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【世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事】津川友介著

先程ちりめんじゃこを使ったお料理でお食事をしました。
上乾のちりめんじゃこは美味しくて、海の幸をいただけることに感謝の気持ちが湧き上がってきます。
そこには私とマクロビオティックの歩みがあるからです。
昔の私は、ちりめんじゃこ1匹も食べない食生活がマクロビオティックだと思って、せっせと動物性にサヨナラする食べ方をしていたからです。

それで体調不良になるわけでもなく、むしろ快適でした。
ただ、痩せ過ぎて体重が40kgを切りそうになったときには、お洋服を選ぶのに困りました。
女性特有の柔らかさが減っていき、陽性になりすぎるのも考えものだなぁと思い始めたものです。
え? 動物性を食べないのに陽性になるの?
マクロビオティックを始めたばかりの人は、そんなふうに思われるかもしれませんね。

はい、なるんですよ。
植物性でも陽性な食べ方をすれば陽性になります。
でも、女性はちょっと脂肪があったほうが柔らかさを感じられていいかなと思います。

*   *   *

そんなことを感じながら、日々むそう塾生の皆さんと、「食べたもののようになる」現実を直視していますが、そのことを周りの人が理解してくれるかというと、そうは簡単にいきません。
マクロビオティックなんて知らないし、仮に説明しても宗教だろうと怪しまれるし、西洋医学に頼り切っている人たちには寝言のように聞こえるかもしれません。

でも、時代は徐々に食べ物と病気の関係に気づき始めました。
そして、色々な角度から食べ物の力を評価するようになってきました。
そんな今は、エビデンス流行りですが、ここまで来たらいっそのこと、エビデンスからマクロビオティックを再考するのも面白いです。

【世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事】津川友介著

この本の内容は、マクロビオティックをしている人ならすでに理解していることがほとんどなのですが、それをエビデンスとして書かれていると、マクロビオティックを知らない人や嫌っている人にも説得力があります。
あなたの周りにいらっしゃる人の健康のために、エビデンスの視点から「食べたもののようになる」ことを理解してもらえたらいいですね。

ただし、お食事というのはエビデンスだけで満足できるものではありません。
いかに美味しく感じてもらえるか、いかに体調にピッタリのお料理を作れるか、そこには技術も伴います。
頭では知識として理解できても、実際に口に運ぶものから幸せを生み出せるか?
そこが現実問題として立ちはだかります。

むそう塾は、この本の内容をしっかり理解した上で、10年間に及ぶ結果を出して来ました。
塾生さんと二人三脚で出した答えは、むそう塾のエビデンスとして後輩に受け継がれて行くことでしょう。

 
 

(世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事)津川友介著

 
 

(世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事)津川友介著

 
 

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和の原理を未来へとつなぐ マクロビオティックという箱舟

2002年頃からオレンジページでマクロビオティックが特集を組まれて、次々と本が出版されました。
婦人誌や健康雑誌にもマクロビオティックの文字が踊って、ちょっとしたブームになりました。
でも、それとともにマクロビオティックの誤解も起こり始めたのです。
これは当初から予想されていたことで、急に拡がる時には必ずそういう負の面も発生することを、陰陽を知っている人たちは危惧したものです。

それから少し静かになって、もう下火になったのかなぁと思っていたら、先日私の第二の師匠がveggyという雑誌に原稿を書いているとのことで、早速veggy(vol.57)を読んでみました。
表紙には「人生がなごむ  マクロビオティック」となっています。

 
 

veggy(vol.57)

 
 

veggy(vol.57)目次(一部)

 
 

こんなにもページ数があるのですが、この本の編集者・発行人が某協会の名誉理事長さんなので、その関係でマクロビオティックを取り上げているのだなと判りました。
この某協会は資格と結びつけて手広く全国展開している団体で、むそう塾とは対極にありますね。
いつも思うのですが、本というのは一方通行なので、読者がどのように解釈するかは別問題です。
どうかレシピだけでなく、哲学部分が正しく伝わりますように。

*   *   *

【和の原理を未来へとつなぐ マクロビオティックという箱舟】
文/高桑智雄(桜沢如一資料室・室長)

 
 

“人間中心主義”と“自然中心主義”の説明がとても解りやすく書かれていて、ヨーロッパと日本の食べ物の違いから来る“肉食の思想”と“和食の思想”が、深い意味において納得出来るものでした。
高桑氏の書かれた記事は4ページに亘る内容なのですが、どのページも含蓄のある文章で綴られています。
2か所だけご紹介しましょう。

