和の原理を未来へとつなぐ マクロビオティックという箱舟

2002年頃からオレンジページでマクロビオティックが特集を組まれて、次々と本が出版されました。
婦人誌や健康雑誌にもマクロビオティックの文字が踊って、ちょっとしたブームになりました。
でも、それとともにマクロビオティックの誤解も起こり始めたのです。
これは当初から予想されていたことで、急に拡がる時には必ずそういう負の面も発生することを、陰陽を知っている人たちは危惧したものです。

それから少し静かになって、もう下火になったのかなぁと思っていたら、先日私の第二の師匠がveggyという雑誌に原稿を書いているとのことで、早速veggy(vol.57)を読んでみました。
表紙には「人生がなごむ  マクロビオティック」となっています。

 
 

veggy(vol.57)

 
 

veggy(vol.57)目次(一部)

 
 

こんなにもページ数があるのですが、この本の編集者・発行人が某協会の名誉理事長さんなので、その関係でマクロビオティックを取り上げているのだなと判りました。
この某協会は資格と結びつけて手広く全国展開している団体で、むそう塾とは対極にありますね。
いつも思うのですが、本というのは一方通行なので、読者がどのように解釈するかは別問題です。
どうかレシピだけでなく、哲学部分が正しく伝わりますように。

*   *   *

【和の原理を未来へとつなぐ マクロビオティックという箱舟】
文/高桑智雄(桜沢如一資料室・室長)

 
 

“人間中心主義”と“自然中心主義”の説明がとても解りやすく書かれていて、ヨーロッパと日本の食べ物の違いから来る“肉食の思想”と“和食の思想”が、深い意味において納得出来るものでした。
高桑氏の書かれた記事は4ページに亘る内容なのですが、どのページも含蓄のある文章で綴られています。
2か所だけご紹介しましょう。

ー引用開始ー

また、桜沢の戦後の世界戦略は、もう一つの大切な理由がありました。それは、敗戦でアメリカに占領統治される日本の食文化の一層の欧米化を食い止めることはできないとして、“和食の思想”が詰まったマクロビオティックという箱舟を海外に持ち出すことによって、陰陽が引き合い逆輸入という形で再び日本人が自国の精神を取り戻せるチャンスを作ることでもあったのです。(44P)

桜沢如一がマクロビオティックに込めた精神とは、物事を善か悪か、正解か不正解か、勝か負か、肯定か否定かという分断的二分法で対立するのではなく、全てを陰と陽にとらえて、その調和を見出すことにあったのです。そしてその精神を世界の誰しもが日々営む食生活の中で実現するならば、世界は必ず平和になるであろうと確信していたのです。(45P)

ー終わりー

 
 
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