中川善博の胡麻塩論(プロが研究した胡麻塩)

胡麻塩に関して書きたい記事があります。
その前に中川さんにお願いして、中川さんの胡麻塩がどのようにして「あの作り方」になったのか、その経緯を文章にしていただきました。
一口に胡麻塩といいますが、流通しているものも含めて、本当に体に良い胡麻塩とは何なのかを考えるきっかけにしていただけたら幸いです。

<私の胡麻塩論> 文:中川善博

私はむそう塾を始める前に、「善右衛門的。カフェ」というランチのみのカフェを営業していた。
現在の「なかがわ」の前身である。
毎日たくさんの方が私の「ひるめし」を楽しみに来てくださっていた。
客層が実におもしろく、俗にいう古典マクロ系の陽性マクロビオティックスクールで学ぶ方、その頃からどんどん増えてきた陰性マクロビオティックスクールに通う方、「マクロビオティックってな〜に?」という純粋に私の料理を楽しんでくださる方、と様々な方達が同時に店内で私の料理を楽しんでくださっていたのだ。

昔からある正食協会系(陽性)の味付けは知っていたし、陰性マクロビオティックのメッカであるKIJで反対のものも学んでいたから私は万全であった。
マクロビオティックを知っているどちら系の方にも、昔から私の料理が好きで通って来てくださる方にも、誰にも不満の出ない料理を出せていたのだが、唯一、試行錯誤が必要だったのは「胡麻塩」であった。

陰陽どちらのマクロビオティックを実践するかたにも美味しく食べていただける(塩と胡麻の)黄金比率は無いだろうかといろいろ試作したのだが、もうひとつピンと来なかった。
こんなものなのかもしれないな、と諦めて妥協点を見つけるのは簡単であった。
でもそれでは「どちらの人にも喜んでいただける」ということにはならない。
私が大嫌いな「どっちつかず」になり、どちらの方にも食べてもらえなくなるのは必至であった。

塩を焼いて胡麻を炒ってすり合わせる。
ただそれたけのことなのに、シンプルであるがゆえに難しい。
そこで出てきたのは「本当に昔から教えられてきた方法が正しいのか?」という根本から疑う職人魂だった。

なぜ鉄鍋? なぜその割合? 土鍋にしたら? 焙烙にしたら? 胡麻の摺り方は?
すり鉢からスピードカッターまであらゆる粉体化装置を使って作ってみた。
その結果解ったのが、急激に強い陽性を加えて作った胡麻塩は急速に酸化劣化するという事実であった。
そこで私は塩も陰性に焼くことにし、胡麻もじっくり遠赤外線を与えながらじっくり煎る方法を選択した。
粉体にする道具器具もなるべく陰性なものを使い、人間の手では不可能な速さや強さを胡麻と塩に与えないように注意した。

塩、胡麻、それぞれをどこまで細かく粉体化するかにもこだわった。
やはり常備するものであるからにはある程度の保存性がなければいけないからだ。
調べてみると酸化した美味しくない胡麻塩を平気で食べている人がけっこう多いことに驚いた。
胡麻塩は酸化するのだ。
味も風味も急速に落ちる。
解らずに習ったとおりだからと食べている人がなんと多いことであろう。

私の胡麻塩の作り方は「腸から陽性になる講座」で秘密を公開した。
習った方は例外なくその作り方と出来上がったものの美味しさに驚かれる。
ここにそれを開示するわけには行かないが、ヒントを一つ。
一番急激な酸化といえば「燃焼」である。

火事を消火したいとき、人は消火器を使う。
その中身の消火剤には液体・泡・粉体と大きく分けて3つがある。
そのなかの粉体にヒントはある。
燃え盛る炎に対して大量の細かい粉体を吹きかけ、酸素の供給を止めて燃焼できないようにする。
これが酸化を止める→美味しさを長くキープすることのヒントである。

胡麻も塩も超微粒子にすることによって人間の舌にある「味蕾」にセンシティブに働きかけ、少ない塩分でも充分な塩気を感じ、少ない胡麻でも豊かな胡麻のコクを感じられるようにしつらえたのである。
これが私の胡麻塩論である。

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<必読>幸せコースの課題提出について

幸せコースの課題提出メールが届くようになりました。
他のかたは今、せっせと読まれているところでしょうか?
まさか、まだ本を取り寄せていない人はいませんよね?
小学生の夏休みの宿題状態にならないよう、早めに終わらせてくださいね。

マクロビオティックは頭だけで考えるのではなく、日頃の生活をとおしてすべての事象を陰陽で考えてみることがスタートになります。
これが出来てこそ初めて餓鬼道のマクロビオティックから哲学のマクロビオティックへと進んで行けるのです。
かと言って机上の空論になってもいけません。
あくまでも実践をとおして陰陽を考えることが必要不可欠です。

