過去に開催した糠漬け講座・幸せコースでの糠漬け講座・糠漬けクイック講座のすべてについて言えることですが、糠漬けというものを正しく把握していない人があまりにも多くて、頭を抱えています。
先日中川式糠床の宅配をしましたが、それに関する質問メールが寄せられて来る度に、「ああ、根本的なことを理解されていないんだなぁ」と悲しくなります。
中川式糠漬けの前に立ちはだかる敵は、何を隠そう「冷蔵庫過信」や「漬け物の理解不足」だと感じます。
つまり冷蔵庫の功罪のうち罪の部分が大きく表れているのです。
そもそも漬け物は冷蔵庫がない頃の塩蔵方法でした。
それが時の経過と共に発酵して、発酵することにより旨味も加わった漬け物が誕生したわけです。
ですから漬け物と冷蔵庫は切り離して考える必要があります。
今は一家に一台必ず冷蔵庫があって、何でもかんでも冷蔵庫に入れる癖がついています。
冷蔵庫に入れなくて良い食品まで深く考えずに入れてしまう人が多いです。
一つはそのものが作られる工程を知らないので、とりあえずの安心のために冷蔵庫に入れてしまうのでしょう。
つまり、冷蔵庫を必要とする食品が多く流通しているので、なんでも冷蔵庫に入れることが当たり前の日常になっているのです。
そんな時代に本物の作り方で冷蔵庫を必要としない作り方をお伝えしても、なかなか頭が切り替わらないのかも知れません。
きょうも先日宅配された糠床の一部を冷蔵庫に保管していた人からの質問メールがありました。
クイック講座で目の前であれほどお伝えしたのに、保存は冷蔵庫と安易に思ってしまったのでしょう。
覚え書きをしっかり読み込んでくださったら、決してこのようなことはないのに、伝えることの難しさを痛感します。
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また糠漬けは発酵させて漬けるものですが、その前に塩蔵が出来ていることが必要になります。
塩蔵ができていなまま発酵させようとしても腐るだけです。
塩足らずの人はまずここで問題が起こります。
多くの人が瑠璃茄子まで辿りつけないのは、この発酵がうまく行っていないからです。
では、どんな条件の時に発酵が進むのか?
これが一番把握して欲しいところです。
この時に温度と酸素が関係します。
中川式糠床の宅配は、皆さんが最も失敗する発酵のところまでを、十分すぎるほど発酵・熟成させて、その上に旨味まで引き出してから濃厚な味に仕上げてお届けしています。
ですから、後は温度と酸素のコントロールをすれば良いだけなのです。
時々足し塩・足し糠をして水分調整も併せてするだけで、あの美味しい瑠璃茄子も漬かるのです。
なお、水分のコントロールは酸素のコントロールにもつながることを確認しておきましょう。
この点をきちんと把握していない人は瑠璃茄子は漬かりません。
もう一度ご自分の認識を確認して下さい。
そして美味しい糠漬けでこの夏を楽しく快適にお過ごしください。
すでに瑠璃茄子が漬けられるレベルの人に、中川さんが重要なアドバイスをされています。
こちらでもご紹介しておきますので、何度もこの文章の意味することを反芻してほしいと思います。
糠床を弱らせないように、発酵を促しながら毎日食べるだけ漬ける。
このライフサイクルが重要です。
この「息」をつかんでしまえばまるで永久機関のように永遠に美味しいのではないかと思うくらいの糠床で居ることができます。
そこに至るまでには「我」や「欲」、勘違いや思い違い、氣の悪さ、その他いろんな「ダメになる要素」があります。
それを1つでも多く排除していくことが瑠璃茄子への道なのかもしれませんね。
<お知らせ>
万が一のために中川さんのところでは大樽でバックアップ用の糠床をキープしております。
ご希望の方はご相談下さい。