こころ・想い」カテゴリーアーカイブ

一大事だからこそお料理を作る塾生さんたち

急に命にかかわるような事故や、肉親の急な死、あるいは親しい人の死など、人生を揺るがすような出来事があると、動揺してオロオロしてしまうでしょう。
最近、そのような体験をされた塾生さんたちからいただいたメールに心を打たれました。

【Aさん】
普通に日常生活を送ろう!と。
昨日はうどん出汁できつねうどんを、本日は玄米ご飯も美味しく炊けました。
お料理に助けられています。
むそう塾で教えて頂けたことに感謝。
長くかかりそうですが乗り切ります。

【Bさん】
母の訃報を聞いた直後も私は家を空けるため、家族に食事の用意をしていました。
そして、このGW中、いつにも増して、ずっと料理していました。
料理をすることで気が紛れました。
不謹慎かもしれませんが、私は自分が死ぬ直前まで料理をしていたいと思いました。
そう出来たのも、そう思えたのも、むそう塾のおかげです。
ありがとうございます。

【Cさん】
我ながら、頑張って動けたのは、玄米ご飯を食べていたからと実感しながら、今夜帰宅しました。
玄米ご飯食べたーいと、主人と話してました。
愛クラスを受講してから、玄米ご飯が我が家の食事の中心なのだと、実感。
連休はじめに参鶏湯風スープを作り置きしていて、よかったです。
玄米餅をいれて、美味しく飲み干しました。

*   *   *

精神的に極限状態に置かれると、そのときは食事が喉を通らないでしょうが、命がある限り、ずっとそのままでいられるわけではありませんね。
そんな場面を想いながら、中川さんがBさんに宛てたお返事は男らしい内容でした。

結婚式でも葬式でも誕生日でもすべて食事があるでしょう? 作り続けることは「生命」を確認する作業なのです。 ご苦労さま

急にお母様を亡くしたBさんは、お弁当投稿をしばらくお休みしますと、私にメールをくれました。
ショックも大きいだろうから、それもやむを得ないなと私は思いました。
でも、Bさんは翌朝には頑張ってお弁当投稿をされました。
その内容はこちらの記事から。

この記事のコメントでBさんは次のように書いておられます。
一晩寝て起きて台所に立ちながら、やっぱり今まで通りの日常を過ごしていこうと思いました。
お弁当を作って、中川さんにみて頂き、他の方の投稿に刺激を受ける日々。
それを積み重ねていこうと思いました。

この文章を読んで私は胸がいっぱいになりました。
皆さんがつらい気持ちを抱えながらも台所に立って、お料理を頑張っています。
そして気持ちをそれ以上落ち込ませることなく、日常に戻せるように頑張っておられます。

このような気持ちになれるのは、お料理を作る行為には癒やし効果があるからですね。
ドーンと落ち込んでしまうのではなく、お料理を作ることによってショックを最小限に出来ていることに感動します。

むそう塾でお伝えしているお料理が、このような場面でお役に立てていることに、私の方が感動をいただきました。
お料理を作ってくださっている多くの塾生さんには、こちらからありがとうという気持ちでいっぱいです。

なお、私の母は95歳で亡くなるまで、ずっとお料理を作り続けていました。
晩年は漬物の重石が持てないと言って、工夫をしながら漬物を漬けたり、保存食づくりも続けていました。
ボケることもなく。
そんな母のように私も生きたいと思うのでした。

 
 
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日常の中にある陰陽を意識して、マクロビオティックで自由に生きましょう

きのうは桜沢如一先生のお墓参りのあと、瓢亭さんでお昼をいただくことになっていたのですが、少し時間があったので、南禅寺に足を伸ばして散策してきました。
私の京都のマンションからも近いのですが、いつも仕事優先でお散歩に来るのは年に何回もありません。
桜の時も紅葉の時も来ていません。
なぜなら、マンションから南禅寺の木々の変化が見えるので、それで満足していたからです。

きのう1時間弱歩いただけで、すっかり新緑の心地よさに魅了されて、清々しい気持ちになりました。
木々の発するエネルギーはそれはそれは凄いもので、しっかり充電してきました。
それもそのはず、人間より寿命の長い木々がいっぱい並んでいるのですから、そういうところから受ける氣は凄いのです。

*   *   *

ところで、子どもは外に出るとご機嫌ですよね。
家の中で泣いていても、外に連れ出すと途端に泣き止むのはよくあることです。
これは家の中では天井があるので、陽性な子どもにとっては環境が陽性になるため、その場の氣がいやなんですね。

でも、外に出たら天井も壁もなくなって、空が広がっています。
つまり、環境がグッと陰性になるわけです。
そこで子どもの陰陽バランスが一気に変わって、子ども自身も楽になるからご機嫌が良くなるのです。

