久しぶりに一人で温泉に行き、日常を離れて自由な時間を過ごした。
環境が変わると、考えも変わる。
ご一緒に自由な小径の散歩に、おつき合いいただけたら、嬉しい。
私がマクロビオティックの世界に入ってから、一番変わったこと。
それは、不安がなくなったことだ。
勿論、肉体面での変化も数多くあるが、今回は精神面のみに絞ってみたい。
現代は情報化社会といわれ、情報に遅れまいとする企業や個人がいっぱいだ。
確かに情報は、莫大な利益をもたらすものもあるので、無視できない側面はあるが、
受け手が疲弊していては、プラスの情報もマイナスに作用するだろう。
マクロビオティックを実践していると、情報に踊らされない断固たる意志が育つ。
その結果として不安がなくなるので、私も夫も生命保険を全部解約した。
マクロビオティックを始めて1年目のことだった。
今は、テレビや新聞、雑誌、インターネットの果てまで、広告がついてくる。
広告の狙いは“刷り込み効果”だが、これが曲者だ。限りなく“不安”をたれ流す。
不安は悪い波動となって、私達に追い討ちをかける。
息子(17歳)は、学校ですら情報発信基地と捉えているふしがある。
学校の授業科目は、自分が知りたい情報ではないらしい。
そのうえ、厳しい校則があって、刑務所に通学している心理状態らしい。
それで、放課後は自分の趣味に没頭しているのだが、いずれケイムショから
ドロップアウトする日が来るかも知れない。
その時は、今までの労をねぎらって、“好きな情報を求めて生きてごらん”と
送り出してやりたい。
* * * * * *
最近、風呂敷をとても愛する初々しい青年に出会った。
正確には2年半前に一度会っているのだが、その時には、“ちょっと変わった青年”
ぐらいの印象だった。
しかし、その後の私の感覚に変化があったのか、今回は、彼がとてつもなくスケール
の大きい人間で、日本人の原点を改めて教えてくれることに気がついた。
彼は、現代の日本人が忘れかけている日本の文化を、新しい感覚で世界に広めよ
うとしている。
では、日本の文化って何だったのだろうか?
大きな見方をすれば、“和”だと思う。
そもそも日本は昔、“大和”と呼ばれていたではないか。
浅学の私には、なぜ大和なのか解らないが、穀物を口にすると和むことを、先人は
知っていたとしか思えない。
こう考えると、漢字も本当に素晴らしい。
この漢字文化を持つ人種は、きっと“平和”を理解できる人間だと信じたい。
最近、若い歌手の中に、日本語を大切に扱う人が出てきた。嬉しい。
日本人が戦後を経て、真の日本人として成長し、地に足をつけた若者が登場して
来たことは、時代の要請だと思う。
また、彼らには、情報に毒されない独自の世界観を感じ、頼もしい。
* * * * * *
風呂敷は、どんな形の物も難なく包む。
少しぐらい大きくたって、自在に変化できる。
折りたたんで持参すれば、色々な使い方ができる。
これは、日本人の素晴らしさそのものではないか。
世界の各地で紛争が止まない現代、今こそ日本人が“和”を引っさげて登場する
時ではないだろうか。
風呂敷の中に、世界中をスポッと入れて、包み込んだらいい。
マクロビオティックを始めてから、爽やかな若者に出会うことが多くなった。
嫌悪感を感じる巷の若者とは、まったく異質のタイプだ。
彼らに共通しているのは、“玄米”を食べていることであり、その延長線上で日常を
見つめていることだ。
今、確実にこういった若者が増えつつある。
不安な情報が飛び交う現代にあって、彼らの存在は私達の世代にも希望を与えて
くれる。
爽やかな若者たちよ、互いに平和のために手を携えよう。