マクロビオティックの指導現場からシリーズ」カテゴリーアーカイブ

マクロビオティック京料理教室 むそう塾での学び方 塾生さんの体験より

スポーツでもダンスでも何かを習う時には、まず教えてくれる人の模倣から入ります。
模倣するには、教えてくれる人と自分の違いを知らなければなりません。
お料理でもそれは同じことなのですが、多くの人はそういう認識を持っていないようです。

でも、むそう塾ではプロがギリギリのところまで突き詰めたお料理方法を伝授するので、まずは教わったとおりに復習するのがベストなのですが、これがなかなか実行出来ない人が多いです。

そこには面倒くさいとか、恥ずかしいとか、大体できればいいじゃないとか、そんなに細かくやらなくてもとか、とにかく自分が負担に感じることをしたくない人が多いのです。
でも、美味しいお料理を作るためには、最低限身につけてほしい技術があります。
そして、自分の体を守るためにも、疲れないように、あるいは怪我をしないようにするための姿勢があります。

それを最初に教えるのですが、人間は自分の癖を直すのは本当に難しいらしくて、なかなか本気になってくれません。
でも過去には、左利きなのに右手で包丁を持つ練習をしたり、お箸を持ったりして、上手に使えるようになった先輩がいました。

外国では左利きも個性として直されないようですが、日本料理の世界では左利きの人は苦労されるようです。
繊細な仕事が多いので、どうしてもその時に違和感が出てしまうことがあるのだそうです。

習い事一般に関してそうですが、姿勢というのはとても重要です。
目的に合わせた姿勢というのがあって、その姿勢次第で結果が変わってきます。
お料理は繊細な世界ですから、手仕事の姿勢を見ただけでその人の腕がわかるほどです。

*   *   *

むそう塾はプロを育てる所ではありませんが、レベルはプロと同じことを家庭で使う道具に合わせて教えています。
お料理の味もプロレベルです。
ですから、当然その技術の習得は簡単なものではありません。
練習が必要です。

でも、むそう塾にはお料理を苦手とする人が沢山集まっていますので、その人たちの目的を叶えてあげなくてはなりません。
ですから、少しでも上達してくれるように日夜フォローを続けています。

そのうちに練習が楽しくなって伸びて行く人もいますし、練習は嫌いだけど美味しいものは食べたいという人たち、そこそこ練習はするけどこれまでより断然美味しいからこれでいいやと思う人など様々です。

でもね、それでもいいのです。
お料理方法や使う調味料が違うだけでも、今までのお料理より何倍も美味しくなっているはずですし、ご家族の反応も良くなっているはずですから。

どのへんを目指すかは習う人の自由です。
ただ、他の料理教室と違うのは、本人のやる気次第でプロのレベルまで到達することが可能な料理教室だということです。
プロの練習は厳しいものですから、決してそれを強要するものではありませんが、本人が求めればどこまでも指導する用意があります。

一般的には調理師の資格が取れる学校がありますが、そこで教えた経験を持つ中川さんは、「この方法では上達しないな」と思ったそうです。
多くの弟子を育てた経験もあるので、苦手な技術というのも知り抜いています。
それでむそう塾を始める時には、少人数でマンツーマンというスタイルにしたのでした。

あとは本人のやる気次第です。

*   *   *

そんなむそう塾で一番技術的に難しいお料理を教えるのが「秘伝コース」ですが、その復習投稿をされた晴さんの例をご紹介しましょう。
5月の授業は鰹をおろしてお刺身を作ることでした。

5月30日の朝の復習投稿ですでに合格されていた晴さんですが、その時の指導をもとにもう一度復習投稿されました。
それが素晴らしい練習内容だったので、ここで記事にさせていただきます。

【5月30日 朝の復習投稿】
<中川善博より>
上手に出来ています。  ギュッと陽性な盛り付けができていますね。 合格です
はたしてこの1皿の盛り付けを何秒で盛れたでしょう? 測りましたか?
必ず計時するか、iPhoneで動画を撮っておきましょう。
おろしが隙間埋めのように貼り付けられているのが気になります。
おろしの重心点、手前の曲げた2切れの重心点、奥の台盛りの重心点を見抜いて盛りましょう。

<晴さんより>
中川さん、こんにちは。
ご指導ありがとうございます。

はい。
やっていくうちに盛り付けの理解不足がどんどん分かってきて、
こわごわ牛のように盛り付けをしました。
おろしは、手前の隙間が気になって埋めてしまいました。

盛り付けの基本を、表現を変えて何度も教えていただいて、
今回もはっと思うことがありました。
ありがとうございます。

*   *   *

【5月30日 夜の復習投稿】
<中川善博より>
ぐっと良くなりましたね。 私の言うことがやっと伝わったと感じます。
疾走感もキレも表現するには「速度」がいるのもわかってくれましたね。
あらためて 合格とします