こんな経験は大人でもありませんか?
仕事や子育て、あるいは介護でずっと室内にいると、気持ちがぎゅうっと煮詰まってきますが、一歩外に出たら気持ちがスーッとしますよね。
こうして私たちは知らず知らずのうちに、心身のバランスを取って生きてきたのです。

それをマクロビオティックでは「陰と陽」という言葉を使って、説明しているわけです。
マクロビオティックの陰陽は決して難しいものではなく、私たちが普通に無意識でとっている行動そのものです。
それを陰と陽の視点で見直すことで、人生がより楽しく、自由で生きやすくなる考え方です。

家でクサクサしていても、デパートに行って広いところを歩き回ったり、お買い物をすると気が済むのも陰陽バランスです。
あるいは友達とお食事したり、お茶を飲んでいっぱいおしゃべりして、気持ちがスッとするのも陰陽バランスです。

私たちは陰陽の環境に生きているので、それに添わせた暮らし方をするととても楽ですし、流れがスムーズになります。
むそう塾ではそんな陰陽の意識の仕方や合わせ方をお教えしています。
5月からは新入生が来られるのですが、どんなふうに変化されるのか今から楽しみです。

 
 

(京都 南禅寺にて)

 
 

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恋愛にはマクロビオティックの陰陽を取り入れましょう

先日の授業中、人間関係で「重い」という話になった。
昔ならそういう言い方はなかったけれど、若い人たちは独特の表現のしかたをするので面白い。

つき合っている男女が、相手から「重いんだよ〜」と言われてしまうのは、相手の気持ちに介入しすぎるからであって、マクロビオティックの陰陽で考えるなら、関係の陽性を求めすぎるってこと。

だから、そこそこ距離をとって陰性にできれば「重い」なんて言われなくてすむ。
でも、鈍感だと相手の心の機微を読み取れずに、ついつい深く入り込んでしまうんだろうね。

恋愛もマクロビオティックを知っていたら、面白い展開になって楽しいはずなので、私はもう一度青春時代に戻って陰陽で恋愛をしてみたいなぁと思う。
あれ?図々しいかな?(笑)

陰陽で考えると面白いように恋愛指南ができるから、困った時にはいつでも相談してね(^_-)-☆

*   *   *

ところで、そもそも今の時代は、人間関係が陰性になっているよね。
あまり干渉されたくなくて、自由にしたくて。
でも、陰性って良いことばかりでなく、寂しいこともあるんだけど・・・。

適度な距離がありながら、個を大事にする生き方。
そんな生き方を受け入れられる人と人生を歩めたらいいよね。

陰陽を知ると、人間関係をスムーズにするヒントを得られるから生きやすくなるの。
人間関係のことで無駄な時間と神経をすり減らさなくて済むから、精神的にも穏やかでいられるからありがたい。

マクロビオティックのそんなところを多くの人と共有できたら嬉しいな。

 
 

(キーマカレー 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 
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マクロビオティックの真髄を理解してくれた塾生さん

むそう塾生の京子さんは、「上級幸せコース」を昨日修了しました。
その前の4月7日に「無双原理&盛付コース」も修了されました。
平日受講の時には、お子さんと一緒に京都まで来て、保育施設にお子さんを預けてから教室に来て、授業が終わるとまたお子さんを迎えに行って、広島まで帰ります。
小柄な体にお子さんと荷物は大変な重労働なのですが、一度も休まず笑顔で授業を受けてくれました。

昨夜、ご感想をメールで送ってくださり、とても貴重な内容が含まれていたので、一部を抜粋させていただきます。

何か問題がある時こそ、自分の本質が試されていると感じます。

この1行です。
ここにマクロビオティックの真髄が含まれています。
日常生活ではそんなに緊張はしないでしょうが、その日常生活をどんな過ごし方をしているかは、マクロビオティック的にいうと、とても大きな差になります。

京子さんは、「無双原理&盛付コース」でも熱心に陰陽のことを考えていましたし、お料理のときにも「う〜んう〜ん」と言いながら陰陽で考える癖がついていました。
時には頭の中がグルグルする時もあったのですが、でも、それがあったからこそ、いざという時に的確な判断ができました。

つまり、切り替えがうまく出来るようになったのです。
これは、実は素晴らしいことなのです。

たとえば、教室の授業日と家族の予定が重なってしまった時、あなたならどうしますか?
これはとても多い事例なのですが、その時の対処の仕方でその人のすべてが出ます。
実にカッコよく、唸るような結果を導き出す塾生さんもいますし、自己中心的なことばかり要求する塾生さんもいます。

