陰陽を知っていると、苦境に立たされた時でもそれを乗り越える力が出てきますので、今の場面を陰陽で考えてみましょう。
無欲も足踏みも停滞(陰性)しているようにみえますが、陰性は陽性を生む力を持っています。
ですから、ここは陰陽の力関係を信じて、ただただ無欲と足踏みに甘んじてみましょう。
完全なる陽も完全なる陰もないのですから、時間の経過(陽性)とともに陽性への動きが出てくると思いませんか?
このことが理解できたら、期待感を持って「今するべきこと」が実行出来ると思います。
自分の意志で先に進むことばかりを考えがちな今の時代ですが、あえて自分の意志は最小限に絞っておいて、周りの環境とともに静かに進ませてもらう受け身に見える生き方も悪いものではありません。
その方が進んだ時の安定感が増します。
今回の桂剥き投稿は、あなたの内面を成長させる機会となってくれたら嬉しいなと思っています。
残りの9回を陰陽の視点で取り組んで、新たな世界を切り開いてください。
先日の授業での様子です。
これから刻もうとする大根の並べ方をもっと丁寧にしましょう。
体の重心が後ろに倒れていますので、首を折るようになってしまいます。
頚椎に負荷をかけますので、体の重心をかかとから足の親指に移動させましょう。
目的に向かって少し陽性な姿勢が最も疲れませんが、陽性になりすぎても疲れます。
写真の状態は少し陰性な姿勢ですね。
マクロビオティックの食べ方と同じだと思いませんか?