<晴さんより>
中川さん

たくさんのご指導をありがとうございました。
合格がいただけたかどうかに関係なく、やっと自分の中で納得ができました。

お造りの盛りは難しいと思うと、どんどん考えながら盛り付けてしまっており、
とにかく速さを意識して作って盛ってみただけで、こんなに表情が変わって
驚きました。

中川さんのおっしゃられる通りに、動画を撮って練習してみて、
自分を知り、投稿のためではなく本当の練習ができたと思います。
動画を見るのは怖いし、ひと手間かかることを億劫がって今まできたのですが、
中川さんが常々おっしゃられていることすべて、自分に当てはまっていて、
自分の上達の機会を逃してきました。
どんなに牛でも、台所が片付いていなくても、とにかく動画を撮って、
中川さんに診ていただきたいと思います。
これからもご指導よろしくお願い致します。

合格をありがとうございます! 嬉しいです!

*   *   *

晴さんはメールとは別に、中川さんにiMessageで動画を送っていました。
練習内容を判断してもらうためです。
これが前回の指導を踏まえた練習ということですね。
晴さんの許可を得ましたので、動画を載せておきましょう。
(この記事のために、わざわざYouTubeにアップし直してくれました。)

【鰹のたたき 背身平造り】

【鰹のたたき 腹身平造り】

【鰹のたたき 盛付け】

*   *   *

いかがでしたか?
5月31日の投稿に寄せられた晴さんのコメントが素晴らしい内容ですね。
今までの成長を阻んでいたものを払拭するべく、動画を撮って自分の練習している姿を中川さんに送ったのです。
たった数分の動画であっても、指導してもらうべき情報が正しく伝えられています。
これが中川さんがいつも口を酸っぱくして伝えている効率的な練習方法なのです。

ところで、晴さんにこの動画をブログの記事に使わせてもらえないかどうかお伺いしたところ、次のようなお返事をいただきました。

とても恥ずかしいですが、動画も恥ずかしいですが、これも私の今の姿なので、よろしければなんでも使っていただきたいです。
今までも、先輩方や皆さんが動画を提供して下さるおかげで、勉強させていただくことができています。
少しでもご恩をお返しすることができるのでしたら、嬉しいです。
よろしくお願い致します。

ありがたいですね。
こうしてこの動画がどなたかの参考になって、あるいはやる気を引き出してくれるかもしれません。
先輩から後輩に、むそう塾の理想的な練習風景が伝わるといいなと思います。

ちなみに、むそう塾でお料理がとても上達した麗可さんは、恥をかなぐり捨てて中川さんに食らいついて行きました。
何秒かの動画でも良いから中川さんに送って、YESかNOかの返事をもらうだけでも無駄な練習が省けます。
こうしてお互いの時間を有効に使って、お料理上手な人になってもらえたら嬉しいです。

 
 
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嬉しかった「中川式カレー講座 第2弾」のご感想

5月25日は「中川式カレー講座 第2弾」を開催したのですが、そのご感想でとても嬉しいコメントがありました。

 
 

きりんさんのコメントより> 抜粋

中川さん 美風さん

カレー講座第2弾、ありがとうございました。
第1弾のカレーとはまた違うカレーの香りや味に唸りました。
お土産にいただいたカレーを食べた夫は、
「中川さんのカレー5種類をローテーションしてくれたら、365日カレーでもいいよ」
なんて言ってました。
母にももちろん好評でした。

大切に作りたいお料理がまた増え、それを美味しいねと言いながら、食べる時間が
あることが嬉しいなと思います。ありがとうございます。

*   *   *

嬉しいですねぇ。
ご主人様のご感想が素敵すぎます!
確かに5種類がそれぞれの持ち味で、中川さんの開発魂が大活躍した作り方だったのです。
試作会の時に作り方を見ていると、私は最終地点の味がまだわからないので、普通とは違うその料理方法がピンと来ないのですが、完成していざ試食してみると、その舌触りにビックリしたものでした。

最初に目指す味があって、そこに向かって料理方法を選んでいくやり方は、やはり素人では思いつかない方法だなあと思ったものでした。

「中川式カレー講座 第2弾」は、まだ2回開催予定がありますので、これから受講なさる方もどうぞお楽しみに♪

 
 

(シーフードカレー 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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胃の弱い私でも胃が痛くならない陰陽カレー

今日は「中川式カレー講座 第2弾」を開催しました。
第1弾がとても好評で、第2弾の要望が多かったため、開催に至ったものです。

私はカレーを食べると胃がクシューと痛くなるのですが、中川さんの作るカレーは第1弾の時から胃が痛くならなかったのです。
これがとても不思議だったのですが、今回は午前11時過ぎから午後5時近くまで3回もカレーを食べたのに、未だに平気です。