そういう時には、日々の暮らし方そのものが如実に表れてくる場面であり、マクロビオティックで一番大事にする「判断力」の問題でもあります。
マクロビオティックは、食べ物のことだけをゴチャゴチャ言っているのではありません。
何かあったときでも動じることなく、的確な決断が下せるように判断力を高めるための考え方です。

ですから、京子さんが「何か問題がある時こそ、自分の本質が試されていると感じます。」と実感してくださったことは、物凄くレベルの高い内容なのです。

*   *   *

昨日も京子さんは稲荷寿司を作って、中川さんに出来上がりを見てもらっていました。
朝早くから稲荷寿司を作って、子どもを連れて京都まで来るのは並大抵なことではありません。

 
 

中川さんが包丁で稲荷寿司を切って、寿司飯の美味しさにすぐ合格を出し、私の口にも入れてくれました。
見事な美味しさでした。
思わずもう1個いただいてしまいました。

 
 

一番難しいところがちゃんとクリアできています。
あとは、折り箱への詰め方と、お揚げのちょっとした時間配分の問題だけでした。
もう彼女は間違いなく「稲荷寿司名人」になってくれることでしょう。
彼女にはお寿司の才能があります。
難しい玄米の寿司飯をあそこまで美味しく作り上げられたのは、彼女の素直で純粋な精神の賜物だと思っています。

そして、彼女は「上級幸せコース」の修了証書を手にされました。
この眩しい笑顔とはちきれる心身の元気さが、彼女の魅力です。
でもね、彼女はよく落ち込む人だったのです。
そして体調もすぐれないことが多い人だったのです。
けれど、最後に彼女は大事なことに気づきました。

お洋服の色合いもとても良くお似合いです。

 
 

京子ちゃん、ダブル受講お疲れ様でした。
来期もダブル受講ですね。
さらに素敵な京子ちゃんになることを保証します。

 
 
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マクロビオティックの陰陽を知ると、自然界に近い暮らし方が心地よくなります

先日(4月7日)、最後の「無双原理&盛付コース」の授業で、環境の陰陽の話題から睡眠時の話になりました。
Hさんが夜は暖房をつけて寝ているというので、ビックリした私が就寝時には暖房を消しましょう、それで寒かったらお布団の上に何かかけましょうと言いました。
どうやら、1年中掛ふとんの厚さは気にしていない暮らしぶりだったからです。

その結果、Hさんは早速実行してくれて、それまで私によく訴えていた体の不調の多くが改善されました。
そして、大喜びでメールをくれました。

 
 

<Hさんからのメール>

美風さん、こんばんは。
毎日お世話になっております。

布団を一枚増やしたら、足のむくみがみるみる良くなって
驚いてます。。!!

すごいです!!

足のむくみは前ほど気にならなくなり、今まで職場でも、
夕方になると足がむくんで足指運動してたのですが、
その必要がなくなりました。

職場では、ゆるくて足を締め付けないタイプのサンダルを
履いています。が、夕方になってもゆるゆるのまま、スッキリです。

小さな積み重ねがなんと大きなことだと思いました。

帰宅すると息子が暖房をつけて寝ていたので、
教わった通りに、「寝るときは暖房を消してね」と言って
消しました。

ありがとうございます。

小さな癖を見つけ出して一つづつ改善します。

Hより

*   *   *

寝る時の環境を変えただけですが、逆にいうと、それほど環境は私たちに影響が大きいということです。
冷えが及ぼす体調不良は、現代人の悩みのタネだと思います。
日常の暮らし方が自然から離れすぎてしまっていることが原因の場合も多く、Hさんの場合もそのケースでした。

人は自然界の一部なので、出来る限り自然界と同期している方が体への負担は少ないのですが、室内においては湿気だけは調整した方が良いです。
ですから、これから梅雨時や夏の空調を考える時には、湿気を最優先にしましょう。

もちろん、寝具は季節に応じて取り替えます。
先日「七十二候は暮らしの羅針盤」という記事を書きましたが、こういう視点で暮らしを考えていると、昔の伝統建具が一つひとつ納得できます。
例えば「夏障子」や「簾戸(すど)」というのがありますが、これは夏の暑い日差しを遮って風だけ通すものです。

しかし、今はマンションに代表されるように、気密性の高い住環境であるうえ、季節に応じて建具を収納するスペースもありません。
そこでエアコンが登場するわけですが、本来の目的は何だったのかを忘れることなく、なるべく自然界からかけ離れた方向に行かないように気をつけましょう。

それは食べ物も、服装も、暮らし方もすべて陰陽で考えて暮らしていると、自然にそれが出来るようになります。
マクロビオティックの陰陽はそんなことを教えてくれます。
そして、そんなことが健康や幸せにつながっていることを確認できるのが、マクロビオティックの良いところだなあと思うのです。

 
 

(京都 瓢亭)

 
 
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