けさ、塾生さんと電話で話す機会があった。
授業の欠席についてだが、授業を欠席することは諦めであり、陰性だと思っていた。
だから、無理してでも出席したいと考えておられた。
しかし、幼子を2人と、足元がおぼつかないお年寄りを連れての4人旅になる。
その状態で往復しても、食べに来るだけになるだろう。
往復の新幹線代のことを考えても、あまりおすすめではない。
もちろん、食べて味を知るだけでも貴重なことだし、目の前で繰り広げられる「中川式」の作り方を知ることは、本当に重要だ。
だからこそ、むそう塾はオンラインではなく、京都まで通ってもらっている。
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子育てを経験したことのある人なら、誰しもあると思うのだが、子連れで外出すると、うっかり忘れ物をすることがある。
それは、子どもの安全確保のために全神経が行っていて、その他のことに注意力が及んでいないからである。
その状態をマクロビオティックでは、「陰性」と判断する。
子どもに関しては氣を集中しているので「陽性」なのだが、他のことには氣が散漫で「陰性」になっているのである。
だから、忘れ物をする。
大抵の場合、子どもを忘れる人はいない。
それほど、子どもには全神経を集中するものだ。
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ここで陰陽の考え方を。
確かに諦めることは陰性だが、何が原因で出席を諦めるかである。
たとえば、子どもの運動会で授業を欠席する場合がある。
卒園式で授業を欠席する場合がある。
それは諦めではなく、授業より大事だと思ったから「決断」したのである。
しかし、こういう塾生さんがいた。
運動会には気持ちをいっぱい込めてお弁当を作った。
パパにそれを託して、ママは授業に出席した。
帰ってから話が盛り上がって、運動会に行かなかったことが何も影響しなかった。
月に1回の授業に照準をあてて、残りの日々を準備や根回しに使えているか?
大事な時に居なくても文句が出ないように、人間関係を調整できているか?
ここがポイントだ。
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【決断と諦め】
決断は諦めとは違う。
決断するには陽性の力がいる。
ズルズルと感情論や、常識と思われているものに惑わされて決断できないのが陰性だ。
だから、もっと陽性なら、子どももお年寄りも誰かに託せる環境を作って、単身で出席する。
すべては準備だ。
準備や根回しがうまくできる人は陽性だ。
土壇場になって右往左往するのが陰性。
準備はお料理でも同じだ。
きちんと準備されていれば、お料理も短時間で美味しくできる。
途中であたふたすることがない。
人生を陽性に生きるということは、時間を無駄にしないということだ。
悩んだり、迷ったりする時間を極力減らせたら、反対に使える時間を生み出せる。
よく人生を川の流れにたとえる人がいるが、それは「淀みがない」ということに尽きる。
その淀みは陰性であり、言葉をかえれば「決断のあやまり」が引き起こしている場合もある。
そんな時は新しい決断をして、さっさとその環境から抜け出ることだ。
陰陽で考えたら問題点が明確になって、解決に至ることが多い。
そんな陰陽人生は案外面白い。
私がむそう塾でお伝えしたいのはこれだ。
(教室の掛花 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)