ー引用開始ー

また、桜沢の戦後の世界戦略は、もう一つの大切な理由がありました。それは、敗戦でアメリカに占領統治される日本の食文化の一層の欧米化を食い止めることはできないとして、“和食の思想”が詰まったマクロビオティックという箱舟を海外に持ち出すことによって、陰陽が引き合い逆輸入という形で再び日本人が自国の精神を取り戻せるチャンスを作ることでもあったのです。(44P)

桜沢如一がマクロビオティックに込めた精神とは、物事を善か悪か、正解か不正解か、勝か負か、肯定か否定かという分断的二分法で対立するのではなく、全てを陰と陽にとらえて、その調和を見出すことにあったのです。そしてその精神を世界の誰しもが日々営む食生活の中で実現するならば、世界は必ず平和になるであろうと確信していたのです。(45P)

ー終わりー

 
 
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【糖尿病ならすぐに「これ」を食べなさい! レシピ】 マグネシウムの多いお料理

もしかしたらあなたのご家族にも、あなたのご近所にも糖尿病の人がいらっしゃるかもしれませんね。
それほど今は糖尿病の人が増えて来ました。1型2型を含めて。
私の親戚にもいますし、近所にも何人もいます。
そして、糖尿病から合併症を発症して亡くなった人もいました。

私は医者ではありませんから、糖尿病を治すなんてことは言えませんが、糖尿病には食べ物の影響がとても大きいのは間違いありません。
しかし、病院での食事指導はまだまだ十分ではなく、もっと改善できるところがたくさんあるように感じています。

でも、糖尿病になると、多くの人は病院に行き、お医者様の指導に従うので、食べ物のことをそんなに重要だと思っていない人がいてビックリすることがあります。
中には、「なんでも好きなように食べていい。血糖値をちゃんと計って、高かったらインスリンの注射をすればいい。」と指導されている人もいて、こちらが唖然としてしまう話がゴロゴロあります。

*   *   *

マクロビオティックでは、食べ物と体調、食べ物と病気の関係をつぶさに観察しますが、私が知る限りの糖尿病患者のかたは、やはり糖尿病になりそうな食生活を送られている人が多いです。
若いうちは代謝がよい体も、年齢が上がるにつれて代謝力が劣ってくるため、若い時と同じような食生活をしていたら、体調が思わしくなるのは当然です。

マクロビオティックの陰陽を考えた食べ方は、それが食習慣の改善になるため、とても良い結果が出る場合が多いので、私はいつも食べ物って大事だなあと思っているところです。
でも、今までまったく食べ物のことなんか気にしないで、お腹いっぱい食べて満足されていた殿方たちには、急にあれこれお食事内容の細かいことをいっても、なかなか真剣に実行してくれないのが現実です。

しかし、男性は理論的に説明してあげると、案外コトッと納得してくれる人も多いので、そんな時には次のような本を見せるのも良いのではないでしょうか。
【糖尿病ならすぐに「これ」を食べなさい!】
簡単に書かれているのですが、そのくらいの方が男性には良いのです。
下にご紹介した本はそのレシピ版です。
この本に登場するお料理はマクロビオティック料理とは無縁ですが、「このような食材を口にすればいいんだな」という程度に参考にされたらよいと思います。

マクロビオティックを知っている人なら、それからもう一段、陰陽で考えてお料理方法や食材を再考しましょう。
一番簡単なのは、主食を玄米に変えるだけでも大きく変化してきます。
主食というのは毎日摂るものなので、効果が大きいわけですね。
それから細かなおかずに手をつけて行きましょう。

あ、そうそう。
お若くても代謝の悪い人がたくさんいますね。
体が冷えていたり、体を動かすことが少なかったり、ストレスがたくさんあったり、冷房が直接肌に当たる服装をしていたりすると、代謝を下げてしまいますので、普段から注意しましょう。

*   *   *

【糖尿病ならすぐに「これ」を食べなさい! レシピ】
 監修:東京慈恵会医科大学教授 横田邦信

実はマクロビオティックでも「ミネラル」として、このマグネシウムをとても大事に考えています。
ミネラルは必要な量は少ないのですが、人の体の中では作ることができないので、食べ物からとる必要があるからです。

でも、今は食生活によってはこのミネラルが不足していて、そのために体調の悪い人がとても多くなっていますので、特に甘いものがお好きな人はミネラルを意識した食べ方をしましょう。

 
 
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「空が青いから白をえらんだのです」より

「おかあさん?」 102Pより

あ、だれかくる
おんなのひとだ!
だれかの おかあさんかな?
もしかして・・・・・ぼくのおかあさん?