私たちの周りにはマクロビオティックの勉強に適したたくさんの教材が転がっています。
その解りやすい代表例がお料理です。
お料理をとおして見えてくる陰陽の世界は、人間関係や仕事や生き方にも当てはまります。
活かさなければ厄介な考え方。
でも、活かせば限りなく魅力的で幸せを生み出せる考え方です。

幸せへのスタートとして、マクロビオティックの陰陽を正しく認識することから始めてみましょう。
それが幸せコースの宿題でした。
締め切りは6月の各授業日の1週間前まで。
頑張って課題提出をしてください。
力がつきます。

 

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麺は添え物 汁が主役

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先日いただいた中川さんの冷麦ですが、あの記事に書きたいことが実はあったのです。
でも、中川さんに確認してから書こうと思いました。

当日はいつものとおりに福ZENをいただいて、お腹がいっぱい状態でした。
でも、今回の愛クラスは私がTwitterで中川さんの特別メニューを期待しているなんて書いたものですから、中川さんは律儀にその要望に応えてくださいました。
出てくるまで特別メニューの内容は私も知りませんでした。
福ZENをいただいている時に、中川さんが何やら作っていたのですが、まさかあんなに量の多い一品が登場するとは思いませんでした。

量を見て「えー! お腹いっぱいなのに〜」と思いました。
ちゃんと一人前があるのです。
でも、お汁を一口飲むと、!!!!!
「な、なに、この美味しさは!」という感じでした。
それからは一気に食べ進んでしまいました(汗)
中川さんがよく、「お腹いっぱいでも入るのが本当の美味しさ」と話していますが、まさにその光景が繰り広げられていたわけです。

そこで本題なのですが、私はこの冷麦をいただいている時、すっかり冷麦のことは忘れていました。
お汁の美味しさに魅了され、麺は機械的にすすり、温泉玉子の仕上がり具合(特に黄身の弾力)に感心して、麺が冷麦か素麺であるか、そしてそのお味はどうかなんてすっかり忘れていたのです。
まるで主役はお汁のように思ったのです。
でも、「冷麦」なんだから主役は冷麦だよね〜、主役を凌ぐような配分はしないはずだよね〜、なんて思っていたので、そのことが先の記事では書けなかったのです。

でも、昨日中川さんにそのことを話したら、「それでいいんです。主役は汁なんです。」とおっしゃるではありませんか!
「え? でも、それじゃ麺業者さんに悪いじゃないですか」と私。
でも、そんなものなのだとか。
つまり、麺は自分で作ったわけではなく、買ってきたものだから。
そういえば、ラーメン屋さんでは麺を残してでもスープを飲んでくれた方が嬉しいというのも同じことですね。
(手打ち麺を使っているお店もありますが。)

汁が主役で麺は添え物。
あの満月で程よい弾力の温泉玉子も添え物。
それは私に新しい見方を教えてくれたサプライズメニューでした。
それにしても美味しかったあのお汁。
あの温泉玉子。

 

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<必読>幸せコース・上級幸せコース受講中の皆様へ

<調味料持参のご連絡>

ご自宅で使われているお味噌やお醤油を中川さんにチェックしてもらいたい人は、少量をお味見用としてご持参ください。
念のためメーカーを確認したり、ラベルを写真に撮っておくことも参考になりますのでお勧めです。

これはむそう塾で使用しているお味噌やお醤油と、ご自宅で使われているお味噌やお醤油の塩分濃度の違いを知って、味付けがより美味しく仕上がることを目的とするものです。
また、より体質に合った調味料の選定をして、健康のために役立てていただきたいと思います。

 
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<必読>中川式糠床宅配のお届け日変更のお知らせ

こちらの記事でご案内しておりました「中川式糠床の宅配」は、お届け日を下記のとおり変更させていただきます。

【中川式糠床の宅配】
6月10日(月) → 6月3日(月)発送

【中川式糠漬け講座】(開催日・発送日ともに変更なし)
・5月25日開催 → 5月27日(月)発送
・6月 1日開催 → 6月 3日(月)発送
・6月 2日開催 → 6月 3日(月)発送
・6月22日開催 → 6月24日(月)発送

これは予想より気温の高い日が続いて糠床の発酵がちょうど良い仕上がりになったため、早めにお渡しして糠漬けを楽しんでいただいた方が良いと判断したからです。
糠床の宅配はヤマト運輸の最終便に託しますので、できるだけ午前中に受け取っていただきたいと思います。
それは常温輸送のため、日中の気温が上がる時間帯の前に受け取っていただく方が理想的だからです。
止むを得ず午前中以外の配達時間をご希望のかたは、コメント欄にご記入ください。
ご希望がない場合は、すべて「4日の午前中」で配達指定にさせていただきます。

中川さんが越年に越年を重ねた糠床は、常温で最高の状態でお届けしたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いします。

 
 

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(消毒されて出番を待つストッカーたち)
これは本日発送の分です。
5月25日開催の糠漬け講座受講の方たちへは、今夜発送しますからお楽しみにお待ちください♪

 
 

 


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