昨夜の夜8時頃に夕食を食べてから、ずーっと何も食べず、15時間ぶりに空っぽの胃袋にカレーが入ったというのに、いつもと同じく胃の存在を忘れるほど快調です。
これには驚きです。

中川さんの話によると、どうやらスパイスの使い方が体に優しいらしいのです。
一番大事な毒消しもされているため、か弱い私の胃袋でも平気なのでした。
こんなことを可能にするマクロビオティックの陰陽って、やっぱり凄いです。

ところで、三種類のカレーはそれぞれに陰陽度が違うのですが、写真のキーマカレーは軽い感じが好評でした。
では、なぜそう感じるのか?
そこを陰陽で話し合いながら、プチ座学にもなった一日でした。

 
 

(キーマカレー 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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製造方法がよいことと美味しいことは違う現実 塩分に注意

ネットや本を参考に新しいお料理を作る人が多いと思いますが、そこに書かれている調味料と自宅で使う調味料がまったく同じでないと、参考にしたお料理と同じお料理はできません。
それほど調味料はお料理の味を左右します。

私はマクロビオティックを知る前に、かなりこだわって選んだ調味料を使っていたのですが、マクロビオティックの指導校に通うようになって、そこで使っている調味料に変えました。
何年もその調味料を使っていたのですが、だんだんその陽性さがつらくなって、むそう塾を始める時にほとんど変えました。

つまり、あまり陽性の強くないものにしたのです。
中にはマクロビオティックを知る前の調味料に戻ったものもあります。
陰陽的にも、製造方法的にも問題がなかったからです。

幸せコースの授業で、自宅で使われている調味料を味見したところ、塾生さんがまさに「食べたもののように」なっているので、こちらも学びになりました。
総じて塩分のきつい調味料をお選びでした。

中には手作り味噌を持参された人も何人かいましたが、合格したのはたった1名でした。
むそう塾が始まって11年の間に、合格したのはたった3名なので、手作り味噌のハードルの厳しさを感じます。
ポイントは発酵ですね。発酵が味を決めるのです。
餅は餅屋に、これがむそう塾の結論です。

*   *   *

なぜそんなに調味料を厳しく選ぶかと言うと、健康に対してはもちろんですが、お料理の仕上がりをまろやかにしたいからです。
まろやかに仕上がると体に負担をかけないので、結果として健康につながります。

お醤油やお味噌は当然のことながらお塩を使いますが、自然食品店で扱っている商品には塩辛いものが多くて、結果として塩分過多になってしまう場合があります。
自然食品店=美味しい=健康と言い切れない商品もあるのです。

塩分過多になると、お料理の美味しさが半減するだけでなく、どうしても甘いものがほしくなったり、水分がほしくなったりします。
それが体の反応なのです。

ですから、むそう塾ではお料理を美味しくする以上の塩分は摂りたくないのです。
胡麻塩もしかりです。

塩分の摂りすぎは様々な不調の原因になります。
つい食べすぎてしまう、生理が止まったまま、冷え性になった、便秘になったなども強すぎる塩分が影響している場合があります。

マクロビオティックの大先輩でも、塩分で失敗している人はたくさんおられます。
ですから、同じ過ちを犯さないためにも、正常な体の反応を大切にするべく、調味料の塩分濃度を細かくチェックしているのです。

 
 

(教室の掛花 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ, 食べたもののようになる, からだ | 4件のコメント

素人でも簡単に作れるようにしたオムライス講座

5月6日にオムライス講座を開催して、その美味しさに感動されていますが、まだ6月と7月に4回の開催を控えています。
なぜか人気のあるオムライスですが、一般的にその作り方は難しいのです。
プロがフライパンの柄をトントン叩く仕草を見かけた人も多いかと思います。

でも、むそう塾では、プロのような難しい技術を使わなくても美味しく作れるお料理を教えているので、オムライスの講座のために開発した技術を伝授しました。

最初は「え〜?」とか「お〜!」とか言っていた塾生さんが、最後にはお弁当箱にも入れられるようになって、その方法に唸ったものです。
今も、よく考えられているなあと感心します。

でも、よく考えると、それは陰陽で考えれば納得の行くことでした。
だから成功したのね!

こういうことが世の中にはたくさんあるのだと思います。
いつも研究心をもっていれば、それまでの技術を変えることも、新しいものを生み出すことも可能ですね。

不可能を可能にできる力。
それがマクロビオティックの陰陽を理解すると出てくると思っています。

むそう塾はがんじがらめの不自由なマクロビオティックではなく、将来に向かって希望の持てるマクロビオティックとして、陰陽をしっかり活かせる練習の場として使ってほしいなあ。
お料理はその陰陽を確認する作業の一つにほかならないのだから。

 
 

(中川式オムライス 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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