きれいなひとだなぁ
ぼくのおかあさんも きれいかな
しごとは なにをしているのかな
やさしくて ふわふわなのかな

どんなこえかな
ぼくに にてるのかな

でも・・・・・

どんなかおしてても
ふとってても
いじわるでも
はたらいていなくても
ゴツゴツしていても
おとこみたいなこえでも
おかあさんは おかあさん

いちどでもいいから
かおをみせてよ おかあさん
だきしめてよ おかあさん
いちどでもいいから
ぼくのなまえを よんでよ おかあさん

そしたら
ぼくから つたえたいことがあるんだ
「うんでくれて ありがとう」

*   *   *

「いつも いつでも やさしくて」 115Pより

ぼくが泣いて帰ってきたときも
怪我をして帰ってきたときも

いつも いつでも やさしくて

ぼくが初めてウルセーって言ったときも
初めて学校で問題を起こしたときも

いつも いつでも やさしくて

ぼくが落ちこんでいるときも
反抗したときも

いつも いつでも やさしくて

そんなやさしい母さんだから
ぼくもやさしくしようっていう気持ちになる

でも ぼくのなかには「俺」がいて
そんな「俺」は時々
なにかに当りちらして
ブツかって生きたかったんだ
でも

あなたは いつも いつでも やさしくて

だから本気で ブツかれなくて
だから本気で わがまま言えなくて
だから本気で さびしくて

やさしさで包んでくれる母の愛
ぼくはしあわせだけど
その「愛」が「やさしさ」が
ぼくのなかの「俺」を不自由にする

「俺」を母さんのまえで自由にして
本気で手足をバタバタさせたい
いつも いつでも

でも 少しも母さんに迷惑かけたくないんだ
そう そのやさしさの前では

いつも いつでも やさしくて

*   *   *

「空白」 130Pより

離婚 親が勝手に決める人生
ぼくらを置いて家を出るとき
母は どんな気持ちだったのか
さみしかったのか 悲しかったのか
それとも 肩の荷をおろして 楽になったのか

母が 家を出て三ヶ月後
父が 交通事故で亡くなった
兄弟三人とおばあちゃんとの暮らし

弁当は自分で作る
だから 開けても楽しみがない
「おかん またきゅうり入れとるわ」
そんなこと いっぺん言ってみたかった

夜遅く帰ってきても
友だちを呼んでも 怒る人もいない
楽だと思ったけど ほんとはしんどかった

二十歳の時 母から連絡があった
母は 旅館で働いていた
十年ぶりに 会うことになった
どんな顔しよ なにしゃべろ
でも 会ったらふしぎと言葉も出て
いつのまにか 笑顔で話していた

いっしょに住むことになって
母は 仕事に行くぼくに 弁当を作ってくれた
通勤途中で そっと開けてみたら
たまご焼き 唐揚げ ウインナ
ぼくの好きなものばかり
離れていても 知っててくれたんや
子どもの好きなもん

これから毎日 十年分の空白を
弁当箱に詰めていきます

*   *   *

 
 

空が青いから白をえらんだのです 寮美千子編)

奈良少年刑務所で行われていた受刑者教育の「社会性涵養プログラム」。
この中で書かれた詩がとても心を打ちます。

子育てをしている人は、できるだけ子どもの気持ちに寄り添おうとしていると思いますが、それでも想像でしかありません。
当事者である子どもたちは、本当はどんな気持ちを持っている(た)のだろう?

厳しいだけでもいけないし、やさしいだけでも真綿で心を締めるように子どもを苦しめるようになる・・・。
子育てって難しいですね。

今子どもと普通に会話をしていても、お互いにもっと理解し合える余地が残されているように感じました。

 
 
カテゴリー: 子育て・野口整体・アトピー, こころ・想い, 本の紹介 | 5件のコメント

「美しい刑務所」水が器に従うように、人の心も建物に左右される。

 
 

美しい刑務所 写真:上條道夫 文:寮美千子)

前に刑務所がホテルになると聞いて「ほ〜」と思っていたのですが、その刑務所で繰り広げられていた一面を知りたいと思って読んだ本です。

帯に書かれている言葉は真実だなぁと思います。
「水が器に従うように、人の心も建物に左右される。」

「東の川越・西の奈良」といわれるほど、奈良少年刑務所の受刑者教育は高く評価されていたそうですが、その中の「社会性涵養プログラム」に関心をもちました。

 
 
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